第94回選抜高等学校野球大会

2022年3月19日から3月31日までの11日間(休養日を除く)にわたって阪神甲子園球場で開催された野球大会

第94回選抜高等学校野球大会(だい94かいせんばつこうとうがっこうやきゅうたいかい)は、2022年3月19日から3月31日まで阪神甲子園球場で行われた選抜高等学校野球大会である。

第94回選抜高等学校野球大会
試合日程2022年3月19日 - 3月31日
出場校32(一般枠・神宮枠:29、21世紀:3)校
優勝校大阪桐蔭大阪、4年ぶり4回目)
試合数31[注釈 1]試合
選手宣誓福島貫太(倉敷工
始球式末松信介文部科学大臣
開会式司会入場行進:下崎日菜乃(埼玉・浦和第一女子
式典:工藤倖暖(青森・青森明の星
入場行進曲群青
国歌独唱板戸耀央(神奈川・桐光学園
閉会式司会辻本明日美(大阪・相愛[注釈 2]
総入場者数210,100人
大会本塁打18本
タイブレーク延長13回以降
 < 20212023 > 
選抜高等学校野球大会
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概要

今大会から継続試合が導入され、降雨などで試合続行が出来ず中断となった場合は、翌日以降に中断された場面から再開となる[1][注釈 3]。これによりノーゲームやコールドゲームなどはなくなる。甲子園球場の入場者は、兵庫県内のまん延防止等重点措置適用期間は1日の入場者を2万人に制限(全席指定席)し、アルプス席は出場校関係者のみ。適用解除後は入場者数の上限が撤廃される。また、ブラスバンド応援が50人以内で可能になった[注釈 4]

選手の打撃用ヘルメットにはフェイスガードの使用が認められ、野球伝来150年記念事業の一環として記念ロゴマークが描かれたステッカーが貼られた。

日程

  • 2021年
    • 9月15日 - 9月8日に大会運営委員会をオンラインで開き、開催日程などを決定したことを発表[2]
    • 11月25日 - 第52回明治神宮野球大会高校の部・決勝戦が行われ、大阪桐蔭が初優勝。近畿地区の一般選考における出場枠増枠が決定。
  • 2022年
    • 1月14日 - 組み合わせ抽選が3月11日から1週間前倒しされ3月4日に変更される[3]。また、入場行進曲が『群青』に決定した[4]
    • 1月28日 - 出場校選考委員会がオンラインで行われ出場32校が選出された[5]。なお、出場校の選考[注釈 5]をめぐり主催の日本高等学校野球連盟毎日新聞社に多くの意見が寄せられたことから、2月4日付の毎日新聞朝刊では「センバツ出場校について 毎日新聞からのご説明」が掲載された[6]
    • 3月4日 - 組み合わせ抽選。前年同様抽選は同一都府県が2校の場合は決勝まで対戦しないよう考慮し[注釈 6]、その他の学校はフリー抽選を行った。開会式での選手宣誓は開幕日に出場する6校の主将による抽選[注釈 7]によって選ばれた。
    • 3月7日 - 前年度優勝校の東海大相模(今大会では補欠校)の優勝旗・優勝杯返還式を同校で実施[7]
    • 3月11日 - 前年度準優勝校の明豊の準優勝旗返還式を同校で実施[8]
    • 3月17日 - 出場予定だった京都国際の野球部内で新型コロナウイルス集団感染が発生したため、大会本部に出場辞退を申し入れた[9]。これにより、近畿地区の補欠1位校の近江が繰り上がりで出場することとなり、大会2日目に京都国際に代わり長崎日大と対戦する[10]。京都国際の大会出場回数はカウントされない。この他に大会前のPCR検査で3校の計6人が陽性だったが、個別感染のため各校とも出場可能とした。
    • 3月18日 - 開会式および初日の3試合が雨天順延となる。開会式も含めて雨天順延となったのは、第64回大会(1992年)以来30年ぶりで通算7回目[11]
    • 3月19日 - 開幕。
    • 3月22日 - 雨の影響により9時開始予定の第1試合を3時間30分遅れの12時30分開始とした。第3試合の只見対大垣日大戦は18時26分試合開始、20時19分試合終了となり開始・終了時刻とも大会史上最も遅い記録となった。
    • 3月25日 - 広島商の野球部内で新型コロナウイルス集団感染が発生したため、大会本部に出場辞退を申し入れ、受理された[12]。大会開幕後に出場校が辞退するのは初となる。これにより、2回戦で対戦予定だった大阪桐蔭は不戦勝で準々決勝へ進む。
    • 3月26日 - 雨天中止。順延が2日間になったため、準決勝翌日に予定されていた休養日がなくなった[13]
    • 3月29日 - 休養日。
    • 3月31日 - 決勝戦が行われ大阪桐蔭が近江を18-1で下し、4年ぶり4回目の優勝。大阪桐蔭は2回戦が不戦勝となったため実質4試合で選抜大会優勝となったが、これは第51回大会(1979年)箕島以来43年ぶりとなる。また近江も選抜大会では滋賀県勢で初めて決勝戦に進出し、代替校としても過去最高の準優勝だった。

選出校

地区選出校出場回数
北海道クラーク国際北海道初出場
東北花巻東岩手4年ぶり4回目
聖光学院福島4年ぶり6回目
関東明秀日立茨城4年ぶり2回目
浦和学院埼玉7年ぶり11回目
木更津総合千葉6年ぶり4回目
山梨学院山梨2年ぶり5回目
東京国学院久我山東京11年ぶり4回目
二松学舎大付東京7年ぶり6回目
東海日大三島静岡38年ぶり2回目
大垣日大岐阜11年ぶり4回目
北信越星稜石川2年ぶり15回目
敦賀気比福井2年連続9回目
近畿近江[注釈 8]滋賀4年ぶり6回目
大阪桐蔭大阪3年連続13回目
金光大阪大阪13年ぶり3回目
東洋大姫路兵庫14年ぶり8回目
天理奈良3年連続26回目
和歌山東和歌山初出場
市和歌山和歌山2年連続8回目
地区選出校出場回数
中国倉敷工岡山13年ぶり11回目
広陵広島3年ぶり25回目
広島商広島20年ぶり22回目
四国鳴門徳島9年ぶり9回目
高知高知4年ぶり19回目
九州九州国際大付福岡11年ぶり3回目
有田工佐賀初出場
長崎日大長崎23年ぶり3回目
大島鹿児島8年ぶり2回目
21世紀枠
地区選出校出場回数
東北只見福島初出場
北信越丹生福井初出場
九州大分舞鶴大分初出場

組み合わせ・試合結果

1回戦 - 準決勝

 
1回戦2回戦準々決勝準決勝
 
              
 
3月19日(1)
 
 
浦和学院4
 
3月24日(2)
 
大分舞鶴0
 
浦和学院7
 
3月19日(2):延長11回
 
和歌山東0
 
和歌山東8
 
3月28日(1)
 
倉敷工2
 
浦和学院6
 
3月19日(3):延長10回
 
九州国際大付3
 
クラーク国際2
 
3月24日(3)
 
九州国際大付3x
 
九州国際大付4
 
3月20日(1)
 
広陵1
 
広陵[注釈 9]9
 
3月30日(1):延長11回
 
敦賀気比0
 
浦和学院2
 
3月20日(2):延長13回 TB
 
近江5x
 
長崎日大2
 
3月25日(1)
 
近江6
 
近江7
 
3月20日(3)
 
聖光学院2
 
二松学舎大付3
 
3月28日(2)
 
聖光学院9
 
近江6
 
3月21日(1):延長13回 TB
 
金光大阪1
 
山梨学院1
 
3月25日(2):延長13回 TB
 
木更津総合2x
 
木更津総合3
 
3月21日(2)
 
金光大阪4x
 
日大三島0
 
 
金光大阪4
 
 
1回戦2回戦準々決勝準決勝
 
              
 
3月21日(3)
 
 
高知4
 
3月25日(3)
 
東洋大姫路2
 
高知3
 
3月22日(1)
 
国学院久我山6
 
国学院久我山4
 
3月28日(3)
 
有田工2
 
国学院久我山4
 
3月22日(2):延長11回
 
星稜2
 
星稜5
 
3月27日(1)
 
天理4
 
星稜6
 
3月22日(3)
 
大垣日大2
 
只見1
 
3月30日(2)
 
大垣日大[注釈 10]6
 
国学院久我山4
 
3月23日(1)
 
大阪桐蔭13
 
花巻東4
 
3月27日(2)
 
市和歌山5
 
市和歌山2x
 
3月23日(2)
 
明秀日立1
 
大島0
 
3月28日(4)
 
明秀日立8
 
市和歌山0
 
3月23日(3)
 
大阪桐蔭17
 
丹生7
 
 
 
広島商[注釈 9]22
 
広島商
 
3月24日(1)
 
大阪桐蔭(不戦勝)
 
鳴門1
 
 
大阪桐蔭3
 

決勝

3月31日(試合開始:12時30分)
 123456789RHE
大阪桐蔭11301444018161
近江000010000144
  1. (大):前田、川原 - 松尾
  2. (近):山田、星野、平井 - 大橋
  3. 本塁打
    (大):松尾、田井、海老根、谷口
  4. 審判
    [球審]美野
    [塁審]鈴木・前坂・永井
  5. 試合時間:2時間10分
大阪桐蔭
打順守備選手
1[三]伊藤櫂人(3年)
2[右]谷口勇人(3年)
3[捕]松尾汐恩(3年)
4[一]丸山一喜(3年)
5[中]海老根優大(3年)
6[左]田井志門(3年)
7[二]星子天真(3年)
8[遊]鈴木塁(3年)
9[投]前田悠伍(2年)
工藤翔斗(3年)
川原嗣貴(3年)
近江
打順守備選手
1[二]遊津田基(3年)
2[遊]横田悟(2年)
打三福西結世(3年)
3[三]二中瀬樹(3年)
4[一]岡﨑幸聖(3年)
石浦暖大(3年)
5[捕]大橋大翔(3年)
6[左]川元ひなた(3年)
7[右]清谷大輔(2年)
8[中]西川朔太郎(3年)
藤原秀太(3年)
9[投]山田陽翔(3年)
星野世那(3年)
平井創大(2年)

大会本塁打

1回戦
  • 第1号:高山維月(浦和学院)
2回戦
  • 第2号:金田優太(浦和学院)
  • 第3号:若狭遼之助(星稜)
準々決勝
  • 第4号:伊丹一博(浦和学院)
  • 第5号:鍋倉和弘(浦和学院)
  • 第6号:下川邊隼人(国学院久我山)
  • 第7号:谷口勇人(大阪桐蔭)
  • 第8号:星子天真(大阪桐蔭)
  • 第9号:伊藤櫂人(大阪桐蔭)
  • 第10号:工藤翔斗(大阪桐蔭)
  • 第11号:伊藤櫂人(大阪桐蔭)
  • 第12号:海老根優大(大阪桐蔭)
準決勝
  • 第13号:大橋大翔(近江)
  • 第14号:松尾汐恩(大阪桐蔭)
決勝
  • 第15号:松尾汐恩(大阪桐蔭)
  • 第16号:田井志門(大阪桐蔭)
  • 第17号:海老根優大(大阪桐蔭)
  • 第18号:谷口勇人(大阪桐蔭)


記録

いずれも今大会終了時点における記録

個人

記録選手名対戦校補足
1試合最多本塁打2伊藤櫂人(大阪桐蔭)準々決勝・市和歌山大会タイ記録(26人目)※1イニング2本塁打は大会初
最多連続打数安打8丸山一喜(大阪桐蔭)-大会タイ記録(6人目)

チーム

記録校名対戦校補足
1試合最多本塁打6大阪桐蔭準々決勝・市和歌山大会タイ記録(2度目)
1試合最多塁打43大阪桐蔭準々決勝・市和歌山大会新記録
1イニング最多本塁打3大阪桐蔭準々決勝・市和歌山(6回表)大会タイ記録(2度目)
大会最多本塁打11大阪桐蔭-大会新記録

その他の主な出場選手

脚注

注釈

出典

関連項目

外部リンク