2015年の世界ラリー選手権

2015年の世界ラリー選手権
ドライバー選手権優勝
フランスの旗セバスチャン・オジェ
マニュファクチャラー選手権優勝
ドイツの旗フォルクスワーゲン
前年:2014翌年:2016

2015年の世界ラリー選手権2015 World Rally Championship season)は、FIA世界ラリー選手権の第43回大会である。シリーズは4大陸全13戦で争われ、WRC-2、WRC-3、ジュニアWRCがサポートシリーズとして開催される。

ディフェンディングチャンピオンのフォルクスワーゲン・モータースポーツが投入したフォルクスワーゲン・ポロR WRC

ドライバーズタイトルのディフェンディングチャンピオンはセバスチャン・オジェ[1]、所属するフォルクスワーゲン・モータースポーツはマニファクチャラーズタイトルのディフェンディングチャンピオン[2]。オジェとフォルクスワーゲンは世界タイトル3連覇を成し遂げた。

2015年のスケジュール

2015年のカレンダーは2014年9月に北京で開催された世界モータースポーツ評議会で発表された[3]。シリーズは2014年同様全13戦から成り、ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリアで開催される。

2015年シーズンの開催国を示す地図
ラウンド開催日ラリー開催中心地路面
11月22日-25日 第83回ラリー・オートモービル・モンテカルロ プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏ギャップ混合
22月13日-15日 第63回ラリー・スウェーデン ヴェルムランド地方ハーグフォシュ雪路
33月6日-8日 第29回ラリー・メキシコ グアナファト州レオングラベル
44月24日-26日 第35回ラリー・アルゼンティーナ コルドバ州ビラ・カルロス・パズグラベル
55月22日-24日 第49回ボーダフォン・ラリー・ド・ポルトガル ポルト県マトジーニョスグラベル
66月12日-14日 第12回ラリー・ド・イタリア・サルデーニャ アルゲーロサルデーニャグラベル
77月3日-5日 第72回ロトス・ラリー・ポーランド ヴァルミア=マズールィ県ミコワイキグラベル
87月31日-8月2日 第65回ネステオイル・ラリー・フィンランド 中央スオミ県ユヴァスキュラグラベル
98月21日-23日 第33回ADACラリー・ドイチュラント ラインラント=プファルツ州トリーアターマック
109月11日-13日 第24回コーツ・ハイヤー・ラリー・オーストラリア ニューサウスウェールズ州コフスハーバーグラベル
1110月2日-4日 第58回ツール・ド・コルス-ラリー・ド・フランス コルス=デュ=シュド県アジャクシオターマック
1210月23日-25日 第51回ラリー RACC カタルーニャ - コスタ・ドラダ タラゴナ県サロウ混合
1311月13日-15日 第71回ウェールズ・ラリーGB フリントシャー州ディーサイドグラベル
出典:[3][4]

注:

スケジュールの変更

2015年の参加チームおよびドライバー

2015年シーズンのエントリーリストは以下の通り:

マニファクチャラータイトル対象のワールドラリーカーエントリー
コンストラクターチームタイヤ車番ドライバーコ・ドライバー出場ラウンド
フォルクスワーゲン
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
フォルクスワーゲン・モータースポーツ[7]M1 セバスチャン・オジェ[8] ジュリアン・イングラシア[9]全戦
2 ヤリ=マティ・ラトバラ[8] ミーッカ・アンティッラ[9]全戦
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II[8]M9 アンドレアス・ミケルセン[8] オーラ・フロエネ[9]全戦
シトロエン
(シトロエン・DS3 WRC)
シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム[9]M3 クリス・ミーク[10] ポール・ネーグル[10]全戦
4 セバスチャン・ローブ[11][12] ダニエル・エレナ[12]1
マッズ・オストベルグ[13] ジョナス・アンダーソン[13]2-9, 11-13
ステファン・ルフェーヴル[14] ステファン・プレボー[14]10
12 マッズ・オストベルグ[9] ジョナス・アンダーソン[9]1
ハリド・アル・カシミ[15] クリス・パターソン[15]4–6, 8, 12
ステファン・ルフェーヴル[16] ステファン・プレボー[16]9, 11, 13
フォード
(フォード・フィエスタ RS WRC)
Mスポーツ・ワールドラリーチーム[9]M5 エルフィン・エバンス[17] ダニエル・バリット[17]全戦
6 オット・タナク[17] ライゴ・モルダー[17]全戦
15 ブライアン・ブフイエ[18] ザビエル・パンセリ[9]1
ティボー・デ・ラ・ヘイ[19]11
ユホ・ハンニネン[20] トミ・ツオミネン[20]8
P17 ユーリ・プロタソフ[21] パヴロ・チャーピン[21]2
アレクセイ・ルキヤナク[20] アレクセイ・アルナウトフ[20]8
ジポカー・チェコ・ナショナルチーム[9]P21 マルティン・プロコップ[22] ヤン・トマネク[22]1–9, 11–13
22 ヤロスラフ・メリチャレク[16] エリック・メリチャレク[16]9
FWRT s.r.l.[9]P37 ロレンツォ・ベルテッリ[22] ジョヴァンニ・ベルナッキーニ[22]1–5
ロレンツォ・グラナイ[23]6–13
ヒュンダイ
(ヒュンダイ・i20 WRC)
ヒュンダイ・モータースポーツ[9]M7 ティエリー・ヌービル[24] ニコラ・ジルソウル[9]1–12
ダニ・ソルド[25] マルク・マルティ[25]13
8 ダニ・ソルド[26] マルク・マルティ[9]1, 3–9, 11–12
ヘイデン・パッドン[27] ジョン・ケナード[27]2, 10, 13
ヒュンダイ・モータースポーツ N[9][23]M10 ケヴィン・アブリング[28][29] セバスチャン・マーシャル[28][23]7, 9, 11, 13
202
ヘイデン・パッドン[30] ジョン・ケナード[31]3–9, 11–12
ダニ・ソルド[32] マルク・マルティ[32]10
ティエリー・ヌービル[25] ニコラ・ジルソウル[25]13
ランキング対象外の主要エントリー
コンストラクターチームタイヤ車番ドライバーコ・ドライバー出場ラウンド
フォード
(フォード・フィエスタ RS WRC)
RK ワールドラリーチーム[9]P14 ロバート・クビサ[33] マシーク・スチェパニアク[33]1–3, 5-9, 12-13
アダプタ・モータースポーツ[34]M15 ヘニング・ソルベルグ[9] イルカ・ミノル[9]1-2, 8, 13
シントス・サーサニット・ラリーチーム[21]P18 ミハウ・ソウォヴォフ[21] マシーク・バラン[21]2
GP レーシングチーム[9]M19 ジャン=ミシェル・ラオー[9] Thomas Escartefigue[9]1
ファースト・モータースポーツ[19]M22 ステファン・サラザン[19] ジャン=ジャック・レヌッチ[19]11
コンビリフト・ラリーイング[35]P22 ジョシュ・モフェット[35] ジョン・ローワン[35]13
23 サム・モフェット[35] カール・アトキンソン[35]13
モータースポーツ・イタリア[34]P23 ベニート・グエラ[34] ボルハ・ロサダ[34]3
グラハム・コフェイ・ラリーチーム[16]M79 グラハム・コフェイ[16] ジェニー・ギャブラー[16]9
シトロエン
(シトロエン・DS3 WRC)
PH スポーツ[9]M15 ステファン・ルフェーヴル[36] ステファン・プレボー[36]12
18 セバスチャン・シャルドネ[9] ティボー・デ・ラ・ヘイ[9]1
D-マックス・レーシング[9]P17 ユーリ・プロタソフ[9] パヴロ・チャーピン[9]1

ドライバーの変更

変更

レギュレーションの変更

  • 理由を示すこと無くスペシャルステージを走行できなかった競技者は7分のタイムペナルティが与えられる[3]
  • 2015年シーズンの何戦かは新設されたFIA R-GTカップの対象となる。グループRGTレギュレーションのGTカーで争われる同カップは、ERCの2戦も対象となる[38]
  • 出走順は最初の2レグではランキング順となる。最終レグではP1とP2クルーは予選の逆順となる[39]
  • 安全に関係しない競技車両のトランスミッションからの情報及びパフォーマンスデータは、スペシャルステージの間は提供が禁じられる[40]
  • スタートラインから20秒以内にスタートしなかった車はリタイアと見なされるが、翌日にラリー2カテゴリーで再スタートできる[40]

各ラリーの概要

ラウンド 1 - 第83回ラリー・オートモービル・モンテカルロ

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
1 第83回ラリー・オートモービル・モンテカルロ
(1月22日-25日) - 結果およびレポート
11 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:36:40.2(15)1a
14
(355.48 km)1b
335.55 km
9478
22 ヤリ=マティ・ラトバラ
ミーッカ・アンティッラ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:37:38.2
39 アンドレアス・ミケルセン
オーラ・フロエネ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:38:52.5

ディフェンディングチャンピオンのセバスチャン・オジェが開幕戦を制し、シーズンが始まった。オジェはモンテカルロで2年連続、自身WRC25勝目を挙げた。9度の世界タイトルを獲得したセバスチャン・ローブがラリー序盤をリードしたが[41]、ローブはSS7のヘアピンカーブでスピンして首位から陥落し、続くSS8では左リアホイールで石をヒット、6分を失ってリエゾンセクションでリタイアした[42]。これによってオジェはチームメイトのヤリ=マティ・ラトバラに2分以上の差を付けて首位を堅持した。新レギュレーションでステージ間はライバルのスプリットタイムをモニターできなくなったにもかかわらず、オジェはペースをコントロールしてタイヤを安全にチョイス、勝利を獲得した[43]。ラトバラがパワーステージのポイント1を獲得して2位に入り、アンドレアス・ミケルセンが3位に入ったことでフォルクスワーゲン・モータースポーツの1-2-3が達成された。シトロエンのマッズ・オストベルグが4位となり、ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌービルダニ・ソルドが5位、6位となった。Mスポーツのエルフィン・エヴァンズはリアサスペンションを壁にぶつけタイムを下げたものの7位となった。ラリー2のレギュレーションで再スタートしパワーステージで2ポイントを挙げたローブは8位に入った。9位はマルティン・プロコップ、パワーステージで3ポイントを獲得したクリス・ミークが10位となった[43]

ラウンド 2 - 第63回ラリー・スウェーデン

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
2 第63回ラリー・スウェーデン
(2月13日-15日) - 結果およびレポート
11 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:55:30.521308.00 km4440
27 ティエリー・ヌービル
ニコラ・ジルソウル
ヒュンダイ・モータースポーツ
(ヒュンダイ・i20 WRC)
2:55:36.9
39 アンドレアス・ミケルセン
オーラ・フロエネ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:56:10.3

セバスチャン・オジェが開幕から2連勝して選手権のリードを広げた。ラリーの始まりは、WRC2のフォード・フィエスタをドライブするポンタス・タイデマンドがカールスタッドでの木曜夜のスーパーステージを制した[44]。オジェは金曜のオープニングステージを制し、チームメイトのヤリ=マティ・ラトバラが続いた。フォルクスワーゲンのサードドライバー、アンドレアス・ミケルセンはオジェとラトバラが雪に突っ込みそれぞれ4位、23位に後退した間に首位に立ち、SS9でリードを広げた[45]。ミケルセンは土曜の最終ステージまでリードしたが、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが新しいタイヤに交換後首位に立つ。ミケルセンとオジェはそれぞれ1.5秒、9.6秒差で続いた[46]。ミケルセンは日曜のオープニングステージで首位に立ち、最終ステージまでオジェに3秒差を付けていた。最終パワーステージでは追加のポイントが与えられる[47]

最終パワーステージは前ステージまでの順位の逆、ヌービル、オジェ、ミケルセンの順でスタートし、ヌービルはオジェのタイムを上回った。初優勝の懸かったミケルセンは雪をヒットし40秒を失い、ヌービルにかわされ、オジェの逆転勝利が決まった。オット・タナクは4位でフィニッシュ、これは2012年以来の自身のベストリザルトとなった。ヘイデン・パドンは負傷したダニ・ソルドをかわして5位に入った。6位、7位はイギリス人ドライバーのエルフィン・エヴァンズ、クリス・ミークが入った。マルティン・プロコップはユーリ・プロタソフを抑えて8位に入った。プロタソフは自身初のステージ勝利を挙げた。マッズ・オストベルグが10に入ってポイントを獲得した[48]。オストベルグはSS11で雪をヒットし、パワーステージでは3位に入ってポイントを獲得した。最終ステージ後、フォルクスワーゲン・モータースポーツはラトバラのリタイアを決定した。次戦のラリーメキシコに関連した規則のため、ラトバラは12位まで順位を回復した[49]

ラウンド 3 - 第29回ラリー・メキシコ

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
3 第29回ラリー・メキシコ
(3月6日-8日) - 結果およびレポート
11 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
4:19:13.421394.21 km3023
24 マッズ・オストベルグ
ジョナス・アンダーソン
シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム
(シトロエン・DS3 WRC)
4:20:32.2
39 アンドレアス・ミケルセン
オーラ・フロエネ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
4:20:38.5

セバスチャン・オジェがシェイクダウンを制してラリーは始まった。夜間スペシャルステージはユネスコの世界遺産であるグアナフアトのトンネルで行われた。ステージはティエリー・ヌービルロレンツォ・ベルテッリを抑えて制した[50]

2日目は2015年シーズン初のグラベルセクションから始まった。オジェは路面をきれいにしなければならない難しい役割を担ったにもかかわらず、リードを取る機会を得た。第3ステージでオット・タナクは自らのドライブするフォード・フィエスタ RS WRCのコントロールを失い、コースアウトしてステージ脇の湖に水没した。タナクとコドライバーのライゴ・モルダーはかろうじて車の中から脱出した。同ステージを制したクリス・ミークは次のステージでクラッシュ、彼のシトロエン・DS3 WRCは大きく損傷、リタイアした。翌朝にはロバート・クビサとヘイデン・パドンもリタイアした。

ティエリー・ヌービルはSS8でクラッシュしたが、2日目終了時点でヤリ=マティ・ラトバラを抑えて首位に立った。タナクのマシンは水没したが、Mスポーツ・ワールドラリーチームのクルーは翌日までに修理を行い走行可能となった。しかしながらサービスを離れた後に故障し、リタイアとなった。タナクは最終ステージをどうにか終えて、結局総合22位で完走となった。最終日、ラトバラがオジェを追いかけたが、リアホイールを破損して総合15位という結果に終わった。オジェはパワーステージでの最大ポイントを得て前シーズンからの5連勝を遂げた。2位争いはマッズ・オストベルグアンドレアス・ミケルセンの戦いとなり、オストベルグが6.3秒差を付けて勝利した。エルフィン・エヴァンズは4位で自己最高記録を達成した。5位は負傷から復帰したヒュンダイのダニ・ソルドであった。

ラウンド 4 - 第35回ラリー・アルゼンティーナ

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
4 第35回ラリー・アルゼンティーナ
(4月24日-26日) - 結果およびレポート
13 クリス・ミーク
ポール・ネーグル
シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム
(シトロエン・DS3 WRC)
3:41:44.9(12)2a
11
(315,86 km)2b
292,81 km
6026
24 マッズ・オストベルグ
ジョナス・アンダーソン
シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム
(シトロエン・DS3 WRC)
3:42:03.0
36 エルフィン・エヴァンズ
ダニエル・バーリット
Mスポーツ・ワールドラリーチーム
(フォード・フィエスタWRC)
3:45:12.3

クリス・ミークがWRCにおける自身初の勝利を挙げた。イギリス人ドライバーによる勝利は2002年のサファリラリーにおけるコリン・マクレー以来のものとなった。

シトロエンの勝利は2013年のラリー・ドイチュラント以来であり、マッズ・オストベルグが2位に入ったことで、シトロエンの1-2も2012年のラリー・フィンランド以来のこととなった。フォード・フィエスタWRCのエルフィン・エヴァンズも自身初の表彰台となった。このラリーはフォルクスワーゲンがWRCに復帰して以来、初めて表彰台を獲得できなかったイベントとなった。

ラリーは損耗が激しく、完走車両も少なかった。メカニカルトラブル無く完走したのは5台に過ぎなかった。第2ステージでは2度のタイトルを獲得したセバスチャン・オジェがインジェクターのトラブルに見舞われた[51]。一方ロレンツォ・ベルテッリは同ステージでリタイアした[52]。続く第3ステージではアンドレアス・ミケルセンとヘイデン・パドンが技術的な問題に見舞われ、両名とも翌日再スタートとなった[52]オット・タナクは第4ステージでホイールを失ったが、翌日再スタートした[52]。2日目、パドンは第9ステージでクラッシュし、ダニ・ソルドは第10ステージでパワーステアリングトラブルのためストップした。両名とも最終日に再スタートとなった[52]。最終日はヤリ=マティ・ラトバラが第11ステージでエンジントラブルに苦しめられ、ミケルセンとティエリー・ヌービルは最終ステージの同じ場所でクラッシュした[52]。オストベルグもオープニングステージでエンジントラブルに苦しめられたが、第2ステージで回復した[53]

オジェはパワーステージで勝利し、総合17位となった。ソルドはパワーステージで2位となり、彼は5位となった。オストベルグは2位でフィニッシュした[52]

ラウンド 5 - 第49回ボーダフォン・ラリー・ド・ポルトガル

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
5 第49回ボーダフォン・ラリー・ド・ポルトガル
(5月22日-24日) - 結果およびレポート
12 ヤリ=マティ・ラトバラ
ミーッカ・アンティッラ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:30:35.3(16)3a
15
(351,71 km)3b
324,18 km
9464
21 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:30:43.5
39 アンドレアス・ミケルセン
オーラ・フロエネ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:31:03.9

ラウンド 6 - 第12回ラリー・ド・イタリア・サルデーニャ

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
6 第12回ラリー・ド・イタリア・サルデーニャ
(6月12日-14日) - 結果およびレポート
11 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
4:25:54.323394,63 km5341
220 ヘイデン・パドン
ジョン・ケナード
ヒュンダイ・モータースポーツ N
(ヒュンダイ・i20 WRC)
4:28:59.7
37 ティエリー・ヌービル
ニコラ・ジルソウル
ヒュンダイ・モータースポーツ
(ヒュンダイ・i20 WRC)
4:30:16.8

ラウンド 7 - 第72回ロトス・ラリー・ポーランド

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
7 第72回ロトス・ラリー・ポーランド
(7月3日-5日) - 結果およびレポート
11 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:26:11.5(19)4a
18
(313,53 km)4b
295,83 km
7057
29 アンドレアス・ミケルセン
オーラ・フロエネ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:26:23.4
36 オット・タナク
ライゴ・モルダー
Mスポーツ・ワールドラリーチーム
(フォード・フィエスタWRC)
2:26:34.5

シェイクダウンにおいてクリス・ミークが転倒し、マシンの修復時間を増やすために彼はセレモニーのスタートランプに徒歩で上った。セバスチャン・オジェはオープニングのスーパースペシャルステージを制し、その後にプライベイターのロバート・クビサ、マルティン・プロコップが続いた。2日目はオット・タナクが3セクションで勝利しスタートポジションを獲得した。しかし、オジェがペースを上げ、タナクのトラブルもありSS7の終わりには首位に立った。3日目もオジェがリードを保持、一方タナクがプッシュしラトバラをパス、ミケルセンに次いで表彰台を獲得した。エルフィン・エヴァンズはウォーターポンプのトラブルでリタイア、ヘイデン・パドンはヒュンダイの最上位となり、ヒュンダイはシトロエン勢を上回った。最終日、ミケルセンは勝利に向けてトライを続けたが、上位勢の順位を変えることはできなかった。ラトバラは暫定で4位であったが、ラジエターを破損して最終サービスへの到着が遅れたため+40秒のペナルティを受けて最終的には4位を失い、ヘイデン・パドンが4位となった。

ラウンド 8 - 第65回ネステオイル・ラリー・フィンランド

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
8 第65回ネステオイル・ラリー・フィンランド
(7月31日-8月2日) - 結果およびレポート
12 ヤリ=マティ・ラトバラ
ミーッカ・アンティッラ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:33:03.820320,00 km8456
21 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:33:17.5
34 マッズ・オストベルグ
ジョナス・アンダーソン
シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム
(シトロエン・DS3 WRC)
2:34:40.6

ヤリ=マティ・ラトバラがチームメイトのセバスチャン・オジェを抑えて勝利した。ラトバラは2010年および2014年に続く母国での勝利となった。

ラウンド 9 - 第33回ADACラリー・ドイチュラント

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
9 第33回ADACラリー・ドイチュラント
(8月21日-23日) - 結果およびレポート
11 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:35:49.521374.43 km7556
22 ヤリ=マティ・ラトバラ
ミーッカ・アンティッラ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:36:12.5
39 アンドレアス・ミケルセン
オーラ・フロエネ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:37:46.1

セバスチャン・オジェはチームメイトのヤリ=マティ・ラトバラおよびアンドレアス・ミケルセンを抑えて勝利した。この勝利によって彼はタイトルに一歩近づいた。

ラウンド 10 - 第24回コーツ・ハイヤー・ラリー・オーストラリア

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
10 第24回コーツ・ハイヤー・ラリー・オーストラリア
(9月11日-13日) - 結果およびレポート
11 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:59:16.417311.36 km2622
22 ヤリ=マティ・ラトバラ
ミーッカ・アンティッラ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:59:28.7
33 クリス・ミーク
ポール・ネーグル
シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム
(シトロエン・DS3 WRC)
2:59:49.0

オジェはシーズン7勝目を挙げ、2013年および2014年同様にシーズン終了前にタイトルを確定した。フォルクスワーゲンも同様に3度目のタイトルを確定した。

ラウンド 11 - 第58回ツール・ド・コルス-ラリー・ド・フランス

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
11 第58回ツール・ド・コルス-ラリー・ド・フランス
(10月2日-4日) - 結果およびレポート
12 ヤリ=マティ・ラトバラ
ミーッカ・アンティッラ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:39:46.7(9)5a
7
(332,73 km)5b
245,35 km
12397
25 エルフィン・エヴァンズ
ダニエル・バーリット
Mスポーツ・ワールドラリーチーム
(フォード・フィエスタWRC)
2:40:29.8
39 アンドレアス・ミケルセン
オーラ・フロエネ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2:40:33.0

ラウンド 12 - 第51回ラリー RACC カタルーニャ - コスタ・ドラダ

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
12 第51回ラリー RACC カタルーニャ - コスタ・ドラダ
(10月23日-25日) - 結果およびレポート
19 アンドレアス・ミケルセン
オーラ・フロエネ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:21:04.823331,25 km8264
22 ヤリ=マティ・ラトバラ
ミーッカ・アンティッラ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:21:07.9
38 ダニ・ソルド
マルク・マルティ
ヒュンダイ・モータースポーツ
(ヒュンダイ・i20 WRC)
3:21:26.0

ラウンド 13 - 第71回ウェールズ・ラリーGB

ラウンドラリー表彰台記録
順位車番ドライバーチームタイムステージ数走行距離出走台数完走台数
13 第71回ウェールズ・ラリーGB
(11月13日-15日) - 結果およびレポート
11 セバスチャン・オジェ
ジュリアン・イングラシア
フォルクスワーゲン・モータースポーツ
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:03:02.019310.15 km7058
23 クリス・ミーク
ポール・ネーグル
シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム
(シトロエン・DS3 WRC)
3:03:28.0
39 アンドレアス・ミケルセン
オーラ・フロエネ
フォルクスワーゲン・モータースポーツ II
(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
3:03:38.2
注:
  • ^1 - ラリー・モンテカルロは第9ステージが混雑し、安全のためキャンセルとなり日程が短縮された[54]
  • ^2 - ラリー・アルゼンティーナは第9ステージのヘイデン・パドンのアクシデントで6名の観客が負傷し、短縮された[55]
  • ^3 - ラリー・ド・ポルトガルは第5ステージで起きた森林火災のため短縮された[56]
  • ^4 - ラリー・ポーランドは大群衆が安全クルーの指示に従わなかったため、第14ステージがキャンセルされた後に短縮された[57]
  • ^5 - ツール・ド・コルスは洪水のため道路が損傷し、第2及び第4ステージがキャンセルされた後に短縮された[58]

レース結果とランキング

ドライバーズ・チャンピオンシップ

ポイントは上位10名にそれぞれ与えられる。加えてパワーステージの勝者には3、2位には2、3位には1ポイントが与えられる。

順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位
ポイント251815121086421
順位ドライバーMON
SWE
MEX
ARG
POR
ITA
POL
FIN
DEU
AUS
FRA
ESP
GBR
ポイント
1 セバスチャン・オジェ1111117121111121111151Ret1263
2 ヤリ=マティ・ラトバラ23Ret15Ret126251221221322501183
3 アンドレアス・ミケルセン3332Ret3336323Ret34331132171
4 マッズ・オストベルグ410322375937WD647116
5 クリス・ミーク1017161424717312234532112
6 ティエリー・ヌービル52283Ret3836457238Ret90
7 エルフィン・エヴァンズ7643694501269234689
8 ダニ・ソルド6WD552620101143873489
9 ヘイデン・パドン51716824Ret9556584
10 オット・タナク1842210514325861041Ret63
11 マルティン・プロコップ986410Ret117Ret1272139
12 ロバート・クビサRet20189308Ret35222119311
13 ハリド・アル・カシミ6241016159
14 ユホ・ハンニネン68
15 ユーリ・プロタソフ169131371315112014378
16 ナサール・アルアティヤ71112Ret1710127
17 アブドルアジズ・アル・クワリ11716111223166
18 セバスチャン・ローブ826
19 ステファン・ルフェーヴル12RetRetRet1526RetEX1013115085
20 エサペッカ・ラッピ12171284214Ret4
21 ディエゴ・ドミンゲス84
22 パオロ・アンドレウッチ84
23 ブライアン・ブフイエRetRet84
24 ポンタス・タイデマンド1713139Ret9WD4
25 ヤン・コペッキー91310WD3
26 ステファン・サラザン92
27 ニコラス・フックス9Ret171520Ret182
28 グスタヴォ・サーバ92
29 ロレンツォ・ベルテッリ68RetRet19RetRet1610DNS18RetRet102
30 ヤリ・ケトマー131012Ret1736WD1
順位ドライバーMON
SWE
MEX
ARG
POR
ITA
POL
FIN
DEU
AUS
FRA
ESP
GBR
ポイント
結果
金色優勝
銀色2位
銅色3位
ポイント圏内完走
青灰色ポイント圏外完走
WRCアカデミー完走 (Aca)
リタイヤ (Ret)
除外 (EX)
失格(DSQ)
スタートせず (DNS)
空白エントリーせず (WD)
1 2 3 - 右肩の数字はパワーステージの順位
* - オット・タナクはラリー・アルゼンティーナにおいて11位でフィニッシュしたが、10位に入ったフェデリコ・ヴィラグラ/ディエゴ・カーレット組は選手権対象外であったため、10位の1ポイントが与えられた。

コ・ドライバーズ・チャンピオンシップ

ポイントは上位10名にそれぞれ与えられる。加えてパワーステージの勝者には3、2位には2、3位には1ポイントが与えられる。

順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位
ポイント251815121086421
順位ドライバーMON
SWE
MEX
ARG
POR
ITA
POL
FIN
DEU
AUS
FRA
ESP
GBR
ポイント
1 ジュリアン・イングラシア1111117121111121111151Ret1263
2 ミーッカ・アンティッラ23Ret15Ret126251221221322101183
3 オーラ・フロエネ3332Ret3336323Ret34331132161
4 ジョナス・アンダーソン410122375937WD647116
5 ポール・ネーグル1017161424717312234532112
6 ニコラ・ジルソウル52283Ret3836457238Ret90
7 ダニエル・バーリット7643694501269234689
8 マルク・マルティ6552620101143873489
9 ジョン・ケナード51716824Ret9556584
10 ライゴ・モルダー1842211*514325861041Ret63
11 ヤン・トマネク986410Ret117Ret1272139
12 マシーク・スチェパニアクRet19189308Ret35232119311
13 クリス・パターソン6241016159
14 トミ・スオミネン68
15 パヴロ・チャーピン169131371315112014378
16 マチュー・ボーメル71112Ret1710127
17 マーシャル・クラーク11716111223166
18 ダニエル・エレナ826
19 ステファン・プレボー12RetRetRet1526RetEX1013115085
20 ヤンネ・フェルム12171284214Ret4
21 エドガルド・ガリンド8254
22 アナ・アンドレウシ84
23 ティボー・デ・ラ・ヘイ4784
24 エミール・アクセルソン1713139Ret9WD4
25 パヴェル・ドレスラー91310WD3
26 フェルナンド・ムッサーノ9Ret1715Ret2
27 ディエゴ・カグノッティ92
28 ジャン=ジャック・レヌッチ3429382433946332
29 ロレンツォ・グラナイRet1610DNS18RetRet102
30 カイ・リンドストロム131012Ret1736WD1
順位ドライバーMON
SWE
MEX
ARG
POR
ITA
POL
FIN
DEU
AUS
FRA
ESP
GBR
ポイント
結果
金色優勝
銀色2位
銅色3位
ポイント圏内完走
青灰色ポイント圏外完走
WRCアカデミー完走 (Aca)
リタイヤ (Ret)
除外 (EX)
失格(DSQ)
スタートせず (DNS)
空白エントリーせず (WD)
1 2 3 - 右肩の数字はパワーステージの順位
* - ライゴ・モルダーはラリー・アルゼンティーナにおいて11位でフィニッシュしたが、10位に入ったフェデリコ・ヴィラグラ/ディエゴ・カーレット組は選手権対象外であったため、10位の1ポイントが与えられた。

マニファクチャラー・チャンピオンシップ

順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位
ポイント251815121086421
順位マニファクチャラー車番MON
SWE
MEX
ARG
POR
ITA
POL
FIN
DEU
AUS
FRA
ESP
GBR
ポイント
1 フォルクスワーゲン・モータースポーツ1111821121110Ret1413
22Ret7Ret1651221210
2 シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム3878149710103452230
469227583710647
3 ヒュンダイ・モータースポーツ7326Ret10364571184224
84545689845735
4 Mスポーツ・ワールドラリーチーム5563311412969296181
694106573586810Ret
5 フォルクスワーゲン・モータースポーツ II93Ret3102Ret34313131
6 ヒュンダイ・モータースポーツ N201097824Ret9856Ret67
7 ジポカー・チェコ・ナショナルチーム2178549Ret106Ret97953
8 FWRT s.r.l.3710RetRet9RetRet117DNS11RetRet813
順位マニファクチャラー車番MON
SWE
MEX
ARG
POR
ITA
POL
FIN
DEU
AUS
FRA
ESP
GBR
ポイント
結果
金色優勝
銀色2位
銅色3位
ポイント圏内完走
青灰色ポイント圏外完走
WRCアカデミー完走 (Aca)
リタイヤ (Ret)
除外 (EX)
失格(DSQ)
スタートせず (DNS)
空白エントリーせず (WD)

参照

外部リンク