2021年のNBAプレーオフ

2021年のNBAプレーオフ英語: 2021 NBA playoffs)は、全米プロバスケットボール協会 (NBA) の2020–21シーズンにおけるポストシーズントーナメントである。新型コロナウイルス感染症の世界的流行が2年連続でNBAに影響を与えたため、レギュラーシーズンは各チーム72試合制となり、プレーオフの開始時期も例年の4月中旬から2021年5月22日に変更され、7月の2021年のNBAファイナルで幕を閉じた。

2021年のNBAプレーオフ
開催日2021年5月22日 – 7月20日
シーズン2020–21
出場チーム数16
優勝ミルウォーキー・バックス (2回目)
準優勝フェニックス・サンズ (3回目のファイナル出場)
セミファイナリスト

2021年のNBAファイナルは、ミルウォーキー・バックスフェニックス・サンズが対戦した。7月6日にシリーズ第1戦が行われ、サンズが118-105でバックスを下した。ミルウォーキー・バックスは、NBAファイナルで0勝2敗から4連勝し、1971年以来の優勝を成し遂げた。

前年度ディフェンディング・チャンピオンのロサンゼルス・レイカーズと準優勝のマイアミ・ヒートは、ともに1回戦で今年度のファイナルまで進んだフェニックス・サンズミルウォーキー・バックスにそれぞれ敗れた。サンズはロサンゼルス・クリッパーズとのウェスタン・カンファレンスファイナルを4勝2敗で制し、1993年以来のNBAファイナルに進出、バックスもアトランタ・ホークスとのイースタン・カンファレンスファイナルを4勝2敗で制し、1974年以来のNBAファイナルに進出した[1]

概要

ポストシーズン出場に関するできごと

プレーオフでの主なできごと

形式

NBA理事会は2020-21シーズンから各カンファレンス7位から10位のチームが参加するプレーイン・トーナメントを実施することを承認した。プレーイン・トーナメントは5月18日から5月21日にかけて行われ、各カンファレンスで7番目から10番目に高い勝率を記録した4チームずつが参加。最初に、7番目に勝率が高いチームと8番目のチームによる試合(セブン・エイト・ゲーム)と、9番目のチームと10番目のチームによる試合(ナイン・テン・ゲーム)がそれぞれ行われる。セブン・エイト・ゲームの勝者は、その時点でプレイオフ第7シードを獲得し、敗者はナイン・テン・ゲームの勝者と第8シードを懸けて対戦する。なお、ナイン・テン・ゲームの敗者はその時点で敗退となる[2]

NBAの通常のプレーオフ方式では、各カンファレンスで勝率が高い8チームがプレーオフの出場権を獲得し、シードは各チームの成績に基づいて決定される。各カンファレンスの順位は固定で、再選考は基本的にない。すべてのラウンドがベスト・オブ・セブン方式で行われ、一方のチームが4勝した時点でシリーズが終了し、そのチームが次のラウンドに進むことができ、NBAファイナルを含むすべてのラウンドは、2-2-1-1-1方式で行われている。カンファレンス内のプレーオフでは、ホームコートアドバンテージは上位シードのチームに与えられる(1位が最高)。また、シードは各チームのカンファレンス内でのレギュラーシーズンの成績に基づいて決定され、2チームの成績が同率の場合は標準的なタイブレーカールールが使用される。NBAファイナルではカンファレンスにおける順位は除外され、ホームコートアドバンテージはレギュラーシーズンの成績が良いチームに与えられる。同率の場合は、レギュラーシーズンでの直接対決の成績、次にカンファレンス内の成績に基づいて決められている。

プレーオフ出場権

2021年4月25日、ユタ・ジャズがプレーオフ進出を決めた最初のチームとなった[3]

イースタン・カンファレンス

シードチーム成績決着日
プレーインプレーオフ出場権ディビジョン優勝カンファレンス
一番乗り
リーグ
一番乗り
1フィラデルフィア・76ers49–234月28日[4]5月14日[5]5月14日[5]
2ブルックリン・ネッツ48–244月27日[6]
3ミルウォーキー・バックス46–265月4日[7]4月30日[8]
4ニューヨーク・ニックス41–315月12日[9]
5アトランタ・ホークス41–315月12日[9]5月15日[10]
6マイアミ・ヒート40–325月11日[11]
7ボストン・セルティックス36–365月12日[9]5月18日[12]
8ワシントン・ウィザーズ34–385月14日[13]5月20日[14]

ウェスタン・カンファレンス

シードチーム成績決定日
プレーインプレーオフ出場権ディビジョン優勝カンファレンス
一番乗り
リーグ
一番乗り
1ユタ・ジャズ52–204月25日[3]5月7日[15]5月16日[16]5月16日[16]
2フェニックス・サンズ51–214月28日[17]5月14日[18]
3デンバー・ナゲッツ47–255月3日[19]
4ロサンゼルス・クリッパーズ47–255月3日[20]
5ダラス・マーベリックス42–305月14日[21]5月7日[22]
6ポートランド・トレイルブレ
イザーズ
42–305月16日[23]
7ロサンゼルス・レイカーズ42–305月16日[23]5月19日[24]
8メンフィス・グリズリーズ38–345月10日[25]5月21日[26]

ブラケット

 ファースト ラウンドカンファレンス セミファイナルカンファレンス ファイナルNBAファイナル
                   
1シクサーズ* 4 
8ウィザーズ1 
 1シクサーズ* 3 
 5ホークス*4 
4ニックス 1
5ホークス*4 
 5ホークス*2 
イースタン・カンファレンス
 3バックス* 4 
2ネッツ 4 
7セルティックス1 
 2ネッツ 3
 3バックス*4 
3バックス* 4
6ヒート0 
 3バックス*4
 2* 2
1ジャズ* 4 
8グリズリーズ1 
 1ジャズ* 2
 4クリッパーズ4 
4クリッパーズ 4
5マーベリックス*3 
 4クリッパーズ2
ウェスタン・カンファレンス
 2* 4 
2* 4 
7レイカーズ2 
 2* 4
 3ナゲッツ0 
3ナゲッツ 4
6トレイルブレイザーズ2 

*ディビジョン優勝
太字 シリーズ勝利
ホームコート・アドバンテージ

ファースト・ラウンド

*ホームコートアドバンテージ。

勝利チーム

この両チームのプレーオフでの対戦は6回目で、最初の5回の対戦のうち3回はシクサーズが勝利している[27]

ブルックリン・ネッツ (3位)* vs. ボストン・セルティックス (6位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦5月22日BOS93–104 BKNバークレイズ・センター
第2戦5月25日BOS108–130 BKNバークレイズ・センター
第3戦5月28日BKN119–125 BOSTDガーデン
第4戦5月30日BKN141–126 BOSTDガーデン
第5戦6月1日BOS109–123 BKNバークレイズ・センター
シリーズ4勝1敗でブルックリン・ネッツが勝利

両チームのプレーオフでの対戦は3回目だが、ニュージャージー・ネッツブルックリンに移転した2012年以降のブルックリン・ネッツになってからは今回が初である。ニュージャージー時代の2回はネッツが勝利している[28]

ミルウォーキー・バックス (4位)* vs. マイアミ・ヒート (5位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦5月22日MIA107–109 MILファイサーブ・フォーラム
第2戦5月24日MIA98–132 MILファイサーブ・フォーラム
第3戦5月27日MIL113–84 MIAアメリカン・エアラインズ・アリーナ
第4戦5月29日MIL120–103 MIAアメリカン・エアラインズ・アリーナ
シリーズ4勝0敗でミルウォーキー・バックスが勝利

この両チームのプレーオフでの対戦は3回目で、最初の2回はヒートが勝利している[29]

ニューヨーク・ニックス (4位)* vs. アトランタ・ホークス (5位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦5月23日ATL107–105 NYKマディソン・スクエア・ガーデン
第2戦5月26日ATL92–101 NYKマディソン・スクエア・ガーデン
第3戦5月28日NYK94–105 ATLステートファーム・アリーナ
第4戦5月30日NYK96–113 ATLステートファーム・アリーナ
第5戦6月2日ATL103–89 NYKマディソン・スクエア・ガーデン
シリーズ4勝1敗でアトランタ・ホークスが勝利

この両チームのプレーオフでの対戦は3回目で、最初の2回はニックスが勝っている[30]

ウェスタン・カンファレンス

ユタ・ジャズ (1位)* vs. メンフィス・グリズリーズ (8位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦5月23日MEM112–109 UTAビビント・アリーナ
第2戦5月26日MEM129–141 UTAビビント・アリーナ
第3戦5月29日UTA121–111 MEMフェデックス・フォーラム
第4戦5月31日UTA120–113 MEMフェデックス・フォーラム
第5戦6月2日MEM110–126 UTAビビント・アリーナ
シリーズ4勝1敗でユタ・ジャズが勝利

ジャズとグリズリーズのプレーオフでの対戦は初[31]

フェニックス・サンズ (2位)* vs. ロサンゼルス・レイカーズ (7位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦5月23日LAL90–99 PHXフェニックス・サンズ・アリーナ
第2戦5月25日LAL109–102 PHXフェニックス・サンズ・アリーナ
第3戦5月27日PHX95–109 LALステイプルズ・センター
第4戦5月30日PHX100–92 LALステイプルズ・センター
第5戦6月1日LAL85–115 PHXフェニックス・サンズ・アリーナ
第6戦6月3日PHX85–115 LALステイプルズ・センター
シリーズ4勝1敗でフェニックス・サンズが勝利

両チームのプレーオフでの対戦は13回目で、最初の12回のうち8回はレイカーズが勝利している[32]

デンバー・ナゲッツ (3位)* vs. ポートランド・トレイルブレイザーズ (6位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦5月22日POR123–109 DENボール・アリーナ
第2戦5月24日POR109–128 DENボール・アリーナ
第3戦5月27日DEN120–115 PORモダ・センター
第4戦5月29日DEN95–115 PORモダ・センター
第5戦6月1日POR140–147 (2OT)DENボール・アリーナ
第6戦6月3日DEN126–115 PORモダ・センター
シリーズ4勝2敗でデンバー・ナゲッツが勝利

この両チームのプレーオフでの対戦は4回目で、最初の3回の対戦のうち2回はポートランドが勝利している[33]

ロサンゼルス・クリッパーズ (4位)* vs. ダラス・マーベリックス (5位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦5月22日DAL113–103 LACステイプルズ・センター
第2戦5月25日DAL127–121 LACステイプルズ・センター
第3戦5月28日LAC118–108 DALアメリカン・エアラインズ・センター
第4戦5月30日LAC106–81 DALアメリカン・エアラインズ・センター
第5戦6月2日DAL105–100 LACステイプルズ・センター
第6戦6月4日LAC104–97 DALアメリカン・エアラインズ・センター
第7戦6月6日DAL111–126 LACステイプルズ・センター
シリーズ4勝3敗でロサンゼルス・クリッパーズが勝利

両チームのプレーオフでの対戦は2回目で、初対戦はクリッパーズが勝利している[34]

カンファレンス・セミファイナル

この両チームのプレーオフでの対戦は3回目で、過去の対戦はいずれもシクサーズが勝利している[35]

ブルックリン・ネッツ (2位)* vs. ミルウォーキー・バックス (3位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦6月5日MIL107–115 BKNバークレイズ・センター
第2戦6月7日MIL86–125 BKNバークレイズ・センター
第3戦6月10日BKN83–86 MILファイサーブ・フォーラム
第4戦6月13日BKN96–107 MILファイサーブ・フォーラム
第5戦6月15日MIL108–114 BKNバークレイズ・センター
第6戦6月17日BKN89–104 MILファイサーブ・フォーラム
第7戦6月19日MIL115–101 (OT)BKNバークレイズ・センター
シリーズ4勝3敗でミルウォーキー・バックスが勝利

両チームがプレーオフで対戦するのは4回目だが、ニュージャージー・ネッツがブルックリンに移転した2012年以降のブルックリン・ネッツになってからは初めてである。最初の3回の対戦でバックスが2勝を挙げている[36]

ウェスタン・カンファレンス

ユタ・ジャズ (1位)* vs. ロサンゼルス・クリッパーズ (4位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦6月8日LAC109–112 UTAビビント・アリーナ
第2戦6月10日LAC111–117 UTAビビント・アリーナ
第3戦6月12日UTA106–132 LACステイプルズ・センター
第4戦6月14日UTA104–118 LACステイプルズ・センター
第5戦6月16日LAC119–111 UTAビビント・アリーナ
第6戦6月18日UTA119–131 LACステイプルズ・センター
シリーズ4勝2敗でロサンゼルス・クリッパーズが勝利

クリッパーズはプレーオフで2度の0勝2敗から挽回した史上初のチームとなり、フランチャイズ史上初のカンファレンス・ファイナル進出を果たした[37]

両チームのプレーオフでの対戦は4回目で、過去3回はジャズが勝利している[38]

フェニックス・サンズ (2位)* vs. デンバー・ナゲッツ (3位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦6月7日DEN105–122 PHXフェニックス・サンズ・アリーナ
第2戦6月9日DEN98–123 PHXフェニックス・サンズ・アリーナ
第3戦6月11日PHX116–102 DENボール・アリーナ
第4戦6月13日PHX125–118 DENボール・アリーナ
シリーズ4勝0敗でフェニックス・サンズが勝利

両チームのプレーオフでの対戦は4回目で、過去3回の対戦のうち2回はフェニックスが勝利している[39]

カンファレンス・ファイナル

両チームのプレーオフ対決は今回で5回目となり、過去4回各チームとも2シリーズずつ勝利している[40]

ウェスタン・カンファレンス

フェニックス・サンズ (1位)* vs. ロサンゼルス・クリッパーズ (4位)
試合日付アウェイ結果ホームアリーナ
第1戦6月20日LAC114–120 PHXフェニックス・サンズ・アリーナ
第2戦6月22日LAC103–104 PHXフェニックス・サンズ・アリーナ
第3戦6月24日PHX92–106 LACステイプルズ・センター
第4戦6月26日PHX84–80 LACステイプルズ・センター
第5戦6月28日LAC116–102 PHXフェニックス・サンズ・アリーナ
第6戦6月30日PHX130–103 LACステイプルズ・センター
シリーズ4勝2敗でフェニックス・サンズが勝利


両チームのプレーオフでの対戦は2回目で、前回の対戦はサンズが勝利している[41]

NBAファイナル

脚注

外部リンク