Cortana

マイクロソフトが開発したAIアシスタント

Cortana(コルタナ)はマイクロソフトによって開発されたAIアシスタントで、Windows 10(Pro EducationとEnterprise LTSBは除く)、Windows 10 MobileWindows Phone 8.1(後継はBing Mobile英語版[5]Microsoft BandXbox One[6][7]iOSおよびAndroid用が存在する[8]。CortanaはサンフランシスコMicrosoft BUILD Developer Conference(2015年4月2日から4日まで)で最初のデモンストレーションが行われた[1]

Cortana
開発元マイクロソフト
初版2014年4月2日 (10年前) (2014-04-02)[1]
プログラミング
言語
C# / C++ [2]
対応OSWindows, iOS, Android, Xbox OS
プラットフォーム
対応言語
種別AIアシスタント
ライセンスプロプライエタリ
公式サイトwww.microsoft.com/ja-jp/windows/cortana[リンク切れ]?
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Cortanaは2016年6月現在、英語フランス語ドイツ語イタリア語中国語、および日本語版で利用可能であり、また使用する地域やソフトウェアプラットフォームにより異なる。Cortanaの競合技術にはAppleSiriグーグルGoogle アシスタントなどが存在する。

「Cortana」の名称は、マイクロソフトのファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)のシリーズ「HALO」に登場する女性型人工知能(AI)の名前から付けられている[9]

開発の歴史

Cortanaの開発は2009年にMicrosoft Speech製品チームのゼネラルマネージャーであるジグ・セラフィン (Zig Serafin) と主任研究員であるレイリー・ヘック (Larry Heck) によって始められた。ヘックとセラフィンはマイクロソフトのデジタルパーソナルアシスタント技術のための構想、目標および長期計画を立てて、Cortanaの初期プロトタイプを作るために専門知識を持つチームを立ち上げた[10]。Cortanaデジタルアシスタントの開発のため、チームは本物のパーソナルアシスタント(秘書)にインタビューを行った。これらのインタビューはノート (notebook) 機能に含まれるようなCortanaの数多くのユニークな機能に影響を与えている。オリジナルの Cortana はコードネームでしかなかったが、Windows PhoneのUserVoice英語版サイト上での嘆願によってコードネームが公式のものとして知られるようになった。[11]

機能

Cortanaはリマインダーをセットしたり、キーボード入力を行うことなく生の声を認識したり、Bing検索エンジンからの情報を使って質問(現在の天気や道路状況、スポーツのスコア、経歴など)に答えたりできる[12][13][14]

検索機能はBing検索エンジンのみで、全てのリンクはMicrosoft Edgeで開かれる[15]。Windows 10リリース当初は既定のWebブラウザー(Microsoft Edge以外でも可)に検索語句が渡され、そのWebブラウザーの既定の検索エンジンで検索されていたが、「Windows 10での検索体験を保護するため」として、2016年4月からBing検索エンジンとMicrosoft Edgeの組み合わせに固定された[16]

Windows 8.1のユニバーサルBingスマート検索機能はCortanaに統合され、ユーザーが検索ボタンを押したときに有効になる旧来のBing検索アプリはCortanaに置き換えられた[17]。Cortanaは音楽認識サービスを含む[18]。また、サイコロを転がしたり、コイントスをシミュレートすることもできる[19]。CortanaのConcert WatchはBing検索からユーザーがどのバンドまたはミュージシャンに興味があるかを調べる[20]

プライバシー考慮

Cortanaはユーザー情報をインデックス化して保持している。これは無効にできる(Windowsサーチはローカルのコンピューターやウェブを検索するようになるが、これをオフにすることもできる)。Cortanaをオフに設定するだけではマイクロソフトのサーバーに保持されているデータは削除されないが、ユーザーの指示で削除することができる[21]。Windows 10においてCortanaを無効にしていてもなお、スタートメニューを通した検索によってCortanaの情報を含むthreshold.appcacheというファイルがBingのウェブサイトに送信されることについて、マイクロソフトは批判を受けている[22][23]

地域と言語

Cortanaを利用可能な地域(青:対応済み、黒:非対応)

Cortanaは地域特化であり、発音をユーザーが居住する国の日常言語、文化、会話パターンに合わせるようになっている。例えば、イギリス版のCortanaはイギリス英語のアクセントと単語で話す。シャオ・ナ(小娜)として知られる中国語版では官話で話し、アイコンは顔と2つの目で表現されている(他の地域では使われていない)[24]。また、Cortanaはユーザーの要求に合わせるためにローカライズされ、地元のスポーツチーム、ビジネス、テレビシリーズや証券取引所などの対象地域に関連する情報を表示する。

次の対応表は2016年10月時点の情報である。

言語[25]地域[25]方言対応状況[25]プラットフォーム
英語 アメリカ合衆国アメリカ英語利用可能WindowsAndroidiOS
イギリス[26]イギリス英語利用可能Windows
カナダ[27]カナダ英語利用可能Windows
オーストラリアオーストラリア英語利用可能Windows
インドインド英語利用可能[28]Windows
ドイツ語 ドイツ[29]標準ドイツ語利用可能Windows
イタリア語 イタリア標準イタリア語利用可能Windows
スペイン語 スペイン[30]カスティーリャスペイン語利用可能Windows
メキシコメキシコスペイン語利用可能Windows
フランス語 フランスフランス語、フランス方言利用可能Windows
カナダフランス語、カナダ方言利用可能Windows
繁体字中国語 中華民国(台湾)国語利用不可
香港粵語利用不可
マカオ粵語利用不可
簡体字中国語 中華人民共和国官話利用可能WindowsAndroidiOS
ポルトガル語 ブラジルブラジルポルトガル語利用可能Windows
日本語 日本日本語、標準語利用可能Windows[31], iOS[32]

技術

Cortanaの自然言語処理能力はTellme Networks英語版(2007年にマイクロソフトが買収)より提供され、Satoriと名付けられたセマンティック検索データベースと結びつけられる[33]。Cortanaの処理能力はマイクロソフトの大規模なクラウドコンピューティング資源によって供給され、Microsoft Azureの技術が使われている。

脚注

外部リンク