HDR10

より一般的にはHDR10として知られるHDR10メディアプロファイルは、2015年8月27日に公開された、全米家電協会英語版が策定した公開のHDR規格である[1]。HDR形式の中では最も広く普及している[2]

PQ10はメタデータがないことを除けばHDR10と同じものを示している[3]

技術的詳細

HDR10の定義は以下の通り:[4]

  • EOTF: SMPTE ST 2084(PQ
  • ビット深度:10ビット
  • 原色色度:Rec.2020Rec.2100の原色と同一)
  • 静的メタデータ:SMPTE ST 2086(マスタリングディスプレイの色域体積)、MaxFALL、MaxCLL
  • クロマ・サブサンプリング:4:2:0(圧縮映像源用)

PQ10はPQ,10ビットおよびRec. 2100の原色色度を用い、一切のメタデータを有しないHDR形式を示す[3]

HDR10では、厳密に最大10,000cd/m2のピーク輝度に制限されているが、一般的なHDR10コンテンツは1,000~4,000cd/m2のピーク輝度でマスタリングされている[5]

HDR10はSDRディスプレイに対する後方互換性は有していない。

HDR10コンテンツよりも色域体積が小さなHDR10ディスプレイ(例えば、ピーク輝度の表示能力が低いなど)では、HDR10のメタデータがコンテンツを調整するのに役立つ[6]。しかしながら、このメタデータは静的(映像全体で一定)であり、さらにどのように調整するべきかは示さないので、決定はディスプレイにまかされ、制作者の意図が再現される保証はない[7]

HDR10と競合する形式にはドルビー・ビジョンHDR10+(それぞれのディスプレイで、シーンごとないしフレームごとの制作者の意図を維持するのを可能とする動的メタデータを提供する)およびHLG(SDRとのある程度の後方互換性を有する)がある[6]

採用

HDR10は、デル、LG、サムスン、シャープ、VU、ソニー、VIZIOなどのモニターおよびテレビ製造者を含む広い範囲の企業にサポートされており[8][9]ソニー・インタラクティブエンタテインメントマイクロソフトAppleも、それぞれの家庭用ゲーム機PlayStation 4Xbox OneおよびApple TVプラットフォームでサポートしている[10][11][12]

ハードウェア

  • テレビ
  • AVインターフェース
  • スマートホン
    • ディスプレイ
    • カメラ
  • ディジタル・カメラ
  • モバイルSoC
  • ゲーム機

コンテンツ

  • Ultra HD Blu-Ray
  • ストリーミング・サービス

ソフトウェア

  • メディア・プレイヤー
  • カラー・グレーディング

OS

関連項目

脚注