Microsoft Windows 10 IoT

マイクロソフトが開発した組み込みオペレーティングシステム

Windows 10 IoT(ウィンドウズ テン アイオーティー)は、マイクロソフトが開発およびリリースしている、Windowsシリーズに属するエンベデッドシステム用の組み込みオペレーティングシステム (OS) である。IoTはInternet of Things、モノのインターネットの意。

Windows 10 IoT
Microsoft Windows ファミリー
開発者
Microsoft
ウェブサイトazure.microsoft.com/ja-jp/services/windows-iot/
リリース情報
リリース日2015年7月29日 (8年前) (2015-07-29)(米国時間) [info]
最新の安定版バージョン 1809 - 2018年10月 (5年前) (2018-10) [info]
ソースモデルクローズドソース
ライセンスマイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項
カーネルハイブリッドカーネル
プラットフォームIA-32, x64, ARM
先行品Windows Embedded
サポート状態
Windows 10 IoT Enterprise
サポート中
サポート終了日:2025年10月14日
(米国日時)[1]

Windows 10 IoT Core
サポート終了
サポート終了日:2020年11月10日
(米国日時)[2]

Windows 11 IoTがWindows 11の登場とほぼ同時の2021年10月にWindows 10 IoTの後継としてマイクロソフトよりリリースされている[3]

概要

従来、組み込み向けWindowsはWindows Embeddedのブランドで提供されてきたが、2015年のデスクトップ向けWindows 10のリリースに合わせて、Windows 10 カーネルで動作する組み込み向けOS製品は Windows 10 IoT と呼ばれることになった。Windows 10、Windows 10 MobileおよびWindows 10 IoTでは、(プラットフォーム独自の機能を除いて) ユニバーサルWindowsプラットフォーム (UWP) として記述された同一のアプリを動かすことができる。一方、組み込みデバイスの世界においてもクラウドの重要性は増しており、マイクロソフトでは Windows 10 IoT に呼応する概念として、Azure IoTというクラウド側のソリューションも提案している。


コードネームは「Threshold(スレッショルド)」(ビルド 10586まで)および「Redstone(レッドストーン)」(ビルド 11099から)。

エディション

IoT Enterprise
Windows 10 Enterpriseがベース[4]。ロックダウンなどのいくつかの機能が追加されており、安定稼働が重視されるATMやPOSシステムなどの産業用機器に対応。イメージ生成にはデスクトップ向けと同じAIKを利用する。初期リリースでは SKU は Long-Term Servicing Branch (LTSB)しか提供されていなかったが二回目のリリースで Current Branch for Business (CBB)が追加された[5]
IoT Core Services

廃止されたエディション

IoT Core
小型IoTデバイスに対応[4]。従来のWindows CE系、Windows Embedded Compact 2013の後継にあたる。Windows 10 カーネルを利用しつつ機能を最小限とし、Raspberry Pi 2 や Intel Atom E38xx クラスのハードウェアで動作可能にしたもの。ディスプレイがないデバイスもサポートする。
バージョン1511まではシングルボードコンピュータ向けのビルドは非商用目的であれば無償で入手、利用ができた(2016年4月現在、Raspberry Pi 2, Raspberry Pi 3, MinnowBoard Max, DragonBoard 410cをサポート)。バージョン1607からは目的を問わず無償で利用できる[6]
IoT Mobile Enterprise
Windows 10 Mobile Enterpriseがベース[4]。長期間のサポートを必要とする企業向けのスマートフォンや小型タブレットに対応。Windows Embedded Handheld の後継製品。
IoT Core Pro
バージョン1607まで[7]存在したOEM 専用 SKU。アップグレードを延期する機能(Current Branch for Business (CBB))がある。それ以外の機能は IoT Core と共通[4]

IoT Coreのバージョン履歴

Windows 10 IoT CoreおよびWindows 10 IoT Core Proのバージョン履歴。

Windows Insider Preview Branch (WIPB)

凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース
Windows Insider Preview Branch (WIPB)
バージョン
ビルド
リリース日ハイライト
サポート終了:?
ビルド ?
2015年4月29日
サポート終了:?
ビルド ?

[8]

2015年5月12日
サポート終了:10.0.10152
ビルド 10152.0

[9]

2015年6月24日
サポート中:10.0.10240
ビルド 10240.0

[10]

2015年7月29日
サポート終了:10.0.10531
ビルド 10531.0

[11]

2015年9月25日
サポート終了:10.0.10556
ビルド 10556.0

[12]

2015年10月15日
サポート中:10.0.10586
ビルド 10586.0

[13]

2015年12月3日
サポート中:10.0.11099
ビルド 11099

[14]

2016年1月
最新プレビュー版:10.0.14262
ビルド 14262

[15]

2016年2月

半期チャネル(ターゲット指定)/ Current Branch(CB)

凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース
半期チャネル(ターゲット指定)/ Current Branch(CB)
バージョンOS ビルドリリース日別名
サポート終了:150710240[10]2015年8月10日
サポート終了:151110586[13]2015年12月3日November Update
サポート終了:1607143932016年8月Anniversary Update
サポート終了:1703150632017年4月Creators Update
サポート終了:1709162992017年10月Fall Creators Update
サポート終了:1803171342018年4月April 2018 Update
サポート終了:1809177632018年10月October 2018 Update

IoT Coreのシステム要件

発売当時の2015年7月29日に発表した時点のシステム要件[16][17]

Windows 10 IoT Core 最小ハードウェア仕様要求
32 ビット, 64 ビット
プロセッサ400 MHz 以上の x86/x64 プロセッサまたは ARM SoC
物理メモリディスプレイなしは 256 MB 以上 / ディスプレイありは 512 MB 以上
グラフィックオプション
ストレージ2 GB 以上
画面解像度端末のデザインに依存
画面サイズオプション

沿革

年表

2015年
2020年
  • 10月13日 - Windows 10 IoT Enterprise 2015 LTSBのメインストリーム サポートの終了[19]
  • 11月10日 - Windows 10 IoT Core のサポート終了[20]
2021年
  • 10月12日 - Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBのメインストリーム サポートの終了(予定)[21]
2025年
  • 10月14日 - Windows 10 IoT Enterprise 2015 LTSBの延長サポートの終了(予定)[19]
2026年
  • 10月13日 - Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBの延長サポートの終了(予定)[21]
2029年
  • 1月9日 - Windows 10 IoT Enterprise 2019 LTSCの延長サポートの終了(予定)[22]

脚注

注釈

出典

外部リンク