コルサ (CORSA) は、オペルが製造して販売する自動車である。
概要
1982年の初代モデル発売以来、市場に応じてGMグループ傘下のオペル、ボクスホール、ホールデンなど様々なブランドで販売し、スペインのサラゴサ、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、インドなど各地で生産している。
2代目と3代目モデルは、日本でヤナセが『オペル・ヴィータ (VITA)』として販売した。
3代目モデルまで、デザイナーの児玉英雄が担当してデザインした。
GMは2017年に、オペルとボクスホールブランドをグループPSAへ売却し、6代目モデル以降ははプジョー・シトロエンのプラットフォームを用いる。
初代 (1982 - 1993年)
1975年発売のフォルクスワーゲン・ポロや1976年発売のフォード・フィエスタなどに対抗すべく、スペインに新設されたサラゴサ工場で生産して1982年に発売した。
日本は東邦モーターズが少数を輸入し、『オペル 100i/130GT』の名称で販売した。
1990年にドイツなどでトムとジェリーがイメージキャラクターを務めた。
2代目 (1993-2016年)
オペル・欧州GM在籍中の日本人カーデザイナー、児玉英雄がデザインを担当し、欧州で1993年に発売、日本では1995 - 2000[1]年モデルをヤナセが輸入して販売した。オーストラリア、ニュージーランドではバリナの名で、日本ではすでにトヨタがコルサの車名を登録して使用しており、『オペル・ヴィータ』[2]の名で販売した。
販売当初の車両本体価格は150万円台からで、左ハンドル仕様のみだったが、翌年右ハンドルも追加された。可愛いベイビーのメロディに乗せて「かわいいVITA♪ハイハイ」と歌う親しみやすいテレビCMと丸みを帯びたデザインに加え、デュアルエアバッグやABSなど安全装備が充実し、輸入車としては安価なこともあり、初年分はすぐに完売した。軽自動車からの乗り換えも発生し、主に海外ブランド車を扱うヤナセが、軽を下取りして中古車として扱った。2000年に放送されたTBSドラマ「ビューティフルライフ」で常盤貴子が演じるヒロインの愛車として赤いヴィータが劇用車となったことから人気が再燃し、品薄になった。
3代目 (2000-2012年)
2001年に欧州で発売し、日本は2001 - 2003年モデルを、GMとヤナセが2代目同様『オペル・ヴィータ』として販売。児玉がデザインに携わった最後のコルサでもある。
4代目 (2006-2014年)
2006年5月に欧州で発売した。フィアット・グランデプントが供用する「GM ガンマプラットフォーム」を採用した。
日本は2006年5月にオペルが撤退し、本モデルから正規輸入販売されていない。
5代目 (2014-2019年)
2014年10月に、パリモーターショーで5代目モデルを初公開[3]した。先代同様に3ドアと5ドアが設定され、英国はボクスホールブランドで販売する。
先代を元に再開発したプラットフォームに、新開発の1.0Lターボに加えて1.2L、1.4L、1.4Lターボ、1.3Lディーゼルターボを搭載する。
2015年に、1.6Lターボエンジンを搭載したオペルコルサOPC(ボクスホールコルサVXR)[4]を発売した。最高出力は207PS、最大トルクは245Nm、オーバーブースト機能でトルクを280Nmに引き上げることが可能で、0 - 100km/h加速は6.8秒、最高速度は230km/hである。
6代目 (2019年-)
2019年5月23日に電気自動車の「コルサe」[5]、6月26日にガソリン・ディーゼル車の「コルサ」が発表され[6]、同年に開催されたフランクフルトモーターショー2019で世界初公開した[7]。コルサ Fは当初GMのプラットフォームを用いて開発されていたが、開発中にオペルがグループPSA傘下へ異動したことにより、途中でPSA EMP1プラットフォームに切り替え、約2年の期間で仕上げられた。
パワートレインはガソリン車が1.2Lと1.2Lターボ、ディーゼル車が1.5L BlueHDiで、最高出力はガソリン車が55 - 96kW, 75 - 130hp、ディーゼル車が75kW,102hpである。e-CMPをプラットフォームに採用した電気自動車の「コルサe」は、50kWhのバッテリーを搭載し、最高出力は100kw, 136hp、1回の充電で330km(WLTPサイクル)の走行が可能で、0 - 100km/h加速は8.1秒である。安全機能は、自動防眩機能付きLEDヘッドライト「IntelliLux LED matrix light」、自動ブレーキ、車線維持機能、自動駐車支援機能などを装備する [7]。
コンボライフ、グランドランドとともに、2021年の日本市場再上陸時に発売予定と2020年2月に発表[8]された。トヨタ自動車から日本でのコルサの商標権がGroupe PSA Japan(現:Stellantisジャパン)に譲渡されて商標権の問題が解決された[9]こともあり、他国向けと同じ名称のオペル・コルサとして日本へ導入される見込み。
英国では、先代同様ボクスホールブランドで販売する。
関連項目
脚注
外部リンク