エーリヒ・ブロッホ

エーリヒ・ブロッホ(Erich Bloch、1925年1月9日 - 2016年11月25日)は、ドイツ生まれのアメリカ合衆国の電気工学者である。彼はIBM初のスーパーコンピュータ7030メインフレームSystem/360の開発に携わっていた。1984年から1990年までアメリカ国立科学財団の理事長を務めた。

エーリヒ・ブロッホ
Erich Bloch
第8代 アメリカ国立科学財団理事長
任期
1984–1990
大統領ロナルド・レーガン
前任者エドワード・アラン・ナップ英語版
後任者ウォルター・E・マジー英語版
個人情報
生誕 (1925-01-09) 1925年1月9日
ドイツの旗 ドイツ国 ズルツブルク英語版
死没2016年11月25日(2016-11-25)(91歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ワシントンD.C.
科学者経歴
研究分野電気工学
研究機関IBM (1952–1984)
アメリカ国立科学財団理事長 (1984–1990)
出身校チューリッヒ工科大学
ニューヨーク州立大学バッファロー校 (B.S., 1952)
主な業績IBM 360
主な受賞歴アメリカ国家技術賞
全米技術アカデミー会員
コンピュータ・パイオニア賞 (1993)
ヴァネヴァー・ブッシュ賞 (2002)
コンピュータ歴史博物館フェロー
スウェーデン王立工学アカデミー英語版外国人会員
IEEEフェロー
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生涯

ブロッホは1925年にドイツのズルツブルク英語版ユダヤ人の両親の下に生まれた[1]ホロコーストで両親を失い、スイスの難民キャンプで戦争を生き延び、1948年にアメリカ合衆国に移住した[2]。彼はスイスのチューリッヒ工科大学で電気工学を学び、アメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校で電気工学の学士号を取得した[3]

卒業後の1952年にIBMに入社した。スーパーコンピュータIBM 7030(Stretch)など、IBM在籍中にいくつかのプロジェクトを率いた。1984年6月、大統領ロナルド・レーガンエドワード・アラン・ナップ英語版の後任のアメリカ国立科学財団理事長にブロッホを推薦し、理事長に就任した[1]。同年、スウェーデン王立工学アカデミー英語版の外国人会員に選出された。1985年、System/360の業績に対して、ボブ・O・エバンズフレデリック・ブルックスとともに、第1回のアメリカ国家技術賞を受賞した[4]

国立科学財団理事長を退任した後、アメリカ合衆国競争力評議会英語版に参加した[5]。1990年、IEEEファウンダーズメダル受賞。1993年、IEEE Computer Societyは高速コンピューティングでの業績に対してコンピュータ・パイオニア賞を授与した[6]。2002年、全米科学審議会英語版はブロッホにヴァネヴァー・ブッシュ賞を授与した[7]。2004年、コンピューター歴史博物館はブロッホをフェロー(コンピュータの殿堂入り)に選出した。受賞理由は「スーパーコンピュータIBM Stretchのエンジニアリング管理、およびIBM System/360で使用されコンピューター業界に革命をもたらしたソリッド・ロジック・テクノロジー英語版に対して」である[3]

ブロッホは、2016年11月25日にワシントンD.C.アルツハイマー病の合併症により91歳で亡くなった[2][8]

出典

外部リンク