ギヴ・モア・ラヴ

ギヴ・モア・ラヴ』(Give More Love) は、イングランドのミュージシャン、リンゴ・スターの19枚目のスタジオ・アルバム。おもにロサンゼルスにスターが所有するゲストハウスのスタジオで録音され[9]、ユニバーサル・ミュージック・エンタープライズ (UMe) から、2017年9月15日にリリースされたこのアルバムには、同じく元ビートルズポール・マッカートニーをはじめ、従来からしばしば共演してきたジョー・ウォルシュデイヴ・スチュワートゲイリー・ニコルソン英語版ボブ・マローン英語版や、オール・スター・バンドの面々が参加している[2]

ギヴ・モア・ラヴ
リンゴ・スタースタジオ・アルバム
リリース
録音Roccabella West(ロサンゼルス
Fred's Kitchen(ストックホルム[1]
ジャンルポップ・ロック
カントリー[2]
レゲエ[3]
時間
レーベルアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 UMe
日本の旗 日本 ユニバーサルミュージック
プロデュースリンゴ・スター[1]
リンゴ・スター アルバム 年表
Postcards from Paradise
(2015年)
Give More Love
(2017年)
『Give More Love』収録のシングル
  1. 「Give More Love」
    リリース: 2017年7月7日
  2. 「We're On The Road Again」
    リリース: 2017年7月28日
  3. 「So Wrong For So Long」
    リリース: 2017年8月18日
  4. 「Standing Still」
    リリース: 2017年9月8日
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専門評論家によるレビュー
総スコア
出典評価
Metacritic55/100[4]
レビュー・スコア
出典評価
オールミュージック3/5stars[5]
ローリング・ストーン3/5stars[6]
タイムズ2/5stars [7]
Express & Star7/10 [8]

背景

前作『Postcards from Paradise』のリリース後、スターは本作に着手し、また、リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドのツアーをおこなった。当初は、長く協力関係にあるデイヴ・スチュワートの助けを借りてカントリー・アルバムをテネシー州ナッシュビルで作ろうと考えていたが、結局はほとんどのトラックは、ゲストハウスのスタジオで録音されることになった[2]。このアルバムには、これまでスターのアルバムに協力してきた面々が加わっており、オール・スター・バンドのメンバーや元メンバーであるスティーヴ・ルカサーピーター・フランプトンジョー・ウォルシュエドガー・ウィンターティモシー・B・シュミットらが参加している。

ビートルズポール・マッカートニーは、2曲のトラックでベースを弾いており、バックボーカルも務めている。スターは事前に、Twitterを通してアルバムにマッカートニーが参加することを告知していた[10]

このアルバムには10曲のオリジナル・トラックと、4曲のボーナス・トラックが収められている。ボーナス・トラックはいずれもスターがかつてリリースした曲の再録音である。スターのシングル曲である「バック・オフ・ブーガルー (Back Off Boogaloo)」の再録音は、引越しの際に発見されたというこの曲の当初のオリジナル・デモを基に[9]エレクトリック・ライト・オーケストラ (ELO) のジェフ・リンイーグルスジョー・ウォルシュがギターを弾いている。「フォトグラフ (Photograph)」やビートルズ時代の「ドント・パス・ミー・バイ」の再録音では、アメリカ合衆国のバンドであるヴァンダヴィアー英語版と、また「ユー・キャント・ファイト・ライトニング」はアルバータ・クロス英語版と共演しているが、これらは、スターの誕生日イベント「ピース&ラヴ・バースデイ」で2016年に披露されたカバー演奏を気に入ったスターが、改めてスタジオで彼らの演奏を録音し、自らのボーカルを入れたものである[9]

スターは、77歳の誕生日を迎えた2017年7月7日に正式にアルバムの発表を告知し、同時にタイトル曲をストリーミングとデジタル・ダウンロードで配信するシングルとしてリリースした。次いで、マッカートニー、ルカサー、ウォルシュ、ウィンターが参加した「ウィアー・オン・ザ・ロード・アゲイン (We're On the Road Again)」が、2枚目のシングルとして2017年7月17日にリリースされた。カントリー曲の「ソー・ロング・フォー・ソー・ロング (So Wrong For So Long)」は2017年8月18日にリリースされた[11]。「スタンディング・スティル (Standing Still)」は2017年9月8日に最後のシングルとしてリリースされた[12]

リリースと反響

ギヴ・モア・ラヴ』は、リリース後に賛否さまざまな評価を受けた。『ローリング・ストーン』誌のウィル・ハームス英語版は、スターのことを「ロックにおける、いたずら好きなミニマリストイドにして、永遠に楽天的なエメリタス英語版 (rock's mischievously minimalist id and Eternal-Optimist Emeritus)」とし[8]、このアルバムを「よく熟成されたオールスターのキャンディーグラム (a well-timed all-star candygram)」と評した。オールミュージックスティーヴン・トマス・アールワインは、「これは胴着の近くでカードを扱っているような類のアルバムではなく、タイトルからもわかるように心を開いた、優しい音楽である (this isn't the kind of album that plays its cards close to the vest; as the title suggests, this is open-hearted, kind music)」と述べた[5]。このアルバムは、2010年代にスターが発表した他のソロ作品との比較でも、好不評両方の見解が出されている。

トラックリスト

#タイトル作詞・作曲時間
1.「ウィアー・オン・ザ・ロード・アゲイン (We're on the Road Again)」
2.「ラファブル (Laughable)」
3.「ショー・ミー・ザ・ウェイ (Show Me the Way)」
  • スターキー
  • ルカサー
4.「スピード・オブ・サウンド (Speed of Sound)」
5.「スタンディング・スティル (Standing Still)」
  • スターキー
  • ゲイリー・バー英語版
6.「キング・オブ・ザ・キングダム (King of the Kingdom)」
7.「エレクトリシティ (Electricity)」
  • スターキー
  • グレン・バラード英語版
8.「ソー・ロング・フォー・ソー・ロング (So Wrong for So Long)」
9.「シェイク・イット・アップ (Shake It Up)」
  • スターキー
  • ゲイリー・ニコルソン英語版
10.「ギヴ・モア・ラヴ (Give More Love)」
  • スターキー
  • ニコルソン
合計時間:
ボーナス・トラック
#タイトル作詞・作曲時間
11.バック・オフ・ブーガルー (Back Off Boogaloo)」[13]
12.ドント・パス・ミー・バイ (Don't Pass Me By)」(featuring Vandaveer)スターキー
13.「ユー・キャント・ファイト・ライトニング (You Can't Fight Lightning)」(featuring Alberta Cross)スターキー
14.フォトグラフ (Photograph)」(featuring Vandaveer)
  • スターキー
  • ハリスン
合計時間:

チャート

チャート(2017年)最高位
オーストリア (Ö3 Austria)[14]65
ベルギー (Ultratop Flanders)[15]94
ベルギー (Ultratop Wallonia)[16]43
チェコ (ČNS IFPI)[17]18
フランス (SNEP)[18]49
ドイツ (Offizielle Top 100)[19]69
スコットランド (OCC)[20]76
スペイン (PROMUSICAE)[21]71
スイス (Schweizer Hitparade)[22]51
US Billboard 200[23]128

脚注