サッカーベトナム代表

ベトナムの男子サッカーナショナルチーム

サッカーベトナム代表(サッカーベトナムだいひょう、ベトナム語Đội tuyển bóng đá quốc gia Việt Nam / 隊選䏾跢國家越南)は、ベトナムサッカー連盟(VFF)によって構成される、ベトナムサッカーナショナルチームである。アジアサッカー連盟およびASEANサッカー連盟所属。ベトナム国内ではサッカーが国民的な人気スポーツとなっている[2][3][4]

サッカーベトナム代表
国または地域 ベトナム
協会ベトナムサッカー連盟
FIFAコードVIE
愛称ベトナム語: Những chiến binh Sao Vàng
(ゴールデンスター戦士)
監督フランスの旗 フィリップ・トルシエ
最多出場選手レ・コン・ビン(83試合)
最多得点選手レ・コン・ビン(51得点)
ホームカラー
アウェイカラー
初の国際試合
 中華人民共和国 5–3 北ベトナム 北ベトナム
(1956年10月2日)
 フィリピン 2–2 統一ベトナム 
(マニラ, 1991年11月26日)[1]
最大差勝利試合
 ベトナム 11–0 グアム 
(ホーチミン市, 2000年1月23日)
最大差敗戦試合
 ジンバブエ 6–0 ベトナム 
(クアラルンプール, 1997年2月26日)
 オマーン 6–0 ベトナム 
(仁川広域市, 2003年9月29日)
FIFAワールドカップ
出場回数0回
最高成績-
AFCアジアカップ
出場回数5回
最高成績ベスト4 (1956, 1960)
東南アジアサッカー選手権
出場回数14回
最高成績優勝 (2008, 2018)

なお、当項目には1976年までのベトナム民主共和国(北ベトナム)時代の記録および経歴が含まれており、サッカーベトナム共和国代表(南ベトナム)の成績は含まない。しかし、国際サッカー連盟(FIFA)では南ベトナム代表を当チームの前身とみなしている(北ベトナム代表はFIFA未加盟であった故)。

歴史

かつてはベトナム民主共和国(北ベトナム)とベトナム共和国(南ベトナム)に分断されていたため、それぞれにナショナルチームがあった。南ベトナムはAFCアジアカップに2度出場し、4位になったことがある。一方、北ベトナム代表は前述の通りFIFA未加盟であったため、専ら共産圏中国北朝鮮キューバ等)との対戦が主であった。南北統一後、活動を始めるのは1991年になってからである。

自国開催となった東南アジアサッカー選手権の1998年大会では準優勝を果たし、その時は決勝でシンガポールに0-1で敗れている。2007年には、自国を含む4カ国共催のAFCアジアカップに開催国枠として出場し、グループBを2位で開催4カ国の中で唯一決勝トーナメントへ進出。決勝トーナメント1回戦は、この大会優勝したイラクに敗北している。2008年には、東南アジアサッカー選手権(AFFスズキカップ)で優勝し、初の国際タイトルを獲得した[5]

2015年3月、発動機ならびに農機、建機、小型船舶の製造・販売を行う日本企業のヤンマーは、ベトナム代表とオフィシャルスポンサー契約を締結[6]。天然芝の管理に必要なトラクターや、芝管理のノウハウの提供などの技術的な支援と、ベトナム人グラウンドキーパーの育成等も行っている[7]

地元メディアは「ヤンマーはベトナムで最も美しい練習場を建設して支援しており、選手たちの生活の質から施設に至るまで、あらゆる面で良い影響をもたらしている。」などとベトナムサッカーへの貢献を大きく報じている[8]。長年の酷使で荒れ放題だったベトナム代表の公式練習場は整備されて[9]、2016年から『YANMAR FIELD』と名付けられ年代別含む、男女代表選手たちの練習拠点となっている[10]。これら練習環境の改善といった日本企業を含むスポンサーの貢献があり、その後の、U-23アジア杯準優勝始め、東南アジアサッカー選手権、2019年東南アジア競技大会男女優勝、そして2022年W杯アジア最終予選への初進出につながっている[11]

AFCアジアカップ2019年大会3次予選では、2017年11月14日にホームでアフガニスタンを0-0のスコアレスドローに抑え、5節まで無敗で本大会出場を決めた。2007年大会は上述の様に開催国として出場したため、ベトナムが予選を突破してアジアカップの本大会に出場するのは南北統一後初である。

2022 FIFAワールドカップアジア最終予選への進出は東南アジア勢で唯一の進出であり、ベトナム代表にとって史上初の快挙である[12]。7連敗で最終予選敗退となったが、2月の第8節では中国に3-1で勝利を収めている[13]。これは東南アジア勢による「最終予選での初勝利」であった[14]。3月29日に行われた試合では通算対戦成績4試合全敗の日本代表相手に引き分けて同チーム相手に史上初の勝ち点をつかんだ[15]。初めて出場したワールドカップ最終予選は1勝1分8敗の最下位で敗退となった。監督は「私たちにとっては、この経験が非常に意味のあるものだった。成績自体はいいものではなかったが、私たちなりのベストを尽くせたと思う」と答えた[16]。10年以上前からの国を挙げての強化もあって、着実に成長を続けており、2022年3月29日時点でFIFAランキングで東南アジアのトップに立つ(98位)[17][18]

成績

FIFAワールドカップ

AFCアジアカップ

開催年結果試合勝利引分敗戦得点失点
1956不参加
1960
1964
1968
1972
1976
1980
1984
1988
1992
1996予選敗退
2000
2004
2007ベスト8411247
2011予選敗退
2015
2019ベスト8511357
2023グループリーグ敗退300348
合計3/18122281322

アジア競技大会

2002年大会以降はU-23サッカーベトナム代表#アジア競技大会の成績を参照。

開催年結果試合勝利引分敗戦得点失点
1978不参加
1982
1986
1990
1994
1998グループリーグ敗退200206
合計1/13200206

東南アジアサッカー選手権

開催年結果試合勝利引分敗戦得点失点
19963位63211410
1998準優勝531182
20004位6312146
20023位64112112
2004グループリーグ敗退4211135
2007ベスト45131103
2008優勝7421116
2010ベスト4521285
2012グループリーグ敗退301225
2014ベスト45311128
2016ベスト4531186
H&A方式 2018優勝8620154
2020ベスト4632192
H&A方式 2022準優勝8431163
合計14/147941221616177

東南アジア競技大会

開催年結果試合勝利引分敗戦得点失点
1975不参加
1977
1979
1981
1983
1985
1987
1989
1991グループリーグ敗退301235
1993グループリーグ敗退310213
1995準優勝6402108
19973位631296
1999準優勝6411142
合計5/202412393724

VFFカップ

開催年結果試合勝利引分敗戦得点失点
2004準優勝320143
2008準優勝202022
20104位301215
20123位311152
合計4/4113441212

歴代監督

名前
フィリップ・トルシエ2023.2-2024.3
朴恒緖2017.9-2023.1
Nguyễn Hữu Thắng2016.3-2017.8
三浦俊也2014.5-2016.1
Hoàng Văn Phúc2013.1-2014.5
Phan Thanh Hùng2012.8-2012.12
ファルコ・ゲッツ2011.6-2011.12
エンリケ・カリスト2008.6-2011.3
アルフレッド・リードル2005-2007.10
エジソン・アラウージョ・タヴァレス2004.2-2004.12
アルフレッド・リードル2003.2-2003.10
エンリケ・カリスト2002.11-2002.12
ディド2001-2002
アルフレッド・リードル1998.8-2000
コリン・マーフィー英語版1997.10
トラン・ドゥイ・ロング1997
カール=ハインツ・ウェイガン英語版1995-1997.6
エジソン・アラウージョ・タヴァレス1995

歴代選手

GK

DF

MF

FW

脚注

関連項目

外部リンク