サルバドール・ペレス
サルバドール・ペレス・ディアス(Salvador Pérez Diaz, 1990年5月10日 - )は、ベネズエラのカラボボ州バレンシア出身のプロ野球選手(捕手)。右投右打。MLBのカンザスシティ・ロイヤルズに所属。愛称はSALVY(サルヴィー)[3]。
カンザスシティ・ロイヤルズ #13 | |
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2023年5月30日 | |
基本情報 | |
国籍 | ベネズエラ アメリカ合衆国[1] (二重国籍) |
出身地 | ベネズエラ カラボボ州バレンシア |
生年月日 | 1990年5月10日(33歳) |
身長 体重 | 6' 3" =約190.5 cm 245 lb =約111.1 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 捕手 |
プロ入り | 2006年 アマチュアFA |
初出場 | 2011年8月10日 |
年俸 | $20,000,000(2023年)[2] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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国際大会 | |
代表チーム | ベネズエラ |
WBC | 2013年、2017年、2023年 |
この表について |
経歴
プロ入り前
4歳の時に両親が離婚し、以後母親の手によって育てられる。丁度その頃に野球を始めたが、初めて捕手を務めたのは8歳の時であった。早くから才能を発揮し、12歳になる頃にはコーチから「将来のメジャーリーガー」と見なされるようになっていた[4]。
プロ入りとロイヤルズ時代
2006年9月27日にアマチュアFAとしてカンザスシティ・ロイヤルズと契約。
2007年にルーキーリーグでデビューすると、盗塁阻止率48%を記録して注目される[5]。守備に比べて打撃は課題とされていたが、2010年はA+級ウィルミントン・ブルーロックスでリーグ8位の打率.290を記録した[6]。
2011年はAA級ノースウエストアーカンソー・ナチュラルズでスタートしたペレスは、79試合で打率.283、9本塁打という成績を残し、AAA級オマハ・ストームチェイサーズへ昇格。首脳陣はロースターが拡大される9月にペレスを昇格させる構想だったが、マット・トレーナーとブライアン・ペーニャの両捕手が離脱したことにより、予定より早くメジャーへ昇格することになった[6]。8月10日のタンパベイ・レイズ戦でデビューしてからは、21歳という若さながら正捕手として起用された。
2012年2月26日に2016年まで5年700万ドルの契約を結んだ。2017年から2019年までのオプションを含めると8年2175万ドルとなり、最大で500万ドルの出来高もつく[7]。しかし、スプリングトレーング期間中に左膝の半月板を痛め、復帰したのは7月になってからだった[8]。復帰後は3割を超える打率を残し、リーグ1位の盗塁阻止率42%を記録した。
2013年はシーズン開幕前の3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のベネズエラ代表に選出された[9]。同大会では、ミゲル・モンテロの控えとして2試合に出場した。シーズンでは初めて規定打席に到達し、オールスターゲームに初選出された。捕手としての出場試合数(137)はマット・ウィータースに次いでリーグ2位。オフには、自身初のゴールドグラブ賞を受賞した。
2014年は自己最多となる150試合に出場し、捕手としての出場試合数(146)は両リーグ1位。打率こそ、メジャーデビュー以来初めて2割9分を下回ったが、二塁打と本塁打で自己ベストを更新。またメジャー初盗塁も決めた。守備では失策9(守備率.992)、DRS+12、3年連続30%以上となる盗塁阻止率という成績を残した。2年連続でのオールスター選出、チームのプレーオフ進出もあり、充実したシーズンを過ごした。9月30日のオークランド・アスレチックスとのワイルドカードゲームでは、延長12回裏にサヨナラ安打を放ち、ディビジョンシリーズ進出に貢献した[10]。オフには2年連続となるゴールドグラブ賞を受賞した。また11月7日に日米野球2014のMLB選抜に選出された[11]。
2015年はオールスターゲームの投票では2位のラッセル・マーティンらに大差をつけ1100万票以上獲得し、3年連続で選出された。この年は142試合に出場し、打率.260、21本塁打、70打点を記録した。しかしメジャーデビューから4年連続で出塁率は低下した。守備では139試合で守りに就き、捕手では4失策、自己最高の守備率.996、盗塁阻止率31%という成績を残した。
2016年はシーズン開幕前の3月1日に既存契約のうち2017年以降の球団側選択オプションをなくし、新たに2021年までの5年総額5250万ドルで契約を延長した[12]。シーズンでは139試合に出場して打率.247、22本塁打、64打点という成績を記録。打率と合わせて119三振も喫した一方、本塁打と二塁打(28二塁打)はいずれも自己最多(二塁打はタイ)を記録した。オフの12月5日に第4回WBCのベネズエラ代表に選出された[13]。
2017年はシーズン開幕前に選出されていた第4回WBCに参加。3月10日のイタリア戦で負傷し、代表を離脱した[14]。シーズンでは6月10日に通算100本塁打を達成した[15]。
2019年3月にトミー・ジョン手術を受け[16]、シーズンを全休した。
2020年はシーズン開幕前にアメリカ国籍を取得した[1]。7月4日には新型コロナウイルスに陽性反応を示した[17]。シーズンではコロナウイルスの影響で60試合の短縮シーズンとなった中で2シーズンぶりに復帰し、37試合に出場し、打率.333、11本塁打、32打点の成績を記録。オフには自身3度目となるシルバースラッガー賞を受賞すると同時に、カムバック賞も受賞した。12月9日にオールMLBチームのファーストチーム捕手に初選出された[18]。
2021年はシーズン開幕前の3月21日にロイヤルズと4年総額8200万ドルで契約延長した[19]。オプションとして2026年は球団側が選択権を所持し、バイアウトの際は200万ドルが支払われる。シーズンでは7月1日に通算7度目、ファン投票では通算6度目となるオールスターゲームに選出された[20]。オールスターゲーム前日の7月12日に「7番・捕手」で先発出場することが発表された[21]。また、同日に開催されたホームランダービーでは第1ラウンドでメッツのピート・アロンソに敗れて敗退した[22]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは先発出場し、5回裏にレイズのマイク・ズニーノと交代した[23]。シーズン終盤にはエンゼルスの大谷翔平、ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロ・ジュニアとの激しい本塁打王争いを展開した。最終的にゲレーロ・ジュニアと同数で本塁打王、単独での打点王のタイトルを獲得した。オフの11月23日に2年連続2度目となるオールMLBチームのファーストチーム捕手に選出された[24]。
2023年はシーズン開幕前の3月に開催された第5回WBCのベネズエラ代表に選出され、3大会連続3度目の選出を果たした。シーズンでは7月2日にMLB選出で通算8度目となるオールスターゲームに選出された[25]。
選手としての特徴
身長は6フィート3インチ(約190.5cm)で、捕手としては高身長の部類に入るが、守備動作は俊敏で、パスボールも少ない。肩の強さ、送球の正確さも非常に優秀で、マイナーでの通算盗塁阻止率は4割を超えている[5]。
打撃では平均以上のパワーを持ち、打率を残すコンタクト技術もあるが、積極的に打って行くフリースインガーであるため、四球が少なく、結果として出塁率は伸びない[5]。
人物
2015年に阪神タイガースに所属していたマリオ・サンティアゴとは友人であり、サンティアゴがNPBで初勝利した際には、お祝いメールを送信している[26]。
詳細情報
年度別打撃成績
年 度 | 球 団 | 試 合 | 打 席 | 打 数 | 得 点 | 安 打 | 二 塁 打 | 三 塁 打 | 本 塁 打 | 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 盗 塁 死 | 犠 打 | 犠 飛 | 四 球 | 敬 遠 | 死 球 | 三 振 | 併 殺 打 | 打 率 | 出 塁 率 | 長 打 率 | O P S |
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2011 | KC | 39 | 158 | 148 | 20 | 49 | 8 | 2 | 3 | 70 | 21 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 0 | 1 | 20 | 5 | .331 | .361 | .473 | .834 |
2012 | 76 | 305 | 289 | 38 | 87 | 16 | 0 | 11 | 136 | 39 | 0 | 0 | 0 | 3 | 12 | 3 | 1 | 27 | 14 | .301 | .328 | .471 | .798 | |
2013 | 138 | 526 | 496 | 48 | 145 | 25 | 3 | 13 | 215 | 79 | 0 | 0 | 0 | 5 | 21 | 2 | 4 | 63 | 13 | .292 | .323 | .433 | .757 | |
2014 | 150 | 606 | 578 | 57 | 150 | 28 | 2 | 17 | 233 | 70 | 1 | 0 | 0 | 3 | 22 | 2 | 3 | 85 | 22 | .260 | .289 | .403 | .692 | |
2015 | 142 | 553 | 531 | 52 | 138 | 25 | 0 | 21 | 226 | 70 | 1 | 0 | 0 | 5 | 13 | 4 | 4 | 82 | 23 | .260 | .280 | .426 | .706 | |
2016 | 135 | 546 | 514 | 57 | 127 | 28 | 2 | 22 | 225 | 64 | 0 | 0 | 0 | 2 | 22 | 3 | 8 | 119 | 12 | .247 | .288 | .438 | .725 | |
2017 | 129 | 499 | 471 | 57 | 126 | 24 | 1 | 27 | 233 | 80 | 1 | 0 | 0 | 5 | 17 | 3 | 5 | 95 | 23 | .268 | .297 | .495 | .792 | |
2018 | 129 | 544 | 510 | 52 | 120 | 23 | 0 | 27 | 224 | 80 | 1 | 1 | 0 | 5 | 17 | 0 | 12 | 108 | 19 | .235 | .274 | .439 | .713 | |
2020 | 37 | 156 | 150 | 22 | 50 | 12 | 0 | 11 | 95 | 32 | 1 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 2 | 36 | 0 | .333 | .353 | .633 | .986 | |
2021 | 161 | 665 | 620 | 88 | 169 | 24 | 0 | 48 | 337 | 121 | 1 | 0 | 0 | 4 | 28 | 4 | 13 | 170 | 14 | .273 | .316 | .544 | .859 | |
2022 | 114 | 473 | 445 | 48 | 113 | 23 | 1 | 23 | 207 | 76 | 0 | 0 | 0 | 3 | 18 | 2 | 7 | 109 | 9 | .254 | .292 | .465 | .757 | |
2023 | 140 | 580 | 538 | 59 | 137 | 21 | 0 | 23 | 227 | 80 | 0 | 0 | 0 | 8 | 19 | 6 | 13 | 135 | 11 | .255 | .292 | .422 | .714 | |
MLB:12年 | 1394 | 5611 | 5290 | 598 | 1411 | 257 | 11 | 246 | 2428 | 812 | 6 | 1 | 0 | 46 | 199 | 29 | 73 | 1049 | 165 | .267 | .300 | .459 | .759 |
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
WBCでの打撃成績
年 度 | 代 表 | 試 合 | 打 席 | 打 数 | 得 点 | 安 打 | 二 塁 打 | 三 塁 打 | 本 塁 打 | 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 盗 塁 死 | 犠 飛 | 四 球 | 敬 遠 | 死 球 | 三 振 | 併 殺 打 | 打 率 | 出 塁 率 | 長 打 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013[27] | ベネズエラ | 2 | 5 | 5 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .200 | .200 | .400 |
2017[28] | 2 | 8 | 7 | 2 | 2 | 1 | 0 | 1 | 6 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | .286 | .375 | .857 | |
2023[29] | 4 | 15 | 14 | 5 | 6 | 4 | 0 | 1 | 13 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .429 | .467 | .929 |
年度別守備成績
年 度 | 球 団 | 捕手(C) | 一塁(1B) | |||||||||||||||
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試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | 捕 逸 | 企 図 数 | 許 盗 塁 | 盗 塁 刺 | 阻 止 率 | 試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2011 | KC | 39 | 290 | 21 | 3 | 2 | .990 | 2 | 33 | 26 | 7 | .212 | - | |||||
2012 | 74 | 522 | 53 | 4 | 4 | .993 | 3 | 43 | 25 | 18 | .419 | - | ||||||
2013 | 137 | 930 | 71 | 7 | 4 | .993 | 3 | 71 | 46 | 25 | .352 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | .667 | |
2014 | 146 | 1037 | 72 | 9 | 5 | .992 | 5 | 82 | 57 | 25 | .305 | - | ||||||
2015 | 139 | 974 | 90 | 4 | 10 | .996 | 4 | 95 | 66 | 29 | .305 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1.000 | |
2016 | 128 | 989 | 77 | 4 | 4 | .996 | 5 | 77 | 40 | 37 | .481 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | |
2017 | 115 | 784 | 46 | 5 | 3 | .994 | 3 | 74 | 54 | 20 | .270 | - | ||||||
2018 | 96 | 690 | 69 | 0 | 11 | 1.000 | 4 | 42 | 27 | 25 | .481 | 3 | 25 | 1 | 0 | 2 | 1.000 | |
2020 | 34 | 295 | 6 | 0 | 1 | 1.000 | 0 | 11 | 8 | 3 | .273 | 3 | 15 | 0 | 0 | 4 | 1.000 | |
2021 | 124 | 975 | 61 | 2 | 12 | .998 | 1 | 41 | 23 | 18 | .439 | - | ||||||
2022 | 77 | 548 | 30 | 3 | 3 | .995 | 1 | 29 | 19 | 10 | .345 | - | ||||||
2023 | 91 | 655 | 25 | 1 | 2 | .999 | 2 | 63 | 54 | 9 | .143 | 23 | 149 | 14 | 1 | 13 | .994 | |
MLB | 1200 | 8689 | 621 | 42 | 61 | .996 | 33 | 671 | 445 | 226 | .337 | 32 | 196 | 15 | 2 | 20 | .991 |
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
- 各年度の太字年はゴールドグラブ賞受賞
タイトル
表彰
- MLB
- シルバースラッガー賞(捕手部門):4回(2016年、2018年、2020年、2021年)[30]
- ゴールドグラブ賞(捕手部門):5回(2013年 - 2016年、2018年)
- ワールドシリーズMVP:1回(2015年)
- カムバック賞:1回(2020年)
- ルー・ゲーリッグ賞:1回(2021年)
- オールMLBチーム[31]
- ファーストチーム捕手:2回(2020年、2021年)
- 国際大会
記録
- MLBオールスターゲーム選出:8回(2013年 - 2018年、2021年、2023年)
背番号
- 13(2011年 - 2018年、2020年 - )
- 15(2013年WBC、2017年WBC)
代表歴
脚注
関連項目
- メジャーリーグベースボールの選手一覧 P
- ベネズエラ出身のメジャーリーグベースボール選手一覧
- トミー・ジョン手術を受けた野球選手一覧
外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Salvador Perez stats MiLB.com (英語)
- Salvador Perez (@SalvadorPerez15) - X(旧Twitter)
- Salvador Perez (@salvadorp13) - Instagram