ダ川

中国と北西部のベトナムからの川

ダ川(ダがわ)[1]、ないし、ダー川(ダーがわ、ベトナム語: Sông Đà / 瀧沱[2]は、中国からベトナム北西部を流れる河川で、名称はベトナム語で「暗い茶色」を意味する「đà」に由来し、中国領内を流れる区間は李仙江中国語版と称される[3]黒河と称される場合もある[4]

ダ川
ムオンライ付近を流れるダ川
水系紅河(ホン川)
延長980 km (610 mi)[1]
うちベトナム領内 540 km
水源中華人民共和国の旗 中国 雲南省
流路中華人民共和国の旗 中国
 ベトナム
ベトナム語: Sông Đà
中国語: 沱江(中国領内:李仙江
英語: Black River
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ベトナム北西部の地図。ダ川は、この図の左上(北西)の角から右下(南東)へ流れ、次いで北上して紅河に合流する。

流路

ダー川の護送船。チョー・ボ(Cho bo)。1916年

水源は、中国の雲南省である。中国からベトナムに入り、ライチャウ省を流れて一部はディエンビエン省との境界を画し、さらに、ソンラ省ホアビン省を流れる。

ダ川は、フート省ヴィエットチー付近のタムノン県で合流する紅河(ホン川)にとって、最も重要な支流である。また、ダ川の一部は、フート省とハノイ(かつてであれば旧ハタイ省)との境界となっている[5]

ダ川の全長はおよそ980kmに及び、そのうちおよそ540kmがベトナム領内を流れている[1]

水力発電

ダ川では、相当量の水力発電が行われている。

中国側では、7基のダムが計画され、そのうち崖羊山ダム英語版石門坎ダム英語版龍馬ダム英語版居甫渡ダム英語版戈蘭灘ダム英語版土卡河ダム英語版の6基が完成している。新平寨ダム (Xinpingzhai Dam) は、計画段階にとどまっている[6][7][8]。これら一連のダムの水力発電による発電出力は、合わせておよそ 1,300 メガワットに相当する[9]

ベトナム側では、2基の大規模な水力発電施設がダ川に設けられている。このうちホアビンダム英語版は、1994年に完成した。ソンラダム英語版は、2012年に完成し[10]東南アジア最大の発電出力をもつ施設となった。2011年1月5日には、ライチャウ省ムオンテ県で、ライチャウダム英語版の建設が開始された[10][11][12]。これら3基の発電出力は、合わせて 5,520 メガワットになる。

関連項目

脚注