ナミュール (競走馬)

日本の競走馬

ナミュール(欧字名:Namur :匯兩川2019年3月2日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2023年マイルチャンピオンシップ富士ステークス2022年チューリップ賞

ナミュール
欧字表記Namur[1]
香港表記匯兩川[2]
品種サラブレッド[1]
性別[1]
毛色鹿毛[1]
生誕2019年3月2日(5歳)[1]
ハービンジャー[1]
サンブルエミューズ[1]
母の父ダイワメジャー[1]
生国日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者ノーザンファーム[1]
馬主(有)キャロットファーム[1]
調教師高野友和栗東[1]
競走成績
生涯成績17戦5勝[1]
中央:15戦5勝
海外:2戦0勝
獲得賞金7億1327万3100円[3]
中央:5億963万1000円[1]
海外:2億364万2100円
香港)368万香港ドル[4]
UAE)100万米ドル[5]
(2024年6月2日現在)
WBRRM115 / 2023年[6]
勝ち鞍
GIマイルCS2023年
GIIチューリップ賞2022年
GII富士ステークス2023年
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馬名の意味は、サンブル川ミューズ川が合流するベルギー都市。母名より連想[3]

戦績

2歳(2021年)

9月11日に中京競馬場で行われた2歳新馬戦でデビュー。川田将雅を鞍上に迎えたレースでは、直線で先頭に立ってゴールまで押し切り、外から追い込んだスコールユニバンスに2馬身差をつけ優勝した[7]

11月21日の赤松賞では、スタートはやや後手を踏んだが馬群の後方に構えた。4コーナーは抜群の手応えで外から進出すると、序盤から軽快に飛ばしたパーソナルハイを残り100メートルでとらえ、最後は流す余裕も見せてゴールを駆け抜け2連勝となった(同レースの3着馬は後に二冠牝馬となるスターズオンアース[8]

続いて、12月12日に行われた阪神ジュベナイルフィリーズに出走。1番人気に推されたが、後ろにモタれるしぐさを見せた際にスタートを切られ一頭だけ出遅れ、道中では最後方から内へ進路を変えると、直線でも内を突いて、上がり最速33秒6の末脚を駆使したが届かず、サークルオブライフの4着に敗れた[9]

3歳(2022年)

3歳初戦として、桜花賞トライアルのチューリップ賞に出走。鞍上に横山武史を迎え1番人気に推されたレースでは、中団で脚を溜めて直線半ばで外に出て突き抜け、最内から伸びた13番人気ピンハイに1馬身半差をつけ優勝。重賞初制覇を果たした[10]

1番人気に推された本番の桜花賞は内が有利の馬場で大外枠が仇となり、伸びきれず10着に終わった。

続く、オークスはやや評価を落として4番人気で臨んだが、牝馬二冠を達成したスターズオンアースの3着となった。

オークスの後は夏の休養を挟んで秋華賞に直行。道中は中団外目を追走して直線で先に抜け出したスタニングローズを猛追したが、スタートで出遅れて四角後方3番手から内をついた牝馬二冠スターズオンアースの強襲もあり、1着スタニングローズには半馬身差、3着スターズオンアースとはハナ差の2着となった。

続いて、エリザベス女王杯に出走。3番人気の評価で臨んだが、直線中々伸びきれず5着に終わった。

4歳(2023年)

年内初戦として東京新聞杯に2番人気で出走。直線先に抜け出したウインカーネリアンにアタマ差で届かず2着となった。続くヴィクトリアマイルでは3番人気に支持されたが、レース序盤での不利が響いたのもあり7着に敗れた。その後の安田記念は単勝9番人気と評価を落としての出走となった。レースは最後の直線での不利が影響し、全く伸びず16着という結果に終わった。

秋シーズンは10月21日に開催される富士ステークスから始動。新たにJ.モレイラを鞍上に迎え、1番人気に推された。レースでは道中はやや後方に位置したまま最後の直線。ラスト200mあたりから外から馬群を捌いて一気に伸びてきて、その外から追い詰めるレッドモンレーヴに1.1/4馬身差の優勝。前年チューリップ賞以来の2つ目の重賞タイトルを手にしたとともにマイルチャンピオンシップへの優先出走権を獲得した。

その後は11月19日に4年ぶりに京都競馬場で開催されるマイルチャンピオンシップに出走。並み居る牡馬の中紅一点での挑戦であった。当初は鞍上にR.ムーアを迎えての参戦だったが、当日の京都2Rでムーアの落馬負傷があったため、急遽藤岡康太に乗り替わりとなる。単勝17.3倍の5番人気でレースを迎えるが、レースではスタートのタイミングが合わず、後方につけ、直線での末脚に賭けるような態勢をとったまま最後の直線へ向かう。直線では馬群を割りながら伸びてきて、一気の末脚でそのままソウルラッシュを上がり最速33.0秒で差し切ってゴールした。ナミュールにとっては8回目のGI挑戦で悲願の初制覇、また藤岡康太にとっては2009年NHKマイルカップジョーカプチーノ)以来14年ぶりのGI制覇となった。なお、マイルチャンピオンシップで優勝した牝馬は当時それまで6頭[注 1]しかおらず、さらに当日乗り替わりでGIを優勝したのはグレード制導入後以降で史上初のことである[注 2]。しかしこれが、藤岡康太にとって生涯最後のGI制覇かつ重賞制覇となった。

5歳(2024年)

5月12日に東京競馬場で行われるヴィクトリアマイルに出走することになり、その鞍上は武豊騎手にも決定したことを4月27日に馬主のキャロットファームが明らかにした[11][12]。なお、ナミュールは栗東トレーニングセンター近くにあるノーザンファームしがらきで調整した後、5月2日に栗東トレーニングセンターに帰厩するという[11]。そして迎えた本番ではスタートで出遅れてしまい後方から進めることになり、直線でも思うように伸びず8着。

競走成績

以下の内容は、JBISサーチ[13]netkeiba.com[14]および香港ジョッキークラブ[15]JRA日本中央競馬会の情報に基づく。

競走日競馬場競走名距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順タイム
(上がり3F)
着差騎手斤量
[kg]
1着馬(2着馬)馬体重
[kg]
2021.09.11中京2歳新馬芝1600m(良)1044003.00(2人)01着R1:39.0(33.3)-0.30川田将雅54(スコールユニバンス)438
0000.11.21東京赤松賞1勝芝1600m(良)977008.00(4人)01着R1:33.8(33.0)-0.30三浦皇成54(パーソナルハイ)440
0000.12.12阪神阪神JFGI芝1600m(良)18817002.90(1人)04着R1:34.0(33.6)-0.20C.デムーロ54サークルオブライフ430
2022.03.05阪神チューリップ賞GII芝1600m(良)1546002.20(1人)01着R1:33.2(33.9)-0.20横山武史54(ピンハイ)430
0000.04.10阪神桜花賞GI芝1600m(良)18818003.20(1人)10着R1:33.2(33.7)-0.30横山武史55スターズオンアース426
0000.05.22東京優駿牝馬GI芝2400m(良)1748007.10(4人)03着R2:24.3(34.0)-0.40横山武史55スターズオンアース426
0000.10.16阪神秋華賞GI芝2000m(良)1648003.30(2人)02着R1:58.7(34.0)-0.10横山武史55スタニングローズ446
0000.11.13阪神エリザベス女王杯GI芝2200m(重)18611007.30(3人)05着R2:13.7(36.1)-0.70横山武史54ジェラルディーナ448
2023.02.05東京東京新聞杯GIII芝1600m(良)16815003.70(2人)02着R1:31.8(34.0)-0.00横山武史56ウインカーネリアン448
0000.05.14東京ヴィクトリアMGI芝1600m(良)16611004.20(2人)07着R1:32.8(33.5)-0.60横山武史56ソングライン452
0000.06.04東京安田記念GI芝1600m(良)18612029.90(9人)16着R1.33.3(34.5)-1.90横山武史56ソングライン448
0000.10.21東京富士SGII芝1600m(良)1256003.80(1人)01着R1.31.4(33.8)-0.20J.モレイラ55レッドモンレーヴ454
0000.11.19京都マイルCSGI芝1600m(良)16816017.30(5人)01着R1.32.5(33.0)-0.00藤岡康太56ソウルラッシュ454
0000.12.10沙田香港マイルG1芝1600m(Gd)[注 3]141213013.00(6人)[注 4]03着R1:34.54(33.79)-0.440W.ビュイック55[注 5]Golden Sixty450[注 6]
2024. 3.30メイダンドバイターフG1芝1800m(良)16141512.5 (7人)02着1:45.930.2 C.デムーロ55Facteur Cheval
0000.05.12東京ヴィクトリアMGI芝1600m(良)15610002.50(2人)08着R1:32.3(33.8)-0.50武豊56テンハッピーローズ452
0000.06.02東京安田記念GI芝1600m(稍)1835010.00(4人)02着R1:32.4(32.9)-0.10武豊56ロマンチックウォリアー450
  • 海外の競走の「枠番」欄にはゲート番を記載
  • 香港のオッズ・人気は香港ジョッキークラブのもの(日本式のオッズ表記とした)
  • 競走成績は2024年6月2日現在

血統表

ナミュール血統(血統表の出典)[§ 1]
父系ダンジグ系
[§ 2]

*ハービンジャー
鹿毛 2006 イギリス
父の父
Dansili
黒鹿毛 1996
*デインヒルDanzig
Razyana
HasiliKahyasi
Kerali
父の母
Penang Pearl
鹿毛 1996
BeringArctic Tern
Beaune
GuapaShareef Dancer
Sauceboat

サンブルエミューズ
栗毛 2010 北海道安平町
ダイワメジャー
栗毛 2001
*サンデーサイレンスHalo
Wishing Well
スカーレットブーケ*ノーザンテースト
*スカーレットインク
母の母
ヴィートマルシェ
鹿毛 2002
*フレンチデピュティDeputy Minister
Mitterand
キョウエイマーチ*ダンシングブレーヴ
インターシャルマン
母系(F-No.)7号族(FN:7-d)[§ 3]
5代内の近親交配Northern Dancer S5×S5×M5, Lyphard S5×M5[§ 4]
出典

ナミュールの主要なファミリーライン

インターシャルマン 1987(4勝)
キョウエイマーチ 1994(8勝 桜花賞)
||ヴィートマルシェ 2002(1勝)
|||サンブルエミューズ 2010(3勝 芙蓉S(OP))
||||ナミュール 2019(5勝 チューリップ賞、富士S、マイルCS、優駿牝馬3着、秋華賞2着 現役)
||||ラヴェル 2020(2勝 アルテミスS 現役)
||||アルセナール 2021(1勝 デイリー杯クイーンC2着 現役)
||||ブルージュ 2022(デビュー前)
|||リリーバレロ 2015(4勝)
|||マルシュロレーヌ 2016(9勝 ブリーダーズカップ・ディスタフ等重賞5勝)

脚注

注釈

出典

外部リンク