ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ

任天堂が発売したファミリーコンピューターの復刻版

ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータは、1980年代から1990年代にかけて任天堂が販売した家庭用ゲーム機ファミリーコンピュータ」の復刻版で、2016年11月10日に発売された。現在は生産終了(2022年9月時点)。

ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ
メーカー任天堂
種別復刻系据置型ゲーム機
発売日日本の旗オーストラリアの旗 2016年11月10日
アメリカ合衆国の旗欧州連合の旗 2016年11月11日
売上台数日本の旗 57万台[要出典]
世界 356万台[要出典]
互換ハードウェアファミリーコンピュータ
(ファミリーコンピュータ用スロットの利用を除く)
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海外版ファミコンである“Nintendo Entertainment System”(NES)の復刻版“Nintendo Classic Mini”(欧州・豪州)/“NES Classic Edition”(米国)についても解説する。

概要

ファミリーコンピュータ(以下「ファミコン」)を当時のデザインのまま小型化しており[1]、ロムカセットを差して遊ぶことは出来ないが、当時のゲームのうち30種類が標準で内蔵されている。

人気ゲームソフトの復刻版は、インターネットから最近のゲーム機にダウンロードして遊ぶ事が多くなっている。それにもかかわらず、ゲームハードの復刻版が人気なのは30歳~50歳代の団塊ジュニア世代から支持を集めているためである。

製品の特徴としては、ゲームプレイ中にリセットボタンを押すことによって中断ポイントをゲームごとに最大4つまで保存することが可能になっている[注釈 1]。また、通常のHDMI出力による高精細モード[2][注釈 2]のほか、当時の表示を再現する「アナログテレビ」モードを搭載している[2][3]CEROB(12才以上対象)[4][注釈 3]。ゲームの追加は不可能[4]

初週売上台数は26万台を記録した。

2017年4月には、生産を一旦終了することが任天堂から発表された。生産を再開する際には改めて告知するとしており[5]、2018年5月14日に生産を再開し同年6月28日より店頭販売再開することを発表した[6]

2018年9月15日に、『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』と『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』の2つに加えて、「ニンテンドーUSB ACアダプター」が付属された『ニンテンドークラシックミニ ダブルパック』が、15,077円(税込)にて発売された。

ハードウェア

形番はCLV-101。本体サイズはオリジナルの60%の縮尺で再現されている。コントローラは直付けで2つ用意されているが2コントローラのマイク入力はダミーである[7]

入出力端子は、映像、音声出力用のHDMI端子と、電源供給用のmicro-B USB端子が用意され、商品には本体以外に接続用のハイスピードHDMIケーブル、電源供給用のUSBケーブル、取扱説明書、保証書、マイニンテンドー番号チケット(2016年発売分のみ)が含まれる[2][7]。ただし、ACアダプタは標準添付されていないため、オプションとして用意された純正のアダプタもしくは、スマートフォンの急速充電などに使われる5V/1.0A/5W以上の出力ができるUSBのAコネクタに電源供給が可能なアダプタが必要で、公式サイトではテレビ、PC等のStandard-Aコネクタから電源を供給することによって動作する[2][注釈 4]としている[7]

仕様

CPUにはAllwinner製SoCチップ「R16」(ARM:Quad-core Cortex-A7)が使われている。

収録タイトル

ここでは、日本・海外版収録タイトルを混合で表記する。どちらに収録されているかはセルカラー(緑→両方、黄→日本のみ、赤→海外のみ)で区別するほか、片方に収録の場合のみ備考欄に記述する。

タイトル発売年発売元備考
日本版海外版日本版海外版
アトランチスの謎(未発売)英語版記事1986(未発売)サンソフト海外版には収録なし
イー・アル・カンフー(未発売)英語版記事1985(未発売)コナミ海外版には収録なし
ソロモンの鍵Solomon's Key19861987テクモ海外版には収録なし
ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会(未発売)1990(未発売)テクノスジャパン海外版には収録なし
ダウンタウン熱血物語(北米)River City Ransom
(欧州・豪州)Street Gangs
19891990テクノスジャパン海外版には収録なし
つっぱり大相撲(未発売)1987(未発売)テクモ海外版には収録なし
ファイナルファンタジーIII(未発売)英語版記事1990(未発売)スクウェア海外版には収録なし
マリオオープンゴルフNES Open Tournament Golf19911991任天堂海外版には収録なし
バルーンファイトBalloon Fight19851986任天堂
バブルボブルBubble Bobble19871988タイトー日本版には収録なし
悪魔城ドラキュラCastlevania19861987コナミディスクシステム
ドラキュラII 呪いの封印Castlevania II: Simon's Quest19871988コナミ日本版には収録なし
ドンキーコングDonkey Kong19831986任天堂
ドンキーコングJR.Donkey Kong Jr.19831986任天堂日本版には収録なし
ダブルドラゴンII ザ・リベンジDouble Dragon II: The Revenge19891990テクノスジャパン
ドクターマリオDr. Mario19901990任天堂
エキサイトバイクExcitebike19841985任天堂
ファイナルファンタジーFinal Fantasy19871990スクウェア日本版には収録なし
ギャラガGalaga19851988ナムコ
魔界村Ghosts 'n Goblins19861986カプコン
グラディウスGradius19861986コナミ
アイスクライマーIce Climber19851985任天堂
光神話 パルテナの鏡Kid Icarus19861987任天堂日本版には収録なし
星のカービィ 夢の泉の物語Kirby's Adventure19931993任天堂
マリオブラザーズMario Bros.19831986任天堂
ロックマン2 Dr.ワイリーの謎Mega Man 219881989カプコン
メトロイドMetroid19861987任天堂ディスクシステム
忍者龍剣伝Ninja Gaiden19881989テクモ
パックマンPac-Man19841990ナムコ
パンチアウト!!Punch-Out!! Featuring Mr. Dream19871990任天堂日本版には収録なし
(未発売)日本語版記事StarTropics(未発売)1990任天堂日本版には収録なし
スーパー魂斗羅Super C19901990コナミ
スーパーマリオブラザーズSuper Mario Bros.19851985任天堂
スーパーマリオUSASuper Mario Bros. 219921988任天堂
スーパーマリオブラザーズ3Super Mario Bros. 319881990任天堂
テクモボウルTecmo Bowl19901989テクモ日本版には収録なし
ゼルダの伝説The Legend of Zelda19861987任天堂ディスクシステム
リンクの冒険Zelda II: The Adventure of Link19871988任天堂ディスクシステム

周辺機器

型番名称備考
CLV-101ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ
CLV-S-HVJJニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ50周年記念バージョン
CLV-003ニンテンドーUSB ACアダプター旧称「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ専用ACアダプター」。ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンでも使用可能。
WUP-008ハイスピードHDMIケーブル市販品で代用可能。ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン、Wii UNintendo Switchでも使用可能。
USBケーブルマイクロUSB規格。市販品で代用可能。ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンでも使用可能。

海外版

NES Classic Editionのロゴ
Nintendo Classic Miniの本体
Nintendo Classic Miniのコントローラ

Nintendo Classic Mini(北米では「NES Classic Edition」)は1980年代から1990年代にかけて任天堂が日本国外で販売した家庭用ゲーム機Nintendo Entertainment System」の復刻版として、豪州で2016年11月10日に、北米と欧州で2016年11月11日に発売したゲーム機[8]。日本国内では未発売で発売の予定もない[9]

本機の制作はフランスにある任天堂の子会社により企画された。開発当初はNintendo Entertainment System(以下、NESと略記)用のゲームソフト数十作品を一つの基板に収めることだけが決まっていたが、後に、NES本体の形を再現することでファンアイテムとしても扱えるよう開発が進められた[10]。なお、国内版と海外版は一部収録タイトルが異なる[11]

元のNES本体を手のひらに乗るサイズに小型化し、そこに、任天堂をはじめとする各社のゲームソフトを合計30タイトル内蔵している(収録タイトルは後述)。パッケージの中には、本体とディスプレイを接続するHDMIケーブル、本体に接続して使用するコントローラ1個のほか、電源を供給するものとして欧州・豪州版ではUSBケーブルが、北米版ではACアダプタが同梱されている[12]

本機のコントローラは個別でも販売されており、コントローラを本体に2個接続することで、2人プレイ対応のゲームソフトを2人で遊べる。なお、このコントローラは任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」「Wii U」にも接続でき、NES用ゲームソフトなどを再現したコンテンツ「バーチャルコンソール」を遊ぶ際に使用できる[12]

週刊少年ジャンプ50周年記念バージョン

2018年7月7日には集英社発行の漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』の創刊50周年を記念し、同誌連載作品が原作となったゲームや同誌が制作に関わったゲーム20作品を収録した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ50周年記念バージョン」が発売された。収録ゲーム以外の仕様として、パッケージが『ジャンプ』の雑誌イメージをそのまま再現していること、本体色が金色であること、本体前面のFFマークの位置に「ジャーニー(ジャンプの海賊マーク)」が付されている点である[13]。初週売上台数は11万台。

以下のゲームが収録されている[13]

脚注

注釈

出典

関連項目

コンセプトが類似する他社のゲーム機

外部リンク