ネット棋聖戦

ネット棋聖戦(ネットきせいせん)は、日本囲碁のアマチュア棋戦2014年より開催されており、成績優秀者がプロ棋戦の棋聖戦への出場権を得られるのが特徴である。読売新聞社主催。

ネット棋聖戦
アマチュア棋戦
概要
主催読売新聞社
後援日本棋院関西棋院
協力パンダネット
決勝一番勝負
棋戦形式年間4シーズンクラス別リーグ戦
年間決勝T (SAクラス)
シーズン別決勝T (A-Dクラス)
持ち時間SAクラス: 60分
A, Bクラス: 50分
C, Dクラス: 40分
秒読み使い切った後一手30秒
創設年2014年
開催時期シーズン1: 12-1月
シーズン2: 2-4月
シーズン3: 4-6月
シーズン4: 6-9月
決勝T: 9-10月
公式サイト読売新聞オンライン ネット棋聖戦
記録
現優勝村上深
備考上位4名が棋聖戦に出場
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方式

2014年より開催。大会は年間に4シーズン開催されている[注 1]。対局はSAクラスの年間決勝トーナメントを除き、パンダネットのシステムを利用したインターネット対局で行われる。参加クラスはSAクラス(トップアマ)・Aクラス(アマ四段以上)・Bクラス(アマ初段-三段)・Cクラス(アマ1-5級)・Dクラス(アマ6級以下。以上の棋力はいずれも目安)に分かれており[注 2]、各シーズンの結果を受けて上位者は昇格、下位者は降格する。初参加者のクラスは段級位に基づいての判断となるが、SAクラスにはアマ主要大会ベスト8等の実績が無い限り初出場での参加はできない。

各シーズンの対局数は7局(第2回以降)。各クラスを幾つかのリーグに分けたうえで、SAクラスは総当たり戦、A・B・C・Dクラスはスイス式トーナメントで進行する。

  • SAクラスは、年間4シーズンのリーグ戦で一度以上優勝もしくは準優勝した選手が出場する「年間決勝トーナメント」(最大64名参加)を行う[注 3]。複数回優勝している場合は、回数に応じてトーナメントでのシード権が得られる。
    年間決勝トーナメントでは、1-2回戦をネット対局もしくは東京での対面対局、3回戦以降を東京での対面対局で行い、優勝者を決定する。上位4名は棋聖戦ファーストトーナメントへの出場権を得る。
  • A・B・C・Dクラスでは、年間決勝トーナメントは開催せず、各シーズンごとにリーグ戦での優勝者・準優勝者が参加する「シーズン別決勝トーナメント」を各クラスで行う[注 4]。対局は全てネット対局。

対局はほぼ全てインターネットで行われるが、他者からの助言を得る行為などは禁止されている。特に、囲碁AIを用いた不正行為に対しては厳重な対処がなされ、強い疑いが持たれた際にはプロ棋士による対面での試験碁が課される場合があるほか、不正が明らかになった際は今後の一切の大会への参加禁止ならびにID・氏名の公表などの処罰が加えられる可能性があるとされている。

結果

棋聖戦への出場権を得られる、SAクラスの年間決勝トーナメント上位4名を記載する。

優勝準優勝ベスト4備考
12014年趙錫彬伊瀬英介西川貴敏井場悠史第40期棋聖戦に参加
22015年趙錫彬諸留康博谷口洋平西岡正織第41期棋聖戦に参加
32016年趙錫彬西川貴敏井場悠史佐々木悠介第42期棋聖戦に参加
42017年石田太郎井場悠史西川貴敏趙錫彬第43期棋聖戦に参加
52018年栗田佳樹村上深杉田俊太朗諸留康博第44期棋聖戦に参加
62019年栗田佳樹鈴木友博趙錫彬竹田和正第45期棋聖戦に参加
72020年村上深栗田佳樹竹田和正坂倉健太第46期棋聖戦に参加
82021年竹田和正宮岸黎明西村僚太郎諸留康博第47期棋聖戦に参加
92022年村上深杉田俊太朗趙錫彬曹睿梟第48期棋聖戦に参加
102023年村上深横塚元輝津田裕生杉田俊太朗第49期棋聖戦に参加

棋聖戦での活躍

2019年の第6回優勝により第45期棋聖戦へ参加した栗田佳樹は、ファーストトーナメントで菊地義雄、福井正明趙善津三谷哲也外柳是聞に勝利し、アマチュア初の棋聖戦Cリーグ進出を果たした[1][2]。Cリーグでも3勝2敗で残留を決めている[2][3]。なお、第46期Cリーグでは1勝3敗で陥落となり、2期連続のリーグ残留はならなかった[4]

脚注

注釈

出典

外部リンク