ネプツニウムの同位体

ネプツニウム(Np)は安定同位体を持たない。そのため標準原子量を定めることはできない。

19種の放射性同位体が特徴づけされており、もっとも安定な同位体は半減期214万年の237Npであり、次いで半減期15.4万年の236Np、そして半減期396.1日の235Npと続く。その他の同位体は半減期が4.5日以下であり、そのほとんどが50分以下である。また、4種の核異性体があり、もっとも安定なのは236mNp (t½ 22.5 時間)である。

ネプツニウムの同位体質量の範囲は225.0339 u (225Np) から 244.068 u (244Np)まで。

ネプツニウム237

ネプツニウム237は、ウラン238への高速中性子照射によって生成するウラン237がベータ崩壊して生成する[1]。なお、ネプツニウム237は、核兵器の爆発によって生成する[2]ことから、核実験の放射性降下物としても知られている[3]

一覧

同位体核種Z(p)N(n)同位体質量 (u)半減期核スピン数天然存在比天然存在比
(範囲)
励起エネルギー
225Np93132225.03391(8)3# ms [>2 µs]9/2-#
226Np93133226.03515(10)#35(10) ms
227Np93134227.03496(8)510(60) ms5/2-#
228Np93135228.03618(21)#61.4(14) s
229Np93136229.03626(9)4.0(2) min5/2+#
230Np93137230.03783(6)4.6(3) min
231Np93138231.03825(5)48.8(2) min(5/2)(+#)
232Np93139232.04011(11)#14.7(3) min(4+)
233Np93140233.04074(5)36.2(1) min(5/2+)
234Np93141234.042895(9)4.4(1) d(0+)
235Np93142235.0440633(21)396.1(12) d5/2+
236Np93143236.04657(5)154(6)E+3 a(6-)
236mNp60(50) keV22.5(4) h1
237Np93144237.0481734(20)2.144(7)E+6 a5/2+
238Np93145238.0509464(20)2.117(2) d2+
238mNp2300(200)# keV112(39) ns
239Np93146239.0529390(22)2.356(3) d5/2+
240Np93147240.056162(16)61.9(2) min(5+)
240mNp20(15) keV7.22(2) min1(+)
241Np93148241.05825(8)13.9(2) min(5/2+)
242Np93149242.06164(21)2.2(2) min(1+)
242mNp0(50)# keV5.5(1) min6+#
243Np93150243.06428(3)#1.85(15) min(5/2-)
244Np93151244.06785(32)#2.29(16) min(7-)
  • #でマークされた値は、全てが純粋に実験値から算出されたものではなく、一部体系的な傾向から導き出された推定値を含んでいる。明確なデータが得られていない核スピンに関しては、かっこ書きで表記している。
  • 数値の最後にかっこ書きで表記しているのは、その値の誤差を示している。誤差の値は、同位体の構成と標準の原子質量に関しては、IUPACが公表する誤差で表記しており、それ以外の値は、標準偏差を表記している。

脚注

参考文献