ヘルミオネ (小惑星)

小惑星

ヘルミオネ[1] (121 Hermione) は、小惑星帯に位置する大きく暗い小惑星の一つで、C型小惑星であり、メインベルト外縁部のキュベレー族の仲間である。1872年5月12日にアメリカ合衆国天文学者、J・C・ワトソンにより発見され、ギリシア神話に出てくるスパルタメネラーオスヘレネーの娘、ヘルミオネーから命名された。

ヘルミオネ
121 Hermione
ケック天文台が補償光学で撮影したヘルミオネと衛星(左)、2003年12月6日撮影
ケック天文台補償光学で撮影したヘルミオネと衛星(左)、2003年12月6日撮影
分類小惑星
軌道の種類小惑星帯
キュベレー族
発見
発見日1872年5月12日
発見者J. C. ワトソン
軌道要素と性質
元期:2008年11月30日 (JD 2,454,800.5)
軌道長半径 (a)3.444 AU
近日点距離 (q)2.978 AU
遠日点距離 (Q)3.911 AU
離心率 (e)0.135
公転周期 (P)6.39 年
軌道傾斜角 (i)7.60
近日点引数 (ω)297.70 度
昇交点黄経 (Ω)73.18 度
平均近点角 (M)354.12 度
衛星の数1
物理的性質
長短径(254 ± 4)
× (125 ± 9) km
質量(5.4 ± 0.3)
×1018 kg
平均密度1.8 ± 0.2 g/cm3
表面重力0.022 m/s2
脱出速度0.075 km/s
自転周期5.551 時間
スペクトル分類C / Ch
絶対等級 (H)7.31
アルベド(反射能)0.0482
表面温度
最低平均最高
~152 K231 K
(-44℃)
色指数 (B-V)0.739
色指数 (U-B)0.425
Template (ノート 解説) ■Project

S/2002 (121) 1
仮符号・別名S/2002 (121) 1
ラファイエット(非公式)
分類小惑星の衛星
発見
発見日2002年9月28日
発見者D. C. スレイターら
軌道要素と性質
軌道長半径 (a)768 ± 11 km
離心率 (e)0.001 ± 0.001
公転周期 (P)2.582 ± 0.002 日
軌道傾斜角 (i)3 ± 2
(121) ヘルミオネの衛星
物理的性質
直径12 ± 4 km
質量~1.6 ×1015 kg
脱出速度~6 m/s
絶対等級 (H)13.0
Template (ノート 解説) ■Project

W・M・ケック天文台での観測で2002年に衛星が発見され、さらに2003年12月に行われた補償光学を用いた観測により、ヘルミオネ自体も接触二重小惑星であることが分かった。衛星の歳差の解析により、ヘルミオネは雪だるま型をしていると考えられている。雪だるま型が正しいとすると、この小惑星は半径60kmと80kmの2つの球からなり、その中心は115km離れている。

衛星の軌道の観測により、ヘルミオネの重量が正確に割り出された。雪だるまモデルにより密度は1.8 ± 0.2 g/cm³と推定され、ラブルパイルで構成されていると見られている。掩蔽は少なくとも3度観測されており、そのうち最新のものは2004年2月である。

衛星

2002年にW・M・ケック天文台での観測で衛星が発見され、S/2002 (121) 1という仮符号がつけられた。また、2002年にアメリカ合衆国名誉市民に選ばれた18世紀のフランス人、ラファイエット侯爵にちなんだラ・ファイエット[2] という名前が提案されているが、まだ正式名称とはなっていない。

出典

関連項目

外部リンク


前の小惑星
ラケシス (小惑星)
小惑星
ヘルミオネ (小惑星)
次の小惑星
ゲルダ (小惑星)