ホモ・サピエンス・イダルトゥ

ホモ・サピエンス・サピエンスの先祖

ホモ・サピエンス・イダルトゥ(またはイダルツ Homo sapiens idaltu)は、現生人類ホモ・サピエンス・サピエンスの直接の先祖であると考えられている。約16万年前の更新世東アフリカに生息していた。調査グループのメンバーである諏訪元は日本語でヘルト人と呼んでいる。

ホモ・サピエンス・イダルトゥ
生息年代: 更新世 , 0.16 Ma
分類
ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:哺乳綱 Mammalia
:霊長目(サル目Primate
亜目:真猿亜目 Haplorhini
下目:狭鼻下目 catarrhini
上科:ヒト上科 Homoinoidea
:ヒト科 Hominidae
亜科:ヒト亜科 Homininae
:ヒト族 Hominini
亜族:ヒト亜族 Hominina
:ヒト属 Homo
:ヒト H. sapiens
亜種:イダルトゥ
idaltu
学名
Homo sapiens idaltu
White et al.2003
発見場所

発見

ティム・ホワイト (Tim White)、東京大学諏訪元らのグループがエチオピアアファール低地 (Afar Depression) にあるアワッシュ川中流域 (Middle Awash) のヘルト・ボウリ (Herto Bouri) で1997年に発見し2003年に科学雑誌『ネイチャー』に発表した。保存の良好な頭蓋が3個体出土している。放射年代測定により、およそ16万年前と年代決定された。

系統関係

外形的特徴は古い形質を残しているが、レベルの違いではないと判断され、ホモ・サピエンス亜種となった。ハイデルベルク人から進化したホモ・サピエンスの最古のものと解釈される。やや原始的な形質は残しているものの旧人段階ではなく、初期の新人段階にあると考えられる。現生人類の遺伝的多様性がきわめて小さいことは、人類のアフリカ単一起源説に基づけば、イダルトゥの1グループがボトルネック効果により選択された子孫であると説明される。

名称

イダルトゥは発見地エチオピアアファール語で「年長者」を意味する。日本語のヘルト人は発見地の地名を採っている。

関連項目

参考文献