ヤードレー・オブ・ロンドン
ヤードレー・オブ・ロンドン(Yardley of London)は、世界で最も古い化粧品、香水およびトイレタリー製品製造会社。1770年に創立された。ヤードレーは20世紀初頭まで石鹸および香水製造者として第一人者であり、1910年までにロンドンのボンド・ストリートに移転、1921年には王室御用達となった。今日ヤードレーは2つの製品が御用達の指定を受けている[1]。
歴史
ヤードレーは1851年の万国博覧会に出品、水晶宮に製品を展示した。当時はヤードレー・アンド・ステーサム (Yardley & Statham) として知られていたが、同年にヤードレー・アンド・コーポレーション (Yardley & Co.) と改名している[2]。ヤードレーは石鹸や香水を展示したが、その中でもオールド・ブラウン・ウインザーと呼ばれる石鹸はウィンザー城の絵が浮き彫りにされ、同社が初めて生産した石鹸の一つであった[3]。
ヤードレーの代表的な香水はイングリッシュ・ラベンダーであり、同製品は1873年に発売された[4]。イングリッシュ・ラベンダーはヴィクトリア朝時代にイギリスで人気が高まり、1880年代にはアメリカ合衆国にも輸入され、アメリカの一般家庭でも人気を博した[5]。ヤードレーが製品に使用するラベンダーはLavandula angustifoliaの一種であり、それらはヤードレーのために特別にイングランド南部で栽培されている[6]。ヤードレーが使用したラベンダーの品種は、いくつかの素晴らしい品種の中から1930年代に探し出されて選択されたものであった。
20世紀への変わり目において、ヤードレーの石鹸と化粧品の人気は急上昇し、同社は1910年にロンドンのボンド・ストリートに小売店を開店した。当初は新ボンド・ストリート8番地に位置していたが、その後旧ボンド・ストリート33番地に移転した[7][8]。
1913年にヤードレーはフランシス・ウィートリーの「ロンドンの叫び」シリーズの中の「花売り達」から新たなロゴを採用した。絵の中では花売り達が黄色いサクラソウをかごに入れているが、ロゴではそれがラベンダーに差し替えられている[9][10]。
1967年、イギリス人モデルのツイッギーがプロモーションに採用された。ヤードレーは「ツイッギー・アイラッシュズ」「ツイッギー・ペイント」などの製品を発売し、その販促活動に彼女をフィーチャーした[11]。ヤードレーは「スウィンギング・ロンドン」を象徴する存在となり、1960年代のイギリスの若者文化、ミニスカートやカーナビー・ストリート、モッズファッションに関連していた[12]。
イギリスの第5位の富豪、インド人のジャタニア家が2005年10月にヤードレーを6000万ポンドで買収し、同社とローナミードを統合した[13]。
ウィプロは4550万ドルでアジア、中東、オーストラリア、および北アフリカ、西アフリカの市場でヤードレーを買収した。2012年8月にウィプロはイギリスおよびヨーロッパにおけるヤードレーをローナミードから買収した。しかしながらドイツおよびオーストリアでのヤードレーのブランドの権利はローナミードが保有している[14]。
ブランド
イングリッシュ・ブレーザーは1989年、1991年[15]に発売された男性用香水およびローションであるが[16]、1998年に販売が取りやめられた[16]。同ブランドは2010年代初めに再び販売が始められたが、その歴史は書き換えられ、1951年に発売されたとしている[17]。
王室御用達
ヤードレーはイギリス王室と長年の関係を保ち、今までに6つの製品が御用達に指定された。同社は以下の王族に化粧品を提供した[8]。
参照
関連項目
- デヴィッド・モントゴメリー、2代モントゴメリー・オブ・アラメイン子爵