乗代雄介

日本の小説家

乗代 雄介(のりしろ ゆうすけ、1986年6月18日[1] - )は、日本の小説家東京都葛飾区在住[2]

乗代 雄介
(のりしろ ゆうすけ)
誕生 (1986-06-18) 1986年6月18日(37歳)
日本の旗 日本 北海道江別市
職業小説家
言語日本語
国籍日本の旗 日本
教育学士(社会学)
最終学歴法政大学社会学部メディア社会学科卒業
活動期間2015年 -
ジャンル小説
代表作『旅する練習』(2021年)
『それは誠』(2023年)
主な受賞歴群像新人文学賞(2015年)
野間文芸新人賞(2018年)
三島由紀夫賞(2021年)
坪田譲治文学賞(2022年)
織田作之助賞(2023年)
芸術選奨(2024年)
デビュー作「十七八より」(2015年)
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来歴

北海道江別市生まれ。幼少期に東京都練馬区に移る。中学生のとき、「侍魂」などのテキストサイトが流行していたことや、いがらしみきおの『のぼるくんたち』の影響などからブログで「創作」と呼ばれる文章を書き始める。ブログのタイトルは、キンクスの曲名に由来する「ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ」。高校時代から、読んだ本の気に入った部分をノートに書き写すという習慣を持つようになる。ブログを創作の原点と考えているという[3]。大学のセンター入試前後、2ちゃんねる国内サッカー板に立てたスレッド「今日俺が一人で近所の公園でリフティングをしてたら」が別の書き手によって書き継がれ[4]、小学館から単行本化された経験をもつ[5]

法政大学社会学部メディア社会学科卒業。在学中は田中優子のゼミに所属[6]。卒業後、学習塾に勤務。インターネットで知り合った爪切男(『死にたい夜にかぎって』著者)やこだまらとともに文芸同人誌「なし水」に参加[7]

2015年、「十七八より」[8]で第58回群像新人文学賞を受賞しデビュー。受賞時の職業は塾講師[9]

2018年、『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞受賞。

2020年、「最高の任務」で第162回芥川龍之介賞候補。

2021年、「旅する練習」で第164回芥川龍之介賞候補。『旅する練習』で第34回三島由紀夫賞受賞。

2022年、「皆のあらばしり」で第166回芥川龍之介賞候補。『旅する練習』で第37回坪田譲治文学賞受賞。

2023年、「それは誠」で169回芥川龍之介賞候補。『それは誠』で第40回織田作之助賞受賞[10]

2024年、『それは誠』で第74回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

作品リスト

単行本

  • 『十七八より』(2015年8月、講談社 / 2022年1月、講談社文庫
    • 「十七八より」 - 『群像』2015年6月号
  • 『本物の読書家』(2017年11月、講談社 / 2022年7月、講談社文庫)
    • 「本物の読書家」 - 『群像』2016年9月号
    • 「未熟な同感者」 - 『群像』2017年7月号
  • 『最高の任務』(2020年1月、講談社 / 2022年12月、講談社文庫)
    • 「生き方の問題」 - 『群像』2018年6月号
    • 「最高の任務」 - 『群像』2019年12月号
  • 『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』(2020年7月、国書刊行会
    • 「創作」 - 初出:本人ブログ(掌編66篇)
    • 「ワインディング・ノート」 - 初出:本人ブログ(長篇エッセイ)
    • 「虫麻呂雑記」 - 書き下ろし
  • 『旅する練習』(2021年1月、講談社 / 2024年1月、講談社文庫)
    • 「旅する練習」 - 『群像』2020年12月号
  • 『皆のあらばしり』(2021年12月、新潮社
    • 「皆のあらばしり」 - 『新潮』2021年10月号
  • 『掠れうる星たちの実験』(2021年12月、国書刊行会)
    • 「掠れうる星たちの実験」 - 『群像』2021年7月号
    • 「書評」
      • 『職業としての小説家』村上春樹
      • 『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』J・D・サリンジャー(金原瑞人訳)- 『図書新聞』第3370号
      • 『アナーキストの銀行家 フェルナンド・ペソア短編集』フェルナンド・ペソア(近藤紀子訳)
      • 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』ジェイ・ルービン編 - 『新潮』2019年6月号
    • 「創作」
      • 「八月七日のポップコーン」
      • 「センリュウ・イッパツ」
      • 「水戸ひとりの印」
      • 「両さん像とツバメたち」
      • 「鎌とドライバー」
      • 「本当は怖い職業体験」
      • 「This Time Tomorrow」
      • 「六回裏、東北楽天ゴールデンイーグルスの攻撃は」
      • 「フィリフヨンカのべっぴんさん」
  • 『パパイヤ・ママイヤ』(2022年5月、小学館
    • 「パパイヤ・ママイヤ」 - 『STORY BOX』2022年3月号
  • 『それは誠』(2023年6月、文藝春秋
    • 「それは誠」 - 『文學界』2023年6月号

アンソロジー収録

  • 「生き方の問題」 - 『文学2019』(2019年4月、講談社)
    • 初出:『群像』2018年6月号
  • 「さいごのしれい」[11] - 『Story for you』 (2021年3月、講談社)
    • 初出:「連載企画 Story for you」2020年7月30日公開
  • 「フィリフヨンカのべっぴんさん」 - 『文学2022』(2022年6月、講談社)
    • 初出:『掠れうる星たちの実験』(2021年12月、国書刊行会)
  • 「教えてあげたい」 - 『ベスト・エッセイ2023』(2023年6月、光村図書出版
  • 「犬馬と鎌ケ谷大仏」 - 『鉄道小説』(2022年10月、交通新聞社
  • 「客人の思惑」 - 『超短編! 大どんでん返し Special』(2023年12月、小学館文庫
    • 初出:『STORY BOX』2021年9月号

単行本未収録

小説

  • 「やおいな・こった」 - 同人誌『森のヤマンバ姉』(のりしろ名義)
  • 「三舟山」 - 『すばる』2023年5月号

随筆・論考・書評・対談・その他

  • ミシェル・レリスはテニスが下手」 - 『文學界』2015年8月号
  • 「お手紙拝見」 - 『群像』2015年11月号
  • 「個人の個人による個人のための」 (村上春樹『職業的としての小説家』書評) - 『群像』2015年12月号
  • 「想像力の行き着く先」 - 『新潮』2016年4月号
  • 「月と純金」 - 『文芸ラジオ』3号
  • 野間文芸新人賞受賞記念対談「書かない者のまなざしを忘れて書くことはできない」(保坂和志との対談) - 『群像』2019年1月号
  • 「任務の半ばにある風景」 - 『本』2020年2月号
  • 「サメじゃないから」 - 『はなはなし』第109号
  • 「患者のよろこび」 - 『はなはなし』第110号
  • 特集 翻訳小説「最新翻訳小説地図」(フェリスベルト・エルナンデス、浜田和範訳『案内係』) - 『群像』2020年6月号
  • 「小説のプランを信じ続ける」 (磯﨑憲一郎との対談)- 『文學界』2020年8月号
  • 「いま再読したい「私を変えた一冊」」(J・D・サリンジャー『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章-』) - 『群像』2020年10月号
  • 「ナニをかくにせよ」(木下古栗『サピエンス前戯』書評)[12] - 『文藝』2020年冬季号
  • 「ニセ偽書事始」 - 『ユリイカ』2020年12月号 特集=偽書の世界
  • 「思い出せる限りの生活や景色――「小説を書くこと」に加え、「小説を読まれること」にも想像を巡らせる」(太田靖久『ののの』書評) - 『図書新聞』第3479号
  • 「受賞記念エッセイ 赤坂遠足記」 - 『新潮』2021年7月号
  • 「片隅の佐竹徳」 - 『新潮』2021年9月号
  • 文庫解説 磯﨑憲一郎『鳥獣戯画/我が人生最悪の時』(講談社文芸文庫、2021年10月)
  • 「こんなことしてていいのか日記」 - 『すばる』2022年1月号 - 3月号
  • 「私の書棚の現在地」(書評連載)
    • 「「ひとり」の神通力」(鈴木忠平『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』) - 『新潮』2022年2月号
    • 「やれるだけのことを」(藤子・F・不二雄原作、福島直浩著『小説 映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』) - 『新潮』2022年5月号
    • 「時を隔てた人々を媒介しうるもの」(酒井信『現代文学風土記』) - 『新潮』2022年8月号
    • 「途方もない世界への信頼」(酒井信『現代文学風土記』) - 『新潮』2022年11月号
    • 「他人と共有不可能な感触」(ダビット・サンデン『この本はよまれるのがきらい』) - 『新潮』2023年2月号
    • 「鵺文学の賜物」(菱岡憲司『大才子 小津久足 伊勢商人の蔵書・国学・紀行文 』) - 『新潮』2023年5月号
    • 「個性はすり減らない」(全国学校図書館協議会編『考える読書 第68回青少年読書感想文コンクール入賞作品集』) - 『新潮』2023年8月号
    • 「隔絶された人々の側に立つということ」(ピーテル・ヴァン・ロメル『「田舎教師」の時代 明治後期における日本文学・教育・メディア』) - 『新潮』2023年11月号
  • 「プロムナード」 - 『日本経済新聞』夕刊2022年7月 - 12月連載(月曜担当)
  • 「人の数だけ思い出し方がある 夫婦にもそれぞれの感じ方がある」(滝口悠生『ラーメンカレー』書評)[13] - 『週刊新潮』2023年4月27日号
  • 浅原才市に学んだ小説」 - 『アンジャリ』WEB版 2023年5月1日更新号
  • 「インターネットの黎明期 「同性愛の世界」に接近する青年の欲望」(千葉雅也『エレクトリック』書評)[14] - 『週刊新潮』2023年7月13日号
  • 「こんな風に生きられたらウソを書く必要なんかないだろうな」(畑正憲『生きるよドンどん ムツゴロウさんが遺したメッセージ』書評)[15] - 『週刊新潮』2023年9月7日号
  • 「アメリカ現代文学の新世代作家が問う「あなたは何者ですか?」」(キャサリン・レイシー『ピュウ』書評)[16] - 『週刊新潮』2023年10月26日号
  • 「文一の本棚 D・H・ローレンス『アメリカ古典文学研究』」 - 『群像』2023年11月号
  • 「芥川賞受賞作家が描く「作家デビュー」 頭の中を人目に晒すということは――」(高瀬隼子『うるさいこの音の全部』書評)[17] - 『週刊新潮』2023年12月7日号
  • 「ハリー・ニルソンの追想」 - 『小説トリッパー』2024年春季号
  • 「コンビで培ってきたネタ作りを昇華! 創りこみが職人的な芸人小説の傑作」(福徳秀介『しっぽの殻破り』書評)[18] - 『週刊新潮』2024年2月1日号
  • 「イヤな出来事がありすぎる……共感すら拒否する稀有な読後感」(三木三奈『アイスネルワイゼン』書評)[19] - 『週刊新潮』2024年3月21日号号
  • 「理解不能に奇妙で、目を背けたくなるほど下品。不協和音を奏でる作品世界」(吉村萬壱『みんなのお墓』書評) - 『週刊新潮』2024年5月16日号
  • 「『皆のあらばしり』の成立について」 - 『新潮』2024年6月号

脚注

外部リンク

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