内間木洞
岩手県久慈市にある鍾乳洞
内間木洞(うちまぎどう)は、岩手県久慈市山形町にある鍾乳洞。総延長は6,350 mで日本で5番目に長い鍾乳洞である[1]。龍泉洞や安家洞と同じく、久慈市から岩泉町にかけて分布する安家石灰岩帯に位置する[2]。
内間木洞 | |
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入洞口 | |
所在地 | 日本 岩手県久慈市山形町小国 |
座標 | 北緯40度02分47.4秒 東経141度38分35.3秒 / 北緯40.046500度 東経141.643139度 東経141度38分35.3秒 / 北緯40.046500度 東経141.643139度 |
総延長 | 6,350 m |
地質 | 北上山地 安家石灰岩西列 |
洞口数 | 1 |
アクセス | JR東日本・三陸鉄道 久慈駅から車で1時間 |
特徴 | 鍾乳石、ドリーネ、氷筍 |
登録 | 岩手県指定天然記念物 三陸ジオパーク |
中生代三畳紀に堆積した石灰岩が後世の地殻変動で隆起し、雨や地下水で侵食されて形成された[3]もので、1962年(昭和37年)8月の調査によって全貌が明らかになった[4]。洞内の保存状況が良好に保たれており[4]、絶滅危惧種II類に分けられるテングコウモリ[5]など7種のコウモリ[1]や、トビムシ・ナガコムシなどの原始昆虫類が生息している[4]ことから、これらの動物群も含め「内間木洞及び洞内動物群」として岩手県指定天然記念物となっている[1][4]。また、三陸ジオパークのジオサイトにも選定されている[6]。
「千畳敷」と呼ばれる大空洞のほか、北洞・南洞・稲妻洞・風寒洞の4つの主洞、さらに多数の支洞が存在する[6]。また、鍾乳石の連なりによって巨大な滝や山に見える「大瀑布」「内間木富士」とそれぞれ呼ばれるポイントがある[1]。冬季は、天井から滴る水滴が長い時間をかけて凍り、筍のように地面から伸びる氷筍が洞内に形成され、大きなものは2メートル以上にもなる[1][6]。
動物たちの生息環境保全のため[5]、通常は研究や教育目的以外で立ち入ることはできない[1]が、毎年2月第2日曜日の「氷筍観察会」、7月第2日曜日の「内間木洞まつり」の年2回に限って一般公開される[1][5][6]。
- 洞内の氷筍
脚注
外部リンク
- 岩手県久慈市内間木洞の環境と生物 -『岩手県立博物館研究報告』第28号、2011年3月。