山陰海岸ジオパーク

鳥取県、兵庫県、京都府にまたがるジオパーク

山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク(さんいんかいがんユネスコせかいジオパーク、: San'in Kaigan UNESCO Global Geopark)は、鳥取県岩美町鳥取市北部、兵庫県豊岡市香美町新温泉町京都府京丹後市にまたがる[1]山陰海岸国立公園とその周辺からなるジオパークである。山陰海岸地域にある地質遺産を保護・保全するほか、ジオツーリズム教育研究への活用、地域社会への貢献等を目的としている。2008年に日本ジオパークネットワークへの、2010年世界ジオパークネットワークへの加盟が認定された[2][3]

概要

「日本海形成に伴う多様な地形・地質・人々の風土と暮らし」をテーマとする、東西100km以上、南北約30kmのジオパークである。その範域は、東は京都府京丹後市経ヶ岬から兵庫県の但馬海岸日和山海岸竹野海岸香住海岸但馬御火浦)を経て、西は鳥取県の浦富海岸白兎海岸、浜村海岸、青谷に至る。また、内陸部の神鍋高原小代湯村温泉雨滝等も含まれている。日本列島ユーラシア大陸から分かれて日本海が形成される過程が、約4000万年前から今日に至るまでの地質学地形学的に貴重で多様な地質遺産から確認できる。また、地質地形気候をうまく活用した、多様な生活文化が各地に息づいている。

地形・地質

海面変動や地殻変動によって形作られたリアス海岸や砂丘地などの地形が広がる。

沿革・活動実績

  • 1955年(昭和30年)6月20日 - 山陰海岸が山陰海岸国定公園に指定される
  • 1963年(昭和38年)7月15日 - 山陰海岸が山陰海岸国立公園に指定される
  • 2007年(平成19年)7月16日 - 行政や、商工会観光協会漁業協同組合などの民間団体からなる、山陰海岸ジオパーク推進協議会が設立される
  • 2008年(平成20年)12月8日 - 日本ジオパークネットワーク(JGN)の加盟認定を受ける
  • 2009年(平成21年)6月8日 - 陸と海から竹野海岸を巡る見学ツアーが実施される[4]
  • 2009年(平成21年)7月5日 - 浦富海岸でジオスポット研修会が実施される[5]
  • 2009年(平成21年)8月19日 - 兵庫県立但馬ドームで「地域のたからもの展」が実施される[6]
  • 2009年(平成21年)8月22日 - 岩美町で山陰海岸ジオパーククリーン大作戦が実施される[7]
  • 2009年(平成21年)9月11日 - 日本ジオパーク委員会による現地視察が実施される[8]
  • 2009年(平成21年)9月19日 - 拠点施設「山陰海岸ジオパーク館」が開館する[9][10]
  • 2009年(平成21年)9月24日 - 郵便局株式会社中国支社が山陰海岸ジオパーク切手を発売[11]
  • 2009年(平成21年)9月25日 - 兵庫県立浜坂高等学校による浜坂県民サンビーチ美化作戦が実施される[12]
  • 2009年(平成21年)10月10日 - 香美町海の文化館で山陰海岸ジオパーク合同研修会が実施される[13]
  • 2009年(平成21年)10月13日 - 香住海岸で観光協会主催による山陰海岸ジオパーク研修会が実施される[14]
  • 2009年(平成21年)10月18日 - 鳥取県内在住の外国人を対象に浦富海岸を巡るツアーが実施される[15]
  • 2009年(平成21年)10月28日 - 世界ジオパークネットワーク国内候補地に認定される[16][17][18][19]
  • 2009年(平成21年)11月14日 - 鳥取市で世界ジオパーク加盟推進大会が開催される[20]
  • 2009年(平成21年)11月17日 - 山陰海岸ジオパーク推進協議会の事務局が兵庫県豊岡総合庁舎に設置される[21]
  • 2009年(平成21年)12月1日 - 推進協議会が世界登録に向けた申請書を世界ジオパーク委員会に提出する[22]
  • 2010年(平成22年)01月 - 新温泉町内の10箇所にジオサイト説明板と総合案内板が設置される[23]
  • 2010年(平成22年)01月4日 - 玄さんコーちゃんオーちゃんがジオパーク登録を祈願する[24]
  • 2010年(平成22年)01月25日 - 山陰海岸ジオパーク鳥取県連絡協議会が発足する[25]
  • 2010年(平成22年)02月16日 - 山陰海岸ジオパーク館で山陰海岸ジオパーク合同講演会が実施される[26]
  • 2010年(平成22年)02月18日 - 岩美町が浦富海岸のガイド資料1万部を発行する[27]
  • 2010年(平成22年)02月19日 - 新温泉町ジオパークネットワークが設立される[28]
  • 2010年(平成22年)3月5日 - 山陰海岸ジオパーク 携帯スタンプラリーが実施される(同年5月9日まで)[29]
  • 2010年(平成22年)3月28日 - 但馬海岸でジオスポットを巡るツアーが実施される[30]
  • 2010年(平成22年)04月24日 - 鳥取市で世界ジオパーク決起大会が開催される[31]
  • 2010年(平成22年)04月24日 - 鳥取県立博物館付属山陰海岸学習館がリニューアルオープンする[32][33]
  • 2010年(平成22年)04月25日 - 香港ジオパーク団が山陰海岸ジオパークを訪問・視察する[34]
  • 2010年(平成22年)05月 - 岩美町のボランティア団体が浦富海岸のガイド本を発行する[35]
  • 2010年(平成22年)05月7日 - 香美町がジオパーク推進協議会を設立する[36]
  • 2010年(平成22年)05月16日 - 浜坂海岸から香住海岸を巡るジオスポットバスツアーが実施される[37]
  • 2010年(平成22年)05月22日 - 浦富海岸ジオウオークが実施される[38]
  • 2010年(平成22年)05月27日 - 新温泉町で「目指せ世界ジオパーク・クリーン作戦」が実施される[39]
  • 2010年(平成22年)05月27日 - 但馬国府・国分寺館で山陰海岸ジオパーク展が実施される(同年8月31日まで)[40]
  • 2010年(平成22年)05月29日 - 山陰海岸ジオパークフォーラムが開催される[41]
  • 2010年(平成22年)06月12日 - 中貝宗治会長が第4回ユネスコ国際ジオパーク会議に出席[42]
  • 2010年(平成22年)06月25日 - 香住海岸で山陰海岸ジオパーク大学生現地研修が実施される[43]
  • 2010年(平成22年)06月27日 - 浦富海岸でジオパーク野外観察会(山陰海岸学習館)が実施される[44]
  • 2010年(平成22年)10月4日 - 世界ジオパークネットワーク(GGN)への加盟が認定される
  • 2011年(平成23年)2月12日 - ギリシャレスボスジオパークとの姉妹提携協定調印式を実施[45]
  • 2013年(平成25年)12月16日 - 日本ジオパークネットワークへの加盟再認定。鳥取市西部へのエリア拡大も認められる
  • 2014年(平成26年)9月23日 - 世界ジオパークネットワークへの加盟再認定。鳥取市西部へのエリア拡大も認められる[46]
  • 2015年(平成27年)9月15日~20日 - アジア太平洋ジオパークネットワーク(APGN)の第4回シンポジウムが、「ジオパークネットワークと人々の暮らし」をテーマに実施される[47]
  • 2017年(平成29年)9月27日 - 日本ジオパークの審査より、2年間という条件付きで再認定を受ける[48]
  • 2019年(平成31年)2月26日 - 世界ジオパークの審査よりジオパークの再認定を受ける。これにより日本ジオパークで受けた条件付き再認定が取り消される[49]
  • 2020年(令和2年)2月28日 - 山陰海岸ジオパークトレイルが完成[50]

ジオサイト

この節の出典[51][52]。周辺の主なスポットについても記載。

京丹後市

豊岡市

香美町

新温泉町

岩美町

鳥取市

「魚見台」からの眺め。眼下に船磯港、奥側に船磯海岸
  • 浜村温泉周辺
    • 浜村海岸、魚見台、日光池、船磯海岸
  • 青谷海岸周辺
  • 勝部・日置周辺
    • 鳴滝、不動滝(一ノ滝)、湯原滝、妙円滝、子守神社の岩窟、御滝山

山陰海岸ジオパークトレイル

山陰海岸ジオパークのエリア内の景観をめぐる総長230㎞、高低差332mのロングトレイルであり、日本で3番目に長いトレイルと言われている。鳥取砂丘と浦富海岸といった有名なスポットも含まれる[55]

山陰海岸ジオパークトレイルの大きな特徴は、奇岩、洞門、断崖絶壁の絶景など、多彩な海岸地形の山陰海岸ジオパークを楽しみながら歩けることである。 また、自然歩道を中心としたルートで構成されているため、豊かな自然はもちろん、日本海に育まれた漁村の風景、歴史文化といった日本海沿岸の原風景も存分に楽しめるコースとなっている。 複雑な地形を楽しむハイカーから、ファミリーハイカーまで楽しめる27コース230.9km。 西は青谷(鳥取県鳥取市)から東は経ヶ岬(京都府京丹後市)までと、国内外でも珍しい「コーストトレイル」(海岸線あり山道あり)である。[56]

定期観光船

  • 但馬遊覧船 - 但馬御火浦周遊
  • 遊覧船かすみ丸 - 香住海岸周遊
  • 浦富遊覧船 - 浦富海岸周遊

拠点施設

  • 香美町立ジオパークと海の文化館(兵庫県香美町)
  • 山陰海岸ジオパーク館(兵庫県新温泉町)
  • 鳥取県立博物館付属 山陰海岸ジオパーク 海と大地の自然館(鳥取県岩美町)
  • 岩美町立渚交流館(鳥取県岩美町)
  • 山陰海岸国立公園 鳥取砂丘ビジターセンター(鳥取県鳥取市)
  • あおや郷土館(鳥取県鳥取市)
  • 山陰海岸ジオパーク京丹後市情報センター(道の駅てんきてんき丹後内)

脚注


関連項目

外部リンク