省エネルック

省エネルック(しょうエネルック)は、クール・ビズ運動の源流にあたる運動、またその中で考案された、主に男性用の服装。

省エネルックを着用した羽田雄一郎(左から2人目)

概要

1979年に第2次オイルショックの影響を受けて、省エネルギーのために第1次大平内閣が提唱した。半袖開襟ワイシャツ背広のスタイルで、東南アジアなど熱帯国のスタイルを取り込む形である。大平正芳羽田孜らの政治家が着用を推進したが、ほとんど普及しなかった。

羽田は、「ニューサマースーツ」と名付け、愛用した[1]。熱烈な支持者であった地元の洋品店店主からプレゼントされ、着用するようになった[2]。しかし、そのスーツはヨレヨレであったため、カインドウェアが新たに仕立てることになった。同社の渡辺喜雄会長によると、米海軍の半袖スタイルの制服やインド、東南アジアのファッションを参考にデザインしたという。また、素材はウール中心で、一部麻や綿を混ぜていた。裏地もメッシュで、布端がほつれないようにパイピングを施している[3]

羽田はこのスタイルで数々の行事に参加しており、首相在任中(1994年)などにおける省エネスーツ姿が報道等で報じられて一時期話題になったこともあったが、現在のクール・ビズのような広がり・浸透は見られなかった。涼しさだけを優先して、見た目に配慮しなかったことが最大の要因だと言われている[4]。クール・ビズを考案した小池百合子は「(羽田の)あのアイデアが、クールビズにつなげる意味でも参考になった」と話している[1]

羽田孜の息子で、立憲民主党参議院議員であった羽田雄一郎もこれにならっている[5]民主党の参議院議員であった若林秀樹も愛用していたが、クールビズ普及後は着用していない。

脚注

注釈・出典

関連用語