科学学術雑誌

科学研究について出版する定期雑誌

学術出版における科学学術雑誌(かがくがくじゅつざっし、:scientific journal)とは、研究で得られた知見を読者に公開・共有することで科学の発展を目指すことを目的とした逐次刊行物の総称である。多くの場合、細かい分野に専門化されており、論文著者は投稿する論文の分野に合わせて投稿先の論文誌を選択する[1]

1869年11月4日に発行されたネイチャー創刊号の表紙

内容

科学ジャーナル

小さなものや英語以外のものも含めると無数の科学学術雑誌が発刊されており、2012年の推定では現在も発刊を続けているものだけでもおよそ2万8100誌あり[2]、過去に出版され現在は休刊・廃刊になっているものも含めるとさらに数は増える。ほとんどの科学学術雑誌は高度に専門化されているが、サイエンスネイチャーといった最初期に創刊された雑誌は自然科学分野全般にわたった記事や科学論文を掲載している[3]。科学学術雑誌に掲載される論文は、その論文がジャーナルごとに定められる質や妥当性を満たしていることを保証するために査読されている場合が多い[1]

科学学術雑誌は専門誌・業界誌と呼ばれる雑誌に表面上は似ているも、実際は全く異なる媒体である。まず、科学学術雑誌の著者は論文内の記述に引用を行わなければならず、どのように引用したかを殊更に書かなければならない。扱う内容は研究で、多くの場合はピアレビューと呼ばれる査読を受けている。それに対し業界誌は異なる分野の人々も対象にしながら、人々がどのようにすれば業務をうまく遂行できるかなど業務についての情報やそれを改善するためのヒントやアドバイスなどを扱っている。つまり、業界誌は学術的であるとは言えない[4]

科学学術雑誌の記事

科学学術雑誌に掲載される記事(論文)の著者はジャーナリストではなく、学生や研究員、教授などを含む現役の科学者たちである。こうした記事の対象読者はまた同じ分野の同業者たち(学生や専門家など)であるので、記事の内容は通常の出版物よりも高度で洗練されたものが多い[5]

論文はその目的によっていくつかの種類に分かれている。原著論文は自身の新しい研究結果をその分野の同業他者に共有するためのもので、総説論文ないしレビュー論文・サーベイ論文と呼ばれる記事は既に行われ発表されている研究をもとにその分野を総括するためのもので、その中でも展望論文と呼ばれるものは同業者が行った研究についての見解を異なる研究者の視点で論じるものである[6]

論文や記事はそれぞれ以下のようないくつかのセクションを有している[7]

  • タイトル[7]
  • 著者についての情報[7]
  • アブストラクトと呼ばれる、論文の要約を一段落程度にまとめた文章[7]
  • 研究背景や研究を行った理由、先行研究やそれを受けての仮説などを説明する導入部[7]
  • 研究を行った方法について、試料の詳細や測定評価の尺度、手順などを含む方法部分[7]
  • 研究を通して発見された内容について結果を説明する部分[7]
  • 結果が導入で述べられた疑問について答えたか、それを受けての今後の展望などを述べる議論・コメント・結論部[7]
  • 引用した過去の研究のリスト[7]

科学学術雑誌の記事は、どれも雑誌を読む感覚で何気なく流し読みできるようなものではない。普通の雑誌をカジュアルに読めるのとは違い、科学学術雑誌は読むこと自体にかなりの集中力を要する。そのため、多くの論文を選びもせずに順番に目を通すということも困難であるため、論文読者はまずタイトルから自身の分野に関係があるものかを判断し、その次にアブストラクトや結論部の一部などを読んで、その論文が自分にとって精読する価値のあるものかを判断してから論文全体を読みにかかる[8]

研究結果を出版することは科学の発展に不可欠である[9]。論文著者が実験や計算結果について記述する際、どのようにそれを行ったかを論文著者とは独立したほかの研究者が結果を確かめるために追試ができるよう、研究で得られた知見を読者が評価できるように記述しておく必要がある[10]。そうして得られた記事や論文は、科学的な記録として永久に残る[11]

存在意義

科学学術雑誌の記事は研究や高等教育に使うことができる。論文によって研究者は自らの分野の発展を最新の状態に保ち、そのうえで独自の研究を行うことができる。科学論文の不可欠な部分は先行研究の引用である。論文や論文誌が与える影響力はその引用数を数えることで評価される[12]

大学の講義には、古典的な論文の説明に部分的に専念されるものもあるほか、ゼミでは学生が互いに古典・または最新の論文をプレゼンテーションにより紹介しあう。教科書にはたいてい、その時点で発見から時が経ち確立したトピックしか書かれないため、最新の研究など曖昧で目下議論中のトピックについては学生は論文誌を通してしかアクセスできない。研究グループや学科で現在の科学学術雑誌の内容について輪講や雑誌会と呼ばれる集まりで議論されることもよくある[13]

公的資金の提供機関や研究者の雇用機関は、審査にあたりこれまでの業績を科学学術雑誌に出版されたものの一覧として提出を求めることがよくある。研究機関で職位を上げるには、科学学術雑誌に発表した論文の数や影響(引用数)が重視される。多くの博士課程では、博士論文を書くまでにある程度決まった数の論文を科学学術雑誌に掲載させることを要する[14]

記事の難解さ

科学学術雑誌の掲載内容は高度に技術的で、そのジャーナルがカバーする分野範囲での最新の実験・観測結果や理論研究を扱う。そのためその内容は、その分野の研究者やよく慣れた学生にしか理解できないこともあるが、これはコンテンツの性質上どうしても避けられない部分である[15]

通常、論文記事には編集者から要求される厳格な執筆基準があるが、このルールはジャーナルによって大きく異なることもあり、特に出版社の違うジャーナル同士だとこの差異は特に顕著になる。論文の内容は原著論文の場合完全に新しい研究結果であり、総説論文の場合は現在の文献のレビューである。様々な著者によりテーマ別の章を刊行することで論文誌と書籍の間を穴埋めする出版社も存在している[16]

国や地域ごとに集中した論文誌も多く、こうした科学学術雑誌はAfrican Invertebrates英語版のように特定の地域から投稿された論文に特化して出版している。

歴史

17世紀までは、科学者は科学的なアイデアや研究内容についても手紙でやり取りをしていたが、17世紀中ごろからは会議を開くなどでお互いに科学的なアイデアを共有する場を持ち始めた。最終的にこの取り組みが発端となり、1660年にはロンドンに王立協会が、1666年にはフランス科学アカデミーが設立された[17]。そして1665年にはフランス語ジュルナル・デ・サヴァンと英語のフィロソフィカル・トランザクションズが、体系的に研究結果を出版する媒体として刊行が始まった。18世紀には数千もの学術雑誌が登場し、そのほとんどが短命に終わるも以降発刊数は急速に増えていった[18]

査読の仕組みが始まったのは1970年代になってからだが、この仕組みはまだ無名の研究者が学術誌の中でも特に権威のあるジャーナルに論文を掲載してもらう手段として見られるようになった。当時は査読者に論文のコピーを郵送して行われたが、現在はこのやり取りはオンラインで行われている[19]

出版過程

科学学術雑誌の記事の著者はジャーナリストではなく現役の科学者であり、その中には教授と一緒に研究員や大学院生が執筆することも多い。そのため著者は無給であり、一部の依頼執筆の場合を除いてジャーナルから原稿料として報酬をもらうことはない。しかし、多くの場合科学者の資金提供機関は成果を論文として出版することを求めている[20]

論文がジャーナルのオフィスに提出されると(サブミット)、そこのエディターはその論文が科学的に適切か、さらに潜在的な科学的インパクト・新規性があるかを検討する。エディターが、その論文がこれらの要素で掲載に適していると判断したら、さらに厳密な審査のため査読者(レビュアー)に査読を依頼する。分野やジャーナル、論文にもよるが、だいたい1人~3人の査読者に論文が送られ、出版の適否を判断してもらう[21]

査読者は論文の科学的議論の健全性をチェックすることを期待されており、これには論文著者がその分野に関する最近の研究をよく把握しているか、データは適切かつ再現性のある状態で収集・検討されているか、議論されたデータが提案された結論や示唆を支持しているかなどの観点が含まれる。新規性も重要で、既存の研究が適切に考慮・参照され、新しい結果がその分野で最新とされている結果をさらに改良するものでなければならない[22]

査読で問題点が見つかってもすぐに論文は拒絶(リジェクト)されず、修正を要求されたり(リビジョン)、著者の弁明が通ることで問題は解消される。問題がないことが確認されると論文は通り(アクセプト)、出版される(パブリッシュ)[23]

査読者もまた無給である場合がほとんどで、彼らはジャーナルの職員でもない。査読を"Peer review"と呼ぶように、査読者はペア、つまり対象の論文と同じ分野の研究者であるべきとされている[24]

掲載基準とインパクトファクター

ジャーナルが出版可否を決めるうえでの基準は、誌によって広く異なる。ネイチャーやサイエンス、米国科学アカデミー紀要フィジカル・レビュー・レターズ英語版といった論文誌は特にその分野で根本的なブレイクスルーを起こす論文が掲載されるとされている[25]。多くの分野で科学学術雑誌間の公式・暗黙のヒエラルキーが存在し、その分野で最も権威があるとされる論文誌はどの論文を載せるかにおいて特に選択的で、多くの場合その分野で最も高いインパクトファクターを持っている。国によってはジャーナルのランクが資金提供の決定に利用されることもあり、個々の研究者の評価でさえ資金提供の判断において軽視されることもある[26]

再現性と複製可能性

科学学術雑誌において、科学的結果の再現性と複製可能性は、他の科学者が論文に記載されているのと同じ条件下で結果が再現できることを確認することを可能とする中心的な概念である。論文内に書かれた詳細事項だけで結果を再現できると期待されてはいるが、実際は出版のために第三者による再現の有無は求められることは、病原菌昆虫といった生物分野に限らず一般的ではない[27]。したがって、記事における結果の再現性は、報告された手順の質やデータの一致から暗黙のうちに判断される。

しかし、オーガニック・シンセシズインオーガニック・シンセシズ英語版などの化学分野のいくつかのジャーナルは、査読プロセスの中で独立した実験による結果の再現を求めている。独立した実験で論文中の結果を再現できないケースは広く広まっており、調査によっては70%の追試者がほかの研究者の実験結果を再現できなかったと報告しただけでなく、その半分以上のケースではその自分の追試実験結果を再び再現することもできなかったと報告されている[28]。再現失敗の原因は様々であり、出版された内容が改ざんされていたか誤っていたパターンや、手順の公開が不十分だった例などがある[29]

記事の種類

世界最初の科学専門誌であるフィロソフィカル・トランザクションズの創刊号表紙

科学学術雑誌の記事には、正確な呼称と定義には分野やジャーナル間で違いがあるものの、主に以下のような種類がある。

  • レター論文(コミュニケーションとも呼ばれる。編集者とのやり取りの手紙のレターとは別のもの。)- 最新の重要な研究についての発見を短く速報的に伝えるもので、緊急性が高いとされるため迅速に査読・出版がなされる。
  • リサーチノート - 現在の研究内容についての短い記述で、レター論文よりも重要度の低いもの。
  • 原著論文 - 著者による現在の独自の研究による発見が書かれた一般的なタイプで、通常5ページから20ページで書かれるが分野による分量の違いも大きく、数学理論計算機科学では80ページを超えることも珍しくない。
  • 補足論文 - 現在の研究で得られたデータを主論文への補足として表のように列挙したもので、数値データが数百ページにわたって記載されることもある。そのためいくつかのジャーナルではウェブ上で電子的にしか公開していない。補足情報には、日常的な手順の説明、方程式の解法、ソースコード、不可欠でないデータ、その他雑多な情報など、主論文には適さない大量の資料がここにまとめられる。
  • 総説論文 - 独自の研究ではなく特定のトピックについての多くの異なる研究を集めてまとめた論文。トピックに関する情報だけでなく、取り上げた原著論文の引用元についての情報も提供する。内容は1つのストーリー仕立てになっていることもあれば、メタアナリシスの手法によって量的な推定値を具体的に求める場合もある。
  • データ出版英語版 - データセットを説明するための論文記事。この種の記事は人気があるため、サイエンティフィック・データ英語版のような専門のジャーナルも設立されている。
  • ビデオ論文 - 近年科学出版の中に新しく加わった形式。多くの場合、新しい技術やプロトコルのオンライン動画によるデモンストレーションと、従来通りの厳格な文書が組み合わさっている[30][31]

記事の形式は様々だが、多くの場合ICMJE勧告英語版によるIMRAD方式が踏襲されている。この方式ではアブストラクトと呼ばれる1~4段落での論文の要約から始まり、導入部で類似研究についての議論も含めた研究背景が説明される。その後方法の節で実際にどのように研究が行われたかを説明し、その研究の結果と意味が結果・議論の節に記される。最後に結論部で研究の結論や今後の発展についての展望が記述される[32]

これに加え、サイエンスなどのいくつかの科学学術雑誌では、政治的問題も含めた科学の発展についての話題を取り扱うニュースのセクションがある。この記事は科学者ではなく科学ジャーナリストが執筆する[33]。さらに誌によっては編集者によるセクションや編集者への手紙を扱うセクションもあるが、これらの記事は査読を受けないため科学学術雑誌に掲載されていても、業績の上では科学学術雑誌の記事とは扱われない。

電子出版

プレプリントの最大手ウェブサイトarXivのロゴマーク(2022年~)

電子出版は情報普及の新しい分野である。電子出版の定義の1つは科学論文の公開の流れに基づく。これは、科学的成果を電子的形式のみにより、つまり紙で出さずに公開することである。この形式は最初の執筆から出版までの流れすべてにおいてなされる。電子科学ジャーナルはインターネット上で公開できるように特化してデザインされている。電子出版は、従来の紙出版物をスキャンなどで電子化したり電子向けに改作したりしただけの電子公開とは明確に区別される[34][35]

画面への出力はブラウジングや検索には便利だが多読には適していないため、近い将来も電子出版は紙の出版と共存し続けるとされている。そのためには、読者が紙で読むことにも、コンピューターに表示させて読むことにも両方適したフォーマットに統合する必要がある[34][35]

多くの科学学術雑誌はウェブブラウザで画面上で読み取り可能な形式で利用できるほか、ローカルのデスクトップコンピューターやラップトップに保存したり印刷に適したPDF形式でも使える。他にJournal Article Tag Suiteユートピアドキュメント英語版といった新しいツールは、ハイパーリンクを介してPDF版のコンテンツを直接World Wide Webに繋ぐ、ウェブ版への橋渡しとして利用されている。PDF版の記事は通常記録版英語版とみなされるが、これについては現在も議論の余地がある[36]

十分地位が確立された印刷形態の科学学術雑誌の電子版は、出版される記事の査読や編集の急速な普及を促進する。確立された印刷誌の姉妹誌や、電子版のみのジャーナルを含むその他の科学学術雑誌も、インターネット上での迅速な普及や入手可能性を促進している。これと並行して、査読やコピー編集、ページ構成などのその他の迅速な普及につながるプロセスも加速している[37]

科学学術雑誌の電子出版の他の利点や独自の価値は、補足内容(データやグラフ、動画など)を簡単に利用できること、低コスト性、特に発展途上国の科学者を含む多くの人々がアクセス可能なことである。したがって、先進国の科学成果が発展途上国の科学者に伝わりやすくなっている[34]

さらに、科学学術雑誌の電子出版は査読プロセスの水準を損なうことなく行われている[34]

電子出版の一形態は、従来の紙ベースの出版に相当する出版物のオンライン版である。2006年までにほとんどすべての科学学術雑誌が、査読プロセスを維持しながら電子版を確立し、出版数はその電子版に移行している。多くの大学図書館も電子版を購入し、最も重要でよく使われるタイトルのみ紙版が購入されている[35]

通常、論文を書いてから科学学術雑誌に掲載されるまでには数か月以上の遅れがあり、最新の研究結果を速報するには紙ベースのジャーナルは不向きだった。現在ほとんどのジャーナルが、最終版の論文が準備でき次第、紙のように完全な号数分が揃うのを待たずにすぐに電子版で公開される。物理学など、さらなる高速化が求められる分野では最新の研究を迅速に広める役割はarXivなどのプレプリントサーバーに取って代わられている。そのような記事のほとんどが最終的には従来の科学学術雑誌から出版されるので、科学学術雑誌は品質管理や論文のアーカイブ化、科学的な信用の確立において依然重要な役割を担っている[38]

購読料

多くの科学者や図書館職員が長年にわたって、科学学術雑誌の高い購読料に抗議しており、その大金が営利出版企業に流れていることには殊更抗議は強まった[39]。研究者が論文にアクセスできるように、多くの大学はサイトライセンスを購入し、大学内のどこでも、さらに適切な処置の下では自宅など大学外のどこからでも論文を読むことができる。このライセンスは非常に高価で、印刷版の購入よりもはるかに高くつくこともある。これはライセンスを使う人数を反映しており、印刷物の購入の場合ジャーナルは1冊につき1人分の料金しか受け取れないが、サイトライセンスの場合はそこにアクセスする何千人分の料金をそのまま請求できる[40]

非営利出版社として知られる学会による出版物は商用出版社より安いが、それでもそこの科学学術雑誌の年間購読料は数千ドルに達する。一般にこの収益はジャーナルを運営する学会の活動資金や、科学者に科学リソースを提供するために使われるので、購読料はその分野に留まり利益を生む。

電子出版に移行しているにもかかわらず、定期刊行物の危機英語版は続いている[41]

コストやオープンアクセスへの懸念からPLOSファミリーのようなフリーアクセスジャーナルや、Journal of High Energy Physics英語版など部分的にオープン・減額したジャーナルも設立されている。それでも専業のエディターには依然人件費がかかり、PLOSもその運営費の大部分を寄付で賄っているが、小規模なフリージャーナルではそのような寄付に頼ることもできない場合がある。

統計的な研究によると、オンラインでの電子出版と一定数のオープンアクセスの両方が併存する状況の方が、研究内容の普及につながり、記事の平均引用数も増加するとされている[42]

著作権

伝統的に、論文著者は科学学術雑誌の出版社から著作権を譲渡するよう要求されてきた。出版社は、著者の権利を保護し再頒布や他目的での使用のための権利調整のために移転が必要だと主張していた。しかし多くの著者、特にオープンアクセスに積極的な著者はこの主張が不十分であることに気付き[43]、代わりに出版ライセンスの段階的な移行を求めた。このようなシステムの下では出版社は論文の編集・印刷・商用配布の許可を得ているが、そのほかの権利は著者が持っている。

記事の著作権を保持している場合でも、多くの科学学術雑誌は著者に一定の権利を認めている。これらの権利には、論文の一部を著者の将来の論文中に再使用することや、数を限った状態でコピーを配布することが含まれる。紙ベースでの出版物の場合こうしたコピーはリプリントと呼ばれ、電子出版の場合はポストプリント英語版と呼ばれる。アメリカ物理学会など一部出版社は著者に、著者や所属先のウェブサイトやフリーの電子出版サーバーに記事をアップロードし、ほかの人に図を使用させたり、料金を請求しない限りリプリントを行ったりする権利を認めている[44]

著者が権利を保有する代わりに出版科を支払う必要があるPLOSファミリーのようなオープンアクセスジャーナルの台頭は、著作権問題の懸念の表れの1つである[45]

関連項目

脚注

その他参考文献

  • A.J. Meadows, ed. The Scientific Journal. London : Aslib, c1979. ISBN 0-85142-118-0
  • R.E. Abel et al. "Scholarly Publishing: Books Journals, Publishers, and Libraries in the Twentieth Century". N.Y.: Wiley, 2002. ISBN 0-471-21929-0
  • D.W. King et al. "Scientific Journals in the United States: their Production, Use, and Economics". Stroudsberg, PA: Hutchinson-Ross, 1981 ISBN 0-87933-380-4

外部リンク