櫛田川

三重県中部を流れる川
立梅用水から転送)

櫛田川(くしだがわ)は、三重県中部の中央構造線沿いを西から東に流れ伊勢湾に注ぐ一級水系本流

櫛田川
櫛田川 2002年6月10日撮影
近鉄山田線橋梁(松阪市)
水系一級水系 櫛田川
種別一級河川
延長87 km
平均流量16.7 m³/s
(両郡観測所 2002年)
流域面積436 km²
水源高見山(三重県)
水源の標高1,249 m
河口・合流先伊勢湾(三重県)
流域日本の旗 日本 三重県

地図

地図
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概要

三重・奈良県境の高見山に発して東流し、伊勢平野に出て佐奈川を合わせ、松阪市法田で祓川を分派した後、北に流れ伊勢湾に注いでいる[1]。流域面積436km2、幹線流路延長87kmである[1]

倭姫命世記』では倭姫命天照大神の鎮座地を求めて諸国を巡行する際、この地でを落とされたことから地名が櫛田と名付けたとされ、川名の由来ともなったのではないかとされる。なお、それから歴代の斎王群行の際に櫛をこの川に捨て、神に仕える決心をしたという[2]

多気町を流れる櫛田川

流域の自治体

三重県
松阪市多気郡多気町

主な支流

一級河川のみを下流側から順に記載する[3][4]

河川よみ次数管理者主な経過地河川延長
(km)
備考
櫛田川くしだがわ本川中部地方整備局
三重県
松阪市、多気町85
祓川はらいがわ1次支川中部地方整備局
三重県
松阪市、多気町、明和町約10右派川
孫川まごかわ1次支川三重県
佐奈川さながわ1次支川中部地方整備局
三重県
長谷川はせがわ2次支川三重県
六呂木川ろくろぎがわ1次支川三重県
八王子川はちおうじがわ1次支川三重県
丹生川にゅうがわ2次支川三重県
東出川ひがしでがわ1次支川三重県
松谷川まつたにがわ1次支川三重県
朝柄川あさがらがわ1次支川三重県
小朝柄川こあさがらがわ2次支川三重県
片野川かたのがわ1次支川三重県
谷川たにがわ1次支川三重県
蔵谷川くらたにがわ1次支川三重県
深野川ふかのがわ1次支川三重県
岩井谷川いわいたにがわ2次支川三重県
神路山川こうじやまがわ2次支川三重県
鍛冶屋瀬川かじやせがわ3次支川三重県
橋ヶ谷川はしがだにがわ3次支川三重県
仁柿川にかきがわ1次支川三重県
横谷川よこやがわ2次支川三重県
樋山川ひやまがわ2次支川三重県
平谷川ひらたにがわ2次支川三重県
神名原川しではらがわ2次支川三重県
鳥垣外川とりがいとがわ3次支川三重県
南俣川みなみまたがわ2次支川三重県
桑谷川くわたにがわ2次支川三重県
古坂川ふるさかがわ2次支川三重県
大谷川おおたにがわ1次支川三重県
畑井川はたいがわ1次支川三重県
相津川あいづがわ1次支川三重県
手石川ていしがわ2次支川三重県
長入川ながいりがわ2次支川三重県
西谷川にしたにがわ1次支川三重県
波留川はるがわ1次支川三重県
栃川とちがわ1次支川三重県
虻野谷川あぶのたにがわ1次支川三重県
一之瀬川いちのせがわ1次支川三重県
深谷川ふかやがわ1次支川三重県
東出谷川ひがしでたにがわ1次支川三重県
庄司川しょうじがわ1次支川三重県
東又川ひがしたにがわ2次支川三重県
奥山川おくやまがわ1次支川三重県
地添川ちぞいがわ1次支川三重県
福本川ふくもとがわ1次支川三重県
湯谷川ゆたにがわ1次支川三重県
小屋川こやがわ1次支川三重県
蓮川はちすがわ1次支川中部地方整備局
三重県
中谷川なかたにがわ2次支川三重県
唐谷川からたにがわ3次支川三重県
冬見谷川ふゆみたにがわ3次支川三重県
布引谷川ぬのびきたにがわ2次支川中部地方整備局
青田川おおだがわ2次支川中部地方整備局
三重県
かつえ谷川かつえたにがわ3次支川三重県
菅谷川すがたにがわ3次支川三重県
江馬小屋谷川えまごやたにがわ2次支川三重県
宮の谷川みやのたにがわ2次支川三重県
一本山谷川いっぽんやまたにがわ1次支川三重県
岩谷川いわたにがわ1次支川三重県
細野谷川ほそのたにがわ1次支川三重県
月出川つきでがわ1次支川三重県
寺の奥谷川てらのおくたにがわ1次支川三重県
太良木川たらきがわ1次支川三重県
草鹿野川そうかのがわ2次支川三重県
木梶川きかじがわ1次支川三重県
栃谷川とちのたにがわ2次支川三重県
飯田原川いいだはらがわ3次支川三重県

別名

櫛田川の別名に「揥水(ていすい)」という呼称がある。これは当地出身の江戸時代中期の儒学者奥田三角が名付けたもので、「揥」とは櫛を意味している[5]。川のそばには、その別名を校名に採用した松阪市立揥水小学校がある[6]

立梅用水

立梅用水(たちばいようすい)は櫛田川水系の朝柄川を水源とする用水である。江戸時代の文政6年(1823年)に波多瀬村、片野村、朝柄村、古江村、丹生村の請願により紀州藩によって作られた[7]疏水百選に選ばれており、2014年には国際かんがい排水委員会によるかんがい施設遺産にも登録された。現在は小水力発電にも利用されている。

交通
取水地となる波多瀬地区へはJR紀勢本線松阪駅より三重交通バス大石(おいし)行きで終点大石(経由経路により30~45分)より徒歩15分

主な災害

1889年、源流部で大規模な山腹崩壊が発生。1959年伊勢湾台風で崩壊地の浸食が顕著となったため、国直轄の治山工事が行われた[8]

主なダム

脚注

外部リンク

関連項目