2012年ロンドンオリンピックのサッカー競技

2012年ロンドンオリンピックサッカー競技(2012ねんロンドンオリンピックのサッカーきょうぎ)は、男子競技が開会式前の7月26日から競技が開始され、8月11日に決勝戦が実施された。女子競技も開会式前の7月25日から競技が開始され、8月9日に決勝戦が実施された。

2012年ロンドンオリンピックのサッカー競技
大会概要
開催国イギリスの旗 イギリス
開催都市ロンドン
マンチェスター
ニューカッスル
コヴェントリー
カーディフ
グラスゴー
日程2012年7月25日 - 8月11日
チーム数28 (6連盟)
開催地数(6都市)
大会結果
優勝 メキシコ(男子)
 アメリカ合衆国(女子)
準優勝 ブラジル(男子)
 日本(女子)
3位 韓国(男子)
 カナダ(女子)
4位 日本(男子)
 フランス(女子)
大会統計
試合数58試合
ゴール数146点
(1試合平均 2.52点)
総入場者数2,186,150人
(1試合平均 37,692人)
2008
2016
2012 ロンドンオリンピック
サッカー競技

大会詳細
男子  女子
選手
男子  女子

概要

開催方式

国際サッカー連盟(FIFA)による大会規定[1] より抜粋。(Art.##)はこの記事における章番号を示す。

  • 予選
    • FIFA傘下の各大陸連盟が予選形式を決定し、FIFAの承認を得た上で実施する。(Art.2)
    • 以下のいずれかの方法を組み合わせるものとする。(Art.23.1)
      • ホーム・アンド・アウェー方式の総当たり戦
      • ホーム・アンド・アウェー方式の2チームでの対戦
        • 2戦の総得点が両チームで並んだ場合、アウェーゴール数の多いチームを勝利とする。
        • 第2戦終了後に総得点、アウェーゴール数ともに並んだ場合は延長戦を実施する。その場合、延長戦の間に入った点数についてもアウェーゴール制が適用される(すなわち、延長戦で入った点数が1-1以上の同点であれば、アウェーのチームが勝利となる)。(Art.23.2)
      • FIFAの承認を得た場合には、集中開催方式での実施も可能
  • 男子本戦
    • 16チームをA・B・C・Dの4組(4チームずつ)に分け、各組で総当たり戦を実施。各組上位2チームの8チームで決勝トーナメントを行い最終順位を決定する。(Art.25)
  • 女子本戦
    • 12チームをE・F・Gの3組(4チームずつ)に分け、各組で総当たり戦を実施。各組上位2チームと、各組3位チームのうち成績上位の2チーム(勝ち点→得失点差→総得点の順に評価)、計8チームで決勝トーナメントを行い最終順位を決定する。(Art.29)
  • 予選・本戦共通
    • 総当たり戦における勝ち点は勝3・分1・負0とする。(Art.23.1, 25.4, 29.4)
    • 総当たり戦において勝ち点が並んだチームについては、全対戦での得失点差・総得点を、直接対戦の戦績よりも優先して評価し順位を付ける。(Art.23.2, 25.5, 29.5)

出場資格および選手登録

男子は本大会時点で23歳以下の選手(正確には1989年1月1日以降に生まれた選手)が出場できる。また、24歳以上の選手(オーバーエイジ。正確には1988年12月31日迄に生まれた選手)を最大3名加えることが出来る。オーバーエイジを使うかどうかは出場国が決めて良い。五輪男子本大会に出場できる本登録の選手は18名であり、オーバーエイジ最大3名もこの中に含まれる(オーバーエイジ枠は本登録18名枠と別枠ではない)。FIFAは2012年3月29日~30日のFIFA理事会で、五輪男子本大会代表に選出された「23歳以下の選手」の代表招集をクラブ側は拒否できないと決め[2]、FIFA規則の選手の地位に関する項の「FIFA理事会の特別決議に基づく、選手の派遣義務」を引用し、この決定には強制力があると各国に通達した[3]。この五輪男子代表拘束権は、2012年7月12日以降から有効になる[4]。但し、オーバーエイジの選手に関しては、クラブ側が五輪男子代表招集を拒否できる[5]。女子はアトランタ五輪で初めて採用された時から女子A代表(年齢制限のないその国最強の代表)の大会のため、出場資格の制限はない。五輪女子大会国際女子Aマッチデーに入っているため、クラブ側は代表招集を拒否できない[6]

男女とも2012年4月30日まで(6月8日まで延期可能[7])にFIFAおよびIOC(各国の国内オリンピック委員会に提出)に35名を予備登録し[8]、同年7月9日までに予備登録35名の中から本登録18名(内GK2名)、予備(バックアップメンバー)4名を選ぶ[9]。本登録の選手のみロンドン五輪本大会に出場できる。グループリーグ初戦開始24時間前までは怪我などの理由(医師の診断書必要)があれば、予備登録者35名からの入れ替えが可能である。また、グループリーグ初戦終了後は、怪我などの理由(医師の診断書必要)があれば、予備(バックアップメンバー)4名からの入れ替えが可能である[10][11]。予備登録および本登録された選手はメディカルチェック(運動時の不慮の事故防止のために行われる医学的診断)を各国の国内オリンピック委員会が行う。メディカルチェックを受けない限り、ロンドン五輪本大会に出場できない[12]。大会初戦の4日前(男子は7月22日、女子は7月21日)までの現地入りが義務付けられている[13]

会場一覧

試合は6つのスタジアムで開催された[14]。これらのスタジアムはロンドンサウス・イースト・イングランドイングリッシュ・ミッドランズ英語版ノース・ウェスト・イングランドノース・イースト・イングランドスコットランドウェールズを代表している。

男子グレートブリテン代表はマンチェスター(7月26日)、ロンドン(7月29日)、カーディフ(8月1日)で、女子グレートブリテン代表はカーディフ(7月25および28日)、ロンドン(7月31日)で試合を行った[15]

ロンドンマンチェスター
ウェンブリー・スタジアムオールド・トラッフォード
収容人数: 90,000人収容人数: 76,212人
カーディフニューカッスル
ミレニアム・スタジアムセント・ジェームズ・パーク
収容人数: 74,500人収容人数: 52,387人
グラスゴーコヴェントリー
ハムデン・パークシティ・オブ・
コヴェントリー・スタジアム
収容人数: 52,103人収容人数: 32,500人

試合球

当大会のための試合球として、アディダスの「ジ・アルバート」(英語: The Albert)が製作される。名前は、コックニー(ロンドンの労働者階級の言葉)において、「アルバート・ホール」という語が「ボール」の意味で用いられていることに由来する。[16]

日程

PグループリーグQ準々決勝H準決勝B3位決定戦F決勝
Event↓/Date →Wed 25Thu 26Fri 27Sat 28Sun 29Mon 30Tue 31Wed 1Thu 2Fri 3Sat 4Sun 5Mon 6Tue 7Wed 8Thu 9Fri 10Sat 11
男子PPPQHBF
女子PPPQHBF

出場国

男子

大陸連盟出場
枠数
予選大会予選順位出場国・地域出場回数FIFA
ランク
UEFA1+3開催国 イギリス13大会ぶり10回目4
UEFA U-21欧州選手権2011優勝  スペイン3大会ぶり10回目1
準優勝  スイス18大会ぶり3回目21
3位  ベラルーシ初出場77
AFC3.5アジア予選A組1位  韓国7大会連続9回目28
B組  アラブ首長国連邦初出場116
C組  日本5大会連続9回目20
CAF3.5アフリカ U-23選手権2011優勝  ガボン初出場45
準優勝  モロッコ2大会ぶり7回目71
3位  エジプト5大会ぶり11回目42
4位※  セネガル初出場61
CONCACAF2北中米カリブ海予選1位  メキシコ2大会ぶり10回目19
2位  ホンジュラス2大会連続3回目63
CONMEBOL22011 南米ユース選手権優勝  ブラジル2大会連続12回目11
準優勝  ウルグアイ18大会ぶり3回目3
OFC1オセアニア予選1位  ニュージーランド2大会連続2回目95

女子

大陸連盟出場
枠数
予選大会予選順位出場国・地域出場回数FIFA
ランク
UEFA1+2開催国  イギリス初出場[17]9
2011 FIFA女子ワールドカップ3位  スウェーデン5大会連続5回目4
4位  フランス初出場6
AFC2アジア予選1位  日本3大会連続4回目3
2位  北朝鮮2大会連続2回目8
CAF2アフリカ予選-  南アフリカ共和国初出場61
-  カメルーン50
CONCACAF2北中米カリブ海予選1位  アメリカ合衆国5大会連続5回目1
2位  カナダ2大会連続2回目7
CONMEBOL22010 スダメリカーノ・フェメニーノ優勝  ブラジル5大会連続5回目5
準優勝  コロンビア初出場28
OFC1オセアニア予選1位  ニュージーランド2大会連続2回目23

競技結果

種目
男子 メキシコ (MEX)
ホセ・コロナ
イスラエル・ヒメネス
カルロス・サルシド
イラム・ミエル
ダルビン・チャベス
エクトル・エレーラ
ハビエル・コルテス
マルコ・ファビアン
オリベ・ペラルタ
ジョバニ・ドス・サントス
ハビエル・アキノ
ラウル・ヒメネス
ディエゴ・レジェス
ホルヘ・エンリケス
ネストル・ビドリオ
ミゲル・アンヘル・ポンセ
ネストル・アラウホ
ホセ・アントニオ・ロドリゲス
ブラジル (BRA)
ガブリエウ
ラファエウ
チアゴ・シウバ
フアン・ジェズス
サンドロ
マルセロ
ルーカス
ロムロ
レアンドロ・ダミアン
オスカル
ネイマール
フッキ
ブルーノ・ウビニ
ダニーロ
アレックス・サンドロ
ガンソ
アレシャンドレ・パト
ネト
韓国 (KOR)
鄭成龍
呉宰碩
尹錫榮
金英權
金基熙
奇誠庸
金甫炅
白星東
池東沅
朴主永
南泰煕
黄錫鎬
具滋哲
金昌洙
朴鍾佑
鄭又榮
金賢聖
李範永
女子 アメリカ合衆国 (USA)
ホープ・ソロ
ヘザー・ミッツ
クリスティ・ランポーン
ベッキー・サウアーブラン
ケリー・オハラ
エイミー・レペイルベット
シャノン・ボックス
エイミー・ロドリゲス
ヘザー・オライリー
カーリー・ロイド
シドニー・ルルー
ローレン・チェニー
アレックス・モーガン
アビー・ワンバック
ミーガン・ラピノー
レイチェル・ビューラー
トビン・ヒース
ニコル・バーンハート
日本 (JPN)
福元美穂
近賀ゆかり
岩清水梓
熊谷紗希
鮫島彩
阪口夢穂
安藤梢
宮間あや
川澄奈穂美
澤穂希
大野忍
矢野喬子
丸山桂里奈
田中明日菜
高瀬愛実
岩渕真奈
大儀見優季
海堀あゆみ
カナダ (CAN)
カリーナ・ルブラン
エミリー・ザラー
チェルシー・スチュワート
カーメリーナ・モスカート
ロビン・ゲール
ケイリン・カイル
リアン・ウィルキンソン
ダイアナ・マシソン
キャンディス・チャップマン
ローレン・セッセルマン
デジレ・スコット
クリスティン・シンクレア
ソフィー・シュミット
メリッサ・タンクレディ
ケリー・パーカー
ジョネル・フィリーニョ
ブリタニー・ティムコ
エリン・マクロード
メラニー・ブース
マリー=エーヴ・ノールト

国・地域別のメダル獲得数

国・地域
1 メキシコ (MEX)1001
アメリカ合衆国 (USA)1001
3 ブラジル (BRA)0101
日本 (JPN)0101
5 韓国 (KOR)0011
カナダ (CAN)0011
合計2226

脚注

関連項目

外部リンク