AKSM-62103

AKSM-62103ベラルーシ語: АКСМ-62103)は、ベラルーシ輸送用機器メーカーであるベルコムンマッシュおよびシュタッドラー・ミンスクが展開する路面電車車両。車内の一部を低床構造とした超低床電車(部分超低床電車)である[1][2]

AKSM-62103
АКСМ-62103
AKSM-62103(ヴィーツェプスク
基本情報
製造所ベルコムンマッシュシュタッドラー・ミンスク
種車KTM-5台枠、車軸を流用)
製造年2009年 - 2024年
製造数合計 139両
改造年2017年 -(機器流用車)
主要諸元
編成ボギー車(単車)
軸配置Bo'Bo'
軌間1,524 mm
電気方式直流550 V
架空電車線方式
最高速度62 km/h
起動加速度1.24 m/s2
車両定員着席29人
立席81人(乗客密度5人/m2時)
立席159人(乗客密度8人/m2時)
荷重10 t
車両重量17.1 t
全長15,784 mm
車体長15,500 mm
全幅2,500 mm
全高3,150 mm
床面高さ365 mm(低床部分)
920 mm(高床部分)
車輪径700 mm
固定軸距1,940 mm
台車中心間距離7,500 mm
主電動機誘導電動機
主電動機出力50 kw
出力200 kw
制御方式VVVFインバータ制御IGBT素子)
制動装置回生ブレーキ
備考主要数値は[1][2][3][4]に基づく。
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概要

2000年に路面電車事業に参入したベルコムンマッシュは、翌2001年から初の量産車であるAKSM-60102の製造に着手し、ベラルーシロシア連邦各地の路面電車に向けて導入が行われた。これを基に設計された改良型車両がAKSM-62103である[1][2][4][5]

ループ線が存在する路線での運用を前提とした片運転台のボギー車(単車)で、乗降扉(両開き式プラグドア)が右側に3箇所設置されている。そのうち中央部の乗降扉付近を含めた車内全体の35 %は、床上高さ365 mmの低床構造になっている。車内の座席配置は1 + 2列のクロスシートを基本としているが、顧客の要望に応じた変更も可能である。電気機器はVVVFインバータ制御IGBT素子)に対応している他、制動装置には電力を回収可能な回生ブレーキが採用され、電力消費量はAKSM-60102と比べて最大50 %削減される[1][2][6]

運用

2009年に最初の車両が製造されて以降、AKSM-62103は以下のロシア連邦ベラルーシ各都市に導入されている。2014年以降は車体デザインや構造、機器の見直しを行った改良型車両であるAKSM-802の展開が行われているが、より安価なAKSM-62103の需要は高く、2023年現在も両者は並行して展開が行われている[3][4][7]

下記の車両のうち、カザン市電カザン)向けの7両およびスタールイ・オスコル市電スタールイ・オスコル)向けの2両は、シュタッドラー・ミンスクによって生産された車両である。また、ノヴォシビルスク市電ノヴォシビルスク)に2017年以降導入されている車両は、旧型電車(KTM-5)の台枠や車軸を用いた機器流用車(車体更新車)としてBKMシベリア(БКМ-Сибирь)[注釈 1]によって生産されている[2][3][7][8][9]

都市導入車両数
ベラルーシヴィーツェプスク
(ヴィーツェプスク市電)
44両
ナヴァポラツク
(ナヴァポラツク市電)
1両
ロシア連邦ノヴォシビルスク
(ノヴォシビルスク市電)
62両
カザン
(カザン市電)
20両
サマーラ
(サマーラ市電)
9両
スモレンスク
(スモレンスク市電)
2両
バルナウル
(バルナウル市電)
2両
プロコピエフスク
(プロコピエフスク市電)
2両
スタールイ・オスコル
(スタールイ・オスコル市電)
2両
オムスク
(オムスク市電)
1両
ケメロヴォ
(ケメロヴォ市電)
1両
カザフスタンオスケメン
(オスケメン市電)
4両

ギャラリー

脚注

注釈

出典

外部リンク