Agnona

アニオナはイタリアの最高級ラグジュアリーファッションブランド、生地[1]、室内装飾を手がける企業である。1953年にフランチェスコ・イロリーニ・モが設立、その後アルベルト・イロリーニが引き継ぎ、1999年にエルメネジルド・ゼニア グループに買収された。設立当初のアニオナはファッションブランド向けの生地を製造する毛織物工場であったが、1970年代にファッションブランドとしての展開を開始した。

歴史

1953年にフランチェスコ・イロリーニ・モが設立したアニオナは、当初イタリアのボルゴセージアに拠点を置いていた。設立当初からアニオナは世界各国のファッションデザイナーに生地を提供してきた[1]。当時のクライアントの中にはバレンシアガ、バルマン、ピエール・カルダンシャネルなどが含まれていた[2]。フランチェスコ・イロリーニ・モの息子のアルベルト・イロリーニが経営を引き継ぎ、1999年1月にエルメネジルド・ゼニアに買収された後も同社の会長職を務めている[1][3]

生地

設立当初はヨーロッパで生地を販売していたが、1960年代になると日本でも販売を開始。イロリーニが市場拡大を目指し、個人的に日本を旅行した後のことだった。1961年にはアメリカへも市場を拡大。1960年代より、アニオナは世界各国を回り生地の原材料となる原毛の調達に乗り出し、南米、中国、オーストラリア、チベットから輸入を開始した。また、原材料を確保するために、さまざまな外国企業にも出資した。[2]

アニオナでは約5,000種類もの毛織物を生産している。アニオナで生産している毛織物には、カシミアモヘア、キャメル、アルパカビクーニャなどがある。1997年時点でアニオナの生地を使用しているブランドにはラルフ・ローレンカルバン・クラインシャネルイヴ・サン=ローランヴェルサーチジル・サンダーエスカーダヒューゴ・ボスディオールエルメス、ヴァレンティノ、ジャンフランコ・フェレ、ジョイス、三陽商会マーク・ジェイコブスなどがある。アニオナは国際アルパカ協会の一員で、ビクーニャやアルパカウールの販売、マーケティングの独占権を持っている。[2]

アパレル

アニオナにはアパレル部門とテキスタイル部門がある[1]。アパレル部門と室内装飾部門は1970年代に開設され、既製服、ニットウェア、ホームコレクションを展開している[4][5]。スカーフ、ネクタイ、ショールなどのアクセサリーも取り扱っている[6]。アニオナではコート、ジーンズ、スカート、ワンピースなどの洋服を取り扱っている[7]。アパレル製品の取締役には、後にカルバン・クラインの取締役となったロベルト・ヨーリオ・フィリも名を連ねていた[8]

1990年代後半になると、アニオナはデパートでの販売に加え、独立型ブティックの建設に乗り出した[2]。1990年代のアメリカでの販売拠点はニーマン・マーカス、バーグドルフ・グッドマン、サックス・フィフス・アベニューバーニーズ・ニューヨークなどがあった。1997年、ニューヨークに最初の独立型ブティックをオープンさせた。これに先立ち、アニオナはミラノに直営ブティックをオープンしている。また、東京と大阪にはフランチャイズブティックもオープンした[9]。1999年にゼニアがニットウェアラインの拡大のために、アニオナを買収した[10]

2001年1月、アニオナの取締役にマリオ・ジロディが就任した。その年のアニオナの売り上げは、レディースウェアが全体の50%、メンズウェアが25%、室内装飾品が25%であった[1]。メンズラインはそれ以来製造中止となっている。2004年にはゼニアの店舗でもアニオナの服の販売を開始した[11]。その後、ダニエラ・カターニョが同ブランドのクリエイティブディレクターに就任した[12]。2006年にはガン・ヨハンソンがアニオナのレディースウェア部門のデザイナーに就任。また、同ブランドはグッチ会長のドメニコ・デル・ソーレやアニオナのCEO、トルド・フォン・ドリーセンの助言も受けていた[4]。同年、アニオナの売り上げは90%がアパレル製品、10%が生地であった[13]

2012年から2015年までステファノ・ピラーティがアニオナのチーフデザイナーを務め[14][15][16]、「CARA(カラ)」バッグラインでアクセサリーコレクションを拡大した[17]。2014年5月にはカッラが同社のCEOに就任[18][19]

参照

外部リンク