Mリーグ2018-19

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Mリーグ2018-19(エムリーグ2018-19)は、競技麻雀のチーム対抗戦のナショナルプロリーグ「Mリーグ」の2018年シーズン。配信当時は「Mリーグ2018」という名称であった。

Mリーグ2018-19
レギュラーシーズン
開幕2018年10月1日
終了2019年2月12日
チーム数7チーム
選手数21名
試合数各チーム80半荘(全140半荘)
通算半荘#1-#140
MVP多井隆晴
ファイナル
開幕2019年3月2日
終了2019年3月31日
試合数24半荘
通算半荘#141-#164
成績上位
優勝赤坂ドリブンズ
2位EX風林火山
3位渋谷ABEMAS
4位KONAMI麻雀格闘倶楽部
2019-20 »

Mリーグの2018年シーズンは、2018年8月7日のドラフト会議を経て、10月1日に開幕し、2019年2月12日までレギュラーシーズンが行われた。レギュラーシーズン上位4チームで行われるファイナルシリーズは、3月2日から3月31日まで開催され、赤坂ドリブンズが優勝した[1]

各チーム所属選手

第一回ドラフト会議が8月7日に東京のグランドプリンスホテル高輪で開催された。第一巡、第二巡では各チームの指名が重複なしであったが、第三巡の指名では、鈴木たろうが赤坂ドリブンズ、渋谷ABEMAS、U-NEXT Piratesの3チームから指名され、抽選の結果、赤坂ドリブンズが交渉権を獲得した[2]。これにより7チームが各3選手ずつ計21人のMリーガーが誕生した。

21選手の所属団体としては、日本プロ麻雀連盟(以下、連盟)11名・最高位戦日本プロ麻雀協会(以下、最高位戦)6名・日本プロ麻雀協会(以下、協会)2名・RMU麻将連合-μ-(以下、麻将連合)が各1名と、連盟所属選手が多数を占めた。また、チーム別では、風林火山・麻雀格闘倶楽部・雷電が全員連盟、ドリブンズ・パイレーツが全員非連盟、ドリブンズ・パイレーツ・フェニックスが2選手最高位戦、アベマズのみ3選手の所属団体が違う構成となった。

各チームの指名選手は下表のとおり。()内は、各選手の当時の所属団体。

チーム選手監督
1巡目指名2巡目指名3巡目指名
 赤坂ドリブンズ 園田賢(最高位戦)村上淳(最高位戦)鈴木たろう(協会)越山剛(最高位戦)
 EX風林火山 二階堂亜樹(連盟)滝沢和典(連盟)勝又健志(連盟)
 KONAMI麻雀格闘倶楽部 佐々木寿人(連盟)高宮まり(連盟)前原雄大(連盟)
 渋谷ABEMAS 多井隆晴(RMU)白鳥翔(連盟)松本吉弘(協会)藤田晋
 セガサミーフェニックス 魚谷侑未(連盟)近藤誠一(最高位戦)茅森早香(最高位戦)高畑大輔
 TEAM RAIDEN/雷電 萩原聖人(連盟)瀬戸熊直樹(連盟)黒沢咲(連盟)
 U-NEXT Pirates 小林剛(麻将連合)朝倉康心(最高位戦)石橋伸洋(最高位戦)

※3巡目重複:鈴木たろう(ドリブンズ、ABEMAS、Pirates)

シーズン概要

レギュラーシーズン

レギュラーシーズンは、大和証券が冠スポンサーとなり、「大和証券Mリーグ2018」という名称で開催された[3]。試合は2018年10月1日から2019年2月12日まで一部期間を除き毎週月・火・木・金曜日の19時から1日2試合で行われた[1]

ドラフト後、10月1日に開幕したレギュラーシーズン序盤は、ABEMASが独走する展開となった[4]。しかし、11月に入ると失速し、ABEMASと入れ替わるように風林火山とドリブンズが首位戦線に浮上して[5]、12月は風林火山とドリブンズが抜きつ抜かれつの首位争いをした[6]。3位以下は、長らく最下位に沈んでいた麻雀格闘倶楽部がマイナスを大きく減らし、2018年が終わる頃には、3位以下が混戦の2強5弱の構図となった[7]

1月は年明け最初の試合で麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人がこのシーズン最高スコアとなる8万1700点のトップを獲得し、チームは3位に浮上した[8]。麻雀格闘倶楽部が3位に急上昇したことにより、3位以下はさらに大混戦となった。その中で、フェニックスが年明けからの大きなマイナスでファイナル進出争いから転落しかかったが、3連続トップ(魚谷近藤、近藤)でファイナル進出戦線に残留し[9]、雷電は1月31日の連続4着でファイナル進出戦線からやや離れたが、全チームにファイナル進出の現実的可能性が残ったまま、2月に突入した[10]

2月、風林火山は4位回避率ベスト3に3人全員がランクインする安定した戦いで、一足先にファイナル進出を確実なものにし[11]、年明けから絶好調の多井隆晴擁するABEMASも、2位に急浮上してファイナル進出の安全圏に入った[12]

シーズン最終盤、ドリブンズ、麻雀格闘倶楽部、雷電の3チームが最終日の前日にレギュラーシーズンを終える日程が組まれていた。風林火山と首位争いをしていたドリブンズは、園田賢が風林火山の滝沢和典大三元に振り込むなどして、大きなマイナスを受け、4位まで転落してレギュラーシーズンを終えた[13]。麻雀格闘倶楽部は、終盤の8戦で2回のトップと5回の2着という7連対を決め、ドリブンズを抜いて、3位でレギュラーシーズンを終えた。最終日出場の下位2チームが共に大きなポイントを取ることは現実的ではないため、3位に浮上した麻雀格闘倶楽部は最終日を残してファイナル進出が確実となった[14]。一方、雷電は、最後の10戦の内、4着に4回なったのが響き、ファイナル進出が絶望的となった[15]

シーズン最終日、パイレーツの朝倉康心が第1戦でトップを獲り[16]、パイレーツは最終戦で5万4800点以上のトップを穫ればファイナル進出という条件が残ったが、パイレーツはトップを穫れず、ドリブンズがレギュラーシーズン4位でファイナルに進出することになった。フェニックスは、最終戦で19万7700点以上のトップという絶望的な条件が残る中、近藤誠一が3万6300点のトップを獲り、シーズン最下位を逃れた[17]

ファイナルシリーズ

ファイナルシリーズは朝日新聞社が冠スポンサーとなり、「Mリーグ2018 朝日新聞ファイナルシリーズ」の名称で開催された[18]

3月2日ファイナル初日、レギュラーシーズンを4位で通過し、首位の風林火山と145.2ポイント差でファイナルシリーズに突入したドリブンズが3戦ともトップ(鈴木、村上、鈴木)を獲り、一気に首位に躍り出た[19]。3月3日ファイナル2日目、二階堂亜樹と勝又健志のトップで風林火山がポイントを増やして、ドリブンズを追撃した一方で、ABEMASと格闘倶楽部が2日連続マイナスとなり、2日間6半荘を終えた時点で2強2弱の構図となった[20]

3月9日ファイナル3日目、風林火山、ドリブンズ、ABEMASがそれぞれ1回ずつトップを獲り、トップを穫れなかった麻雀格闘倶楽部も2着2回だったので、ポイント変動が小さく終わった[21][22][23]。3月10日ファイナル4日目、1戦目の東場で6万点近くのトップとなっていたABEMAS・多井隆晴がそのままトップとなるかに思われたが、南1局1本場、麻雀格闘倶楽部・前原雄大の親役満に振込み、一気に4着に転落して、4着のまま1戦目を終えた[24]。多井の後に登場した松本吉弘、白鳥翔も4着となり、ABEMASは大きく首位から離されることになった。親役満が飛び出す中、1戦目で二階堂亜樹が1着を獲った風林火山[25]、2,3戦目でトップを獲ったドリブンズがさらにプラスを重ねて[26]、4日間12半荘、ファイナルシリーズの半分が終わった時点で2強2弱の構図が強まった[27]

3月23日ファイナル5日目、1戦目で村上淳が8万点弱[28]、2戦目で園田賢が5万点超えのトップを獲り[29]、首位ドリブンズが2位風林火山との差を一気に離した。風林火山は3戦目で勝又健志がトップを獲り、ドリブンズとの差を詰めたが、下位2チームはこの日もマイナスとなり、優勝が苦しくなった[30]。3月24日ファイナル6日目、前日の2回トップで独走体制に入りつつあるドリブンズに包囲網が敷かれる中、最下位のABEMASが第1戦・第2戦で連続トップを獲ったが、第3戦トップで迎えた南3局1本場、多井隆晴が佐々木寿人の親跳満に放銃し、4着となった[31][32]。下位の麻雀格闘倶楽部・ABEMASがこの日のトップを分け合ったものの、優勝に向けて必要だった大きなプラスを2チームとも得ることはできず、優勝には奇跡的な条件が必要となった。ドリブンズは包囲網の影響もあり[32]、トップを穫れなかったが、風林火山との差を広げ、独走体制に入った[33]

3月30日ファイナル7日目、第1戦、第2戦でドリブンズの鈴木たろう、村上淳が連続トップを獲り、独走体制を強めた[34][35]。第3戦で風林火山の滝沢和典がトップを獲り、風林火山の逆転優勝の現実的可能性が辛くも残ったが、この半荘でドリブンズの園田賢が4着を回避し、実現困難な条件が残った[36]。下位2チームはこの日もマイナスとなり、逆転優勝がさらに絶望的となった。

3月31日ファイナル8日目、ドリブンズと風林火山の300ポイント差で迎えた最終日、3戦とも2チームがトップラスかそれに近い点差を実現できれば風林火山の逆転優勝が考えられたが、第1戦でドリブンズが2着となり、風林火山が4着となったため、シリーズの焦点は麻雀格闘倶楽部とABEMASの3位争いに絞られた[37]。第1戦で高宮まりが5万点超えのトップを獲り、90ポイント近い差を追うことになったABEMASは逆転が難しくなったかに思われた。しかし、第2戦で白鳥翔が東4局の親番で6連続和了を含む9連荘で7万点近いトップを獲って、一気に麻雀格闘倶楽部を抜き去ると[38]、シリーズ最終戦の第3戦で多井隆晴がトップを獲り、3位を確保した[39]

成績

レギュラーシーズン / ファイナルシリーズ

レギュラーシーズン(成績)

レギュラーシーズン最終成績

順位チームPt[40]選手成績
1位風林火山281.7滝沢和典314.8勝又健志15.9二階堂亜樹▲49.0
2位ABEMAS184.6多井隆晴476.3松本吉弘22.1白鳥翔▲313.8
3位麻雀格闘倶楽部39.2佐々木寿人228.3前原雄大84.8高宮まり▲273.9
4位ドリブンズ▲8.7園田賢123.2鈴木たろう30.1村上淳▲162.0
5位Pirates▲99.2朝倉康心178.8小林剛▲115.6石橋伸洋▲162.4
6位フェニックス▲170.1近藤誠一144.4茅森早香▲65.4魚谷侑未▲249.1
7位雷電▲227.5黒沢咲116.9萩原聖人▲61.0瀬戸熊直樹▲283.4

レギュラーシーズン個人成績

選手名チーム半荘数個人タイトル[41]1位2位3位4位
個人スコア平均打点4着回避率
多井隆晴ABEMAS27476.360710.8511754
滝沢和典風林火山30314.874140.9096123
佐々木寿人麻雀格闘倶楽部37228.373280.731110610
朝倉康心Pirates28178.870480.8271155
近藤誠一フェニックス24144.474090.718637
園田賢ドリブンズ31123.258540.7111749
黒沢咲RAIDEN22116.967500.776745
前原雄大麻雀格闘倶楽部2784.868260.787866
鈴木たろうドリブンズ2930.176380.62105311
松本吉弘ABEMAS2722.159860.747767
勝又健志風林火山2615.966630.855894
二階堂亜樹風林火山24▲49.067960.884893
萩原聖人RAIDEN30▲61.068100.707689
茅森早香フェニックス29▲65.478730.7974126
小林剛Pirates27▲115.667100.8248105
村上淳ドリブンズ20▲162.071140.704646
石橋伸洋Pirates25▲162.455680.804795
魚谷侑未フェニックス27▲249.161100.675679
高宮まり麻雀格闘倶楽部16▲273.960110.631546
瀬戸熊直樹RAIDEN28▲283.471460.6166511
白鳥翔ABEMAS26▲313.859180.656299

レギュラーシーズン日程・対戦成績

ファイナルシリーズ(成績)

ファイナルシリーズ最終成績

順位チーム合計[182]持越[183]選手成績賞金
1位ドリブンズ594.5▲4.3鈴木たろう339.2村上淳162.1園田賢97.55000万円
2位風林火山83.0140.9二階堂亜樹▲11.5勝又健志▲12.0滝沢和典▲34.42000万円
3位ABEMAS▲147.092.3白鳥翔11.1多井隆晴▲115.1松本吉弘▲135.31000万円
4位麻雀格闘倶楽部▲282.019.6高宮まり37.1佐々木寿人▲154.1前原雄大▲184.6-
5位Piratesレギュラーシーズン敗退
6位フェニックス
7位雷電

※レギュラーシーズン終了時のポイントの半分がファイナルシリーズへ持ち越し

ファイナルシリーズ個人成績

選手名チーム半荘数個人スコア1位2位3位4位
鈴木たろうドリブンズ10339.2[184]5320
村上淳ドリブンズ7162.1[185]3211
園田賢ドリブンズ797.5[186]2320
高宮まり麻雀格闘倶楽部637.1[187]1311
白鳥翔ABEMAS811.1[188]3023
二階堂亜樹風林火山7▲11.5[189]2122
勝又健志風林火山9▲12.0[190]2322
滝沢和典風林火山8▲34.4[191]2123
多井隆晴ABEMAS9▲115.1[192]2214
松本吉弘ABEMAS7▲135.3[193]1042
佐々木寿人麻雀格闘倶楽部11▲154.1[194]1433
前原雄大麻雀格闘倶楽部7▲184.6[195]0223

ファイナルシリーズ日程・対戦成績

役満

各家の表記は、その局における家を示す。

通算回日付・曜日・回東家南家西家北家
レギュラーシーズン(全140戦)
第31戦[220][221]10月26日第1戦南1局1本場国士無双魚谷侑未佐々木寿人松本吉弘村上淳
放銃牌
第134戦[13][222]2月7日第2戦東4局大三元佐々木寿人茅森早香滝沢和典園田賢
放銃牌
ファイナルシリーズ(全24戦)
第10戦[24][223]3月10日第1戦南1局1本場大三元前原雄大多井隆晴園田賢二階堂亜樹
放銃牌

 和了者   放銃者 

中継

AbemaTV麻雀チャンネルで基本的に平日の水曜日以外の19:00からリーグ戦の試合を生配信した。中継番組での実況は松嶋桃(月・金)、小林未沙(火・木)が担当した[注 1]。解説は原則、Mリーガーから毎回1人が解説を担当し、例外的に土田浩翔内川幸太郎が担当する日や2名で解説を担当する日があった。トップを取った選手へのインタビュアーは松本圭世が担当した[注 2]

Mリーグ駅伝

シーズンオフの特別企画として、2019年7・8月に「Mリーグ駅伝」が開催された[224]。これは、前年まで麻雀チャンネルで開催されていた「麻雀駅伝」をリニューアルしたもので、3日間それぞれ異なるルールで各チームが対局を行い、そのトータルスコアで順位を競うもの。参加するのは2018シーズンの7チーム+「チェアマンチーム(藤田晋、じゃい(インスタントジョンソン)、滝口幸広張敏賢)」の計8チーム。

具体的なスケジュール及びルールは以下の通り。なお各チームの出場メンバーは試合ごとに自由に入れ替え可能だが、最低1人1回は戦う必要がある[224]

日付ルール
12019/07/06Mリーグルールによる東南戦4試合(審判制は採用せず)
22019/07/20旧麻雀駅伝ルールに赤牌を入れたもの
三人麻雀による全8試合で、各チームが6試合に出場
32019/08/10Mリーグルールによる東南戦3試合(審判制は採用せず)、ただしポイント2倍
3試合終了時点での上位4チームが決勝戦1試合を行う

最終的にリーグ優勝のドリブンズが最下位に沈む一方で、チェアマンチームが決勝卓で雷電を逆転し優勝した[225]。チェアマンの藤田は本駅伝を「サッカーで言うカップ戦と位置づける」と語り、次年度以降も継続開催する意向を明らかにしていたが[225]、実際には実現していない。

最終成績
順位チーム合計
1位チェアマン297.6
2位雷電141.9
3位ABEMAS123.8
4位麻雀格闘倶楽部34.4
5位Pirates70.1
6位風林火山-179.5
7位フェニックス-216.7
8位ドリブンズ-271.6

できごと

2018年
  • 7月17日 - Mリーグが発足した。
  • 8月7日 - ドラフト会議を開催し、7チーム各3名計21名のMリーガーが誕生した。
  • 9月14日 - パブリックビューイング観戦チケットの販売が開始された[226]
  • 10月1日
    • Mリーグが開幕した。公式実況の松嶋桃が初実況を務め、赤坂ドリブンズ園田賢がMリーグ最初のトップになった。
    • 招待客限定で初のパブリックビューイングが開催された。
  • 10月2日 - 公式実況の小林未沙が初実況を務めた。
  • 10月11日 - パブリックビューイングの一般公開が開始された[226]
  • 10月26日 - KONAMI麻雀格闘倶楽部佐々木寿人渋谷ABEMAS松本吉弘から国士無双を和了った[220]
  • 11月20日 - EX風林火山の勝又健志が11翻(立直、一発、門前清自摸和、海底撈魚、ドラ7)の三倍満を自摸和了った[227]
2019年
  • 2月7日 - EX風林火山の滝沢和典赤坂ドリブンズ園田賢から大三元を和了った[13]
  • 2月12日 - レギュラーシーズンが終了し、EX風林火山、渋谷ABEMAS、KONAMI麻雀格闘倶楽部、赤坂ドリブンズのファイナルシリーズへの進出が決定した。
  • 3月2日 - ファイナルシリーズが開幕した。
  • 3月10日 - KONAMI麻雀格闘倶楽部の前原雄大が渋谷ABEMASの多井隆晴から大三元を和了った[24]
  • 3月31日 - ファイナルシリーズが終了し、赤坂ドリブンズがMリーグ初代王者に輝いた。

脚注

注釈

出典

同着

外部リンク