Su-27-1M (航空機)

航空機

Su-27-1M / Су-27-1М

単座型のSu-27P1M。2019年のロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー(英語版)にて撮影。

単座型のSu-27P1M。2019年のロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー英語版にて撮影。

Su-27-1Mウクライナ語: Су-27-1М)は、ソビエト連邦スホーイ設計局が開発したSu-27を、ウクライナザポリージャ航空機修理工場ウクライナ語版が近代化改修した戦闘機

概要

Su-27の機齢延伸と近代化改修作業は2013年から開始され[1]、近代化改修によって戦闘能力が20パーセント程度向上すると想定された[2]

近代化改修初号機は複座練習機型のSu-27UBで、Su-27UB1Mと命名されてザポリージャ州ザポリージャに所在する、ザポリージャ航空機修理工場で改修作業が行われた[3]。改修作業にはザポリージャ航空機修理工場のほか、オリゾン・ナビゲーションウクライナ語版ノヴァトールウクライナ語版エレクトロンプリボールロシア語版などが携わった。

2014年8月5日付国防大臣令No.299により、Su-27近代化改修型はウクライナ空軍に制式採用され、単座型のSu-27P、Su-27S、複座型のSu-27UB、Su-27UPが改修を受けることとなった[4][5]

2020年1月31日、Su-27UB1M 1機がウクライナ空軍に引き渡され、第831戦術航空旅団ウクライナ語版に配備された[6]

機体

複座型のSu-27UB1M。

Su-27の近代化改修では、N001パルス・ドップラーレーダーの受信ユニット、デジタル処理ユニット等の換装[7]、オリゾン・ナビゲーション製SN-3307-02衛星航法システム受信機の装備[7]、オリゾン・ナビゲーション製A-511トランスポンダ、BUR-4-1-10-01フライトデータレコーダー、SAVR-27U映像記録装置等の装備が行われた[8]

レーダーの改修により捜索可能距離が30%延伸され対電子戦能力も向上したが、同じく既存のSu-27を近代化改修した機体であるロシア空軍のSu-27SM/SM3やベラルーシ空軍Su-27UBM1と異なり、R-77(AA-12アダー)空対空ミサイルや、Kh-29(AS-14ケッジ)・Kh-31(AS-17クリプトン)などの空対地空対艦ミサイルなどの運用能力は付与されておらず、マルチロール機と呼べる状態には至っていない[9]

派生型

Su-27P1M
Su-27Pの近代化改修型[4]
Su-27S1M
Su-27Sの近代化改修型[4]
Su-27UB1M
Su-27UBの近代化改修型[4]
Su-27UP1M
Su-27UPの近代化改修型[4]

運用国

 ウクライナ

脚注

出典

関連項目

  • Su-27UBM1 - ベラルーシでのSu-27近代化改修型。
ウクライナによる旧ソ連軍時代の航空機の近代化改修型。