XM250

XM250は、M249軽機関銃の後継としてアメリカ陸軍に採用されたSIG SAUER製の分隊支援火器である。次世代分隊火器プログラムにおける選考を経て、2022年に制式採用が決定された。採用弾薬は6.8×51mm .277 FURY弾、作動方式はガス圧式ベルト給弾式である。

XM250
弾薬ベルトを装填したXM250
種類軽機関銃[1]
原開発国アメリカ
運用史
配備期間2022–現行
配備先アメリカ陸軍
開発史
開発期間2019
製造業者SIG SAUER
諸元
重量13 lb (5.9 kg) (バイポッド装着時)
14.5 lb (6.6 kg)(サプレッサー装着時)
6.77 lb (3.07 kg) (100発弾帯袋)[2]
全長41.87 in (1,063 mm)(サプレッサー装着時)[3]
銃身17.5 in (444 mm)[4]

口径.277 FURY弾 (6.8×51mm共通弾)
作動方式ガス圧作動方式
装填方式30発、50発、100発または200発装填セミハードマガジン
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歴史

2019年1月、M4カービンM249軽機関銃を更新するため、米軍は次世代分隊火器プログラムを開始した。SIG SAUERはこれに対し2019年9月に本銃を提案した[5]。当時、ボディアーマーの性能向上により従来の5.56×45mm NATO弾(M4およびM249で使用)や7.62×51mm NATO弾では有効性が不足することが懸念されていたことから、XM250はより強力な6.8(.277インチ)×51mmの.277 FURY弾を使用するように設計された[6][7][8]

2022年4月19日、アメリカ陸軍はSIG SAUERとの間でXM250とXM5の供給に関する10年間の契約を締結し、M4とM249をそれぞれ置き換えることとした[9][10]。すなわち、M4の後継がM5、M249の後継がM250と、それぞれ連番の型番を後継銃に用いることとなった。最初の納入数はXM5が25丁、XM250が15丁で、2023年後半に納入される予定である。陸軍は、歩兵、戦闘工兵、前進観測員、衛生兵等の近接戦闘職種向けに合計107,000丁のXM7と13,000丁のXM250を調達する予定である。本銃を非戦闘員に支給する計画は当面はない。なお、契約上は、海兵隊特殊作戦軍にも採用されることに備えた追加発注枠がある[11]

XM250の本体重量は13 lb (5.9 kg)(サプレッサー装着時14.5 lb (6.6 kg))で、標準的な武装では1つの100発弾倉ポーチ4個(計400発、27.1 lb (12.3 kg))を携行する。M249は本体重量19.2 lb (8.7 kg)、弾薬は200発弾倉3つ(計600発)で20.8 lb (9.4 kg)であるから、XM250では本体重量は約4 lb (1.8 kg)少なくなる一方で、兵士が運ぶ総重量はおよそ1 lb (0.45 kg)多くなるにもかかわらず、携行弾数は200発少なくなる。XM250のバレルはクイックチェンジバレルではない。ストックは伸縮可能であるが、折りたたみ機能はない[11][12][13]

XM250を含めた次世代分隊火器の運用テストに向け、2023年10月迄に米陸軍の一部部隊に最初に配備開始される予定である[13]。2022年現在では将来的に問題が生じないことまでは保証されていない[14]

関連項目

脚注

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