けろっこデメタン

フジテレビ系列局で放送されていたタツノコプロ制作のテレビアニメ

けろっこデメタン』(: Demetan Croaker, The Boy Frog)は、1973年1月2日から同年9月25日までフジテレビ系列局で放送されていたタツノコプロ制作のテレビアニメである。全39話。放送時間は毎週火曜 19:00 - 19:30 (日本標準時)。

けろっこデメタン
アニメ
原作鳥海尽三
総監督笹川ひろし
シリーズ構成酒井あきよし
キャラクターデザイン吉田竜夫天野嘉孝
音楽越部信義
アニメーション制作タツノコプロ
放送局フジテレビ系列
放送期間1973年1月2日 - 9月25日
話数全39話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

平均視聴率は10.4%(タツノコプロが所有する資料による)[1]

ストーリー

アマガエルのデメタンは、雨太郎とアマ子夫婦の子。おもちゃの露天商を営む両親の手伝いで学校に行くこともできなかったが、訪れた「虹のお池」で大富豪トノサマガエル一家の娘・ラナタンと出会い、字を教えてもらったりして仲良くなる。しかし、それを好ましく思わないラナタンの父・ギヤ太やその部下のイボ吉、キャールたちから執拗に狙われるようになる。デメタンとラナタンの二つの一族の対立を軸に、カエル版『ロミオとジュリエット』として話が展開する。

物語後半では、ギヤ太を傀儡にして池の全住民を支配していた大ナマズからの解放闘争へと発展する。

登場人物

デメタン一家

デメタン
声 - 久松夕子
主人公のアマガエルの男の子。小学4年生という設定[2]。元々住んでいた池がある日突然イモリたちの襲撃に遭い、逃げる途中に起きた土砂崩れも加わって兄弟を全て失った。
虹の池に引っ越してきた時にラナタンと出会い、互いに惹かれ合っていくが、貧しい家柄なのでギヤ太を始めザリやイボ吉たちから快く思われず、虹の池から出て行くように親子ともども様々な嫌がらせを受ける。上記の理由で子ガエルたちの中で唯一学校に行けない。ラナタンたちが学校に行っている間は雨太郎のおもちゃ作りの手伝いをしている。
当初は弱虫で泣き虫だったが、虹の池でラナタンに出会ったことや、様々な生き物との出会いや別れを経験して次第に誰にでも立ち向かう勇気と優しさを身につけていく。頑固な面もあり、ラナタンやタニシのおばあさんと喧嘩をしたこともある。
雨太郎が作ってくれたケロケロ笛という笛を常に持ち歩いており、よく吹いている。その音色は美しく、ラナタンや他の生き物たちからも人気がある。ザリと戦った際には木刀のように使用したこともある。
イモリたちが虹の池に攻めてきた際にラナタンとたった二人で残って戦い、ナマズ入道にその勇気を賞賛されて助けられ、ナマズ入道の事を神様だと思っていたが、仲良くなったエレ吉の兄弟を皆食べられたことと、ギヤ太を利用して池の住民から貢ぎ物を取り立てていたことを知ったことで次第に考えを変えていき、虹の池を平和な場所にするために池の生き物たちやエレ吉父子と一丸となってナマズ入道に立ち向かう。
最後は平和になった虹の池でラナタンと寄り添って笛を吹いた。
雨太郎
声 - 北村弘一
デメタンの父。元々住んでいた池がイモリたちの襲撃に遭い、デメタンと雨子を連れて虹の池に引っ越してくる。おもちゃ作りをして生計を立てているが、ギヤ太の圧力であまり売れず、家は貧しい。
曲がったことが大嫌いで嫌がらせを仕掛けてくるギヤ太たちにも立ち向かうが、力が弱く返り討ちに会うことがほとんど。改心したギヤ太を許す心の広さもあり、デメタンたちと一丸となって共にナマズ入道に立ち向かう。
最後は寄り添うデメタンとラナタンを優しく見守った。
雨子
声 - 荘司美代子
デメタンの母。ギヤ太たちの嫌がらせにも屈さずに雨太郎を支え、デメタンを優しく見守る。
デメタンの兄弟
オタマジャクシ。元々はデメタンを含めて沢山いて、雨太郎両親と楽しく暮らしていたが、突然のイモリたちの襲撃でほとんどが食べられ、残った数匹も逃げる途中の土砂崩れに巻き込まれてしまい、デメタンを除いてすべて死んでしまった。

ラナタン・ギヤ太とその子分たち

ラナタン
声 - 岡本茉莉
ギヤ太の娘のトノサマガエル。デメタンと同じく小学4年生という設定[2]。デメタンと出会ったことから池を飛び出し、父を改心させて池を開放しようと頑張る。
ギヤ太
声 - 富田耕生
ラナタンの父にして、「虹のお池」を仕切るトノサマガエル。実はなまず入道の傀儡だった。
イボ吉
声 - 大竹宏
ギヤ太の子分であるイボガエル。少々ドジなところがある。いつもキャールとともに行動している。
ザリ
声 - 田中康郎
ギヤ太の子分のリーダー格であるザリガニ。イボ吉やキャールも頭が上がらない強者。ラスト近く、ギヤ太が改心するとなまず入道の部下に寝返り、デンキウナギのエレ吉を洞窟に閉じ込めたが、エレ吉が脱走した際に起った岩盤崩れによって下敷きとなり絶命。
キャール
声 - 八代駿
ギヤ太の子分であるカエル。力は無いが、悪知恵が働いてずる賢い。ギターが得意。リンチや処刑の場面などでは、自身は参加せずに怯えながら見ていることが多い。

その他

なまず入道
声 - 水島晋
虹の池に住んでいる巨大なナマズ。池一番の長者のギヤ太を影から操って池の住民から貢物を献上させ、自身の食料としている。自身の存在が知れると、池から生き物たちが逃げ出して食料を持ってくる者がいなくなってしまうため、普段は池の住民が一度入ったら出られないと恐れて誰も近寄らない、「地獄ジャングル」と呼ばれる池の底の無数の水草が生い茂った奥の洞窟に潜んでいる。
住民やギヤ太のことは唯の自分に食料を献上する奴隷たちとしか考えていないが、イモリたちが虹の池に攻めてきた時には自身の食料のためにギヤ太を通して自身の存在を知られないように池の住民を全員避難させ、そうとは知らずに攻めてきた大勢のイモリたちを撃退している。その際、逃げずに池に残って戦っていたデメタンとラナタンを見つけ、「チビ蛙のくせに勇気のある奴らだ」と気まぐれとはいえ自身を見られたにもかかわらずに助け、この事からデメタンに虹の池の神様だと思われるようになる。
最後は唯一の弱点である電撃で攻撃されて海へと逃亡するが、海の魚たちとともに人間に手打ち網で捕らえられた。
沢五郎
声 - 加藤精三
ナレーション
声 - 北浜晴子

スタッフ

  • 企画・制作 - 吉田竜夫
  • 原作 - 鳥海尽三
  • 構成 - 酒井あきよし
  • 美術監督 - 中村光毅
  • 音楽 - 越部信義
  • 総監督 - 笹川ひろし
  • キャラクターデザイン - 吉田竜夫、天野嘉孝
  • 作画監督 - 林政行、川端宏
  • 原画 - 田島実、前田英美、他
  • 動画 - 中村実、松本清、他
  • 背景 - 多田喜久子、新井寅雄、アップルズ、大沼敏孝、吉原一輔、プロダクションわーと、山口幸子
  • 背景設定 - 大沼敏孝、多田喜久子、中村光毅
  • 色指定 - 金原恵美、他
  • 仕上 - 野村千恵子、浅上まり子、他
  • 特殊効果 - 朝沼清良、他
  • 検査 - 村上篤美、他
  • 撮影 - 天平フィルム、他
  • 編集 - 三木幸子
  • 進行 - 米津和彦、他
  • 制作担当 - 栃平吉和(タツノコプロ)、津田義夫(読売広告社
  • 効果 - イシダサウンドプロ
  • 録音ディレクター - 水本完
  • 録音 - 棚岡元(読広スタジオ)
  • 現像 - 東京現像所
  • プロデューサー - 吉田健二九里一平
  • 制作協力 - フジテレビ
  • 制作 - タツノコプロ

主題歌

レコードは日本コロムビアから発売。

オープニングテーマ「けろっこデメタン」
作詞 - 丘灯至夫 / 作曲・編曲 - 越部信義 / 歌 - 堀江美都子
エンディングテーマ「まけるなデメタン」
作詞 - 丘灯至夫 / 作曲・編曲 - 越部信義 / 歌 - 堀江美都子
イントロ部は次回予告BGMになっている。

※韓国版主題歌『개구리 왕눈이』(訳詞:パク・ジュニョン朝鮮語版、補作曲:チョン・ミンソプ朝鮮語版、歌:チョン・ヨジン朝鮮語版)は、日本版主題歌の一部を改変したものである。速いテンポで派手な編曲をバックに堀江美都子が歌い上げる日本版と違い、当時10歳のチョン・ヨジン(チョン・ミンソプの娘)が比較的控えめなテンポと編曲をバックに歌っている。

各話リスト

話数放送日サブタイトル脚本演出
11973年
1月2日
とび出せデメタン鳥海尽三吉田竜夫
原征太郎
21月9日勇気だ!父ちゃん酒井あきよし高橋資祐
31月16日負けるな!三段跳び鳥海尽三岡崎邦彦
41月23日守れ!愛のタマゴ酒井あきよし富野喜幸
51月30日泣くな!デメタン永田俊夫高橋資祐
62月6日ふたりぼっちのケロケロ笛鳥海尽三原征太郎
72月13日まごころに消えた憎しみ…柴田夏余富野喜幸
82月20日さようなら小さな旅人陶山智岡崎邦彦
92月27日虹の池の地獄ジャングル鳥海尽三原征太郎
103月6日友情は海の彼方に酒井あきよし棚橋一徳
113月13日秀才蛙が現われた永田俊夫高橋資祐
123月20日ギャ太の策略酒井あきよし棚橋一徳
133月27日生きろ広い世界で富野喜幸
144月3日わんぱく蛙がやって来た鳥海尽三鹿島恒保
154月10日命の川をとりもどせ永田俊夫高橋資祐
164月17日救え緑の命陶山智岡崎邦彦
174月24日虹の池の魔神鳥海尽三原征太郎
185月1日飛ぶんだ大空へ三宅直子富野喜幸
195月8日開け希望の灯酒井あきよし高橋資祐
205月15日シャボン玉は海に向う三宅直子富野喜幸
215月22日泣くな友情のケロケロ笛小山高男原征太郎
225月29日デメタン海からかえる鳥海尽三
236月5日捨てるな勇気笹川ひろし高橋資祐
246月12日へそ蛙君さようなら酒井あきよし富野喜幸
256月19日消すな命の炎永田俊夫鹿島恒保
266月26日負けるなやせ蛙鳥海尽三高橋資祐
277月3日ナマズ入道大あばれ富野喜幸
287月10日ひびけ!愛のケロケロ笛小山高男
297月17日わたせ友情のかけ橋酒井あきよし高橋資祐
307月24日さよならカニッ子たち久保田圭司林政行
317月31日炎に負けるな陶山智富野喜幸
328月7日小さな池の王様永田俊夫原征太郎
338月14日虹の池がかわく時若松はじめ鈴木康彦
348月21日頑張れデメタン鳥海尽三光延博愛
358月28日戦え!デメタン酒井あきよし富野喜幸
369月4日ナマズ入道に負けるな鳥海尽三原征太郎
379月11日恐怖の地獄ジャングル富野喜幸
389月18日ナマズ入道をやっつけろ酒井あきよし原征太郎
399月25日ひびけ平和のケロケロ笛鳥海尽三

放送局

補足

  • 本作は、フジテレビの火曜19:00枠で放送されていたタツノコ作品では唯一劇場版の無い作品となっている。
  • 同じタツノコ作品である『ヤットデタマン』第32話「ワタルが亀に大変身」では、ジュジャクが作り出したイソップ寓話「亀と牛」の世界で、ミレンジョ一味のミレンジョとジュリー・コケマツがそれぞれラナタンとデメタンに変身した。
  • 本作は後にテレビ東京などで再放送された。特にテレビ東京では、1982年4月放送の『手塚治虫のドン・ドラキュラ』がわずか4回で打ち切られた後、同時間帯に2時間の単発特番が組まれるまでつなぎ番組として放送されていた。
  • 1980年代に韓国で放送され、旋風を巻き起こすほどの人気を集めた[21]。韓国では2020年代に入ってもドラマ「賢い医師生活」で主人公が言及するなど根強い人気を維持している。
  • 1999年12月31日に放送されたタツノコクロスオーバーアニメ『世紀末伝説 ワンダフルタツノコランド』(『超える!テレビ』内で放送)では、円盤星人UBOが訪れた島「タツノコアニメワールド島」の住民として、デメタン・ラナタン・ギヤ太・なまず入道が登場している(声は全員オリジナルとは異なる)。

脚注

外部リンク

フジテレビ系列 火曜19:00枠
前番組番組名次番組
樫の木モック
(1972年1月4日 - 1972年12月26日)
けろっこデメタン
(1973年1月2日 - 1973年9月25日)
新造人間キャシャーン
(1973年10月2日 - 1974年6月25日)
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