イプシロンプロテオバクテリア綱 | |||||||||
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分類 | |||||||||
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学名 | |||||||||
Epsilonproteobacteria Garrity et al. 2006[1][2] | |||||||||
シノニム | |||||||||
目(2021年8月現在[7]) | |||||||||
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イプシロンプロテオバクテリア(Epsilonproteobacteria)は、プロテオバクテリアの下に位置する綱の一つである[8]。この綱に含まれるすべての種は、他のすべてのプロテオバクテリアと同様に、グラム陰性である。
イプシロンプロテオバクテリアにはWolinella属、ヘリコバクター属、カンピロバクター属などが含まれる。既知の種の多くについては、動物の消化管に生息し、共生細菌(牛の消化管に生息するウォリネーラ属など)や病原体(胃に生息するヘリコバクター属や、十二指腸に生息するカンピロバクター属など)として機能していることが知られている。多くのイプシロンプロテオバクテリアはべん毛で運動性を持つ[9]。
また、熱水噴出孔と冷水湧出帯の生息地からも、イプシロンプロテオバクテリアの多数の環境シーケンスと分離株が回収されている。分離株の例には、Sulfurimonas autotrophica 、 [10] Sulfurimonas paralvinellae 、[11] Sulfurovum lithotrophicum [12] 、およびNautiliaprofundicolaなどが含まれている[13]。イプシロンプロテオバクテリアクラスのメンバーには、深海のカタツムリAlviniconchahessleriの大きな鰓における内部共生生物なども知られている[14]。
深海の熱水噴出孔で見つかったイプシロンプロテオバクテリアは、特徴的に化学合成栄養を示し、硝酸塩または酸素の還元と、硫黄やギ酸、水素の酸化によってエネルギーを獲得している[15]。独立栄養性イプシロンプロテオバクテリアは、逆クレブス回路を使用して二酸化炭素を有機物として固定する。これは、もともと環境的に重要でないと考えられていた経路である。この経路の酸素感度は、その微好気性または嫌気性なニッチと整合的である。そしてこのような環境は、シアノバクテリアの光合成から入手できる酸素レベルが低く硫化物で満たされていたあった中原生代の海洋環境とも整合的であり、進化学的な観点からも研究が進められている[16][17]。
現在受け入れられている分類法は、Standing in Nomenclature (LPSN) [18] およびNational Center for Biotechnology Information (NCBI) [19] の原核生物名のリストに基づいており、系統は16S rRNA遺伝子配列ベースのLTP(リリース106)に基づいている。
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ノート: