カリウムの同位体

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カリウムの同位体(カリウムのどういたい)は、24種類が知られている。そのうち、39K (93.3%)・ 40K (0.012%)・41K (6.7%)の3種類が天然に生成し普遍的に存在する。標準原子量は39.0983(1) uである。39K・41Kの2つは安定同位体であるが、40Kは1.250×109年と比較的長い半減期を持つ放射性同位体である。40Kは、そのほとんどが電子捕獲のみによって安定な40Ar(11.2%)に崩壊するか、もしくは安定な40Ca(88.8%)にベータ崩壊する。

40Kから40Arへの崩壊は、岩石の年代測定に利用できる。カリウム-アルゴン法による年代測定は、岩石は形成時にアルゴンを全く含んでおらず、岩石中で生成した40Arは全て岩石中に留まっているという仮定に基づいている。この測定法に適した鉱物には、黒雲母白雲母普通角閃石長石等がある。

年代測定以外にも、カリウムの同位体は、気象学や生物地球化学循環の研究のトレーサーとしても用いられる。

健康な動物や人間では、40Kは炭素1414C)以上の最大の放射線源である。体重70kgの人間では、1秒間に約4400個の40K原子核が崩壊している。

一覧

同位体核種Z(p)N(n)同位体質量 (u)半減期核スピン数天然存在比天然存在比
(範囲)
励起エネルギー
32K191332.02192(54)#1+#
32mK950(100)# keV?4+#
33K191433.00726(21)#<25 ns(3/2+)#
34K191533.99841(32)#<40 ns1+#
35K191634.988010(21)178(8) ms3/2+
36K191735.981292(8)342(2) ms2+
37K191836.97337589(10)1.226(7) s3/2+
38K191937.9690812(5)7.636(18) min3+
38m1K130.50(28) keV924.2(3) ms0+
38m2K3458.0(2) keV21.98(11) µs(7+),(5+)
39K192038.96370668(20)STABLE3/2+0.932581(44)
40K192139.96399848(21)1.28(3)E+9 a4-0.000117(1)
40mK1643.639(11) keV336(12) ns0+
41K192240.96182576(21)STABLE3/2+0.067302(44)
42K192341.96240281(24)12.360(12) h2-
43K192442.960716(10)22.3(1) h3/2+
44K192543.96156(4)22.13(19) min2-
45K192644.960699(11)17.3(6) min3/2+
46K192745.961977(17)105(10) s2(-)
47K192846.961678(9)17.50(24) s1/2+
48K192947.965514(26)6.8(2) s(2-)
49K193048.96745(8)1.26(5) s(3/2+)
50K193149.97278(30)472(4) ms(0-,1,2-)
51K193250.97638(54)#365(5) ms3/2+#
52K193351.98261(75)#105(5) ms(2-)#
53K193452.98712(75)#30(5) ms(3/2+)#
54K193553.99420(97)#10(5) ms2-#
55K193654.99971(107)#3# ms3/2+#

関連項目

参考文献