カヴァラクトン

カヴァラクトン(Kavalactone)は、カヴァに含まれるラクトンである。抗不安薬鎮静薬睡眠薬としての効果等、様々な作用を持つとして研究の対象となっている。

カヴァラクトンの基本構造

酵素の阻害

カヴァの抽出物は、広い範囲の肝臓酵素を強く阻害し、多くの薬剤と相互作用する可能性が示されている[1]

研究

抗不安作用[2]肝毒性等を含むカヴァの様々な効果について予備的な研究が行われているが、カヴァの様々な化合物の中でカヴァラクトンが特異的に持つ役割については、まだよく分かっていない[3][4]

毒性

メチスチシンヤンゴニン等の様々なカヴァラクトンは代謝に関連する酵素であるCYP1A1英語版の作用に影響を及ぼすことが報告されている。健康なカヴァの使用者のうち少数に肝毒性が報告されている[3][5]。特に全根の粉末ではなく抽出物で見られる[6]

多くのカヴァラクトンが、様々なヒトの組織内でアポトーシスの効果を見せる[7]

化合物

最初に同定されたメチスチシンを始め、少なくとも18種類の異なるカヴァラクトンが同定されている[8]。エチスチシン等の複数のアナログも単離されている[9]。いくつかの化合物は、α-ピロンラクトンに置換されており、一部が飽和しているものもある。

カヴァの根に含まれるカヴァラクトンの平均の半減期は、9時間である[10]

名前構造R1R2R3R4
ヤンゴニン1-OCH3-H-H-H
10-メトキシヤンゴニン1-OCH3-H-OCH3-H
11-メトキシヤンゴニン1-OCH3-OCH3-H-H
11-ヒドロキシヤンゴニン1-OCH3-OH-H-H
デスメトキシヤンゴニン1-H-H-H-H
11-メトキシ-12-ヒドロキシデヒドロカバイン1-OH-OCH3-H-H
7,8-ジヒドロヤンゴニン2-OCH3-H-H-H
カバイン3-H-H-H-H
5-ヒドロキシカバイン3-H-H-H-OH
5,6-ジヒドロヤンゴニン3-OCH3-H-H-H
7,8-ジヒドロカバイン4-H-H-H-H
5,6,7,8-テトラヒドロヤンゴニン4-OCH3-H-H-H
5,6-デヒドロメチスチシン5-O-CH2-O--H-H
メチスチシン7-O-CH2-O--H-H
7,8-ジヒドロメチスチシン8-O-CH2-O--H-H

関連項目

出典

外部リンク