タイの国旗

タイ国旗は、赤、白、紺、白、赤の5本の横帯で示される。トン・トライロングタイ語: ธงไตรรงค์, ラテン文字転写: Thong Trairong)ともいい、「三色旗」を意味する。中央の紺の帯は他の4本の2倍の幅である。赤、白、紺の3つの色はそれぞれ国家(ชาติ)、宗教ศาสนา)、国王(พระมหากษัตริย์)を示しており[1]、これらは非公式ではあるがタイのスローガンである。

タイの国旗
タイ王国の旗
用途及び属性市民・政府・軍隊陸上、市民・政府海上?
縦横比2:3
制定日1917年9月28日
使用色
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海軍旗章の掲揚方法

軍隊用陸上旗、海上旗は共に1917年制定。

過去の国旗

タイの最初の国旗(ナーラーイ大王、1656年-1688年)の時代から使われるようになったともいわれるが、詳細は不明)は赤く無地であった。その後、ナパーライ王(ラーマ2世1809年-1824年)は、赤地の上に白いチャクラ(仏教の輪)とその内側に白象を載せた。

1855年、モンクット王(ラーマ4世1851年-1868年)は、王家のシンボルである白象を配した旗を正式な国旗とした。無地の旗では国際的に識別しがたいためである。

1916年に、現在の国旗のようなものになった。ただし、中央の帯の色は外側と同じく赤であった。ワチラーウット王(ラーマ6世1910年-1925年)が洪水の際に国旗が逆さまになっているのを見て、同じことが起こるのを防ぐために対称的な図柄にした、という逸話もある。1917年、中央の色は紺に変えられたが、これはラーマ6世の誕生日である金曜日を示す色だという。

国旗期間備考意匠
?1700年頃–1790年頃 ? ? アユタヤ王朝後期からトンブリー王朝にかけての海上旗長方形の赤い旗
? c.1790–1855 ? ? 1855年までの商船旗
?1790年頃–1820年頃 ? ? チャクリー王朝ラーマ1世が採用した海上旗、軍艦旗赤地に白いスダルシャナ(ヴィシュヌの力の象徴である円盤状の武器・チャクラム)。チャクリー王朝の象徴でもある
?1820年頃–1855年 ? ? ラーマ2世により変更された旗赤地に白いチャクラム、その中に白象
?1855年–1893年 ? ? ラーマ4世による海上旗赤地の中央に、ホイスト(旗竿)側を向いた白象。タイ語で「Thong Chang Puak (タイ語: ธงช้างเผือก, 象の旗)[2]と呼ばれた。
?1893–1916 ? ? 1916年までの商船旗
?1893年–1898年 ? ? 政府用海上旗及び軍艦旗。旗の使用者のエンブレムをホイスト側の上部隅に表示する赤地の中央にホイスト側を向いた王の神器をまとった白象
? 1898年–1912年 ? ? 政府用海上旗及び軍艦旗
?1912年–1917年 ? ? ラーマ6世が採用した政府用旗及び政府用海上旗
?1917年 ? ? 商船旗赤旗に2つの白い水平の線。線の太さは幅の6分の1で、上端および下端からは幅の6分の1
1917年以降 ? 国旗、商船旗、政府用海上旗幅の3分の1の太さの水平の紺色の線。その上と下を幅の6分の1の白線に挟まれ、そのさらに上下には幅の6分の1の赤線が入る

脚注

関連項目