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デュラン=カーナー法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

デュラン=カーナー法(デュラン=カーナーほう、Durand-Kerner method、 DK法、ブルガリアではWeierstrass-Dochev法と呼ばれる)はカール・ワイエルシュトラスが1891年に発見し[1]、Durand(1960)[2]、Dochev(1962)、Presic(1966)、Kerner(1966)[3]がそれぞれ独立に再発見した多項式に対する求根アルゴリズム反復法であり、ニュートン法の進化形といえる[4][5]。Dk法の命名はAberth(1973)による。DK法に対してAberth(1973)[6]の提案した初期値を用いる手法はDKA法(Durand-Kerner-Aberth method)と称される。DKA法は山本哲朗による命名である[7]

DKA法の誤差評価

DKA法の誤差評価はSmith(1970)で与えられた[8][9]。Smithの定理では与えられた多項式のすべての根がある閉円板の合併に含まれ、その連結成分の1つがm個の閉円板からなればその中にちょうどm個の根があると示された。この定理の証明は『数値解析入門』(山本 2003)の付録に詳述されている。

DK法の続行が不可能となるような初期値の存在

Kjurkchiev-Andreev(1985)はある段階でDK法の続行が不可能となるような初期値が必ず存在することを証明した[10]。しかし多くの数値実験によってDK法はほとんどすべての初期値に対して反復列は解に収束すると予想されている。この予想は2次元多項式の時は正しい(Small, 1976)。3次元多項式の場合は特別な場合で示されている(山岸義和、1991年)。しかし一般の場合は未解決である。

脚注

関連文献

和文

  • 小野令美. (1979). Durand-Kerner 法と Aberth 法を用いた超高次方程式の数値計算. 情報処理学会論文誌, 20(5), 399-404.
  • 小野令美. (1981). Durand-Kerner-Aberth 法を用いたある種の超高次方程式の解の数値計算. 情報処理学会論文誌, 22(2), 165-168.
  • 中田多美, 川本則行, & 名取亮. (1988). 代数方程式に対する Durand-Kerner 法の初期値の改良. 情報処理学会論文誌, 29(12), 1200-1201.
  • 山本哲朗, 古金卯太郎, & 野倉久美. (1977). 代数方程式を解く Durand-Kerner 法と Aberth 法. 情報処理, 18(6).
  • 山本哲朗, & 菅野幸夫. (1994). Durand-Kerner 法に関する注意. 日本応用数理学会論文誌, 4(3), 251-258.
  • 菅野幸夫, 劉文, & 山本哲朗. (1995). Durand-Kerner 法とその加速 (数値計算アルゴリズムの現状と展望 II). 京都大学数理解析研究所講究録.
  • Durand-Kerner法の効率的な初期値の簡単な設定法 (日本応用数理学会論文誌 Vol.3,No.4,1993,pp.451-464) 小澤一文
  • Durand-Kerner型補助関数を用いた非線形方程式の多段反復解法 (日本応用数理学会論文誌 Vol.4,No.2,1994,pp.67-80) 櫻井鉄也, 杉浦洋, 鳥居達生
  • 山本哲朗『数値解析入門』(増訂版)サイエンス社〈サイエンスライブラリ現代数学への入門〉、2003年。ISBN 4781910386国立国会図書館書誌ID:000004165606https://id.ndl.go.jp/bib/000004165606 

英文

外部リンク


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