ハプログループH (mtDNA)
ハプログループH (mtDNA)は分子人類学におけるミトコンドリアDNAハプログループの一タイプであり、ハプログループHVの子型のうち「G2706A, T7028C[1]」で定義されるもの。西南アジアにおいて[2]、25000-20000年前に誕生したと考えられている。ヒトミトコンドリアDNAの参照配列として用いられているケンブリッジ参照配列は、このハプログループ(詳細にはH2a2a1)に属している。
分布
ハプログループHは西南アジアで発生して東西へ拡散した。東南アジアからヨーロッパまでユーラシア大陸の広範囲に分布する。ヨーロッパ人の41%がハプログループHに属す[3][4]。下位系統のH1は北アフリカのベルベル人で高頻度に見られる。
主な下位系統
遺跡出土の古代DNA
加徳島の獐項遺跡から出土した男性人骨「獐項8号人骨(Changhang 8)」のDNAを解析した結果、Y染色体はハプログループD1a2a1(D-116.1, CTS10441)であった[7]。獐項遺跡からは日本産翡翠の装身具をはじめ、48体の人骨が出土した。その中で科学分析が可能であったのは17体で、1体からはヨーロッパ系の母系とも共通するミトコンドリアDNAのハプログループHが検出された[8][9]。
脚注
ミトコンドリア・イブ (L) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
L0 | L1 | L5 | L2 | L6 | L4 | L3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
M | N | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M7 | M8 | M9 | D | G | Q | N1 | N2 | N9 | A | O | S | X | R | ||||||||||||||||||||||||||
M7a | C | Z | E | I | W | Y | R0 | R9 | B | JT | P | U | |||||||||||||||||||||||||||
HV | F | J | T | K | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
H | V |