フラムFC

イングランドのサッカークラブ

フラム・フットボール・クラブ(Fulham Football Club, イギリス英語発音[ˈfuləm ˈfutˌbɔːl klʌb] )は、イングランドの首都ロンドン西部・フラム地区をホームタウンとする、プレミアリーグに所属するプロサッカークラブ。

フラムFC
原語表記Fulham Football Club
愛称The Cottagers
The Whites
The Lily Whites
クラブカラー   
   
   
創設年1879年
所属リーグプレミアリーグ
所属ディビジョン1部(2023-24
ホームタウンロンドン
ホームスタジアム
クレイヴン・コテージ
収容人数25,700[1]
代表者アメリカ合衆国の旗 シャヒド・カーン[2]
監督ポルトガルの旗 マルコ・シウバ
公式サイト公式サイト
ホームカラー
アウェイカラー
サードカラー
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

日本ではしばしば「フルハム」、「フルアム」と紹介されることが多いが、ここでは「フラム」で統一する。

概要

1879年に創立。ホームスタジアムは西ロンドンテムズ川沿いに本拠を構えるクレイヴン・コテージ(収容人数25,700人)。

同じ西ロンドンに本拠を置くチェルシーFCとは距離にして数キロ、ロンドン地下鉄の駅で2駅しか離れていない。チェルシーとの縁は深く、1890年代に建設された現在のチェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジは元々はフラムの本拠地になる予定で竣工されたものであった。しかし金銭面で折り合いがつかず、使用は実現しなかった。その結果、宙に浮いたスタジアムの有効利用としてチェルシーが設立された。

前オーナーはイギリスのデパートハロッズ』のオーナーであったモハメド・アルファイド

歴史

1879年に教会のチームとして発足した「フラム・セント・アンドリューズ」が起源。その後、1888年に教会名を外し、フラムFCという名のプロクラブが設立された。

創立から多くの年月を下部リーグで過ごしていたが、1990年代後半に高級百貨店ハロッズの経営者であるモハメド・アルファイドがオーナーになり資金力を得るとチーム力を強化。その結果、2001-02シーズンにはジャン・ティガナ監督の下、記録的な勝ち点を積み重ね2部に相当するチャンピオンシップにおいて優勝をなしとげプレミアリーグへ昇格を果たした。

2002年にはUEFAインタートトカップを制したが、リーグではジャン・ティガナに代わってクリス・コールマンがシーズン途中で指揮を執った2003-04シーズンの9位以外は2桁順位であり、特に2006-072007-08は2シーズン続けて監督がシーズン途中で解任され、残留争いをするなど下位に低迷した。

2008-09シーズンは、大きな補強もなくほぼ変わらない戦力であった為に、開幕前には降格候補にも挙げられるほどであった。しかし、シーズンが始まると前シーズン途中から指揮を執り残留へ導いたロイ・ホジソンの下、得点力はないながらも堅い守備で勝ち点を重ね、7位で終えて、UEFAヨーロッパリーグへの出場権を得た。

2009-10シーズンはクラブ史上最高のシーズンとなる。リーグ戦の順位こそ12位だったものの、FAカップ準決勝進出。ヨーロッパリーグでは前年度王者のシャフタール・ドネツクをラウンド32で撃破。続くラウンド16ではイタリアの強豪ユヴェントスと対戦。アウェイの1stlegで3-1と敗れるが、ホームでの2ndlegでは相手に先制を許すものの、その後4ゴールを奪い4-1で逆転勝ち。トータルスコア5-4でベスト8への勝ち上がりを決めた。その後は前年度ブンデスリーガ王者のヴォルフスブルク、同じくブンデスリーガのハンブルガーSVを破り、決勝に進出。決勝ではアトレティコ・マドリードに延長戦の末に2-1で敗れたが、準優勝という結果を収めた。

2013年7月にNFLジャクソンビル・ジャガーズのオーナーであるシャヒド・カーンがフラムを買収。なおジャガーズは2013年シーズンから4年間ロンドンでホームゲームを行うことが決定しており、オーナーは買収と関連した動きであることを示唆している[3]

2013-14シーズンは開幕13試合で勝ち点10しか獲得できず、[4]、2013年12月1日、マルティン・ヨル監督を解任し、レネ・ミューレンステーンが就任したが[4][5]、チームの調子は上向かず、シーズン3人目の監督としてフェリックス・マガトが就任した[6]。2014年5月3日にアウェーでのストーク戦に1-4で敗れ、最終的に19位となり、2000-01シーズン以来のチャンピオンシップへの降格が決まった。

2014-15シーズンは開幕7試合で勝ち点1しか獲得できず、2014年9月、マガト監督を解任し、キット・サイモンズが就任した[7]。最終的に17位となり、2季連続降格の危機を免れた。

2015-16シーズンは2015年11月7日にホームでバーミンガム・シティに2-5で敗れ[8]、12位となった時点でキット・サイモンズ監督を解任し、[9][10]12月27日にセルビア人のスラヴィシャ・ヨカノヴィッチが就任した。[11]しかし、昨シーズンより成績を下げて降格圏と勝ち点11差の20位で終えた。

スタジアム

ロンドン郊外にあるクレイヴン・コテージを本拠地としている。当チームの愛称「コテッジャーズ(The Cottagers)」はクレイヴン・コテージにちなんだものといわれている。昇格時にプレミアリーグでは許可されていない立見席があったため、2002-03シーズンから2年間の予定で全面的な改修工事が施され、その間は当時下部リーグのFAディビジョン2(3部相当)に所属していたクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)のホームスタジアムロフタス・ロードを暫定本拠地として使用した。

当時の会長モハメド・アルファイドは、クレイヴン・コテージがテムズ川のほとりの住宅街という独特な立地にあるため、改修の規模が条例で制限されることや地域住民が改装に反対運動を起こすことを嫌い、この機を利用してスタジアムを売却して住宅地とし、本拠地を移すことを画策していた。しかし、古くからのファンの反対や新たな用地買収の失敗に見舞われ、結局移転を断念し、リーグのルールを最低限クリアする全席座席化や老朽箇所の補修などにとどめて(収容能力も22,000人程度に縮小)、2004-05シーズンにクレイヴン・コテージに復帰した。

タイトル

国内タイトル

2021-22

国際タイトル

2002

過去の成績

シーズンディビジョンFAカップリーグカップ欧州カップ / その他最多得点者
リーグ順位選手得点数
1998-99ディヴィジョン246318779321011位5回戦敗退3回戦敗退ジョフ・ホースフィールド15
1999-00ディヴィジョン1461716134941679位5回戦敗退準々決勝敗退リー・クラーク8
2000-01ディヴィジョン1463011590321011位3回戦敗退準々決勝敗退ルイ・サハ27
2001-02FAプレミアリーグ3810141436444413位準決勝敗退4回戦敗退バリー・ヘイルズ
スティード・マルブランク
ルイ・サハ
8
2002-03FAプレミアリーグ381391641504814位5回戦敗退4回戦敗退UIC優勝スティード・マルブランク6
UC3回戦
2003-04FAプレミアリーグ381410145246529位準々決勝敗退2回戦敗退ルイ・サハ13
2004-05FAプレミアリーグ381281852604413位5回戦敗退準々決勝敗退アンディ・コール12
2005-06FAプレミアリーグ381461848584812位3回戦敗退3回戦敗退コリンズ・ジョン11
2006-07FAプレミアリーグ388151538603916位5回戦敗退2回戦敗退ブライアン・マクブライド9
2007-08プレミアリーグ388121838603617位3回戦敗退3回戦敗退クリント・デンプシー6
2008-09プレミアリーグ381411133934537位準々決勝敗退4回戦敗退アンディ・ジョンソン10
2009-10プレミアリーグ3812101639464612位準々決勝敗退3回戦敗退UEL準優勝ボビー・ザモラ8
2010-11プレミアリーグ381116114943498位5回戦敗退3回戦敗退クリント・デンプシー13
2011-12プレミアリーグ381410144851529位4回戦敗退3回戦敗退UELGS敗退クリント・デンプシー17
2012-13プレミアリーグ3811101750604312位4回戦敗退2回戦敗退ディミタール・ベルバトフ15
2013-14プレミアリーグ38952440853219位4回戦敗退4回戦敗退スティーヴ・シドウェル8
2014-15チャンピオンシップ4614102262835217位4回戦敗退4回戦敗退ロス・マコーマック17
2015-16チャンピオンシップ4612151966795120位3回戦敗退3回戦敗退ロス・マコーマック21
2016-17チャンピオンシップ462214108557806位5回戦敗退3回戦敗退トム・ケアニー12
2017-18チャンピオンシップ46251387946883位3回戦敗退2回戦敗退ライアン・セセニョン15
2018-19プレミアリーグ38752634812619位3回戦敗退4回戦敗退アレクサンダル・ミトロヴィッチ11
2019-20チャンピオンシップ462312116448814位4回戦敗退2回戦敗退アレクサンダル・ミトロヴィッチ26
2020-21プレミアリーグ385132027532818位4回戦敗退4回戦敗退ボビー・リード5
2021-22チャンピオンシップ462791010643901位4回戦敗退3回戦敗退アレクサンダル・ミトロヴィッチ43
2022-23プレミアリーグ381571655535210位準々決勝敗退2回戦敗退アレクサンダル・ミトロヴィッチ14
2023-24プレミアリーグ4回戦敗退準決勝敗退

記録

2011年12月14日現在

欧州での記録

大会勝率
UEFAカップ / UEFAヨーロッパリーグ 39211086231+31053.85
UEFAインタートトカップ 8440115+6050.00
総通算47251487336+37053.19

欧州の成績

現所属メンバー

プレミアリーグ 2023-24シーズン 基本フォーメーション(4-3-3
2024年4月22日現在[12]

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No.Pos. 選手名
1GK マレク・ロダーク
2DF ケニー・テテ ( ) ( )
3DF カルヴィン・バッシー ( )
4DF トシン・アダラビオヨ ( )
6MF ハリソン・リード
7FW ラウル・ヒメネス
8FW ハリー・ウィルソン ( )
9FW アルマンド・ブロヤ
10MF トム・ケアニー ( )( )
11FW アダマ・トラオレ ( ) ★
12DF フォデ・バロ=トゥーレ ( )
13DF ティム・リーム
14FW ボビー・デコルドバ=リード ( )
17GK ベルント・レノ
No.Pos. 選手名
18MF アンドレアス・ペレイラ ( )
19FW ロドリゴ・ムニス
20FW ウィリアン
21DF ティモシー・カスターニュ
22FW アレックス・イウォビ ( )★
23GK シュテファン・ベンダ
26MF ジョアン・パリーニャ
28MF サシャ・ルキッチ
31DF イッサ・ディオプ ( )
33DF アントニー・ロビンソン ( )
35MF タイリース・フランソワ ( )

※括弧内の国旗はその他保有国籍、もしくは市民権、星印はEU圏外選手を示す。

監督

ローン移籍

in

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No.Pos. 選手名
9FW アルマンド・ブロヤ (チェルシーFC)
12DF フォデ・バロ=トゥーレ (ACミラン)
out

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No.Pos. 選手名
--DF ケヴィン・ムバブ (FCアウクスブルク) ( ) ★
--DF テレンス・コンゴロ (SKラピード・ウィーン)
No.Pos. 選手名
--FW ジェイ・スタンスフィールド (バーミンガム・シティFC)
--FW カルロス・ヴィニシウス (ガラタサライ)
--MF ルーク・ハリス (エクセター・シティFC)

歴代監督

氏名国籍期間
ハリー・ブラッドショー イングランド1904 - 1909
フィル・ケルソ スコットランド1909 - 1924
アンディ・ドゥカット イングランド1924 - 1926
ジョー・ブラッドショー イングランド1926 - 1929
ネド・リッデル イングランド1929 - 1931
ジミー・マッキンタイア イングランド1931 - 1934
ジミー・ホーガン イングランド1934 - 1935
ジャック・パート イングランド1935 - 1948
フランク・オスボーン イングランド1948 - 1949, 1953 - 1956
ビル・ドッジン・シニア イングランド1949 - 1953
ドウグ・リヴィングストン スコットランド1956 - 1958
ベドフォード・ジェザード イングランド1958 - 1964
ヴィク・バッキンガム イングランド1965 - 1968
ボビー・ロブソン イングランド1968 - 1969
ビル・ドッジン・ジュニア イングランド1969 - 1972
アレク・ストック イングランド1972 - 1976
ボビー・キャンベル イングランド1976 - 1980
マルコム・マクドナルド イングランド1980 - 1984
レイ・ハルフォード イングランド1984 - 1986
レイ・レウィングトン イングランド1986 - 1990
アラン・ディックス イングランド1990 - 1991
ドン・マッケイ スコットランド1991- 1994
イアン・ブランフット イングランド1994 - 1996
ミッキー・アダムス イングランド1996 - 1997
レイ・ウィルキンス イングランド1997 - 1998
ケビン・キーガン イングランド1998 - 1999.5
フランク・シブリー イングランド1999.5
ポール・ブレイスウェル イングランド1999.5 - 2000.3
カール=ハインツ・リードレ ドイツ2000.3 - 2000.7
ジャン・ティガナ フランス2000.7 - 2003.4
クリス・コールマン ウェールズ2003.4 - 2007.4
ローリー・サンチェス 北アイルランド2007.4 - 2007.12
ロイ・ホジソン イングランド2007.12 - 2010.6
マーク・ヒューズ ウェールズ2010.7 - 2011.6
マルティン・ヨル オランダ2011.6 - 2013.12
レネ・ミューレンステーン オランダ2013.12 - 2014.2
フェリックス・マガト ドイツ2014.2 - 2014.9
キット・サイモンズ ウェールズ2014.9 - 2015.11
スラヴィシャ・ヨカノヴィッチ セルビア2015.12 - 2018.11
クラウディオ・ラニエリ イタリア2018.11 - 2019.2
スコット・パーカー イングランド2019.2 - 2021.6
マルコ・シウバ ポルトガル2021.7 -

歴代所属選手

GK


DF


MF


FW


脚注

外部リンク

公式
ニュース
その他