ロビン・セーデリング

スウェーデンのテニス選手 (1984 - )

ロビン・ボー・カール・セデ-リングRobin Bo Carl Söderling, スウェーデン語発音: [ˈrɔbːɪn ˈsøːdɛɭɪŋ]; 1984年8月14日 - )は、スウェーデン・ティブロ出身の元男子プロテニス選手。ATPツアーでシングルス10勝、ダブルス1勝を挙げた。自己最高ランキングはシングルス4位、ダブルス109位。日本語ではソダーリングソダーリンソーダリンソーデリンソデルリング等の表記揺れも見られる。

ロビン・セーデリング
Robin Söderling
ロビン・セーデリング
基本情報
フルネームRobin Bo Carl Söderling
国籍 スウェーデン
出身地同・ティブロ
生年月日 (1984-08-14) 1984年8月14日(39歳)
身長193cm
体重87kg
利き手
バックハンド両手打ち
ツアー経歴
デビュー年2001年
引退年2015年
ツアー通算11勝
シングルス10勝
ダブルス1勝
生涯通算成績343勝213敗
シングルス310勝170敗
ダブルス33勝43敗
生涯獲得賞金$10,423,124
4大大会最高成績・シングルス
全豪4回戦(2011)
全仏準優勝(2009・10)
全英ベスト8(2010)
全米ベスト8(2009・10)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪1回戦(2004)
全仏1回戦(2004・06・08)
全英2回戦(2005)
全米2回戦(2004・05)
キャリア自己最高ランキング
シングルス4位(2010年11月15日)
ダブルス109位(2009年5月9日)

グランドスラム準優勝2回、マスターズ1000優勝1回。特に2009年全仏オープン男子シングルスでは4連覇中のラファエル・ナダルに勝利。2005年から2014年までの10年間でナダルが全仏オープンにて敗北を喫した唯一の選手である。 

また2010年全仏オープン男子シングルス準々決勝では、2004年ウィンブルドン以降6年近くにわたりグランドスラム23大会連続準決勝進出していたロジャー・フェデラーに勝利し、フェデラーの連続記録ストップに成功した選手でもある。

2011年7月を最後にツアーから遠ざかっていたが2015年12月23日正式に現役引退。

選手経歴

プロ転向-2004年

5歳からテニスを始め、2001年にプロ入り。2002年全米オープン4大大会にデビューし、マルセロ・リオスとの2回戦に進出する。2003年ウィンブルドン選手権ティム・ヘンマンとの3回戦に進み、地元のストックホルム・オープンでツアー大会初の決勝戦に進出した。この時はマーディ・フィッシュに5-7, 6-3, 6-7(4)で敗れ、最初のチャンスを逃している。2004年、彼は男子テニス国別対抗戦・デビスカップスウェーデン代表選手に初選出され、同年のアテネ五輪代表にも選ばれた。初めてのオリンピックではシングルス・ダブルスとも1回戦敗退に終わり、シングルス1回戦はスペインフェリシアーノ・ロペスに敗れ、トーマス・エンクビストと組んだダブルスでもイスラエルジョナサン・エルリック/アンディ・ラム組に敗れた。オリンピックの2か月後、10月のリヨン・グランプリ決勝でグザビエ・マリスを6-2, 3-6, 6-4で破り、ツアー初優勝を果たす。

2005年-2008年

2005年1月末のミラノ・インドア決勝で、セーデリングはラデク・ステパネクに6-3, 6-7(2), 7-6(5)で競り勝ち、ツアー2勝目を獲得した。それからしばらく低迷ぎみの時期があったが、2008年にシングルスで4大会の決勝戦に進み、2度目のオリンピックにも出場した。2008年ウィンブルドン選手権終了直後のスウェーデン・オープンで、セーデリングは同国の先輩選手ヨナス・ビョルクマンと組んでダブルス初優勝を果たした。8月の北京五輪もシングルス・ダブルス共に1回戦敗退に終わり、シングルスジル・シモンに敗れ、ビョルクマンとのダブルスもスペインラファエル・ナダル/トミー・ロブレド組に敗退した。10月のストックホルム・オープンでは準決勝で錦織圭を6-1, 6-0で圧倒し、決勝でダビド・ナルバンディアンに2-6, 7-5, 3-6で敗れて準優勝。リヨン・グランプリの決勝では地元フランスのジュリアン・ベネトーを6-3, 6-7, 6-1で破り、同大会で4年ぶり2度目の優勝を決めた。こうして、セーデリングは3年半ぶりのツアーシングルス3勝目を獲得した。

2009年 全仏準優勝・ツアーファイナルベスト4

2009年全仏オープンにて

全豪オープンで、セーデリングは2回戦で3年前の準優勝者マルコス・バグダティスに6-3, 5-7, 3-6, 3-6で敗れた。この年前半はなかなか勝てなかったものの、全仏オープンで旋風を起こし、4回戦で大会5連覇を目指した第1シードのラファエル・ナダルを6-2, 6-7(2), 6-4, 7-6(2)で破る勝利を挙げた(2005年全仏オープンでの初出場から初優勝したナダルにとっては、これは全仏初黒星だった)。さらに準々決勝でニコライ・ダビデンコを、準決勝でフェルナンド・ゴンサレスを破り決勝進出。決勝では第2シードのロジャー・フェデラーに1-6, 6-7(1), 4-6で敗れて準優勝になり、スウェーデン勢として1988年マッツ・ビランデル以来21年ぶりとなる全仏優勝は成らなかった。初優勝したフェデラーは、セーデリングの前で宿願のキャリア・グランドスラムを達成した。

ウィンブルドン選手権以後、彼の名前はスウェーデン語読みにより近い「ロビン・セーデリング」と表記されるようになる。ここでは4回戦でフェデラーに4-6, 6-7(5), 6-7(5)のストレートで敗れた。この後、彼は7月にスウェーデン・オープンの決勝でフアン・モナコを6-3, 7-6(4)で破り、ツアー4勝目を獲得した。2009年は前半の10大会でわずか9勝しかあげられなかったが、全仏オープン以降は地元スウェーデンの大会で優勝するなど40勝10敗と驚異的なペースで勝ち星を重ね、ランキングを9位まで上げる。アンディ・ロディックが負傷により辞退したために、その年のランキング上位8名しか出場できないATPワールドツアー・ファイナルにも繰り上がりで出場する。大会では最下位シードながらも世界2位ナダル、世界3位ノバク・ジョコビッチをストレートで破り、グループBを1位で通過する。準決勝ではフアン・マルティン・デル・ポトロに逆転で敗れた。

2010年 2年連続全仏準優勝・マスターズ優勝

年初の全豪オープンでまさかの初戦敗退を喫したが、2月のABNアムロ世界テニス・トーナメントミハイル・ユージニーの途中棄権により優勝。全仏オープンでは準々決勝でフェデラーを下し、フェデラーが続けていたグランドスラムの連続準決勝以上進出記録を「23」で止めたが、決勝でナダルに敗れ、2年連続の準優勝となった。ウィンブルドンでも準々決勝でナダルに敗れた。BNPパリバ・マスターズではガエル・モンフィスに6–1, 7–6で勝利して初のマスターズ1000のタイトルを獲得。ランキングを自己最高の4位に上げた。

2011年~ 病気により休場・引退へ

開幕戦のブリスベン国際アンディ・ロディックを6–3, 7–5で破りツアー7勝目を挙げた。全豪オープンは4回戦でアレクサンドル・ドルゴポロフに6-1, 3-6, 1-6, 6-4, 2-6で敗退。2月のABNアムロ世界テニス・トーナメントジョー=ウィルフリード・ツォンガを6–3, 3–6, 6–3で破り連覇、ツアー8勝目を挙げた。翌週のオープン13でもマリン・チリッチを6–7(8), 6–3, 6–3で破り優勝した。全仏オープンは準々決勝で去年の決勝の再現となったナダルに4-6, 1-6, 6-7(3)で敗れた。7月のスウェーデン・オープンでは決勝でダビド・フェレールを6–2, 6–2で勝利し地元でシングルス10勝目を挙げた。しかしこの試合を最後に、伝染性単核球症のためツアーから離脱する。以降は単核症の症状に苦しみツアーに復帰できず、事実上の引退状態となっていたが、2015年12月23日正式に現役引退を発表した[1]

プレースタイル等

パワフルなグラウンドストローカー。両手バックハンドは正確性を重視するが、フォアハンドはツアー屈指の威力があった。サーブも最速220キロ以上と強力であり、ハードコート、クレーコートを得意としていた[2][3]

主要大会決勝

グランドスラム決勝

シングルス:2(0タイトル 2準優勝)

結果大会サーフェス対戦相手スコア
準優勝2009年 全仏オープンクレー ロジャー・フェデラー1-6, 6-7(1-7), 4-6
準優勝2010年 全仏オープンクレー ラファエル・ナダル4-6, 2-6, 4-6

マスターズ1000決勝

シングルス:1(1タイトル)

結果大会サーフェス対戦相手スコア
優勝2010年 パリハード (室内) ガエル・モンフィス6-1, 7-6(7-1)

ATPツアー決勝進出結果

シングルス: 20回 (10勝10敗)

大会グレード
グランドスラム (0-2)
ATPファイナルズ (0-0)
ATPツアー・マスターズ1000 (1-0)
ATPツアー500 (2-4)
ATPツアー250 (7-4)
サーフェス別タイトル
ハード (5-6)
クレー (2-4)
芝 (0-0)
カーペット (3-0)
サーフェス別タイトル
屋外 (3-4)
室内 (7-6)
結果No.決勝日大会サーフェス対戦相手スコア
準優勝1.2003年10月20日 ストックホルムハード (室内) マーディ・フィッシュ5-7, 6-3, 6-7(4-7)
準優勝2.2004年2月23日 マルセイユハード (室内) ドミニク・フルバティ6-4, 4-6, 4-6
優勝1.2004年10月4日 リヨンカーペット (室内) グザビエ・マリス6-2, 3-6, 6-4
優勝2.2005年1月31日 ミラノカーペット (室内) ラデク・ステパネク6-3, 6-7(2-7), 7-6(7-5)
準優勝3.2006年2月20日 メンフィスハード (室内) トミー・ハース3-6, 2-6
準優勝4.2008年2月18日 ロッテルダムハード (室内) ミカエル・ロドラ7-6(7-3), 3-6, 6-7(4-7)
準優勝5.2008年2月25日 メンフィスハード (室内) スティーブ・ダルシス3-6, 6-7(5-7)
準優勝6.2008年10月6日 ストックホルムハード (室内) ダビド・ナルバンディアン2-6, 7-5, 3-6
優勝3.2008年10月26日 リヨンカーペット (室内) ジュリアン・ベネトー6-3, 6-7(5-7), 6-1
準優勝7.2009年6月7日 全仏オープンクレー ロジャー・フェデラー1-6, 6-7(1-7), 4-6
優勝4.2009年7月19日 ボースタードクレー フアン・モナコ6-3, 7-6(7-4)
優勝5.2010年2月14日 ロッテルダムハード (室内) ミハイル・ユージニー6-4, 2-0 途中棄権
準優勝8.2010年4月25日 バルセロナクレー フェルナンド・ベルダスコ3-6, 6-4, 3-6
準優勝9.2010年6月6日 全仏オープンクレー ラファエル・ナダル4-6, 2-6, 4-6
準優勝10.2010年7月18日 ボースタードクレー ニコラス・アルマグロ5-7, 6-3, 2-6
優勝6.2010年11月14日 パリハード (室内) ガエル・モンフィス6-1, 7-6(7-1)
優勝7.2011年1月9日 ブリスベンハード アンディ・ロディック6-3, 7-5
優勝8.2011年2月13日 ロッテルダムハード (室内) ジョー=ウィルフリード・ツォンガ6-3, 3-6, 6-3
優勝9.2011年2月20日 マルセイユハード (室内) マリン・チリッチ6-7(8-10), 6-3, 6-3
優勝10.2011年7月17日 ボースタードクレー ダビド・フェレール6-2, 6-2

ダブルス: 2回 (1勝1敗)

結果No.決勝日大会サーフェスパートナー対戦相手スコア
優勝1.2008年7月7日 ボースタードクレー ヨナス・ビョルクマン ヨハン・ブルンストロム
ジャン=ジュリアン・ロイヤー
6-2, 6-2
準優勝1.2009年7月19日 ボースタードクレー ロベルト・リンドステット ヤロスラフ・レビンスキー
フリップ・ポラーシェク
6-1, 3-6, [7-10]

成績

4大大会シングルス

略語の説明
 W  F SFQF#RRRQ#LQ A Z#PO G  S  B NMS P NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会2002200320042005200620072008200920102011通算成績
全豪オープンALQ2R1RA1RA2R1R4R5–6
全仏オープンALQ1R2R1R1R3RFFQF19–8
ウィンブルドンA3R1R1R1R3R2R4RQF3R14–9
全米オープン2R1R2R3R2RA1RQFQFA13–8

大会最高成績

大会成績
ATPファイナルズSF2009
インディアンウェルズSF2010
マイアミSF2010
モンテカルロQF2007
マドリードQF2011
ローマQF2011
カナダ3R2008, 2010
シンシナティ3R2004, 2006, 2008, 2010
上海QF2009, 2010
パリW2010
ハンブルグ3R2006, 2008
オリンピック1R2004, 2008
デビスカップSF2007

世界ランキング

20012002200320042005200620072008200920102011
順位4431765934772541178513

脚注

外部リンク