国際宇宙ステーション組立順序

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国際宇宙ステーション組立順序(こくさいうちゅうステーションくみたてじゅんじょ)では、国際宇宙ステーション (ISS) の建設における組立順序を記述する。

シャトル退役以降の2016年現在は、有人輸送手段としてはロシアのソユーズ宇宙船のみが運用されている。また物資輸送手段としてロシアのプログレス補給船が主に使用され、2009年からは日本の宇宙ステーション補給機 (HTV) が、2012年からは米民間企業のスペースX社のドラゴンが、2013年からはオービタル・サイエンシズ社のシグナスが使用されている。2011年にアメリカのスペースシャトルが退役するまでは、有人/物資輸送の両面において主要な輸送手段として用いられていた。2008年から2015年にかけては、物資輸送手段としてヨーロッパの欧州補給機 (ATV) も用いられた。

2008年にヨーロッパ宇宙機関 (ESA) がATV1号機を打ち上げた。このATVは宇宙ステーションのリブースト(高度上昇-再加速)が可能であり、それまでロシア側が10年近く担当していたが、ヨーロッパのATVがその一部を肩代りするようになった。ATVは2015年初めにATV-5が最後のミッションを終え退役した。

2009年に日本の宇宙航空研究開発機構 (JAXA) がHTV1号機「こうのとり」を打ち上げた。2012年には米民間企業のスペースX社が、アメリカ航空宇宙局 (NASA) との契約に基づきドラゴンを打ち上げた。また、2013年からはオービタル・サイエンシズ社のシグナスも参入し、スペースシャトル退役後は、大型物資の輸送はHTVとドラゴンとシグナスによって行われている。

組立順序

写真構成要素パッチミッション名機体打ち上げ日時長さ
(m)

(m)
重量
(kg)
ザーリャ FGB 1A/R プロトン-K1998年11月20日12.64.119,323
ユニティ Node 1 2A - STS-88 エンデバー1998年12月5日5.494.5711,612
ズヴェズダ 1R プロトン-K2000年7月12日13.14.1519,051
Z1トラス 3A - STS-92 ディスカバリー2000年10月11日4.94.28,755
P6トラス 4A - STS-97 エンデバー2000年11月30日73.24.915,824
デスティニー US Lab 5A - STS-98 アトランティス2001年2月7日8.534.2714,515
ESP-1 5A.1 - STS-102 ディスカバリー2001年3月8日---
カナダアーム2 SSRMS 6A - STS-100 エンデバー2001年4月19日17.60.354,899
クエスト 7A - STS-104 アトランティス2001年7月12日5.546,064
ピアース DC-1 4R ソユーズ-U2001年9月14日4.12.63,900
S0トラス 8A - STS-110 アトランティス2002年4月8日13.44.613.970
MBS UF2 - STS-111 エンデバー2002年6月5日5.72.91,450
S1トラス 9A - STS-112 アトランティス2002年10月7日13.74.614,120
P1トラス 11A - STS-113 エンデバー2002年11月23日13.74.614,000
ESP-2 LF1 - STS-114 ディスカバリー2005年7月26日3.654.92,676
P3/P4トラス 12A - STS-115 アトランティス2006年9月9日13.84.915,900
P5トラス 12A.1 - STS-116 ディスカバリー2006年12月9日3.44.61,818
S3/S4トラス 13A - STS-117 アトランティス2007年6月8日13.84.915,900
S5トラス 13A.1 - STS-118 エンデバー2007年8月8日3.44.61,818
ESP-342.23,400
ハーモニー Node 2 10A - STS-120 ディスカバリー2007年10月23日6.14.213,608
コロンバス 1E - STS-122 アトランティス2008年2月7日6.874.4912,800
デクスター SPDM 1J/A - STS-123 エンデバー2008年3月11日3.66-1,688
きぼう 船内保管室4.24.44,200
きぼう 船内実験室 1J - STS-124 ディスカバリー2008年5月31日11.24.415,900
きぼう ロボットアーム JEMRMS100.25780
S6トラス 15A - STS-119 ディスカバリー2009年3月15日73.210.715,900
きぼう 船外実験プラットフォーム 2J/A - STS-127 エンデバー2009年7月15日5.25.04,100
きぼう 船外パレット (地上に回収)4.14.91,200
きぼう 衛星間通信システム2.00.8310
ポイスク MRM-2 5R ソユーズ-U2009年11月10日4.052.553,670
ELC-1 ULF3 - STS-129 アトランティス2009年11月16日--6,279
ELC-2--6,062
トランクウィリティ Node 3 20A - STS-130 エンデバー2010年2月8日6.704.4815,500
キューポラ1.52.951,800
ラスヴェット MRM-1 ULF4 - STS-132 アトランティス2010年5月14日5.52.24,700
ELC-4 ULF5 - STS-133 ディスカバリー2011年2月24日---
恒久型多目的モジュール PMM---
ELC-3 ULF6 - STS-134 エンデバー2011年5月16日---
アルファ磁気分光器 AMS-02--6,731
Bigelow Expandable Activity Module スペースX CRS-8ファルコン92016年4月8日43.21,360
多目的実験モジュール MLM[1]-3R プロトン-M2021年7月21日134.1120,300
欧州ロボットアーム ERA11.3-630

今後の組立順序

画像構成要素パッチミッション名機体打ち上げ時期長さ
(m)

(m)
重量
(kg)

キャンセルされたモジュール

提案されていたモジュール

Nautilus-X ISS実証機

下記は提案が行われたモジュールで、ISSの計画としては承認されていない構想レベルのもの。

  • ナーダルモジュール - 改良されたUDM。2013年の打ち上げが提案されていた[2][3]
  • 科学・エネルギーモジュール - RM1, RM2とSPPの一部を組み合わせたもの。2014年, 2015年計2機の打ち上げが提案されていた[2][3]
  • ノード4 - ドッキングハブシステム (DHS) としても知られている[4] 宇宙船やモジュールのためのさらなるドッキングポートを提供するために一時提案がされていた[5]
  • Nautilus-X セントリフュージ デモンストレーション - 遠心力により人工重力を生み出す実証機。睡眠モジュールとして機能する構想だった[6]

下記モジュールは提案されたものの後に放棄された。

フライト番号・識別コード

※計画時のままなので順序どおりに番号が振られていないことに留意。

フライト番号
  • 各国・各機関のフライトごとの順番を表す番号
フライト識別コード

脚注

関連項目

外部リンク