山﨑努

日本の俳優 (1936-)
山崎努から転送)

山﨑 努(やまざき つとむ、1936年昭和11年〉12月2日 - )は、日本俳優。妻は元宝塚歌劇団星組出身の黛ひかる[1]。娘は山崎直子[2]

やまざき つとむ
山﨑 努
山﨑 努
恐怖の時間』(1964年)
生年月日 (1936-12-02) 1936年12月2日(87歳)
出身地日本の旗 日本千葉県東葛飾郡松戸町(現:松戸市
身長174 cm
血液型A型
職業俳優
ジャンル舞台映画テレビドラマ
活動期間1956年 -
活動内容1956年:俳優座養成所入所
1959年文学座入団
1963年:『天国と地獄
1973年:『必殺仕置人
1984年:『お葬式
1985年:『タンポポ
1995年:『雲霧仁左衛門
2000年紫綬褒章
2002年:『刑務所の中
2007年旭日小綬章
2008年:『おくりびと
2019年︰『長いお別れ
配偶者黛ひかる(1963年 - )
著名な家族山崎直子(娘)
公式サイト山﨑努 official website
主な作品
テレビドラマ
三姉妹』/『新・平家物語
必殺仕置人』/『新・必殺仕置人
祭ばやしが聞こえる』/『九門法律相談所
雲霧仁左衛門』/『クロサギ
映画
天国と地獄』/『赤ひげ
八つ墓村』/『影武者
お葬式』/『タンポポ
マルサの女』/『夜叉ヶ池
ハリマオ』/『利休
GO』/『刑務所の中
おくりびと』/『長いお別れ
 
受賞
日本アカデミー賞
最優秀主演男優賞
1984年さらば箱舟』『お葬式
1987年マルサの女
最優秀助演男優賞
2002年GO
2009年おくりびと
会長功労賞
2022年
ブルーリボン賞
その他の賞
キネマ旬報ベスト・テン
主演男優賞
1985年お葬式』『さらば箱舟
助演男優賞
1981年影武者
2002年GO
毎日映画コンクール
男優主演賞
1985年お葬式』『さらば箱舟
報知映画賞
助演男優賞
1980年夜叉ヶ池
2001年GO
日刊スポーツ映画大賞
助演男優賞
2001年GO
第16回 紀伊國屋演劇賞
紫綬褒章
2000年
旭日小綬章
2007年
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来歴

婦人生活』1964年4月号より

千葉県東葛飾郡松戸町(現︰松戸市)出身。東京都立上野高等学校卒業

俳優座養成所を経て、1959年文学座に入団[3]

1960年岡本喜八監督作品の『大学の山賊たち』で映画デビュー[3]

1963年劇団雲結成に参加し、1975年の劇団雲分裂を機にフリーになる[3]

1963年、黒澤明監督作品のサスペンス映画天国と地獄』で誘拐犯・竹内銀次郎役を演じ、一躍注目を浴びる。この年、前年のNHKドラマ『アラスカ物語[4] での共演がきっかけで交際していた元・宝塚歌劇団星組の黛ひかる[5][注釈 1]と結婚。結婚の際、仲人を務めたのは交際のきっかけとなった『アラスカ物語』の脚本を担当した石原慎太郎だった[6]

1965年、『赤ひげ』で佐八役を演じて以降、活躍の場をテレビなどにも広げるが、しばらくの間は、映画ではこれというインパクトを残せなかった[3]。この間、黒澤明が監督を務めることになり、撮影も開始された映画『トラ・トラ・トラ!』では源田實海軍中佐という重要な役を演じることとなっていたが[7]、黒澤が監督を降板したため、山崎も出演を辞退した。

1973年、『必殺仕置人』の念仏の鉄役に起用される。本役は中村主水(演:藤田まこと)・棺桶の錠(演:沖雅也)と並び、シリーズ屈指の人気キャラクターとなり、続編である『新・必殺仕置人』にも出演した。ただし、「同じ役は二度と演じたくない」というポリシーももっていた[8]

1975年、劇団雲を退団し、山崎にとっては初の東映映画出演かつヤクザ映画初出演となる、『新仁義なき戦い 組長の首』に出演[注釈 2]

1977年、『八つ墓村』では、青白く無表情で頭にL字型ライトを二本付けて、日本刀と猟銃を手に次々と村人を殺害していく殺人鬼・多治見要蔵役を演じ、強烈な印象を残し、作品も大ヒットとなった。

1980年黒澤明監督の映画『影武者』で武田信玄の弟であり、信玄の影武者でもある武田信廉を演じ、キネマ旬報報知映画賞助演男優賞を受賞した[3]。またNHKの全4話のドラマ『ザ・商社』(原作『空の城』)では和田勉と組み個性的な商社マンを好演、以降、和田勉作品に多数出演するようになる。

1984年の『お葬式』以降、伊丹十三監督作品には連続起用された。

2000年紫綬褒章受章。同年に緒形拳も受章した。

行定勲監督作品にも2001年の『GO』、2004年の『世界の中心で、愛をさけぶ』と連続起用され、鍵を握る役どころを演じた。

2004年NHKスペシャル(2004年4月 - 11月)、『地球大進化〜46億年・人類への旅』ではナビゲーターを務めた。

2007年、秋の叙勲で旭日小綬章を受章[10]

2012年沖縄県沖縄美ら海水族館のPR活動を担う初の名誉館長に、同館前館長・内田詮三とともに任命される。美ら海水族館での実話を元に制作された2007年公開の映画『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ』で水族館長を演じた事が縁となっている[11]

2019年、『長いお別れ』で認知症に蝕まれる父・東昇平役を演じた。この作品以降怪我をした妻の介護などから俳優業を一時的に休業していたが2022年4月5日6月7日放送のNHKドラマ・「正直不動産」で約3年ぶりに俳優業を再開している[12][13][14][15]。同年4月5日からツイッターも始め、自身が応援している読売ジャイアンツやかつて出演した必殺シリーズ、また自身と同じ同日からツイッターを始め共演などで親交のある山下智久についての投稿を行うと山下がリツイートするなど精力的に活動をしている[16]

人物・エピソード

  • 一つの役を何度も演じていると飽きてしまうから」という理由で、同じ役柄は余り演じることは無いが[8]、『必殺仕置人』(1973年)、『新・必殺仕置人』(1977年)ではそれぞれ「念仏の鉄」を演じた。「途中で足を引きずってみたり、髪型変えたりしてね、キャラクターをいろいろ変えて、退屈を紛らわせていました。」と話している[17]。また火野正平は山崎が監督に見せる為に念仏の鉄という役柄について書いた紙を現場に持ってきたこともあると話した[18]
  • また自身の代表作は「今も、事あるごとに鉄の名前を挙げていただくんですよ。いろいろ映像の仕事やってきたけど、みなさんからそこまでおっしゃっていただくと、念仏の鉄が僕の演じた役の中で、代表作なんじゃないかなって。何かそう思えてきちゃいますよね」と必殺仕置人と新必殺仕置人で演じた、念仏の鉄ではないかと話している[17]
  • 雲霧仁左衛門を演じるにあたり、雲霧だけでなく、他の池波正太郎作品をも読み漁り役に挑んだ[19]
  • 共演した藤村富美男に誘われて、甲子園球場で巨人対阪神のOB戦を観戦したが、巨人ファンである山崎はつい声を出して巨人を応援した[20]
  • 前述の通り、子供の頃より野球好きである[21]。巨人の2軍が練習していた巨人多摩川グラウンドでは選手に交じって白球を追ったこともある[21]
  • 野球好きが高じ、出演した「鏡子の家」(岸田今日子主演)では、演者、スタッフの野球チーム「鏡子の家 エロティックス」を結成している[21]
  • 三船敏郎とは黒澤明の映画に出演時に親しくなり、三船が山崎を車で送ったりしていた、また現場で互いに物まねし合っていた[22]
  • 徹子の部屋』(1985年5月20日放送分に出演)や『森田一義アワー 笑っていいとも!』の「テレフォンショッキング」(1985年5月21日放送分に出演)など、稀に出演するが、トーク番組等のバラエティにはほとんど出演しない[23]
  • CM出演では、豊川悦司と共演した「サッポロ黒ラベル」、日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行、特別広報部長として出演)や、約12年に渡ってイメージキャラクターを務めたトヨタ・クレスタが有名である。
  • 1985年7月、自身でプロデュースした舞台『ピサロ』(PARCO劇場[24]渡辺謙を起用。渡辺とはこの年、映画『タンポポ』でも共演しており、渡辺は以来、山崎を師と仰いでいる。2012年の映画『はやぶさ 遥かなる帰還』では久々の共演を果たした[25]
  • 1992年11月12日木曜日)、隣家の火事に気付き消火活動を行い、家の中から悲鳴が聞こえたため水をかぶり中に突入し、逃げ遅れた老夫婦を抱きかかえて救出した[26]

出演作品

テレビドラマ

映画

舞台

ラジオ

ナレーション

教養・バラエティ

CM

著書

  • 俳優のノート(メディアファクトリー、2000年3月)ISBN 978-4-84-010009-0
  • 俳優のノート 凄烈な役作りの記録(文春文庫、2003年8月)ISBN 978-4-16-765679-9
  • 俳優のノート〈新装版〉(文春文庫、2013年10月)ISBN 978-4-16-783880-5
  • 柔らかな犀の角 flabby rhinoceros horn 山崎努の読書日記(文藝春秋、2012年4月)ISBN 978-4-16-374970-9
  • 柔らかな犀の角(文春文庫、2014年11月)ISBN 978-4-16-790235-3
  • 「俳優」の肩ごしに(日経BP 日本経済新聞出版、2022年11月)ISBN 978-4-2961-1584-6

脚注

注釈

出典

参考文献

  • ニホンモニター CMライブラリー (2023年5月). “山崎努 CM出演情報” (html). Oricon News. 芸能人事典. オリコン. 2023年12月17日閲覧。

外部リンク

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