島岡桂

日本の益子焼の陶芸家 (1978- )

島岡 桂(しまおか けい、出生名「筆谷 桂(ふでや けい)」[1][3][4]1978年[1][5]昭和53年)2月26日[2]- )は日本の栃木県芳賀郡益子町益子焼陶芸作家である[5]

しまおか けい

島岡 桂
生誕筆谷 桂[1]
1978年[1](昭和53年)2月26日[2]
日本の旗 日本 栃木県芳賀郡益子町[1]
国籍日本の旗 日本
出身校宇都宮短期大学付属高等学校調理科[1]
栃木県立窯業指導所(現・栃木県産業技術センター 窯業技術支援センター)伝習生
職業陶芸家
時代平成 - 令和
団体島岡製陶所:島岡窯
影響を受けたもの島岡達三、濱田庄司
活動拠点日本の旗 日本 栃木県芳賀郡益子町
肩書き島岡製陶所:島岡窯 2代目代表
実父:筆谷等
実母:筆谷淑子
養父:島岡達三
家族祖父:島岡達三[1]
実兄:筆谷響
公式サイト公式Instagram
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益子焼を代表する作家の一人であり人間国宝であった島岡達三の孫[5][1][6][7][2]であり、養子縁組を経て[8][2]「島岡窯」の継承者となり[7]、「島岡製陶所」[9]2代目当主である[5]

来歴

1978年[1](昭和53年)2月26日[2]、日本画家である筆谷等と、島岡達三の長女でガラス工芸家である筆谷淑子の次男として[4][8][2]益子町に生まれる[5][6][1][10][11]

田んぼに飛び込み大声を上げて外を駆け回る、やんちゃな子どもだった[2]

おじいちゃん子であったため[7]、幼少の頃から母方の実家である「島岡窯」にお弁当を持って遊びに行くと[7]祖父・達三は遊びにやってくる桂を山道に迎えに来てくれており、祖父の家に入り浸り、祖父が轆轤を挽く背中を見ながらお弁当を食べたり[7]、通知票を見てもらったりする、達三は幼い桂の心の拠り所となる「優しいお祖父ちゃん」だった[7][2]

そして益子で育ったからには陶芸家になりたいと思うようになったのは自然の事だったと想っていた[12][2]

若い頃に憧れたのは祖父の師であった濱田庄司であり、そのライフスタイルや人間性に惹かれていった[12]

1996年平成8年)、宇都宮短期大学付属高等学校調理科を卒業後[6][11][1][2]、「栃木県立窯業指導所」(現・栃木県産業技術センター 窯業技術支援センター)に入所し[1]1997年(平成9年)に伝習生を卒業[6][11][2]。そして祖父・島岡達三の弟子となる[5][6][10][11][1][2]

祖父・達三の弟子となってからは「優しいお祖父ちゃん」は一転して「厳格な師匠」となった。亡くなるまで先生としか呼ぶことが出来なかった。「騙された!!」と、その当時は思っていた[2]

技術は島岡製陶所にいた2人の職人に学び[2]師匠・島岡達三からは具体的な言葉で作陶を学んだことはなく、どんな事を考えて土に向かっていたのか、分からないと言う[7]。そして日々、精力的に作陶の仕事に励む背中から[2]学んだことは「陶芸家としての在り方」と[2]「創作に対する姿勢」だったという[13]

6年間の修行期間を経て[5][6][11][1]2003年(平成15年)から「島岡製陶所」に入り釉薬の責任者として従事しながら自身の制陶活動も行うようになる[6][10][11]。同年4月には「卒業展」となる初個展を東京・銀座の「銀座たくみ」で開いた[1]

同年、後継者がいなかった島岡家を存続させるために、島岡達三との養子縁組の話が持ち上がり[14]、2年間悩んだ末に島岡家に入る事を決意[14]2005年(平成17年)、島岡達三の養子となる[6][11][15][8][2]。 

2007年(平成19年)、島岡達三の死去に伴い[14]「島岡製陶所」を継承し[2]、2代目当主となった[5][6][10]

以降、日本全国各地や海外で個展開催やデモンストレーションやワークショップなど様々な活動を行いながら[5][6]、「自分の仕事をしなさい」と、濱田庄司が達三ら弟子たちに贈った言葉を指針にして[2]、「偉大過ぎて意識するレベルではなく、自然体で自分の仕事に取り組んでいくだけです」と[16]、受け継いだ技法を基に、新しい手法も取り入れて、様々な組み合わせを用いて伸び伸びと楽しみながら作陶を続けている[2]

家族

祖父は益子焼を代表する作家であり「人間国宝」であった島岡達三
父親は、日本美術院同人であった筆谷等観の孫であり[17]、日本画家であり版画も手掛けていた筆谷等[4][8][18][19]
母親は島岡達三の長女でありガラス工芸作家[20][4][8]、そして「島岡製陶所」会社役員でもある[21]筆谷淑子[22]
実兄にガラス工芸作家であり[4]近年では陶芸も手掛けている筆谷響がいる[23][24]

脚注

出典

参考文献

  • 下野新聞社『美を創る-現代とちぎの美術』下野新聞社、1988年6月30日、264頁。 
  • 栃木県文化協会『栃木県芸術名鑑 2007』栃木県文化協会、2007年2月10日、300頁。 
  • 株式会社 誠文堂新光社『季刊 陶工房 No.8686「民藝×益子×英国」源流の地で活躍する現代の作家たち』誠文堂新光社、2017年9月1日、119頁。ISBN 978-4-416-51776-5 
  • 小林真理『至高の名陶を訪ねる 陶芸の美』株式会社芸術新聞社、2022年8月14日、24-27頁。ISBN 9784875866503 

関連項目

外部リンク