東福寺駅

京都府京都市東山区にある西日本旅客鉄道・京阪電気鉄道の駅

東福寺駅(とうふくじえき)は、京都府京都市東山区本町十二丁目にある、京阪電気鉄道および西日本旅客鉄道(JR西日本)のである。駅番号は京阪電気鉄道がKH36、JR西日本がJR-D02

東福寺駅
駅舎(2016年8月)
とうふくじ
Tofukuji / Tōfukuji
地図
所在地京都府京都市東山区本町十二丁目224
所属事業者京阪電気鉄道駅詳細
西日本旅客鉄道(JR西日本・駅詳細
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概要

京都の玄関口である京都駅の南東部に位置する駅である。京阪電気鉄道の京阪本線と、JR西日本の奈良線が乗り入れている。

京阪の駅のみPiTaPaスルッとKANSAI協議会)と「スルッとKANSAI」対応各種カード、両社の駅はICOCAの利用エリアに含まれている。またJR西日本の駅は特定都区市内制度における「京都市内」エリアに属している。

かつては、京阪駅への出入り口は東側の本町通側のみ、JR駅は橋上駅舎のため両線の乗り換えは跨線橋を渡らなくてはならなかった。2011年11月6日より、JR線下りと京阪線上りを平面(階段無し)でつなぐ連絡改札口(のりかえ口)が設置され供用を開始している[1]。連絡改札口の営業時間は7時から19時までで、これ以外の時間は改札口設置前と同様に跨線橋を渡って一度それぞれの改札を出なければならない[1]。なお、連絡改札口に駅出口はない[1]

歴史

現在の奈良線京都駅 - 稲荷駅間は東海道線の一部として1879年(明治12年)に開業したが、当時は東福寺駅は設けられていなかった。1910年(明治43年)になって京阪電気鉄道が京阪本線の開業と同時に東福寺駅を設置するが、日本国有鉄道(国鉄)の東福寺駅が開業するのは47年後の1957年(昭和32年)になってからで、それも乗車券の販売などの駅業務は京阪に委託という形をとっていた。

その後、奈良線側の駅は国鉄分割民営化後の1993年(平成5年)12月に橋上駅舎化された時に人員を配置した[2]。これにより、それまで全面的に京阪に委託されていたJRの駅務が分離され(乗換改札口が橋上駅舎内に設置された)、京阪の上りホームと奈良線ホーム(現在の2番のりば)との間に壁が設置された。この当時はJRのホームと改札外とを出入りする場合には、この乗換改札口の他に、京阪のホームを経て京阪の改札口を通らなければならないという二度手間があった。これが解消されるのは2003年のことである。

年表

  • 1910年明治43年)4月15日:京阪本線の天満橋駅 - 五条駅(現・清水五条駅)間開業と同時に設置。
  • 1916年大正5年)3月29日:上家改築、上り待合室新設[3]
  • 1943年昭和18年)10月1日:会社合併により京阪神急行電鉄の駅となる。
  • 1949年(昭和24年)12月1日:会社分離により京阪電気鉄道の駅となる。
  • 1957年(昭和32年)12月27日日本国有鉄道(国鉄)奈良線の駅が稲荷駅 - 京都駅間に新設開業[3]。当時は国鉄の駅務は京阪に委託されており、国鉄の乗車券も京阪の窓口で販売されていた。なお、国鉄線のホームは東海道本線時代の複線を撤去した後の線路跡用地を活用して設置された。
  • 1958年(昭和33年)4月8日:国鉄東福寺駅と京阪東福寺駅との連絡施設工事竣工[3]
  • 1970年(昭和45年)4月1日:上下ホームの延伸、駅舎の改良工事完成[3]
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、国鉄の駅が西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
  • 1989年平成元年)9月27日:京阪鴨東線開業にあわせたダイヤ改正で、京阪の駅が準急の通過駅となる。
  • 1993年(平成5年)
  • 1994年(平成6年) 8月12日:京阪東福寺駅改良工事竣工。出町柳行きホーム屋根を延伸、スロープの設置[6]
  • 1998年(平成10年)10月6日:JRに自動改札機を設置し、供用開始[7]
  • 2001年(平成13年)
    • 3月3日:当駅を含む京都駅 - JR藤森駅間の複線化が完了[8]。JR西日本の駅は2面2線の棒線駅となる。
    • 10月1日:奈良線東福寺駅が快速・区間快速停車駅となる[9]
  • 2003年(平成15年)
    • 3月15日:奈良線東福寺駅が「みやこ路快速」停車駅となる。
    • 9月6日:ダイヤ改正により京阪本線東福寺駅へ準急が停車するようになった。
    • 9月13日:JRと京阪の改札が完全分離(JRの橋上駅舎の改札外部分の出入り口通路を、京阪の改札口外南横部分へと繋げたため)。それにより京阪の改札内にJRの中間改札が存在するという形が解消された[3]
    • 11月1日:JR西日本で「ICOCA」の利用が可能となる。
  • 2006年(平成18年)4月16日:京阪本線ダイヤ改正により日中の普通をすべて京阪間直通運転に変更したため、日中の準急停車がいったんなくなる。
  • 2008年(平成20年)10月19日中之島線開業に伴う京阪本線ダイヤ改正により、日中の準急停車が復活(毎時6往復中4往復、残り2往復は京阪間直通の普通)と、通勤準急の停車駅となる。
  • 2009年(平成21年)2月16日:JR西日本にみどりの窓口が設置される。
  • 2010年(平成22年)10月30日:JR駅のバリアフリー整備が使用を開始する[10]
  • 2011年(平成23年)
    • 2月19日:京阪駅のエレベーター設置、使用開始[11]
    • 11月6日:JR線下りと京阪線上りを平面(階段無し)でつなぐ連絡改札口が完成し、使用を開始する[1]
  • 2016年(平成28年)3月19日:京阪線でのダイヤ改正で日中の普通電車の運用が廃止され、この時間帯は準急のみの停車となる。
  • 2018年(平成30年)3月17日:JR西日本に駅ナンバリングが導入され、使用を開始[12]
  • 2020年令和2年)        

駅構造

京阪電気鉄道

京阪 東福寺駅
三条・出町柳方面改札口(2007年10月)
とうふくじ
Tofukuji
KH35 鳥羽街道 (0.9 km)
(0.9 km) 七条 KH37
所在地京都市東山区本町十二丁目224
北緯34度58分52.3秒 東経135度46分12.6秒 / 北緯34.981194度 東経135.770167度 / 34.981194; 135.770167 東経135度46分12.6秒 / 北緯34.981194度 東経135.770167度 / 34.981194; 135.770167
駅番号KH  36
所属事業者京阪電気鉄道
所属路線京阪本線
キロ程46.1 km(淀屋橋起点)
電報略号東(駅名略称方式)
駅構造地上駅
ホーム2面2線
乗降人員
-統計年度-
12,447人/日
-2022年-
開業年月日1910年明治43年)4月15日
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相対式ホーム2面2線を持つ地上駅となっており、駅舎と改札口は下りホーム(東側)にある。上りホームにも改札口があり、JRの駅舎および外へ直接出られる通路に通じている。なお、互いのホームへは地下道で連絡している。したがって三条方面からJRに乗り換える場合、上りホームの改札口から出て、JR駅舎への階段を上る。有効長は7両編成までしかなく、両端が踏切に挟まれている為、このままでは8両編成分への延伸は不可である。各駅停車 (普通列車と、準急列車守口市駅通過の通勤準急列車) しか停車しない。京阪本線で、有効長が8両編成分に満たしていないのは、東福寺駅と、鳥羽街道駅墨染駅伏見桃山駅、および淀屋橋駅2番のりばである。

バリアフリー設備は、京都第一赤十字病院の最寄り駅と言うことも有り車イス対応エレベーター・オストメイト対応の多目的トイレ・点字の運賃表・車イス対応の幅広自動改札機など完備されている。エレベーターは改札外にあり、JRのみ利用の場合もこのエレベーターを利用する。

のりば

番線路線方向行先
1京阪本線上り三条出町柳方面[13]
2下り淀屋橋中之島線方面[13]

JR西日本

JR 東福寺駅
改札口(2007年10月)
とうふくじ
Tōfukuji
JR-D03 稲荷 (1.8 km)
(1.1 km) 京都 JR-D01
所在地京都市東山区本町十二丁目224
駅番号JR-D02
所属事業者西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 奈良線
キロ程33.6 km(木津起点)
奈良から40.6 km
電報略号トフ
駅構造地上駅橋上駅[14]
ホーム2面2線[14]
乗車人員
-統計年度-
6,940人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日1957年昭和32年)12月27日
備考業務委託駅
みどりの券売機プラス設置駅
京都市内
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相対式ホーム2面2線を持つ地上駅で、橋上駅舎を有している[14]。有効長は6両編成分である。分岐器絶対信号機がない停留所に分類される。かつては単式ホーム1面1線(現在の2番線)のホームしかなかったが、黄檗駅と同様に改築された。

改札口は1箇所のみ。なお、紅葉シーズンの最混雑期の休日には、2番線ホームの奈良方端から踏切脇に直接下車出来る臨時改札が設けられる(簡易型自動改札機が設置、ICカードでの乗降可能)。それ以外は駅の西側からは直接出入りできず、踏切又は駅南側を跨ぐ九条通京都府道143号四ノ宮四ツ塚線)の歩道を利用して京阪側の駅東側に行かなければならない。

宇治駅が管理し、JR西日本交通サービスが駅業務を受託している業務委託駅である。ICカード乗車券ICOCA」が利用することができる(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)。

のりば

のりば路線方向行先
1 奈良線上り京都方面[15]
2下り宇治奈良方面[15]

利用状況

京都市統計書及び京都府統計書によると、1日平均乗降人員と1日平均乗車人員は以下の通りである。

年度京阪電気鉄道JR西日本
1日平均
乗降人員
1日平均
乗車人員
1日平均
乗車人員
2004年-6,4555,526
2005年-6,5925,805
2006年-6,2166,178
2007年14,0086,1706,433
2008年14,2497,1646,660
2009年14,2827,2116,882
2010年14,3597,2827,222
2011年14,0636,9347,538
2012年14,4427,4038,027
2013年15,3597,9078,433
2014年16,8438,6448,899
2015年18,6969,3699,541
2016年15,1517,6259,627
2017年16,4058,2059,877
2018年17,0718,5599,940
2019年17,2818,6999,954
2020年9,7675,0116,529
2021年9,8715,0117,186
2022年12,4476,3328,386

駅名となった東福寺は、秋の紅葉シーズンに観光に訪れる人が多く、駅構内が狭隘なため特に混雑する。この際、隣の京都駅や管理駅の宇治駅からJR西日本の正社員が派遣され、旅客誘導に努めている。

2006年の秋から、JR西日本と京阪が共同で、京都市東山区一帯の道路渋滞に巻き込まれない移動手段として「京都駅 → (奈良線) → 東福寺駅 → (京阪本線) → 七条駅清水五条駅祇園四条駅」という乗換ルートを観光客に案内している。京阪グループでもある京都タワーの外壁には、「祇園・清水へは京阪電車:JR東福寺駅と直結」と、乗換ルートの案内広告を掲示したり、ガイドマップを配布するなどしてPRに努めている。

2008年秋には、JR神戸線立花駅 - 神戸駅間各駅)から東福寺駅まではJR線を利用し、その後は京阪線を利用して京都方面の紅葉観光をするというルートを想定した企画きっぷ(京都もみじきっぷ)が利用期間を限定して発売されるなど、京都観光促進のための連携強化を打ち出している[16]。なお、これに伴い、JR西日本は京阪の所有する敷地(約34平方メートル)を賃借してホームを拡幅している。

両社の連携強化によって当駅の利用客数は増加傾向にあり、特に行楽シーズンの増加が著しい。2008年11月23日には、京阪東福寺駅で過去最高となる4万8000人の利用を記録した。年間平均でも1日当たりの利用者数は10%以上増加している。また、JR東福寺駅の利用者数も増加しており、2019年度の乗車人員は、奈良線の途中駅で最も多い駅となった[17]

駅周辺

駅前は小規模な商店等が立ち並ぶ佇まいである。駅改札は本町通 (京都市)に接し、少し南に歩けば九条通京都府道143号四ノ宮四ツ塚線)となる。

京阪とJRで九条通を跨ぐ道は開かずの踏切になることを防ぐため、時間差及び安全地帯が設けられている。

バス路線

当駅にはバス路線は乗り入れていない。最寄バス停は、京都市バス東福寺東福寺道である。

東福寺
東福寺道バス停

隣の駅

京阪電気鉄道
京阪本線
快速特急「洛楽」・ライナー・特急・通勤快急・快速急行・急行
通過
通勤準急(平日朝下りのみ運転)・準急・普通
鳥羽街道駅 (KH35) - 東福寺駅 (KH36) - 七条駅 (KH37)
  • 括弧内は駅番号を示す。
西日本旅客鉄道(JR西日本)
奈良線
みやこ路快速・快速・区間快速
六地蔵駅 (JR-D06) - 東福寺駅 (JR-D02) - 京都駅 (JR-D01)
  • 正月ダイヤ時などには、みやこ路快速と区間快速が稲荷駅に臨時停車する。
普通
稲荷駅 (JR-D03) - 東福寺駅 (JR-D02) - 京都駅 (JR-D01)

脚注

参考文献

  • 『街をつなぐ、心をむすぶ : 開業90周年記念』京阪電気鉄道、2000年10月。 
  • 京阪電気鉄道株式会社経営統括室経営政策担当 編『京阪百年のあゆみ』京阪電気鉄道、2011年3月24日。 

関連項目

外部リンク