義妹生活

日本の漫画作品、メディアミックス作品

義妹生活』(ぎまいせいかつ)は、三河ごーすとによる日本YouTube漫画およびそれを原作としたメディアミックス作品。イラストはHitenが担当している。

義妹生活
YouTube
チャンネル
活動期間2020年[1] -
ジャンル漫画[2]、エンタメ[1]
登録者数18.7万人
総再生回数3319万9025回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2024年6月11日[3]時点。
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メディアミックスとして2021年1月からノベライズ化、同年7月からコミカライズ化が展開されている。

2022年7月24日に、YouTubeのKADOKAWAanimeチャンネルで行われた生配信「MF文庫J『夏の学園祭2022』」にてテレビアニメ化が発表され[4]、YouTube版の主要キャラクターのキャスト声優がアニメ版でも続投されることも併せて発表された[5]。テレビアニメはノベライズ版の物語を原作として制作される予定[6]

登場人物

声の項はYouTube動画における担当声優。

浅村悠太あさむら ゆうた
声 - 天﨑滉平[7]
綾瀬沙季あやせ さき
声 - 中島由貴[7]
丸友和まる ともかず
声 - 濱野大輝[8]
奈良坂真綾ならさか まあや
声 - 鈴木愛唯[9]
読売栞よみうり しおり
声 - 鈴木みのり

制作背景

経緯

三河は若者にもライトノベルに興味を持ってほしいと考えていた。そこで若者が多く利用するYouTubeに着目し、中高生向けに作品を提供する立場にもかかわらずYouTubeで作品を発表しないのは長期的に考えれば良くないと感じたことで、YouTubeで本作を展開することにした[7]

制作

三河は複数の作品を執筆していく中で、「キャラクターの日常をひたすら深く掘り下げてほしい」という要望を持った読者の存在を知った。そこから、「極限まで日常に振り切った作品」に興味を示した三河は義理の兄妹関係を丁寧に描くことを考え、本作を執筆していった[10]

各キャラクターの性格や考え方については、三河曰く「自身の魂から切り分けた要素をある程度振り分けている」としているが、それに加えて他人の言動をキャラクターに反映させるパターンもある。また、三河は読者がハマれるような魅力を兼ね備えつつも限界までリアル感を与えるためにどうすればいいのかを意識して執筆をしている[10]

制作については、『義妹生活』の原作者の立ち位置として三河がいるが、物語の台本は複数のライターが手掛けている。三河曰く、それぞれのライターの味が台本ごとに出ているため、敢えてミニマムコントロールをせずにそのまま収録に持っていくことも多いという[7]

スタッフィング

キャスティングについては三河が声優事務所・ビーフェクトと縁があったため相談したところ、中島由貴天﨑滉平の2人を紹介された。中島と天﨑が本作に登場するキャラクターのイメージに合致したことからオファーを出し、双方から快諾を得ることが出来たという[7]

本作のイラストレーターにHitenを起用した理由について三河は「Hiten先生が個人で発表した『少女がひとりで過ごしている日常の一幕を切り取ったような』イラストが、自身のイメージする『義妹生活』の世界にピッタリだったから」だと述べている[10]

反響

本作のYouTube公開後の視聴者の反応について、浅村悠太役の天﨑は「視聴者を含めた皆で一から作品を作り上げていくプロジェクトのような温かさを感じる」と、綾瀬沙季役の中島は「私たちが感じている楽しさや面白さが、視聴者にも受け入れられているというのは嬉しい」とそれぞれ述べている[7]

2021年9月に「義妹生活」チャンネルの過去動画全てに英語字幕がつき、さらにスペイン語中国語ベトナム語の字幕も追加されていることから、三河は自身のTwitterで「海外のファンも増えている」と述べている[11]

ノベライズ版・コミカライズ版

義妹生活
ジャンルラブコメ[12]恋愛[13]
小説
著者三河ごーすと
イラストHiten
出版社KADOKAWA
レーベルMF文庫J
刊行期間2021年1月25日 -
巻数既刊10巻(2024年1月現在)
漫画
原作・原案など三河ごーすと(原作)
Hiten(キャラクター原案)
作画奏ユミカ
出版社KADOKAWA
掲載サイト少年エースplus
レーベル角川コミックス・エース
発表期間2021年7月16日 -
巻数既刊3巻(2023年9月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベル漫画
ポータル文学漫画

2020年4月にYouTubeチャンネルが開設、2020年5月からYouTube動画として投稿されていた本作がノベライズ版としてMF文庫JKADOKAWA)にて2021年1月から刊行されている[14][15]。イラストはYouTube版と同じくHitenが担当している。

『少年エースplus』(同)にて奏ユミカによるコミカライズ版が2021年7月より連載されている[16]。また、同月に公式チャンネルにてコミカライズ第1話のボイスコミック動画が投稿された[17]

あらすじ(ノベライズ版・コミカライズ版)

母の浮気が原因で両親が離婚して以来、女性に対して期待をしなくなっていた高校2年生・浅村悠太は、父親の突然の再婚により義妹となった派手な見た目の高校2年生・綾瀬沙季と出会う。沙季も悠太と同様に両親の不仲を見てきたために男女関係に慎重になっており、このことから二人は互いに適切な距離感で接するように約束を交わし、家族として生活していくことになる。

登場人物(ノベライズ版・コミカライズ版)

声の項は特記がない限り、ノベライズ版限定の特典PV、ボイスコミック、テレビアニメ版の声優。

浅村悠太あさむら ゆうた
声 - 天﨑滉平[17]
本作の主人公[7]。都立水星高校に通う高校2年生の男子生徒。沙季の義兄。校内では他の生徒と距離を取っており、友和以外にまともな友人はいない。書店でアルバイトをしている。
このライトノベルがすごい!』男性キャラクター部門では2023年版で10位を獲得[18]
綾瀬沙季あやせ さき
声 - 中島由貴[17]
本作のヒロイン[7]。悠太と同じ高校に通う高校2年生の女子生徒。悠太の義妹。派手な見た目とは裏腹に大人びた性格をしているが、その見た目のせいで校内では浮いている。
『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2022年版で7位[19]、2023年版で9位を獲得[20]
丸友和まる ともかず
声 - 濱野大輝
悠太のクラスメイトで悠太にとっては唯一の友達と呼べる存在。野球部に所属しており、それに加えてオタクでもある。
奈良坂真綾ならさか まあや
声 - 鈴木愛唯
沙季のクラスメイトで沙季にとっては唯一の友達と呼べる存在。明るい性格に加えお節介焼きであり、孤立していた沙季にウザ絡みをしていくうちに友達となった。
読売栞よみうり しおり
声 - 鈴木みのり[21]
悠太のバイト先の先輩で大学生。見た目はお淑やかで大和撫子だが、実際は悠太をからかうのが好きで下ネタも平気で口にする。美人なためアルバイト中によくナンパに遭っている。
浅村太一あさむら たいち
声 - 天﨑滉平(ボイスコミック)[22] / 小林親弘[23]
悠太の実父で沙季にとっては義父にあたる。
綾瀬亜季子あやせ あきこ
声 - 原えりこ(ボイスコミック)[24] / 上田麗奈[23]
沙季の実母で悠太にとっては義母にあたる。

経緯

自身が小説家なこともあり本作をノベライズ化したいと考えていた三河は、知り合いの編集者に本作をアピールし続けた結果、MF文庫Jの担当編集者からオファーを貰うことに成功した[7]

YouTube版との差異

原作のYouTube版は時系列がバラバラだったが、ノベライズ版では時系列に沿って展開がされている。また、YouTube版では三河曰く「登場人物たちがユーチューバーをやっているイメージ」を描いて作られているが、ノベライズ版では浅村悠太の視点で描かれており、悠太の一人称で物語が進んでいく[7]

双方の一番の違いはストーリー性の有無であり、ノベライズ版では登場人物の関係性が大きく変化している。また、感情の変化や成長に関してはYouTube版以上にあると三河は述べている[7]

ノベライズ版ではYouTube版で登場していなかったキャラクターが複数登場している[7]

反響・評価

ノベライズ版発売後の反響について三河は「想像以上の好評を頂いた」と述べたうえで、「本作はあえて調味料を使わず、素材の味で勝負するような一作であることもあり、一歩間違えれば地味とだけ受け取られ、作品のテーマや日常の空気感を楽しんでもらうという本作の旨味を楽しめない恐れもあった。なので、読者が前向きに作品のテーマに触れてくれてとても嬉しい」とも述べている[10]

ノベライズ版第1巻が「ラノベニュースオンラインアワード2021年1月刊」の投票アンケートで「総合部門」「萌えた部門」「新作総合部門」「新作部門」の4部門にそれぞれ選出された[25]

「次にくるライトノベル大賞2021」では総合部門で8位、書き下ろし新作部門で2位をそれぞれ獲得している[26]。『このライトノベルがすごい!』では2022年版で文庫部門7位、総合新作部門3位[27]、2023年版で文庫部門9位を獲得している[28]。同誌イラストレーター部門ではHitenが2022年版で5位[29]、2023年版で4位を獲得している[30]。さらに、同誌2022年版には本作について「義妹との程よい距離感が良い味を出している」とコメントされている[31]

ライターの飯田一史はリアルサウンドのコラムで「YouTube発の小説」として本作を紹介しており、「ノベライズとして刊行された本作はラノベの読者に好意的に受け入れられている」と述べている[2]

石井・太田・松浦 (2022)は浅村悠太と綾瀬沙季の2人が家族として暮らしていく過程をリアルかつ丁寧に描いている一方で、過度な溺愛やコメディが描かれていないことによって他のラブコメ作品と差別化が出来ていると述べている[13]

2024年1月時点でシリーズ累計部数は60万部を突破している[32]

既刊一覧

ノベライズ版

  • 三河ごーすと(著) / Hiten(イラスト) 『義妹生活』 KADOKAWA〈MF文庫J〉、既刊10巻(2024年1月25日現在)
    1. 2021年1月25日初版発行(同日発売[33])、ISBN 978-4-04-064726-5
    2. 2021年3月25日初版発行(同日発売[34])、ISBN 978-4-04-680326-9
    3. 2021年7月25日初版発行(7月21日発売[35])、ISBN 978-4-04-680607-9
    4. 2021年12月25日初版発行(12月24日発売[36])、ISBN 978-4-04-681001-4
    5. 2022年4月25日初版発行(同日発売[37])、ISBN 978-4-04-681361-9
    6. 2022年8月25日初版発行(同日発売[38])、ISBN 978-4-04-681656-6
    7. 2022年12月25日初版発行(12月23日発売[39])、ISBN 978-4-04-682033-4
    8. 2023年4月25日初版発行(同日発売[40])、ISBN 978-4-04-682404-2
    9. 2023年8月25日初版発行(同日発売[41])、ISBN 978-4-04-682764-7
    10. 2024年1月25日初版発行(同日発売[42])、ISBN 978-4-04-683233-7

コミカライズ版

テレビアニメ版

義妹生活
アニメ
原作三河ごーすと
監督上野壮大
シリーズ構成広田光毅
キャラクターデザイン仁井学
音楽CITOCA
アニメーション制作スタジオディーン
放送局AT-Xほか
放送期間2024年7月4日 -
ラジオ:義妹生活ラジオ 〜Radio Diary〜
配信期間2024年4月29日 -
配信サイトYouTube音泉
配信形式ストリーミング
パーソナリティ天﨑滉平(浅村悠太 役)
中島由貴(綾瀬沙季 役)
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメラジオ

2024年7月よりAT-Xほかにて放送予定[47][48]

スタッフ

主題歌

「天使たちの歌」
fhanaによるオープニングテーマ[48]
「水槽のブランコ」
Kitriによるエンディングテーマ[48]

放送局

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間[48]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [50] 備考
2024年7月4日 - 木曜 21:00 - 21:30 AT-X 日本全域 CS放送 / リピート放送あり
木曜 22:30 - 23:30 TOKYO MX 東京都
木曜 23:30 - 金曜 0:00 BS11 日本全域 BS放送 / 『ANIME+』枠
2024年7月5日 - 金曜 2:55 - 3:25(木曜深夜) 関西テレビ 関西広域圏
日本国内 インターネット / 配信期間および配信時間[48]
配信開始日 配信時間 配信サイト
2024年7月4日 木曜 22:00 更新

Webラジオ

2024年4月29日からWebラジオ番組『義妹生活ラジオ 〜Radio Diary〜』が、YouTubeのKADOKAWAアニメチャンネル及びインターネットラジオステーション<音泉>にて配信が開始される[51]。パーソナリティは、天﨑滉平(浅村悠太 役)と中島由貴(綾瀬沙季 役)が担当。

脚注

出典

参考文献

外部リンク