長尾敬

日本の政治家

長尾 敬(ながお たかし、1962年昭和37年〉11月29日 - )は、日本政治家自由民主党所属の前衆議院議員(3期)。

長尾 敬
ながお たかし
生年月日 (1962-11-29) 1962年11月29日(61歳)
出生地日本の旗 日本 東京都
出身校立命館大学経営学部経営学
前職明治生命保険社員
所属政党民主党→)
無所属→)
自由民主党安倍派
公式サイト衆議院議員 長尾たかし

選挙区大阪14区→)
比例近畿ブロック→)
大阪14区
当選回数3回
在任期間2009年8月31日[1] - 2012年11月16日
2014年12月19日[2] - 2021年10月14日
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内閣府大臣政務官自由民主党副幹事長を歴任した。

経歴

東京都立保谷高等学校を経て、1986年(昭和61年)、立命館大学経営学部経営学科を卒業、明治生命保険相互会社に入社[3]

2002年(平成14年)8月 明治生命保険相互会社退社[4]。同年9月、民主党大阪14区総支部長に就任。翌2003年(平成15年)11月9日の第43回衆議院議員総選挙に、民主党公認候補として立候補したが、78,654票で次点で落選[4]

2005年(平成17年)9月11日の第44回衆議院議員総選挙に、民主党公認候補として立候補したが、89,142票で次点で落選[4]

2009年(平成21年)8月30日の第45回衆議院議員総選挙では、自由民主党現職の谷畑孝を破り、136,798票を得て、初当選(谷畑は比例復活[5]。同年10月から衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会理事に就任し、2011年(平成23年)1月まで務める。2012年(平成24年)3月から衆議院厚生労働委員会理事に就任し、同年11月16日の衆議院解散まで務める[4]

衆議院解散と同時に民主党に「民主党の方向性は、日本の国益にかなうものではない」として離党届を提出し、将来的に自民党に入党する意向を表明した[6]。離党届は受理されず11月21日付で除籍処分を受けた[7]第46回衆議院議員総選挙では無所属で立候補し、自民党は当初、長尾を推薦する形を取っていたが、12月13日に長尾の応援演説に訪れた自民党総裁安倍晋三の意向で公認候補となった[8]重複立候補はできず、日本維新の会に鞍替えした谷畑に敗れて落選した。

2014年(平成26年)12月14日の第47回衆議院議員総選挙に自民党公認で大阪14区から出馬し、維新の党の谷畑に再び敗れるも比例復活で当選。76,555票を得た。当選後の翌15日に首相の安倍から直接誘いを受け、清和政策研究会に入会した[9]

2017年(平成29年)9月12日に北朝鮮の情勢などを踏まえて、憲法9条の1項と2項を残して自衛隊の存在を明記する改憲に賛成した[10]。同年10月22日の第48回衆議院議員総選挙に自民党公認で大阪14区から出馬し、3選。

2018年(平成30年)の第4次安倍第1次改造内閣内閣府政務官に就任[11]

2021年(令和3年)10月31日の第49回衆議院議員総選挙において自民党公認で大阪14区から出馬したが、日本維新の会から谷畑に代わって立候補した青柳仁士に5万票以上の大差で敗れ、比例復活もならず議席を失った[12]。この衆院選で自民党が公認候補を擁立した大阪府内の15選挙区で日本維新の会に全敗したことなどから、党本部が大阪府内の選挙区支部長の公募を行い、大阪14区の支部長は前大阪府議の塩川憲史に差し替えられた[13]

政策・主張

憲法改正

安全保障・治安

経済・財政

  • 2012年の公開アンケートにおいて、消費税2014年4月に8%、2015年10月に10%まで引き上げる法律が成立したことについて「法律通りに引き上げるべきだ」と回答している[16]
  • 2014年の公開アンケートにおいて、「2017年5月以降に消費税率を10%に引き上げるべきだ」と回答している[17]
  • 2017年の公開アンケートにおいて、消費税2019年10月に10%に引き上げることについて「賛成」と回答している[18]
  • 「消費税0%の検討」を掲げた『国民を守るための「真水100兆円」令和2年度第2次補正予算に向けた提言』に賛同している[19]
  • TPP参加に慎重な姿勢[20][21]
  • カジノの解禁に賛成[14]
  • 年金の給付水準が下がるのは、負担増が耐えられない為やむをえないとしている[14]

エネルギー政策

歴史認識

選挙制度・政党

選択的夫婦別姓制度

  • 民主党議員時代から選択的夫婦別姓制度に反対している[23]
  • 2010年2月19日、法務省政策会議で選択的夫婦別氏の導入を盛り込んだ民法改正案が提示されると、同日、ブログを更新。「もうこれは意図的に家族崩壊を画策しているとしか考えようが無い」「この法案が通れば、家族と言うものが空中分解する」と強く批判した[24]
  • 2010年3月20日に東京ビッグサイトで開催された「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民大会」に参加[25][26]
  • 2021年1月30日、長尾ら自民党国会議員有志50人は、47都道府県議会議長のうち同党所属の約40人に、選択的夫婦別姓の導入に賛同する意見書を採択しないよう求める文書を郵送した。地方議員や市民団体は、地方議会の独立性を脅かす行為だとして長尾らを批判した[27][28][29][30][31]

その他

発言・行動

尖閣諸島について

民主党議員時代から複数回、有志議員らと共に尖閣諸島沖で漁業活動を行った[36]。漢文学者の石井望と共同で中国や台湾が領有権を主張する資料への反論の記者会見を行うなどして対外発信に取り組む[37]

民主党について

離党

2012年11月16日午後、国会内の民主党の幹事長室を訪れ、「民主党の方向性は、日本の国益にかなうものではないと考え、離党を決意した。戦後、これほど領土の問題が注目された時期はなかったが、民主党は、私の考え方と遠い方向にいってしまった。」と離党届を提出した[6]。民主党を離党して自民党員となる事を決意したきっかけは、民主党の綱領に関する全議員会議において精神的疲労があった事をFacebookに投稿した際、2012年に自民党総裁となった当時の安倍晋三が「長尾さんには民主党は似合いません。」とコメントした事によると述べた[38]

活動費関連

2012年、離党前に所属していた民主党より、党から受け取った活動費300万円の返還を求められた。2012年11月の時点では、この活動費は返還されていない[39]

沖縄における報道と反基地運動団体について

2013年4月、沖縄の状況について、「沖縄のいびつなマスコミ、後押しする左翼勢力、バックにある中国共産党工作員の存在」と演説[40]。2015年7月には沖縄の名護市辺野古を視察し、新基地建設に反対する市民運動について「反社会的行動」であり周辺住民は困り果てていると自身のTwitterで主張した[41][42]。2015年6月25日、自民党内の勉強会「文化芸術懇話会」において、「沖縄の特殊なメディア構造を作ったのは戦後保守の堕落だ。沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくためには、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られているなか、大事な論点だ」と発言[43]。同27日、自由民主党幹事長谷垣禎一は、同党本部で記者会見し、同発言に問題があるとして長尾を厳重注意とした他、同様の発言を行った井上貴博大西英男を厳重注意とし、さらに同会代表の木原稔自民党青年局長を同日付で更迭し、1年間の役職停止処分とした[44]。その後、同月30日に、長尾は朝日新聞の取材に対し、「『左翼勢力』という表現は不適切。処分は慎んで受ける」と話す一方で、「沖縄メディアは基地反対運動の反社会的行為を報じていない」と沖縄メディアを改めて批判した[40]

統一教会との関係

2017年4月8日、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)の関連団体「国際勝共連合」の関西支部UNITE KANSAIが大阪市淀川区民会館で開いた学習会に谷川とむと参加。長尾らは「若者の政治離れが叫ばれる中、こんなにも純粋で、政治の勉強をしている若者が集まっていることに大変驚き、感動した。勝共UNITEの今後の活動を応援する」と挨拶した[45]

2019年10月5日、統一教会の関連団体「天宙平和連合」(UPF-Japan)は、国際会議「ジャパンサミット&リーダーシップカンファレンス」をホテルナゴヤキャッスルで開催[46][47]韓鶴子梶栗正義が壇上に上がった同会議の分科会に長尾は出席し、スピーチした[48]

2020年1月1日、3日、世界日報社のウェブサイト「ビューポイント」に、長尾と世界日報社社長の黒木正博と櫻井よしこの鼎談が掲載された。3人は憲法改正の実現を強く訴えた[49]

野党議員らのセクハラ抗議活動について

2018年4月22日自身のTwitterに野党議員らが#MeTooのプラカードを掲げる写真に「セクハラはあってはなりません。こちらの方々は私にとって、セクハラとは縁遠い方々」「私は皆さんに、絶対セクハラはいたしませんことを宣言いたします!」と投稿。「その発言こそがセクハラだ」との批判を受け、長尾は投稿を削除し、自身のホームページで「審議を拒否される同時刻[50]、Me Tooと訴える議員諸氏の姿に、憤りを禁じ得なかった」「写真に掲載されている女性議員の皆様に、心からおわびを申し上げる」と謝罪した[51][52][53]

板垣退助百回忌顕彰祭の開催に盡力

板垣死すとも自由は死せず(安倍晋三書)

平成28年(2016年)より、明治維新150年・板垣退助百回忌の斎行のために意欲的に取組み、一般社団法人板垣退助先生顕彰会の理事に就任[54]板垣退助の玄孫・髙岡功太郎代表理事として擁立し、東京高知大阪の各方面を回って、共催のための話し合いを行った[55]。NPO法人板垣会の会報冒頭にメッセージを寄せて呼びかけ、平成30年(2018年7月16日斎行の高知での百回忌法要に盡力、同年9月29日斎行の東京品川での百回忌板垣退助墓前法要では、宮内庁関係者らと共に焼香を行った[54]

不祥事

政治資金収支報告書の記載漏れ

2015年7月、長尾の資金管理団体「長尾たかし後援会」が、2012年衆院選前の11月30日に自民党本部から寄付を受けた500万円を、政治資金収支報告書収入として記載していなかった[56][57]。長尾の事務所担当者によると、党本部から500万円が同後援会の口座に振り込まれ、同じ日に長尾氏の選挙事務所の口座に移したが、同後援会の政治資金収支報告書に記載せず、長尾の選挙運動費用収支報告書には党本部から直接寄付があったように記載していた[56]

無根拠ネット投稿を拡散呼び掛け

2017年6月に無関係な社員の名前や顔写真を掲載していたネットメディアの「特定の制作会社に実質的に乗っ取られ偏向報道が繰り返されている」「インタビューで都合の良いコメントをする劇団員を雇い国民を洗脳」などの虚偽報道を自身のTwitterで引用して拡散を呼びかけたことを謝罪している[58]

所属団体・議員連盟

著書

  • 『マスコミと政治家が隠蔽する中国』出版共同流通、2014年5月1日。ISBN 978-4905156895 

脚注

外部リンク

公職
先代
村井英樹
山下雄平
長坂康正
小林史明
山下貴司
新妻秀規
平木大作
簗和生
武部新
福田達夫
内閣府大臣政務官
舞立昇治
安藤裕
古賀友一郎
白須賀貴樹
石川昭政
菅家一郎
阿達雅志
山田宏と共同

2018年 - 2019年
次代
神田憲次
今井絵理子
藤原崇
進藤金日子
青山周平
中野洋昌
和田政宗
加藤鮎子
渡辺孝一