第46回衆議院議員総選挙

2012年に行われた日本の衆議院選挙

第46回衆議院議員総選挙(だい46かいしゅうぎいんぎいんそうせんきょ)は、2012年平成24年)12月16日日本で行われた国会衆議院議員総選挙である[1]

 日本の旗 第46回衆議院議員総選挙 国会議事堂
内閣野田第3次改造内閣
解散日2012年(平成24年)11月16日
解散名近いうち解散
公示日2012年(平成24年)12月4日
投票日2012年(平成24年)12月16日
選挙制度小選挙区比例代表並立制
改選数480(増減なし
小選挙区 300
比例代表制 180
議席内訳

選挙後の党派別議席数
有権者満20歳以上の日本国民
有権者数1億395万9866人
投票率59.32%(減少9.96%)
各党別勢力
党順第1党第2党第3党
画像
党色
党名自由民主党民主党日本維新の会
党首安倍晋三野田佳彦石原慎太郎
就任日2012年9月2011年8月2012年11月
前回選挙119308新党
選挙前議席11823011
獲得議席2945754
増減17617343
得票数(小)2564万3309票1359万8773票694万2353票
得票率(小)43.02%22.81%11.64%
増減(小)4.34%24.62%
得票数(比)1662万4457票926万8653票1226万2228票
得票率(比)27.79%15.49%20.38%
増減(比)1.06%26.92%
党順第4党第5党第6党
画像
党色
党名公明党みんなの党日本未来の党
党首山口那津男渡辺喜美嘉田由紀子
就任日2009年9月2009年8月2012年11月
前回選挙218新党
選挙前議席21861
獲得議席31189
増減101052
得票数(小)88万5881票280万7244票299万2365票
得票率(小)1.49%4.71%5.02%
増減(小)0.38%3.84%
得票数(比)711万6474票524万5586票342万3915票
得票率(比)11.83%8.77%5.69%
増減(比)0.38%4.5%
党順第7党第8党第9党
画像
党色
党名日本共産党社会民主党新党大地
党首志位和夫福島瑞穂鈴木宗男
就任日2000年11月2003年10月2011年12月
前回選挙971
選挙前議席953
獲得議席821
増減132
得票数(小)470万289票45万1762票31万5604票
得票率(小)7.88%0.76%0.53%
増減(小)3.66%1.19%0.53%
得票数(比)368万9159票142万790票34万6848票
得票率(比)6.13%2.36%0.58%
増減(比)0.9%1.91%0.04%
選挙状況


各選挙区における党派別獲得議席及び得票率
野党(自公連立政権)
  自由民主党  公明党
与党(民国連立政権)
  民主党  国民新党
第三極
  日本維新の会  みんなの党
その他野党・無所属
  日本共産党  日本未来の党  社会民主党  新党大地

  無所属
 < 2009年2014年 > 

概要

第46回衆議院議員総選挙候補者掲示板 兵庫県第4区(兵庫県三木市)

2009年(平成21年)8月30日に施行された第45回総選挙では、新憲法施行以来初めて保守政党自由党自由民主党)直系以外の政党である民主党が単独で過半数を獲得したが、この選挙で当選した衆議院議員の任期が2013年(平成25年)8月29日で満了を迎えるため、同年10月8日までに次の総選挙を行うことが必須となっていた。

選挙前の動向

2012年(平成24年)の第180回国会において、野田佳彦内閣総理大臣民主党代表社会保障と税の一体改革を巡る消費税増税法案の採決に際して、近いうちに国民の信を問うことを条件に自由民主党・公明党の協力を取り付け、同法案を成立させた。しかしこの国会中に解散はされずに会期を終えた。その後、9月の民主党代表選挙自由民主党総裁選挙を経て、10月末に第181回国会が召集されたが、それ以降も解散が行われる気配はなかった。

しかし11月14日、野田首相は国家基本政策委員会合同審査会における党首討論で「(衆議院議員定数削減法案への賛同の)御決断をいただくならば、私は今週末の(11月)16日に解散をしてもいいと思っております」と、翌々日にも解散するつもりがあることを突如として表明[2]安倍晋三自由民主党総裁もこれに同調したため、その日の夕方に政府・民主党の首脳が総理大臣官邸で会合を開いて協議した結果、総選挙の日程を12月4日公示、12月16日投開票とする旨を決定した[3]

こうした動きを受け、衆議院議院運営委員会が11月15日に理事会を開催し、11月16日に衆議院解散を宣するための本会議開催を決定[4]、11月16日午後3時50分、日本国憲法第7条の規定によって衆議院が解散された[5][6][7]。現憲法施行後、総選挙の投票日が12月に設定される「師走選挙」は、1983年(昭和58年)の第37回総選挙以来29年ぶり5回目となった。

国政政党の乱立

衆議院議員の任期が1年9ヶ月を切った2011年12月頃から、総選挙を睨んで国会議員が既成政党を離党し、国会議員5人以上によって政党要件を満たして新党を結党する動きがおこり、新党大地・真民主新党きづな国民の生活が第一みどりの風日本維新の会減税日本太陽の党(旧たちあがれ日本)が政党要件を満たした政党として結党した。

また、2012年12月以前にも2005年8月から9月に第44回衆院選を睨んだ新党結党(国民新党新党日本)、2008年8月から2009年8月に第45回衆院選を睨んだ新党結党(改革クラブ(後の新党改革)、みんなの党)、2010年参院選を睨んだ新党結党(たちあがれ日本(後の太陽の党)、新党改革(旧改革クラブ))が政党要件を満たす新党結党が起こっていた。

2004年7月には日本の国政政党は5党(自由民主党民主党公明党日本共産党社会民主党)に収斂されていたが、上述のように2005年8月から2012年11月までに政党要件を満たす新党が11も結党されており、その結果、野田首相が解散表明をした翌日の2012年11月15日時点では国政政党数が以下のように16にものぼっていた。

これについて、有権者からは政党が乱立しすぎてわかりづらいという声が上がった。また、民主党勢力と自民党・公明党勢力以外の第三極の勢力が分散しすぎているという指摘もあった。

2012年11月15日以降も、民主党から離党した上で別政党に入党して立候補しようとする国会議員が出た。

また第三極について、以下のような政党の離散集合などが行われた。

その結果、2012年12月4日までに選挙に立候補を表明している政党要件を満たす政党は以下の12となり、小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降の衆議院議員総選挙としては、要件を満たした政党の立候補届出が過去最多となった。

政党の乱立にあわせ、立候補者数も現憲法下で最多となった。また、新興政党では日本未来の党が公示日の比例立候補者名簿の届け出が大幅に遅れ、総務省の審査作業が深夜にもつれ込む事態となったほか、日本維新の会は事前に公表した候補者リストの名前や年齢、性別などで誤植が頻繁に見つかり、発表直後の選挙区変更や、公示日に立候補予定者が出馬を辞退するなど迷走を続けた[8]

選挙データ

内閣

解散日

解散名

  • 近いうち解散
  • 「近いうちじゃなかった『近いうち解散』」
  • 「寄り切り解散」
  • 「皆殺し解散」
  • 「バカ正直解散」
  • 「自爆テロ解散」

公示日

投票日

改選数

選挙制度

投票方法
秘密投票、単記投票、2票制(小選挙区・比例代表)
選挙権
満20歳以上の日本国民
被選挙権
満25歳以上の日本国民
有権者数
103,959,866(男性:50,204,503 女性:53,755,363)
国内:103,854,030(男性:50,153,855 女性:53,700,175)
在外105,836(男性:50,648 女性:55,188)
  • 前回の衆議院議員総選挙(第45回)の有権者数は当時過去最多の104,057,361人であったが、今回は史上初めて有権者数が前回比で減少に転じた。なお日本の総人口2008年の1億2,808万人をピークに減少しているが、第48回は選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に改められたことで有権者数が106,091,229人と過去最多を更新している。

同日実施の選挙等

国民投票
首長選挙
地方議会選挙

主な争点

政局

政策

選挙運動

小選挙区と比例代表合わせて1504名が立候補を届け出た。候補者を擁立した政党は12党で、小選挙区制が導入された1996年(平成8年)の第41回衆議院議員総選挙以後では、最多となった。また候補者数についても現行憲法下では最多となっている[17]

党派別立候補者数

党派内訳男性女性小選挙区比例代表公示前
男性女性単独重複男性女性
民主党2672122532303726420925322737267326430030230
自由民主党33710673158310272881057011326424326492771345463118
日本未来の党121604579328111534548526119101097038261
公明党5415633504924390454501323041421
日本維新の会17211181431601215111121281391217221151061521011
日本共産党3228231224280299222952287135231260171499
みんなの党69806166365705862368464103408
社会民主党334227276233020194331023127825
新党大地730452730452707000003
国民新党320130210120110100102
新党改革200220------220002200
新党日本110010110010--------1
幸福実現党630063432020002012842420004230120
二十一世紀日本維新会100110100110--------0
当たり前党100101100101--------0
アイヌ民族党100101100101--------0
安楽死党100110100110--------0
世界経済共同体党100110100110--------0
無所属496835454496835454--------10
合計1,5044361159531,2792251,2944031027891,1011931,117210907331316417832479
出典:総務省|平成24年12月16日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調
  • 無所属前職の長尾敬は選挙期間中の12月13日、自民党に追加公認された。

党派の動き

公約

民主党   :民主党の政権政策Manifesto2012 (PDF)
国民新党  :日本再起動2012政策集 (PDF)
自由民主党 :重点政策2012自民党 (PDF)
公明党   :公明党政策集 Policy2012 (PDF)
日本未来の党:未来への約束 (PDF)
日本共産党 :総選挙政策改革ビジョン (PDF)
社会民主党 :マニフェスト総合版 (PDF)
みんなの党 :アジェンダ2012完全版 (PDF)
新党改革  :新党改革の約束2012 (PDF)
日本維新の会:骨太2013-2016 (PDF)
新党大地  :新党大地の誓い (PDF)
民間団体によるマニフェストの評価

キャッチコピー

民主党   :動かすのは、決断。
国民新党  :日本再起動
自由民主党 :日本を、取り戻す。
公明党   :日本再建
日本未来の党:だれもが希望をもてる未来を。
日本共産党 :提案し、行動する。
社会民主党 :生活再建
みんなの党 :闘う改革。
新党改革  :世界に誇れる日本へ!
日本維新の会:今こそ、維新を。
新党大地  :新党大地の誓い
新党日本  :尼崎のために。日本のために。

プロモーション

選挙期間中、各政党はCMや新聞インターネット動画サイト等を使って積極的にプロモーション展開をした。

  • 民主党   
「今と未来に、誠実でありたい。」編(120秒)
「高校無償化」編(30秒)
「消えた年金の回復」編(30秒)
「医療立て直し」編(30秒)
「動かすのは決断・胸を張って」編(30秒)
「動かすのは決断・総理の経験」編(30秒)
  • 自由民主党
【(30秒Ver.)】「日本を、取り戻す。」
  • みんなの党
スケボー篇 part1 【増税凍結・原発ゼロ・経済復活】(15秒)
スケボー篇 part2 【経済復活・行政改革・電力自由化】(15秒)
  • 新党日本
新党日本2012年CM
  • 幸福実現党
TVCM①(15秒)
TVCM②(15秒)
TVCM③(30秒)

選挙結果

各党の議席
選挙結果地図
LDP:自民党、NKP:公明党、DPJ:民主党
JRP:日本維新の会、YP:みんなの党
TPJ:日本未来の党、JCP:日本共産党
SDP:社会民主党、PNP:国民新党
NPD:新党大地、Ind:無所属

投票率が59.32%と過去最低の総選挙となった。前回総選挙と比較すると10ポイント近い下落となった[18]

前述の通り自民党の圧勝となったが、比例代表の獲得議席や得票率では議席配分比ほどの大差とはならなかった。実際、自民党の比例代表の議席は前回総選挙と比較しても2議席しか増えておらず、比例の獲得票自体は減少している。これは、政党の乱立により民主党や第三極の各政党が、それぞれの小選挙区に候補者を擁立したことで、票を食い合った点も指摘されている[19]

2009年の前回の総選挙から解散を経る事なく約3年3か月にわたって続いた民主党政権は、鳩山由紀夫内閣時代の政治と金を巡る疑惑、菅直人内閣下での東日本大震災福島第一原子力発電所事故への対応や経済不況尖閣諸島中国漁船衝突事件に対する問題、外交で中国及び米国と関係を損ねた点、野田佳彦内閣での震災復興政策や、2009年に政権交代に伴い掲げたマニフェスト(公約)の多くを実現出来ずに、経済対策でも対応が遅れた点などで国民の失望を買い、野田内閣まで続いた低支持率が選挙結果に影響し、国民の民主党政権に対する厳しい評価が浮き彫りとなった衆議院選挙となった。

選挙の結果、野党第一党の自由民主党は294議席(改選前119議席[20]/解散・公示後の増減を含む。以下同じ)を獲得し、単独で絶対安定多数(269議席)を確保する大勝で第一党に返り咲いた。また、公明党の31議席と合わせて衆議院再可決が可能となる3分の2を超える325議席を獲得し、政権を奪還した。この選挙で圧倒的な安定多数を得た自民党は、公明党と新たな連立政権樹立に合意し、野田佳彦首相の引責辞任と内閣総辞職に伴い、新たに第96代首相に就任した自由民主党総裁安倍晋三によって第2次安倍内閣が発足した。これによって安倍は2007年9月26日の辞任から5年3か月ぶりに首相に再び就任した。首相再就任は1948年(昭和23年)に成立した第2次吉田内閣吉田茂(第45代・第48 - 第51代)以来64年ぶりである。この時点で参議院では自公両党の合計議席は過半数に達していなかったが、この衆参ねじれ国会は翌年2013年第23回参議院議員通常選挙での自公連立政権の勝利によって解消された。

一方、与党であった民主党は改選前の230議席からほぼ4分の1、前回衆院選の308議席からは5分の1以下に留まる57議席となり、歴史的かつ壊滅的な大敗を喫した[21][22]。比例代表では日本維新の会に次ぐ第3党に転落した。

特に現職閣僚の落選者が続出し、内閣官房長官藤村修が現憲法下では初の現職官房長官の落選となったのを始め、総務大臣樽床伸二財務大臣城島光力文部科学大臣田中眞紀子厚生労働大臣三井辨雄国家公安委員長小平忠正、金融担当大臣の中塚一宏の7人が落選。国民新党の郵政民営化担当大臣の下地幹郎も落選したため、現憲法下では最多の8人の現職閣僚が落選した[注釈 1][23]。また、副大臣大臣政務官も23人落選しており、合わせて31人の政務三役が議席を失う形となった[24]。党執行部も副代表の鹿野道彦川端達夫仙谷由人、選対委員長の鉢呂吉雄が落選。さらに鳩山内閣で内閣官房長官を務めた平野博文、不祥事で閣僚を辞任した元法務大臣田中慶秋、元環境大臣松本龍なども議席を失った。このほか、前首相の菅直人、前衆議院議長の横路孝弘、元農林水産大臣赤松広隆、元経済産業大臣海江田万里、元総務大臣の原口一博、元文部科学大臣の高木義明、元国家戦略担当大臣荒井聰などの首相・議長・閣僚経験者も選挙区で相次いで敗れ、辛うじて比例復活で議席を確保した。内閣総理大臣経験者と直近の元衆議院議長の比例復活は現行の小選挙区比例代表並立制が導入されて以降初の例となった[注釈 2]。また政権与党の候補者でありながら、供託金没収となる選挙区も発生した[注釈 3]。議席数は1998年の結党以来最少にまで落ち込み、同党の参議院議員の数(88人)より少なくなった[25]。野田首相は「最大の責任は私にあります」と即日党代表の辞任を表明した[26]。同様に連立与党であった国民新党は小選挙区を制した野間健の1議席に留まった。

選挙での動向が注目されていたいわゆる第三極では日本維新の会が54議席(改選前11議席)、みんなの党が18議席(改選前8議席)と大幅に躍進した。選挙区では維新・みんなの候補が民主候補を上回り2位に付けるケースも相次いだ。また比例では維新が近畿ブロックで10議席を獲得するなど全ブロックで1議席以上を獲得。みんなの党も北海道・中国・四国各ブロック以外で議席を獲得している。維新では前東京都知事の石原慎太郎が国政に復帰を果たし、前宮崎県知事の東国原英夫[注釈 4]、その後の維新の執行部を担う馬場伸幸などが初当選し国政に進出している。なお、維新・みんなの両党は一部で選挙協力を行ったが、28の選挙区では競合し、東京2区東京5区東京6区長野3区の4選挙区では日本維新の会公認候補とみんなの党公認候補の得票数の合計では当選した他党公認候補の得票数を上回るにもかかわらず共倒れする結果となった。民主党から維新またはみんなの党に移籍して立候補した者も数名いたが、当選できたのは維新は元環境大臣の小沢鋭仁、元内閣官房副長官の松野頼久石関貴史今井雅人阪口直人(全員が比例復活)の5名、みんなの党は杉本和巳(比例復活)の1名であった。

一方、民主党離党者を糾合し結成した日本未来の党は、改選前61議席から激減し9議席と惨敗を喫した。新進党時代から非自民勢力間で権勢を誇っていた小沢一郎系の勢力は影響力が薄れたこともあり、小選挙区で議席を獲得できたのが小沢と亀井静香の2名のみで、比例区も北海道・北陸信越・中国・四国の各ブロックを除いて議席を獲得したが各1議席に留まり、比例票も伸び悩んだ。元国家公安委員長の山岡賢次や元農林水産大臣の山田正彦といった民主党政権での閣僚経験者に加え、前回選挙で民主党躍進の象徴でもあった岡本英子三宅雪子福田衣里子などの小沢チルドレン(小沢ガールズ)のほとんどが議席を失う結果となった。選挙直前の11月に結党した日本未来の党は大敗を契機に、代表であった滋賀県知事嘉田由紀子系と小沢系の内紛が表面化し、早くも同年12月には小沢系は未来の党を継続する形で「生活の党」に改称、嘉田系は別の政治団体「日本未来の党」を設立し分裂したため、日本未来の党はわずか1か月ほどで消滅する結果となった。同様に未来の党と協調路線を取った新党大地比例北海道ブロックの1議席に留まり、所属国会議員が3名となったことで政党要件を喪失した。

鳩山内閣後に政権から離脱した社会民主党は、小選挙区で照屋寛徳と比例区で九州ブロックの吉川元がそれぞれ議席を獲得しただけに留まり、改選前から3議席を失い得票数もほぼ半減させた。民主党政権と距離を置いていた日本共産党も改選前から1議席を失うなど、結果的に第三極に埋没する形で左派中道左派政党の敗北が目立つ形となった。

この選挙の結果、12月26日の第182回国会において第2次安倍内閣自公連立政権)が発足した。2009年9月に発足した民主党を中心とする政権は1期・3年3カ月(1,198日)で幕を閉じた[27][28]

党派別獲得議席

e • d  第46回衆議院議員総選挙2012年(平成24年)12月16日施行
党派獲得
議席
増減小選挙区比例代表公示前
議席得票数得票率議席得票数得票率
野党(自公)325 18624626,529,190.43744.50%7923,740,93139.45%139
自由民主党294 17623725,643,309.43743.01%5716,624,45727.62%118
公明党31 0109885,881.0001.49%227,116,47411.83%21
与党58 1742813,715,958.59223.00%309,699,50016.12%232
民主党57 1732713,598,773.59222.81%309,628,65316.00%230
国民新党1 0011117,185.0000.20%070,8470.12%2
野党(その他)・無所属97 0112619,381,418.87632.50%7126,739,45744.43%108
日本維新の会54 043146,942,353.53611.64%4012,262,22820.38%11
みんなの党18 01042,807,244.6104.71%145,245,5868.72%8
日本未来の党9 05222,992,365.6275.02%73,423,9155.69%61
日本共産党8 00104,700,289.8037.88%83,689,1596.13%9
社会民主党2 0031451,762.2730.76%11,420,7902.36%5
新党大地1 0020315,604.0000.53%1346,8480.58%3
幸福実現党0 065,983.0000.11%0216,1500.36%0
新党改革0 ---0134,7810.22%0
新党日本0 001062,697.0000.11%---1
二十一世紀日本維新会0 017,711.0000.03%---0
当たり前党0 07,831.0000.01%---0
アイヌ民族党0 07,495.0000.01%---0
安楽死党0 02,603.0000.00%---0
世界経済共同体党0 01,011.0000.00%---0
無所属5 00551,006,468.0271.69%---10
欠員0 001------1
総計480 30059,626,567.905100.0%18060,179,888100.00%480
有効票数(有効率)---59,626,56896.69%-60,179,88897.60%-
無効票数(無効率)---2,040,9703.31%-1,480,0812.40%-
投票総数---61,667,538--61,659,969--
不足数---1,935--2,978--
投票者数(投票率)---61,669,47359.32%-61,662,94759.31%-
国内投票者数(投票率)---61,648,33559.36%-61,641,38159.35%-
在外投票者数(投票率)---21,13819.97%-21,56620.38%-
棄権者数(棄権率)---42,290,39340.68%-42,296,91940.69%-
国内棄権者数(棄権率)---42,205,69540.64%-42,212,64940.65%-
在外棄権者数(棄権率)---84,69880.03%-84,27079.62%-
有権者数---103,959,866100.0%-103,959,866100.0%-
国内有権者数(国内率)---103,854,03099.90%-103,854,03099.90%-
在外有権者数(在外率)---105,8360.10%-105,8360.10%-
出典:平成24年12月16日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調 - 総務省
小選挙区投票率:59.32%(前回比: 9.96%)
【男性:60.14%(前回比: 9.32%) 女性:58.55%(前回比: 10.57%)】
在外投票率:19.97%(前回比: 6.12%)
【男性:23.23%(前回比: 5.58% 女性:16.99%(前回比: 6.37%)】
比例代表投票率:59.31%(前回比: 9.96%)
【男性:60.13%(前回比: 9.31% 女性:58.55%(前回比: 10.56%)】
在外投票率:20.38%(前回比: 6.35%)
【男性:23.49%(前回比: 5.86% 女性:17.52%(前回比: 6.58%)】

政党

民主党:57議席
代表野田佳彦
副代表    :北澤俊美 直嶋正行 石井一
        鹿野道彦 川端達夫 赤松広隆
        仙谷由人
幹事長    :輿石東
政策調査会長 :細野豪志
国会対策委員長山井和則
選挙対策委員長:鉢呂吉雄
参議院議員会長:輿石東(兼)
最高顧問   :羽田孜 菅直人 渡部恒三
        江田五月 藤井裕久 岡田克也
国民新党:1議席
代表:自見庄三郎
代表代行   :浜田和幸
幹事長    :下地幹郎
政務調査会長 :浜田和幸(兼)
国会対策委員長:(空席)
参議院議員会長:自見庄三郎(兼)
顧問     :吉村剛太郎 長谷川憲正
自由民主党:294議席
総裁安倍晋三
副総裁    :高村正彦
幹事長    :石破茂
総務会長   :細田博之
政務調査会長 :甘利明
国会対策委員長浜田靖一
参議院議員会長中曽根弘文
日本維新の会:54議席
代表:石原慎太郎
代表代行    :橋下徹
国会議員団代表 :平沼赳夫
幹事長     :松井一郎
政調会長    :浅田均
総務会長    :東徹
国会対策委員長 :松野頼久
参議院議員会長 :片山虎之助
選挙対策委員長 :水戸将史
公明党:31議席
代表山口那津男
副代表    :坂口力 草川昭三 北側一雄
        東順治 白浜一良 松あきら
幹事長    :井上義久
政務調査会長 :石井啓一
国会対策委員長:漆原良夫
選挙対策委員長:
参議院議員会長白浜一良
みんなの党:18議席
代表:渡辺喜美
幹事長    :江田憲司
政務調査会長 :浅尾慶一郎
国会対策委員長:山内康一
最高顧問   :江口克彦
日本未来の党:9議席
代表:嘉田由紀子
代表代行:飯田哲也
副代表 :山田正彦 阿部知子 森裕子
日本共産党:8議席
委員長:志位和夫
副委員長    :浜野忠夫
書記局長    :市田忠義
政策委員会責任者:小池晃
国会対策委員長 :穀田恵二
参議院議員団長 :小池晃(兼)
社会民主党:2議席
党首:福島瑞穂
副党首    :又市征治
幹事長    :重野安正
政策審議会長 :(空席)
国会対策委員長:照屋寛徳
選挙対策委員長:又市征治(兼)
参議院議員会長:又市征治(兼)
新党大地1議席
代表:鈴木宗男
代表代行   :松木謙公
幹事長    :松木謙公(兼)
参議院議員会長:平山誠

議員

小選挙区当選者

 自民党   民主党   維新の会   公明党   未来の党   みんなの党   社民党   国民新党   無所属 

都道府県当選者当選者当選者当選者当選者ブロック増減
北海道1区船橋利実2区吉川貴盛3区高木宏壽4区中村裕之5区町村信孝北海道自民党 2→11
公明党 0→1
民主党 10→0
6区今津寛7区伊東良孝8区前田一男9区堀井学10区稲津久
11区中川郁子12区武部新
青森県1区津島淳2区江渡聡徳3区大島理森4区木村太郎東北自民党 5→19
民主党 17→4
未来の党 2→1
無所属 1→1
岩手県1区階猛2区鈴木俊一3区黄川田徹4区小沢一郎
宮城県1区土井亨2区秋葉賢也3区西村明宏4区伊藤信太郎5区安住淳
6区小野寺五典
秋田県1区冨樫博之2区金田勝年3区御法川信英
山形県1区遠藤利明2区鈴木憲和3区阿部寿一
福島県1区亀岡偉民2区根本匠3区玄葉光一郎4区菅家一郎5区坂本剛二
茨城県1区田所嘉徳2区額賀福志郎3区葉梨康弘4区梶山弘志5区大畠章宏北関東自民党 4→27
民主党 25→2
無所属 2→2
みんなの党 1→1
6区丹羽雄哉7区中村喜四郎
栃木県1区船田元2区西川公也3区渡辺喜美4区佐藤勉5区茂木敏充
群馬県1区佐田玄一郎2区井野俊郎3区笹川博義4区福田達夫5区小渕優子
埼玉県1区村井英樹2区新藤義孝3区黄川田仁志4区豊田真由子5区枝野幸男
6区中根一幸7区神山佐市8区柴山昌彦9区大塚拓10区山口泰明
11区小泉龍司12区野中厚13区土屋品子14区三ッ林裕巳15区田中良生
千葉県1区田嶋要2区小林鷹之3区松野博一4区野田佳彦5区薗浦健太郎南関東自民党 5→26
民主党 28→4
みんなの党 1→2
公明党 0→1
無所属 0→1
6区渡辺博道7区齋藤健8区桜田義孝9区秋本真利10区林幹雄
11区森英介12区浜田靖一13区白須賀貴樹
神奈川県1区松本純2区菅義偉3区小此木八郎4区浅尾慶一郎5区坂井学
6区上田勇7区鈴木馨祐8区江田憲司9区笠浩史10区田中和徳
11区小泉進次郎12区星野剛士13区甘利明14区赤間二郎15区河野太郎
16区義家弘介17区牧島かれん18区山際大志郎
山梨県1区宮川典子2区長崎幸太郎3区後藤斎
東京都1区山田美樹2区辻清人3区石原宏高4区平将明5区若宮健嗣東京自民党 4→21
民主党 21→2
公明党 0→1
みんなの党 0→1
6区越智隆雄7区長妻昭8区石原伸晃9区菅原一秀10区小池百合子
11区下村博文12区太田昭宏13区鴨下一郎14区松島みどり15区柿沢未途
16区大西英男17区平沢勝栄18区土屋正忠19区松本洋平20区木原誠二
21区長島昭久22区伊藤達也23区小倉將信24区萩生田光一25区井上信治
新潟県1区石崎徹2区細田健一3区斎藤洋明4区金子恵美5区長島忠美北陸信越自民党 6→18
民主党 14→2
6区高鳥修一
富山県1区田畑裕明2区宮腰光寛3区橘慶一郎
石川県1区馳浩2区佐々木紀3区北村茂男
福井県1区稲田朋美2区山本拓3区高木毅
長野県1区篠原孝2区務台俊介3区寺島義幸4区後藤茂之5区宮下一郎
岐阜県1区野田聖子2区棚橋泰文3区武藤容治4区金子一義5区古屋圭司東海自民党 4→27
民主党 29→6
静岡県1区上川陽子2区井林辰憲3区宮沢博行4区望月義夫5区細野豪志
6区渡辺周7区城内実8区塩谷立
愛知県1区熊田裕通2区古川元久3区池田佳隆4区工藤彰三5区神田憲次
6区丹羽秀樹7区鈴木淳司8区伊藤忠彦9区長坂康正10区江﨑鐵磨
11区古本伸一郎12区青山周平13区大見正14区今枝宗一郎15区根本幸典
三重県1区川崎二郎2区中川正春3区岡田克也4区田村憲久5区三ツ矢憲生
滋賀県1区大岡敏孝2区上野賢一郎3区武村展英4区武藤貴也近畿自民党 5→24
維新の会 0→12
公明党 0→6
民主党 41→6
社民党 1→0
新党日本 1→0
京都府1区伊吹文明2区前原誠司3区宮崎謙介4区田中英之5区谷垣禎一
6区山井和則
大阪府1区井上英孝2区左藤章3区佐藤茂樹4区村上政俊5区國重徹
6区伊佐進一7区渡嘉敷奈緒美8区木下智彦9区足立康史10区松浪健太
11区伊東信久12区北川知克13区西野弘一14区谷畑孝15区浦野靖人
16区北側一雄17区馬場伸幸18区遠藤敬19区丸山穂高
兵庫県1区盛山正仁2区赤羽一嘉3区関芳弘4区藤井比早之5区谷公一
6区大串正樹7区山田賢司8区中野洋昌9区西村康稔10区渡海紀三朗
11区松本剛明12区山口壯
奈良県1区馬淵澄夫2区高市早苗3区奥野信亮4区田野瀬太道
和歌山県1区岸本周平2区石田真敏3区二階俊博
鳥取県1区石破茂2区赤沢亮正中国自民党 10→18
維新の会 1→1
未来の党 1→1
民主党 8→0
島根県1区細田博之2区竹下亘
岡山県1区逢沢一郎2区山下貴司3区平沼赳夫4区橋本岳5区加藤勝信
広島県1区岸田文雄2区平口洋3区河井克行4区中川俊直5区寺田稔
6区亀井静香7区小林史明
山口県1区高村正彦2区岸信夫3区河村建夫4区安倍晋三
徳島県1区福山守2区山口俊一3区後藤田正純四国自民党 8→12
民主党 5→1
香川県1区平井卓也2区玉木雄一郎3区大野敬太郎
愛媛県1区塩崎恭久2区村上誠一郎3区白石徹4区山本公一
高知県1区福井照2区中谷元3区山本有二
福岡県1区井上貴博2区鬼木誠3区古賀篤4区宮内秀樹5区原田義昭九州自民党 12→34
国民新 2→1
社民党 2→1
無所属 1→1
維新の会 1→1
民主党 20→0
6区鳩山邦夫7区藤丸敏8区麻生太郎9区三原朝彦10区山本幸三
11区武田良太
佐賀県1区岩田和親2区今村雅弘3区保利耕輔
長崎県1区冨岡勉2区加藤寛治3区谷川弥一4区北村誠吾
熊本県1区木原稔2区野田毅3区坂本哲志4区園田博之5区金子恭之
大分県1区穴見陽一2区衛藤征士郎3区岩屋毅
宮崎県1区武井俊輔2区江藤拓3区古川禎久
鹿児島県1区保岡興治2区徳田毅[注 1]3区野間健4区小里泰弘5区森山裕
沖縄県1区國場幸之助2区照屋寛徳3区比嘉奈津美4区西銘恒三郎

補欠選挙

月日選挙区新旧別当選者所属党派欠員所属党派欠員事由
20144.27鹿児島2区金子万寿夫自民党徳田毅自民党2014.2.28辞職

比例区当選者

 自民党   民主党   維新の会   公明党   みんなの党   未来の党   社民党   共産党   新党大地 

北海道東北北関東南関東東京北陸信越東海近畿中国四国九州
1渡辺孝一高橋比奈子牧原秀樹中谷真一小田原潔木内均勝俣孝明東国原英夫[注 2]小島敏文瀬戸隆一宮路和明
2横路孝弘吉田泉上野宏史小沢鋭仁石原慎太郎中田宏藤井孝男門博文中丸啓桜内文城松野頼久
3石川知裕[注 3]小熊慎司大島敦後藤祐一海江田万里鷲尾英一郎大西健介西村眞悟阿部俊子小川淳也江田康幸
4清水誠一藤原崇石川昭政門山宏哲秋元司小松裕八木哲也竹内譲柚木道義泉原保二宮崎政久
5高橋美穂橋本英教石井啓一青柳陽一郎大熊利昭永山文雄大口善徳泉健太斉藤鉄夫石田祝稔大串博志
6佐藤英道近藤洋介山内康一富田茂之高木陽介宮沢隆仁今井雅人竹本直一吉野正芳西岡新西川京子
7荒井聰井上義久永岡桂子松田学今村洋史菊田真紀子赤松広隆阪口直人坂元大輔河野正美
8勝沼栄明畑浩治石関貴史堀内詔子松本文明漆原良夫東郷哲也中山泰秀上杉光弘遠山清彦
9村岡敏英福田昭夫奥野総一郎松原仁助田重義杉本和巳三木圭恵津村啓介林田彪
10大久保三代簗和生中山展宏笠井亮井出庸生鈴木克昌穀田恵二桝屋敬悟原口一博
11林宙紀岡本三成田沼隆志青木愛百瀬智之島田佳和井坂信彦池田道孝佐藤正夫
12郡和子柏倉祐司阿部知子山田宏重徳和彦浮島とも子中山成彬
13高橋千鶴子鈴木義弘中島克仁赤枝恒雄近藤昭一三宅博新開裕司
14菅野佐智子小宮山泰子志位和夫三谷英弘吉川赳三日月大造[注 4]濱地雅一
15塩川鉄也若井康彦菅直人伊藤渉大塚高司赤嶺政賢
16今野智博古屋範子高木美智代佐々木憲昭上西小百合末吉光徳
17武正公一山本朋広田畑毅鈴木望村上史好髙木義明
18新谷正義西田譲中根康浩安藤裕山之内毅
19坂本祐之輔福田峰之桜井宏西根由佳吉川元
20輿水恵一生方幸夫小池政就樋口尚也湯川一行
21椎名毅川田隆辻元清美玉城デニー
22椎木保小林茂樹
23岩永裕貴
24宮本岳志
25新原秀人
26原田憲治
27畠中光成
28濱村進
29杉田水脈

繰上当選

繰上年月ブロック当選者当選者名簿政党名欠員欠員事由
2013年5月北海道鈴木貴子新党大地石川知裕辞職
2013年12月近畿清水鴻一郎維新の会東国原英夫辞職
2014年5月川端達夫民主党三日月大造滋賀県知事選出馬

初当選

計183名
※:参議院議員経験者
民主党
1名
自由民主党
119名
公明党
10名

 

 

 

日本維新の会
38名
みんなの党
12名

 

 

社会民主党
1名
国民新党
1名
無所属
1名

返り咲き・復帰

計81名
自由民主党
68名
公明党
6名
日本維新の会
6名
無所属
1名

引退・不出馬

計43名
民主党
18名
自由民主党
12名
日本未来の党
1名
公明党
6名
日本共産党
1名
社会民主党
1名
無所属
4名

落選

計220名

落選者は前職者のみ表記。

民主党
155名
自由民主党
2名
日本未来の党
51名
日本維新の会
2名
みんなの党
2名
社会民主党
3名
新党大地
2名
国民新党
2名
新党日本
1名
無所属
2名

記録的当選・落選者

選挙特別番組

テレビ

地上波
BS/CS
  • BS11『総選挙 政権選択のとき』 放送時間:午後8時00分 - 午後10時00分(第1部)、午後11時30分 - 17日午前1時00分(第2部)[53]
  • 日テレNEWS24(CS)・BS日テレ『全部見せます!開票速報24』放送時間:午後9時00分 - 17日午前4時00分(司会:舟橋明恵青木源太(日本テレビアナウンサー)、坂木萌子小栗泉(日本テレビ報道局)、菊池正史(日本テレビ報道局))[54]
  • TBSニュースバード(CS)『すべて見せます!最終議席まで』放送時間:午後7時55分 - 17日午前1時30分(第1部)、17日午前1時30分 - 午前2時30分(第2部)、17日午前2時30分 - 午前6時00分(第3部)[48][55]
  • 日経CNBC(CS)『衆院選SP ザ!闘論〜ニッポンの選択〜』放送時間:午後7時58分 - 午後10時00分
    • 『衆院選SP ニッポンの進路』放送時間:午後11時00分 - 17日午前0時30分[56]

ラジオ

全国
ローカル

訴訟

  • 一票の格差訴訟で、前回の第45回総選挙での格差は最高裁判所によって「違憲状態」と判断されている。この総選挙も同じ制度下で執行されたため、同様の訴訟が提起されれば違憲・選挙無効の判断が下される可能性が指摘されていた。違憲が指摘されるなか総選挙が行われることは極めて不当と弁護士グループは選挙差し止めを求めた訴訟を起こしたが、最高裁は11月30日「差し止め訴訟ができる法律上の規定はなく、訴えは不適法」として上告を棄却し請求を却下した一審と二審判決が確定した[59]。なお、解散直前の国会で一票の格差を縮小させるため、小選挙区で0増5減を図る公職選挙法の改正案が成立したが、対象となる小選挙区の区割りおよび有権者に対する周知が間に合わないため今回の選挙では採用されない[60]。なお、前回総選挙当時最大2.305倍だった格差は公示日現在で2.428倍に、格差が2倍を超える選挙区も公示日現在で72に拡大した[61]。なお、最も1票の価値が軽い選挙区であった千葉県第4区は野田首相(当時)の地元である[62]
  • 選挙翌日の12月17日には、一票の格差が是正されないまま行われた選挙は憲法違反であるとして、全国の弁護士グループが選挙無効を求めて一斉に提訴した。訴状の提出先は全国14箇所の高等裁判所(支部を含む)である[63]
  • 上記の一連の提訴に対しては、2013年3月6日から3月27日にかけて14箇所の高等裁判所全てが判決を出し、いずれも「選挙は違憲」もしくは「違憲状態」とする内容であった。このうち広島高等裁判所(2013年3月25日)および同岡山支部(同年3月26日)が「選挙は無効」とする判決を出し、日本国内の全ての全国紙および地方紙が戦後初の画期的な判決として大きく報道した。これに対し、同年11月20日、最高裁判所大法廷は、一票の格差が是正されない状態で選挙が行われた問題については「違憲状態」としながらも、選挙自体は有効であるとする判決を下した。
  • 福島県では、全ての投票所で投票時刻が1時間から4時間繰り上げられたが、これは公職選挙法で認められている特別の事情に当たらず違法だとして、福島県の女性らのグループが福島4区5区の選挙無効を求めて仙台高等裁判所に提訴した。提訴は2013年1月15日付。投票時刻を繰り上げなければ、別の候補者が当選していた可能性があったとしている[64]。同年4月11日、原告が両選挙区の有権者ではないため、「原告適格を満たしていない」として訴えは退けられた[65]

その他

  • 解散時点で参議院議員だった11人が衆議院に鞍替え立候補し、2人が辞職、9人が失職した。その結果、第21回参議院議員通常選挙2007年)の比例代表候補2人(自民1、民主1)と第22回参議院議員通常選挙2010年)の比例代表候補3人(みんなの党)の計5人が繰り上げ当選した[66]。選挙区選出議席のうち第22回参院選選出の1議席は2013年4月に補欠選挙が実施され、第21回参院選選出の5議席は2013年7月の第23回参議院議員通常選挙まで欠員となる[67]
  • 解散から公示までの間に第3極と呼ばれる政党の離合集散が相次いだため、投票啓発ポスターなどの文言の一部が特定の党名を連想させかねないものとなってしまい、岡山県倉敷市笠岡市のように修正を余儀なくされた自治体もあった[68]
  • 12もの政党が候補者を擁立したために政見放送に要する時間も長くなり、首都圏(関東地方及び山梨県)ではNHKでの放送時間が2009年(平成21年)の第45回衆議院議員総選挙での32時間38分を大幅に超え、49時間26分に及ぶ見込みとなった[69]
  • 12月7日17時18分頃に三陸沖で最大震度5弱の地震が発生、東北地方から関東地方にかけての太平洋沿岸に津波警報・津波注意報が発表された。この時、NHK総合テレビ(首都圏)では比例代表南関東ブロックの政見放送を放送していたが、17時20分頃に中断、臨時ニュースに切り替わった[70]。また12日にも北朝鮮によるミサイル発射があったため[71]、NHK総合テレビ(首都圏)で10時台に放送を予定していた政見放送が中止された。
  • この総選挙では、埼玉県内の各小選挙区にて白票などの無効票が10万9,874票も投じられたことが同県選挙管理委員会の取りまとめで判明している[72]
  • 当時、最高裁判所裁判官の一人であった須藤正彦は、この総選挙に伴って行われた最高裁判所裁判官国民審査を受けたが、須藤はそのわずか10日後の12月26日に定年退官することが決まっていた。従って、この総選挙が12月27日以降に行われた場合、須藤は国民審査を受けることなく退官していたことになる[73]

脚注

注釈

出典

外部リンク