1993年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

メジャーリーグベースボールの第25回アメリカンリーグ優勝決定シリーズ

1993年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月5日に開幕した。アメリカンリーグの第25回リーグチャンピオンシップシリーズ(25th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から12日にかけて計6試合が開催された。その結果、トロント・ブルージェイズ東地区)がシカゴ・ホワイトソックス西地区)を4勝2敗で下し、2年連続2回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

1993年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム勝数
トロント・ブルージェイズ4
シカゴ・ホワイトソックス2
シリーズ情報
試合日程10月5日–12日
観客動員6試合合計:29万2921人
1試合平均:04万8820人
MVPデーブ・スチュワート(TOR)
殿堂表彰者パット・ギリック(TOR GM)
ロベルト・アロマー(TOR内野手)
リッキー・ヘンダーソン(TOR外野手)
ポール・モリター(TOR指名打者)
ティム・レインズ(CWS外野手)
フランク・トーマス(CWS内野手)
チーム情報
トロント・ブルージェイズ(TOR)
シリーズ出場03年連続5回目
GMパット・ギリック
監督シト・ガストン
シーズン成績95勝67敗・勝率.586
東地区優勝

シカゴ・ホワイトソックス(CWS)
シリーズ出場10年ぶり2回目
GMロン・シューラー
監督ジーン・ラモント
シーズン成績94勝68敗・勝率.580
西地区優勝

 < 1992
ALCS
1993

1994 > 

 < 1992
NLCS
1993

1994 > 
ワールドシリーズ

両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのはこれが初めて。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、6勝6敗の五分だった[1]。ブルージェイズは球団予算上の制約により、前年ワールドシリーズ制覇時のロースターから25人中12人を入れ替えて今シリーズに臨んだが[2]、リーグ2連覇を達成した。新加入選手のうち、先発投手デーブ・スチュワートは第2戦と第6戦の2登板13.1イニングで2勝・防御率2.03を記録、オークランド・アスレチックス時代の1990年以来3年ぶりにシリーズMVPを受賞した。リーグ優勝決定戦の優勝決定試合で勝利投手となるのは、1988年1989年・1990年に次いで4度目である[3]。また、同じく新加入選手のうち、指名打者ポール・モリターは今シリーズでいずれもチームトップの長打率.696・5打点という成績を残した[4]。モリターはワールドシリーズでも好調を維持して同シリーズMVPを受賞、ブルージェイズはナショナルリーグ王者フィラデルフィア・フィリーズを4勝2敗で下して連覇を成し遂げた。

試合結果

1993年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月5日に開幕し、途中に移動日を挟んで8日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付試合ビジター球団(先攻)スコアホーム球団(後攻)開催球場
10月05日(火)第1戦トロント・ブルージェイズ7-3シカゴ・ホワイトソックスコミスキー・パーク
10月06日(水)第2戦トロント・ブルージェイズ3-1シカゴ・ホワイトソックス
10月07日(木)移動日
10月08日(金)第3戦シカゴ・ホワイトソックス6-1トロント・ブルージェイズスカイドーム
10月09日(土)第4戦シカゴ・ホワイトソックス7-4トロント・ブルージェイズ
10月10日(日)第5戦シカゴ・ホワイトソックス3-5トロント・ブルージェイズ
10月11日(月)移動日
10月12日(火)第6戦トロント・ブルージェイズ6-3シカゴ・ホワイトソックスコミスキー・パーク
優勝:トロント・ブルージェイズ(4勝2敗 / 2年連続2度目)

第1戦 10月5日

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
マイケル・ジョーダンによる始球式(25秒)
 123456789RHE
トロント・ブルージェイズ0002302007171
シカゴ・ホワイトソックス000300000361
  1. フアン・グーズマン(1勝)  ジャック・マクダウエル(1敗)  
  2. 本塁打
    TOR:ポール・モリター1号2ラン
  3. 審判
    [球審]ジム・エバンス
    [塁審]一塁: グレッグ・コスク、二塁: ジョン・シュロック、三塁: テッド・ヘンドリー
    [外審]左翼: ティム・チダ、右翼: ケン・カイザー
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時15分 試合時間: 3時間38分 観客: 4万6246人 気温: 57°F(13.9°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
トロント・ブルージェイズシカゴ・ホワイトソックス
打順守備選手打席打順守備選手打席
1R・ヘンダーソン1T・レインズ
2D・ホワイト2J・コーラ
3R・アロマー3DHF・トーマス
4J・カーター4R・ベンチュラ
5J・オルルド5E・バークス
6DHP・モリター6D・パスクァ
7T・フェルナンデス7L・ジョンソン
8E・スプレイグ8R・カーコバイス
9P・ボーダーズ9O・ギーエン
先発投手投球先発投手投球
J・グーズマンJ・マクダウエル

この日、試合前の始球式バスケットボール選手のマイケル・ジョーダンによって行われた。ジョーダンはNBAシカゴ・ブルズで中心選手として活躍、この年の6月にはチームをファイナル3連覇へ導き、自身も3年連続の同シリーズMVPを受賞している。ホワイトソックスとブルズはともにジェリー・ラインズドルフがオーナーを務めていることから、始球式後にジョーダンは球場のスイート席でラインズドルフらと試合を観戦した。

試合開始から2時間ほどが経過したとき、NBCの報道番組Dateline NBCが「明日6日の朝、ジョーダンが現役引退を発表する模様」と速報し、その約20分後にはCBSの今シリーズ中継でも6回表途中、リポーターのパット・オブライエンによって一報が入れられた[注 1][5]。引退の知らせが広がり始めたため、ジョーダンは試合中にもかかわらず球場を後にし、ラインズドルフは6日に「重大な、重大な発表」があることを認めた[6]。そして6日、ジョーダンはバスケットボールからの引退を表明した。ジョーダンは、発表のタイミングについて「ブルズのトレーニングキャンプが始まる7日までにしておきたかった」としたうえで、引退報道がホワイトソックスの試合よりも大きな話題になってしまったことについてラインズドルフとともに、謝罪の意思をGMのロン・シューラーを介して選手たちへ伝えた[7]

第2戦 10月6日

 123456789RHE
トロント・ブルージェイズ100200000380
シカゴ・ホワイトソックス100000000172
  1. デーブ・スチュワート(1勝)  アレックス・フェルナンデス(1敗)  Sデュアン・ウォード(1S)  
  2. 審判
    [球審]グレッグ・コスク
    [塁審]一塁: ジョン・シュロック、二塁: テッド・ヘンドリー、三塁: ティム・チダ
    [外審]左翼: ケン・カイザー、右翼: ジム・エバンス
  3. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後2時8分 試合時間: 3時間0分 観客: 4万6101人 気温: 72°F(22.2°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
トロント・ブルージェイズシカゴ・ホワイトソックス
打順守備選手打席打順守備選手打席
1R・ヘンダーソン1T・レインズ
2D・ホワイト2J・コーラ
3R・アロマー3DHF・トーマス
4J・カーター4R・ベンチュラ
5J・オルルド5E・バークス
6DHP・モリター6D・パスクァ
7T・フェルナンデス7L・ジョンソン
8E・スプレイグ8R・カーコバイス
9P・ボーダーズ9O・ギーエン
先発投手投球先発投手投球
D・スチュワートA・フェルナンデス

第3戦 10月8日

 123456789RHE
シカゴ・ホワイトソックス0051000006120
トロント・ブルージェイズ001000000171
  1. ウィルソン・アルバレス(1勝)  パット・ヘントゲン(1敗)  
  2. 審判
    [球審]ジョン・シュロック
    [塁審]一塁: テッド・ヘンドリー、二塁: ティム・チダ、三塁: ケン・カイザー
    [外審]左翼: ジム・エバンス、右翼: グレッグ・コスク
  3. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時10分 試合時間: 2時間56分 観客: 5万1783人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シカゴ・ホワイトソックストロント・ブルージェイズ
打順守備選手打席打順守備選手打席
1T・レインズ1R・ヘンダーソン
2J・コーラ2D・ホワイト
3F・トーマス3DHP・モリター
4R・ベンチュラ4J・カーター
5E・バークス5J・オルルド
6DHB・ジャクソン6R・アロマー
7L・ジョンソン7T・フェルナンデス
8R・カーコバイス8E・スプレイグ
9O・ギーエン9P・ボーダーズ
先発投手投球先発投手投球
W・アルバレスP・ヘントゲン

第4戦 10月9日

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
6回表、フランク・トーマスのソロ本塁打でホワイトソックスが同点に(47秒)
9回裏、ロベルト・ヘルナンデスがポール・モリターを遊ゴロに打ち取り試合終了、ホワイトソックスが2勝2敗のタイに(42秒)
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シカゴ・ホワイトソックス0200031017110
トロント・ブルージェイズ003001000490
  1. ティム・ベルチャー(1勝)  トッド・ストットルマイヤー(1敗)  Sロベルト・ヘルナンデス(1S)  
  2. 本塁打
    CWS:ランス・ジョンソン1号2ラン、フランク・トーマス1号ソロ
  3. 審判
    [球審]テッド・ヘンドリー
    [塁審]一塁: ティム・チダ、二塁: ケン・カイザー、三塁: ジム・エバンス
    [外審]左翼: グレッグ・コスク、右翼: ジョン・シュロック
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時15分 試合時間: 3時間30分 観客: 5万1889人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シカゴ・ホワイトソックストロント・ブルージェイズ
打順守備選手打席打順守備選手打席
1T・レインズ1R・ヘンダーソン
2J・コーラ2D・ホワイト
3F・トーマス3R・アロマー
4R・ベンチュラ4J・カーター
5E・バークス5J・オルルド
6DHB・ジャクソン6DHP・モリター
7L・ジョンソン7T・フェルナンデス
8R・カーコバイス8E・スプレイグ
9O・ギーエン9P・ボーダーズ
先発投手投球先発投手投球
J・ベアT・ストットルマイヤー

第5戦 10月10日

 123456789RHE
シカゴ・ホワイトソックス000010002351
トロント・ブルージェイズ11110010X5140
  1. フアン・グーズマン(2勝)  ジャック・マクダウエル(2敗)  
  2. 本塁打
    CWS:エリス・バークス1号ソロ、ロビン・ベンチュラ1号2ラン
  3. 審判
    [球審]ティム・チダ
    [塁審]一塁: ケン・カイザー、二塁: ジム・エバンス、三塁: グレッグ・コスク
    [外審]左翼: ジョン・シュロック、右翼: テッド・ヘンドリー
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後4時10分 試合時間: 3時間9分 観客: 5万1375人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シカゴ・ホワイトソックストロント・ブルージェイズ
打順守備選手打席打順守備選手打席
1T・レインズ1R・ヘンダーソン
2J・コーラ2D・ホワイト
3F・トーマス3R・アロマー
4R・ベンチュラ4J・カーター
5E・バークス5J・オルルド
6DHB・ジャクソン6DHP・モリター
7L・ジョンソン7T・フェルナンデス
8R・カーコバイス8E・スプレイグ
9O・ギーエン9P・ボーダーズ
先発投手投球先発投手投球
J・マクダウエルJ・グーズマン

第6戦 10月12日

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回表、ポール・モリターの2点三塁打でブルージェイズが4点差に突き放す(30秒)
その裏、デュアン・ウォードがティム・レインズを右飛に打ち取り試合終了、ブルージェイズのリーグ連覇が決定(1分26秒)
 123456789RHE
トロント・ブルージェイズ0201000036100
シカゴ・ホワイトソックス002000001353
  1. デーブ・スチュワート(2勝)  アレックス・フェルナンデス(2敗)  Sデュアン・ウォード(2S)  
  2. 本塁打
    TOR:デボン・ホワイト1号ソロ
    CWS:ウォーレン・ニューソン1号ソロ
  3. 審判
    [球審]ケン・カイザー
    [塁審]一塁: ジム・エバンス、二塁: グレッグ・コスク、三塁: ジョン・シュロック
    [外審]左翼: テッド・ヘンドリー、右翼: ティム・チダ
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時10分 試合時間: 3時間31分 観客: 4万5527人 気温: 48°F(8.9°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
トロント・ブルージェイズシカゴ・ホワイトソックス
打順守備選手打席打順守備選手打席
1R・ヘンダーソン1T・レインズ
2D・ホワイト2J・コーラ
3R・アロマー3F・トーマス
4J・カーター4R・ベンチュラ
5J・オルルド5E・バークス
6DHP・モリター6DHW・ニューソン
7T・フェルナンデス7L・ジョンソン
8E・スプレイグ8M・ラバリエール
9P・ボーダーズ9O・ギーエン
先発投手投球先発投手投球
D・スチュワートA・フェルナンデス

脚注

注釈

出典

外部リンク

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