スペースシャトル・アトランティス

スペースシャトルのオービタ

スペースシャトル・アトランティスSpace Shuttle Atlantis、NASA型名:OV-104)は、NASA スペースシャトルを構成する往還船モジュール=スペースシャトル・オービターとして計5隻建造された姉妹船(sister ships)の4番船である。船名「アトランティス」は、1931年から1964年までウッズホール海洋研究所で使用された調査船に由来する。

Atlantis
OV-104
スペースシャトル・アトランティス
STS-122で打ち上げられるアトランティス
型名OV-104
アメリカ合衆国
契約1979年1月29日
名の由来RV Atlantis
現況退役
初飛行STS-51-J
1985年10月3-7日
最終飛行STS-135
2011年7月8日-21日
ミッション数33回
乗客数191人
宇宙飛行
総時間
306日12時間58分27秒(STS-135終了時)
軌道数4,848周
飛行距離125,935,769マイル (202,673,974 km)(STS-135終了時)
輸送衛星14機
ミールとの
ドッキング
7回
ISSとの
ドッキング
12回
アトランティス (オービタ)

1985年10月3日STS-51-Jにて初飛行を行った。 2011年7月8日から7月21日までのSTS-135が最終飛行で、スペースシャトル計画における最後の飛行ともなった。

1995年にはロシア宇宙ステーションミール」の修理のために、米露の宇宙船が1975年以来初めてドッキングした。

改良により、実用シャトル初番船「コロンビア」よりも3トン軽量化され、建造期間も短縮されている。

事故で失われた「チャレンジャー[1]とともに、日本人宇宙飛行士が搭乗することなく退役した[2][3]

2011年に最後の飛行を終えて退役した。その後はケネディ宇宙センターの組立棟に保管されていたが、2012年11月に展示施設に輸送された。2013年7月より一般公開されている[4][5]

ミッション

年月日任務名備考
1985年10月3日STS-51-J初飛行。国防総省扱いのミッション。DSCS-3通信衛星2機を放出。
1985年11月26日STS-61-B3つの通信衛星を放出:MORELOS-B, AUSSAT-2 及び SATCOM KU-2。
1988年12月2日STS-27国防総省扱いのミッション。Lacrosse-1レーダー偵察衛星を放出。耐熱タイル破損発生
1989年5月4日STS-30金星探査機マゼランを放出。
1989年10月18日STS-34木星探査機ガリレオ放出。
1990年2月28日STS-36国防総省扱いのミッション。Misty-1偵察衛星を放出。
1990年11月15日STS-38国防総省扱いのミッション。SDS-2データ中継衛星を放出。
1991年4月5日STS-37コンプトンガンマ線観測衛星(CGRO) 軌道投入。
1991年8月2日STS-43TDRS-5 を軌道投入。
1991年11月24日STS-44国防総省扱いのミッション。DSP-16早期警戒衛星を放出。
1992年3月24日STS-45Atmospheric Laboratory for Applications and Science (ATLAS)-1ミッション
1992年7月31日STS-46回収用衛星ユーレカ(EURECA)放出。
1994年11月3日STS-66ATLAS-3ミッション
1995年6月27日STS-71宇宙ステーション ミールとシャトルとの初ドッキング
1995年11月12日STS-74ミールとの2回目のドッキングミッション。ミールのドッキングモジュールを運搬。
1996年3月22日STS-76ミールとの3回目のドッキングミッション。シャノン・ルシッドのクルー交代を含む。
1996年9月16日STS-79ミールとの4回目のドッキングミッション。シャノン・ルシッド 及び ジョン・ブラハのクルー交代を含む。
1997年1月12日STS-81ミールとの5回目のドッキングミッション。ジョン・ブラハ 及び ジェリー・リネンジャーのクルー交代を含む。
1997年5月15日STS-84ミールとの6回目のドッキングミッション。ジェリー・リネンジャー 及び マイケル・フォールのクルー交代を含む。
1997年9月25日STS-86ミールとの7回目のドッキングミッション。マイケル・フォール 及び デヴィッド・ウルフのクルー交代を含む。
2000年5月19日STS-101国際宇宙ステーション組立ミッション(2A.2a)。
2000年9月8日STS-106国際宇宙ステーション組立ミッション(2A.2b)。
2001年2月7日STS-98国際宇宙ステーション組立ミッション(5A)、デスティニー実験モジュールを輸送。
2001年7月12日STS-104国際宇宙ステーション組立ミッション(7A)、クエストエアロックを輸送。
2002年4月8日STS-110国際宇宙ステーション組立ミッション(8A)、S0トラスを輸送。
2002年10月7日STS-112国際宇宙ステーション組立ミッション(9A)、S1トラスを輸送。
2006年9月10日STS-115国際宇宙ステーション組立ミッション(12A)、P3/P4トラスを輸送。
2007年6月8日STS-117国際宇宙ステーション組立ミッション(13A)、S3/S4トラスを輸送。
2008年2月7日STS-122国際宇宙ステーション組立ミッション(1E)、コロンバスを輸送。
2009年5月12日STS-125ハッブル宇宙望遠鏡の最後のサービスミッション(HST-SM4)。
2009年11月16日STS-129国際宇宙ステーション組立・補給ミッション(ULF-3)、ELC 2台を輸送。
2010年5月14日STS-132国際宇宙ステーション利用補給ミッション(ULF4)、ロシアのモジュール(MRM1)を輸送。
2011年7月8日STS-135スペースシャトル計画における最終飛行

関連項目

このほかに模型のパスファインダー(Pathfinder) もオービタとしてカウントされることがある。

その他

  • 映画「スペースキャンプ」では、テスト中の事故により、少年少女達が搭乗したまま宇宙へ打ち上げられてしまうという設定で登場する。また実物の打ち上げ時の映像が使用されている。
  • 映画「アルマゲドン」では、序盤に流星群の被害を受けて爆発したシャトルとして登場している。

脚注

外部リンク