ウィガン・アスレティックFC

イングランドのサッカークラブ

ウィガン・アスレティック・フットボール・クラブWigan Athletic Football Club [ˈwɪɡən])は、イングランド北西部・マンチェスター郊外の都市ウィガンをホームタウンとする、プロサッカークラブ。2023-24シーズンからはEFLリーグ1に所属する。

ウィガン・アスレティックFC
原語表記Wigan Athletic Football Club
愛称The Latics
The Tics
クラブカラー   
   
創設年1932年
所属リーグEFLリーグ1
所属ディビジョン3部(2023-24)
昨季リーグ順位24位(2022-23
ホームタウンウィガン
ホームスタジアム
DWスタジアム
収容人数25,138
代表者イングランドの旗 ジョー・ロイル
監督スコットランドの旗 ショーン・マロニー
公式サイト公式サイト
ホームカラー
アウェイカラー
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

概要

当時の下位カテゴリーに当たる3部リーグ所属のウィガン・ボロが経営危機に陥り、前年に消滅した事に伴い、1932年に創立された。

1978年にプロリーグに昇格。マンチェスター・ユナイテッドマンチェスター・シティボルトン・ワンダラーズと同じ地域でありながら、ウィガンだけは元来ラグビー(厳密にはラグビーリーグ、日本で言うラグビーはラグビーユニオン)の強い土地柄であり、サッカーはトップリーグに縁がなく、地元のラグビーリーグチームであるウィガン・ウォリアーズの成功とは対照的に影の薄いチームであった[要出典]。非常に貧乏なクラブで、当時所属していた3部の中でも見劣りしていた。

JJBスタジアム

1995年2月、デイヴ・ウィーランがオーナーに就任。この人物は、イギリス全土に展開する大型スポーツ用品店チェーンJJBの創業者で、JJBを売却後、現在はDWスポーツという用品店チェーンを経営しており、その資産は500億を超えるとも言われる。1996-97シーズンにディヴィジョン3(実質4部)で1位となり、ディヴィジョン2(実質3部)昇格を決めたが、翌シーズン以降もそれほど成績はパッとせず、中位を維持するだけであった。

2001年、新築のJJBスタジアムに移転。ポール・ジュエルが監督に就任してから、ウィガンは本気でプレミアリーグへの昇格を目指すこととなる。潤沢な資金力で、急速にチーム力を上げ、2002-03シーズンにはチャンピオンシップ(実質2部)に昇格。2004-05シーズンには同ディビジョンで2位となり、2005-06シーズンにクラブ初のプレミアリーグ昇格を果たした。

ウィガンは「イングランドの最上位リーグから一度も降格したことのない唯一のクラブ」であった。その急速な躍進は、同時期に巨大資産を持つオーナーが就任したチェルシーに例えられ、「チャンピオンシップリーグのチェルシー」とも揶揄された。プレミアリーグ昇格後も積極的に補強を行い、現代の昇格チームとしては異例ともいえる10位でシーズンを終え、大躍進の1年となった。

2006-07シーズンは終始残留争いを強いられるも、最終節で勝利し、2年連続の残留を決めた。ウィガン躍進の功労者ジュエルはシーズン終了後に辞任し、後任にはコーチを務めていたクリス・ハッチングスが昇格したがわずか6ヶ月で解任、11月にバーミンガム・シティからスティーヴ・ブルースを引き抜いた。

ホームスタジアムであるDWスタジアムはラグビーリーグチームのウィガン・ウォリアーズも使用している。前述の通り、ウィガンは古くからラグビーの町であり、ウィガン・ウォリアーズは、これまで数々のタイトルを獲得している強豪である。

2012-13シーズン、FAカップで快進撃を見せ、決勝でマンチェスター・シティを破り初優勝を成し遂げる。しかしリーグでは不振が続き、第37節でアーセナルに1-4で敗れ、8季連続で守ってきたプレミアリーグからの降格が決定した。2013年6月5日、ロベルト・マルティネス監督はクラブを去り、4年契約でエヴァートンの監督に就任した[1]

2013-14シーズンはチャンピオンシップで5位となり昇格プレーオフ出場権を得たが、準決勝でクイーンズ・パーク・レンジャーズに敗れた[2]

2014-15シーズンはウーヴェ・レスラーが2014年11月13日に解任され[3]、後任にはマーキー・マッカイが就任した。2015年3月3日、ウィーランが会長を辞任し、孫のデイヴィッド・シャープが会長を引き継いだ[4]。2015年4月6日にホームでダービー・カウンティに0-2で敗れて残留圏との勝ち点差が8となり、シーズン残り5試合を残してマッカイは解任され、後任には元キャプテンのガリー・コールドウェルが就任したものの[5]、4月28日、21位のロザラム・ユナイテッドレディングに2-1で勝利したため、シーズン残り1試合を残してリーグ1への降格が決定した[6]

2017年6月、ポーツマスリーグ2優勝に導いたポール・クックが監督に就任した[7]。2017-18シーズン終了後、香港に拠点を置くInternational Entertainment Corporation(IEC)が2200万ポンド(約30億円)でクラブを買収した[8]

2020年7月、破産を申請[9]。ペナルティとして勝ち点12が剥奪され、24チーム中23位となりリーグ1降格が決まった[10]

2020-21シーズンは、残留ぎりぎりの20位で終わるが、翌2021-22シーズンは一転して4シーズンぶりの優勝を果たし、3シーズンぶりにチャンピオンシップへ復帰した。

2022-23シーズンはシーズンを通して苦戦が続き、4月29日のレディング戦は1-1の引き分けで終わった為リーグ1降格が決まった[11]

歴史とエピソード

  • 初昇格の2005-06プレミアリーグでの開幕戦は前年王者であるチェルシーをホームに迎えての一戦となった。ここでウィガンはチェルシーを完全に圧倒し、試合を支配していた。しかし、両者ともに得点は入らず、試合終了直前にチェルシーのエルナン・クレスポが決勝点を叩き込み、試合終了となった。圧倒的に攻めていたウィガンにとっては大金星を逃し、残念な開幕戦となった。クレスポの得点の後に、チェルシー監督のジョゼ・モウリーニョがウィガンのポール・ジュエル監督に歩み寄り声をかけている。試合終了後のモウリーニョ監督のコメントは、「どちらが王者で、どちらが昇格チームかわからないほどだった」と述べている。ジュエル監督は終了後の記者会見の場で、モウリーニョ監督から「なんて不公平な結果だ」と声をかけられ、「人生やサッカーとはそういうものさ」と答えたことを記者達に向けて発言し、最後に「しかし我々は胸を張って次戦に臨める」と答えた。

クラブ各種記録

一試合最多観客動員数

一試合最多得点勝利試合

  • 7-1 vs スカーバラ 1997.3.11

一試合最多失点敗戦試合

タイトル

国内タイトル

  • FAカップ:1回
    2012-13
  • フットボール・セカンドディヴィジョン / EFLリーグ1:4回
    2002-03, 2015-16, 2017-18, 2021-22
  • フットボールリーグ・サードディビジョン:1回
    1996-97
  • フットボールリーグトロフィー:2回
    1984-85, 1998-99
  • ノーザンプレミアリーグ:2回
    1970-71, 1974-75
  • ノーザンプレミア・カップ:1回
    1971–72[12]
  • ノーザンプレミア・シールド:3回
    1972–73, 1973–74, 1975–76[13]
  • ランカシャー・コンベイション:4回
    1947-48, 1950-51, 1952-53, 1953-54
  • チェシャーリーグ:4回
    1933-34, 1934-35, 1935-36, 1964-65

国際タイトル

  • なし

過去の成績

シーズンリーグFAカップリーグ杯欧州カップ / その他最多得点者
ディビジョン順位選手得点数
1998-99ディビジョン2462210147548766位2回戦敗退2回戦敗退FLトロフィー優勝スチュアート・バーロウ19
1999-0046221777238834位3回戦敗退2回戦敗退FLトロフィー2回戦敗退18
2000-0146191895342756位2回戦敗退2回戦敗退FLトロフィー2回戦敗退サイモン・ハワース11
2001-024616161466516410位1回戦敗退1回戦敗退FLトロフィー1回戦敗退アンディ・リデル18
2002-03462913468251001位3回戦敗退準々決勝敗退FLトロフィー2回戦敗退16
2003-04ディビジョン1461817116045717位3回戦敗退3回戦敗退ネイサン・エリントン18
2004-05チャンピオンシップ46251297935872位3回戦敗退1回戦敗退24
2005-06プレミアリーグ381561745525110位4回戦敗退準優勝アンリ・カマラ12
2006-07381082037593817位3回戦敗退2回戦敗退エミール・ヘスキー8
2007-083810101834514014位4回戦敗退2回戦敗退マーカス・ベント7
2008-09381291734454511位3回戦敗退4回戦敗退アムル・ザキ10
2009-1038992037793616位4回戦敗退2回戦敗退ウーゴ・ロダジェガ10
2010-11389151440614216位4回戦敗退準々決勝敗退シャルル・ヌゾクビア
ウーゴ・ロダジェガ
9
2011-123811101742624315位3回戦敗退2回戦敗退フランコ・ディ・サント9
2012-1338992047733618位優勝4回戦敗退アルナ・コネ11
2013-14チャンピオンシップ462110156148735位準決勝敗退4回戦敗退ヨーロッパリーググループステージ敗退ニック・パウエル
ジョルディ・ゴメス
7
2014-15464142836912624位3回戦敗退1回戦敗退ジェームズ・マクレーン6
2015-16リーグ146241578245871位1回戦敗退1回戦敗退FLトロフィー準決勝敗退ウィル・グリッグ28
2016-17チャンピオンシップ4610122440574223位4回戦敗退1回戦敗退7
2017-18リーグ14626868127541位準々決勝敗退2回戦敗退EFLトロフィーグループステージ敗退26
2018-19チャンピオンシップ4613132051645218位3回戦敗退1回戦敗退ジョー・ガーナー
ニック・パウエル
8
2019-2046151417575647[注釈 1]23位3回戦敗退1回戦敗退キーファー・ムーア10
2020-21リーグ1461392454774820位1回戦敗退1回戦敗退EFLトロフィーグループステージ敗退ウィル・キーン12
2021-2246271188244921位4回戦敗退3回戦敗退EFLトロフィー準決勝敗退26
2022-23チャンピオンシップ46101521386539[注釈 2]24位3回戦敗退1回戦敗退12
2023-24リーグ1461回戦敗退EFLトロフィー

欧州の成績

現所属メンバー

2020年10月16日現在

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No.Pos. 選手名
1GK ジェイミー・ジョーンズ
3DF トム・ピアース
4DF カーティス・ティルト
6DF ダーネル・ジョンソン
7MF カル・ネイスミス
8MF リー・エヴァンズ
10MF ウィル・キーン
11FW ギャヴィン・マージー
12MF マット・パルマー
14FW ジョー・ガーナー
15MF ダン・ガードナー
17FW ヴィヴ・ソロモン=オタボー
19FW オリー・クランクショー
No.Pos. 選手名
20DF エメカ・オビ
22FW カイル・ジョセフ
23MF クリストファー・メリア
24MF アレックス・ペリー
25GK オーウェン・エヴァンス
26FW チャーリー・ジョリー
27DF トム・ジェームズ
28FW ディヴィン・バニンギメ
30MF テオ・アースゴーア ( )
31GK サム・ティックル
32DF アダム・ロング
37DF パトリック・ウェバー
監督
  • リアム・リチャードソン

※括弧内の国旗はその他の保有国籍を、星印はEU圏外選手を示す。

ローン移籍選手

in

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No.Pos. 選手名
4DF カーティス・ティルト (ロザラム)
6DF ダーネル・ジョンソン (レスター)
No.Pos. 選手名
12MF マット・パルマー (スウィンドン)
27DF トム・ジェームズ (ハイバーニアン)
out

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No.Pos. 選手名
No.Pos. 選手名

歴代監督

期間氏名
1993-1994 ケニー・スウェイン
1994-1995 グレアム・バロー
1995-1998 ジョン・ディーハン
1998-1999 レイ・マサイアス
1999-2000 ジョン・ベンソン
2000-2001 ブルース・リオ
2001 スティーヴ・ブルース
2001-2007 ポール・ジュエル
2007 クリス・ハッチングス
2007-2009 スティーヴ・ブルース
2009-2013 ロベルト・マルティネス
2013 オーウェン・コイル
2013-2014 ウーヴェ・レスラー
2014-2015 マーキー・マッカイ
2015-2016 ガリー・コールドウェル
2016-2017 ワーレン・ジョイス
2017-2020 ポール・クック
2020 ジョン・シェリダン

歴代所属選手

GK


DF


MF


FW


脚注

注釈

出典

外部リンク

公式
ニュース
その他